二次創作小説(紙ほか)

Re: 東方tale ( No.8 )
日時: 2018/01/07 13:35
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

博麗神社。

「…よぉ久しぶりだな霊夢」
霊夢は箒を止め、顔を上げた。

「諫(いさみ)久しぶりね。それと珍しいじゃない、アンタが
 自分からここに来るなんて、怪斗」
「そうか?」
「ホントだぜ、宴会があるって知らせても一度も来たことが
 ないだろ?」
魔理沙は霊夢から出されたお茶を飲んだ。

「そういえば霊夢…」
「何よ諫、来る途中でなんかあった?」
諫は後頭部に手を当て少し言いづらそうに話し出した。

「いやな、下っ端だろうが襲われたんだよ、黒服に鎌を持ってたし
 俺は死神と見たぜ、全員冥力を持ってたし…」
諫はその死神たちに色々と吐かせたらしい。
その中の言葉でこれは異変だと裏付ける言葉があったらしい。
リーズ様が幻想郷を冥界に変える。

そう言っていたらしい。
「そういえば怪斗、お前も襲われたのか?」
「俺も一緒にいたからな、一人に吐かせた」

怪斗が聞いた言葉はこうだったらしい。
お前らはあの方たちに勝てない。

どうやら相手は相当実力を持っているらしい。
「仕方ない、紫いるんでしょう?天狗の奴らに調べてこいって
 伝えて」
返事はないがそこにあった妖力がスゥっと消えた。


その後日から天狗たちが情報収集に動き始めていた。


Re: 東方tale ( No.9 )
日時: 2018/01/07 14:26
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

夜中。
月明かりに照らされた一人の青年が立っていた。
銀髪に青い右目、左目には眼帯を付けているものの美青年とも
言えるほど綺麗な顔立ちをしていた。

「…これは、敵とみなしていいのかな?」
黒い光の光子となり消えていく下っ端を無視しフードを目深にかぶった
男の方を見た。

「…?君も目が悪いの?」
「いや俺はそういうわけじゃないが、まぁそんなことは
 どうでもいいんだよ!ヨル・ニール、お前の実力がどれだけのモノか
 見させてもらうぜ!」
「アス、だっけ?君が思ってるほどの実力は持ってないよ。
 まぁそれでも諦めてくれそうもないし少しだけ、ね」
ヨルは片手に槍を持った。
アスの鎌には白い電気が走っていた。

ヨルは目を細め、早速どうするべきか策を立て始めた。
鎌と槍がぶつかる。アスは疑問に思ったところがあった。

「(普通なら槍を通して奴は感電してもおかしくないはず。
 なのに感電どころか痺れすらないみたいだな)」
「(土の属性が扱えるなら厄介な電気もどうにかなりそうだね。
 でもあまりこの辺で騒ぎは起こしたくないかな)
“海獣「ねじれレヴィアタン」”」
ヨルが槍を手放すと槍は水の竜になり電気を纏った。

「魔術、か…」
「…流れろレヴィアタン」
レヴィアタンが電気が通った水になり滝のようにアスに流された。

Re: 東方tale ( No.10 )
日時: 2018/01/07 14:41
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「…ッ、やってくれるぜ」
周りを見回すがヨルの姿はなくなっていた。
「ヨル・ニール、か…だがおかしいな。あっちじゃ女のはずだったんだが
 あの姿は男だった…変身魔法ってところか?まぁ考えても
 無駄か」

 ■

紅魔館。
「…へぇじゃあまた異変が起こるかもってことね」
レミリアと話していた少女は左目を前髪で隠していた。
「それにしても流石ですね。実力も相当なモノと貴方が言う程の
 相手に一撃与えるなんて流石としか言えませんよ
 ——ヨルさん」
そうレミリアたちと話していた明るい少女は昨晩アスと戦っていた
ヨル・ニールだったのだ。
「いやーたまたまだってー!」

エルの疑問を察したのかヨルはエルに説明した。
「あーもしかして新聞とかで見たの?」
「ッ!あ、あぁその写真と同一人物だとはとても…」
「よく言われるんだよね。今は良いんだけど普段は名前を変えてるの。
 この姿の時はラスって名乗ってるんだよ」
「そ、そうか…」
「あ、じゃあ私はこれで…じゃあねレミリアちゃん達!!」

Re: 東方tale ( No.11 )
日時: 2018/01/07 19:11
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

