二次創作小説(紙ほか)

Re: 東方tale ( No.17 )
日時: 2018/01/08 10:28
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


足場の悪い道を風のようにエルは駆け抜けていた。
段々と近づくと強い冥力が四つ、消えかけている魔力が一つ。

そして足を止めた。
束ねた黒髪、魔力を帯びた剣…血を流し倒れる諫だった。
「諫、兄さん…そんな…」
四人に二人は囲まれその四人を睨む。

ユエとイブとミクロ、そしてアス。
その四人とエルは対峙した。

「やっと会えたかエル…まぁ俺的にはもう一人会いたい奴が
 いるんだがいいか…」
「で、アス様。この人間も殺すのですか?」
イブは鎌を回しながら聞いた。
「まぁ挨拶程度に、な…」
そう言った頃にはすでにエルの攻撃が始まっていた。
アスが逃げろという前に三人の足元から太いレーザーの柱が
昇った。
それも神力のレーザーであり三人にとってはかなり痛い一撃だった。

「馬鹿野郎…ちゃんと話聞けよ!」
アスはエルに向けて鎌を振るうも瞬間、エルが消えた。
そしてすぐ何かが自分の背中に掌を当てているのが分かった。
「“「フォーカススパーク」”」
「させるかぁーーーーー!!」
イブの声に驚き技を解除してしまったが、鎌を振りかぶったイブは
細いレーザーに当たり吹き飛ぶ。

「まさか…」
「…なんでここに…!?」
短い黒髪に黒いベスト、そして白いショートブーツ、紺色の
ブラウスを着たリムは諫に近づいた。

Re: 東方tale ( No.18 )
日時: 2018/01/08 10:46
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「三人とも、後は俺に任せてくれ。流石に二人を相手にそのケガで
 太刀打ちはできないだろうしな…それともう少し待ってくれと
 奴に伝えておいてくれ」
三人は黒い靄に包まれ消えていき残ったのはアスとエル、リム。
エルは少し警戒しているようだがリムは何かを理解したようだ。
「エルさん…」
エルの耳元で囁く。
「たぶん戦うためじゃないと思う。戦うため、それも私たちを
 殺すためだったら一人ではやらないと思うし‥‥」

それを聞き仕方なく警戒を解いた。
「…まだ息はしてるな」
アスはそう言うと諫のケガを治していく。
その後に二人の方を向いた。
「俺は一度、外の世界で仕事をしたことがある。そこで一人の
 女の子と老夫婦の魂を導いた。一人の少女は俺にこう頼んだんだ、

『エルを見守って助けてほしい。心配で仕方ない』ってな」
「ッ!?」
「そして老夫婦はどちらも

『幻想郷に行った孫を守ってほしい、他人に頼むことでは
 無いけれど…』ってな。それで一番驚いたんだよ、その孫の
 お前に」
リムの方を向いた。
「私?」
「あの夫婦は俺の姿が見えてたらしいし、お前なら、お前たちなら
 俺たちを倒せるかも知れない。一週間後、その日が俺たちが
 ぶつかり合う日だ」

細い何かがエルの首筋に刺さるとエルはすぐに倒れた。

Re: 東方tale ( No.19 )
日時: 2018/01/08 11:56
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


倒れている二人を見てリムは溜息をついた。
特別力持ちでもないしエルだけならまだどうにかなりそうだが
身長差の激しい諫はどうにかなりそうもない。
流石に引きずっていくわけにもいかない。

「…お前は?」
「え、あ平海 璃夢です。丁度ここに居合わせてしまって…
 じゃなくて!よかった、エルさんはどうにかなりそうでしたが
 諫さんは流石に大変かなー、と思っていたところで」
諫と同じく長い黒髪だが彼は