夕暮れ時、博麗神社からは赤い夕陽が見えている頃。
「…!?諫兄さん」
「え?兄さんって…」

諫も二人に手を振った。

 ◇

「…あぁ、リムが昔に来た時アイツはいなかったからね。知らないのも
 当たり前だったわね」
「うん最初にそういうこと気付こうか」
数分話を聞いていて霊夢たちはやっとリムがポカンとした顔をしている
事に気が付き今この話になっている。

「なぁ霊夢、コイツがお前の言ってた奴か?」
「え、えぇそうよ。彼女は平海 璃夢よ。リム、紹介するわ
 彼は卯月 諫、剣術と魔術を扱っているわ」
遠距離戦闘もできさらに剣術を使えるというなんてハイブリッドな!
と思いつつリムは自己紹介した。
「平海 璃夢です、よろしくお願いします」
「改めて卯月 諫だ、よろしくリム」

 ■

「リーズ!!」
右目の部分だけ欠けた仮面をつけた男リーズの耳に
アスの慌てた声が聞こえた。
「どうしたんだアス、らしくもないな」
「そうだな、リーズさんの言う通りだぜアスさん」
茶色の髪をした男がヘラヘラしながら言った。
その男はミクロと言った。

「あー実はな、エルの方は良いんだがもう一人な」

Re: 東方tale ( No.12 )
日時: 2018/01/07 20:03
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「…?こんな人間の娘が?」
濃い緑色のロングヘアの女死神ユエが写真を見て疑問を浮かべた。
もう一人銀髪のボブヘアの女死神イブも同じだった。
「あぁ、平海 璃夢といっていたな。そして一番注意すべきは
 エルと同じく複数の力を持っている。彼の場合はまだちゃんと
 扱いきれていないモノもモノあるが彼女は霊力、妖力、魔力、
 神力を完ぺきに使いこなしている」

その言葉に全体がざわめく。
こんな平和ボケしたような笑顔を浮かべる少女にそんな力が
あるとはだれも思いはしないだろう。
「さらに彼女は見た技を即席でアレンジしスペルにすることが
 できてしまう」

 ■

「“子守唄・安眠の一時”」
手に持っていた短刀の刀身を二回指ではじくと音は白い波紋のように
辺りに広がり妖怪を眠らせた。
リムが新たに力を借りようと考えたのは鷹咲 明楽の力だ。
彼のスペルカードのほとんどは刀身を弾くことで発揮する。
それに彼は物を操る程度の能力がある、それは自身を中心に
半径10mにあるありとあらゆるものを操る、というものだ。

「…こんな感じだ、どうだ?何か思いついたか?」
「はい、思いつきました!とりあえずやってみます!」
一息つき、明楽はリムに短刀を貸した。

「“子守唄・永眠の響き”」
白と水色の音の波紋が妖怪に触れると妖怪が目を覚まし
リムは
「帰宅」
と一言言ったすると妖怪はスタスタと帰っていった。

Re: 東方tale ( No.13 )
日時: 2018/01/07 20:34
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「ぐぬぬ、やっぱり当たりませんね」
ルミネは色鮮やかな弾幕を放ちながら呟いた。

「紅魔館が、それも吸血鬼がこんな弱い者を雇うとは正直
 腰抜けね」
死神のフワ、その女には弾幕を当てることが出来なかった。
それでもルミネは諦めようとはしなかった。
今、紅魔館内を守れるのは自分だけ、他はみんな出かけていた。

「レミリアさんたちを悪く言わないでください!
“誠実「アメジストオーシャン」”」
紫に輝く大きな宝石はゆっくりゆっくり前進していく。
誰もが避けるのは簡単と思う弾幕だろう。
だがそれが命取りになる、というものだ。
「貴方、舐めてるのかしら?こんな遅い弾に当たる者がいるはずが
 ないでs———ッ!?」
透けた紫に輝く欠片が彼女を襲った。
フワは油断しているせいでルミネの言葉を聞いていなかった。
「私はさっきちゃんと言ったではないですか。
“酔い覚まし”と…だから今、貴方は油断という酔いが覚めたでしょう?
 貴方のその言動に言うことがあるなら油断大敵です」

「舐めた口を…いいわ、見せてあげる!」
フワは鎌を一振りした。
するとガクッとルミネは膝をついた。
「なっ!?」
さらに鎌を一振りしついにルミネはうつ伏せに倒れた。
「良いザマね」
フワは倒れたルミネを蹴り上げた。
「ぐあぁっ!」
ルミネは蹴られた箇所を抑えうずくまりながらもスペルを
握る。
「スペル、カード!“救済「アイオライトの加護」”」
ルミネの身体を濃い青色の光が包み込む。
するとルミネはスッと立ち上がった。
「私は…戦わなければならないのです!」

Re: 東方tale ( No.14 )
日時: 2018/01/07 20:50
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「スペルカード!“友情「シトリン・グングニル」”」
ルミネの手に黄色の水晶で出来たグングニルが握られている。
地面を蹴りフワに斬りかかる。
「調子に乗らないでくれるかしら?ほとんで戦闘をしたことがない
 貴方に負けるような私ではないのよ?なんでこう力がない者に
 限ってこんな愚かなのかしら」
「私に聞いても分かりませんよ。でも私は弱くても時間稼ぎだけでも
 したいだけなのです!私に勝ったところで貴方は負けますよ」
ルミネは笑いスペルカードを使う。
「スペルカード!“不屈「ターコイズチェイン」”」
「くっ、これは…!!」
美しい空色の宝石が幾つも繋がりフワを拘束する。

「…死神、よくもやってくれたな」
「ッ!?」
「え、エルさん!?それにレミリアさんたちまで!?」
扉を通ってレミリア、フラン、咲夜、エルが館内に入ってくる。
「ルミネやるじゃない!あまり戦闘をしたことがないのに
 この死神とやり合うなんて」
「ルミネ、後は俺たちに任せろ」
ルミネは頷こうとするもすぐに首を振った。
シトリンのグングニルを握りエルの隣に立った。
「私にも、手伝わせてください!」
「ッ!?あぁ分かった!」

二人のやり取りを見て咲夜が聞いた。
「成功の保証は?」
「ラピスラズリがちゃんと保証してくれますよ」

Re: 東方tale ( No.15 )
日時: 2018/01/07 22:24
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


傷を負いアスとミクロ、ユエとイブは本拠地へと帰ってきた。
霊夢と途中から乱入してきたイレギュラーな存在の勾時により
負った傷だった。
「にしてもアス様、あの勾時という男…博麗と名乗っていましたが」
ユエの言葉にアスは顎に手を当て考えた。
「あぁ俺も知らなかった。それにあの二人は霊力を扱うはずなのに
 二人は神力と同等に扱う才能でもあるのか?それに勾時という男
 霊力に加え極少数妖力が紛れていた」
戦っている途中、本当に少数だが勾時から妖力が紛れていた。

恐らく一度、妖力を体に取り込んだことがあるのだろう。

 ■

そのことがあった次の日の博麗神社。
「ハァ、全く何でアイツらこんなところに来たのかしら?
 おかげで怪我しちゃったじゃない!!」
霊夢の膝などには絆創膏が貼ってあった。
「まぁいいじゃねえか霊夢。俺は久しぶりにあんな戦ったから
 結構なケガしたけどな」
勾時の場合はさらにヒドく肘や膝に包帯がぐるぐる巻かれていた。
そのケガを見る。
そしてあの時の戦いを振り返り勾時は改めて自分の無力さを
実感していた。

「よぉよぉ、どうしたんだよ勾時!浮かない顔してさ!」
肩に手を回してきたのは笑顔を投げかける響樹だった。
「珍しいじゃない響樹だけで来るなんて」
「そうか?それよりも勾時、兄貴がそんな顔でクヨクヨしてるなんて
 情けねえぞ?」
「…そうだな」

Re: 東方tale ( No.16 )
日時: 2018/01/08 09:43
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「まさかホントに死神が襲ってくるなんて、ルミネがいなかったら
 やられてたかもしれないわね」
「あぁ今回はルミネに感謝だな、戦闘経験があまりないって言ってたけど
 全然強いじゃないか」
「そ、そんなことはないですよ、私が得意なのはみなさんの
 サポートですから。でも役に立てたのなら良かったです」
ルミネは胸ポケットから袋を取り出した。

「あのこれ…エルさんに」
エルは袋を開け中身を見た。
中身を取り出すと暗い赤色のダイヤのネックレスだった。
ルミネも同じものを付けていた。
「私の能力でガーネットのネックレスを作ったんです。
 その言葉にするのには勇気が必要だし…ガーネットの石言葉
 調べてください」
レミリアはルミネに小さく「よく言った」と呟いた。

 ■

「え?ガーネットの石言葉?」
エルが後日調べるためにやって来たのはリムの元だった。
「色々あるけどルミネさんがガーネットを渡した理由は真実の愛って
 石言葉だからじゃないかな?」
「…というと?」
「うーん…私と付き合ってください、かな?」
エルは片手で赤面した顔を覆い隠した。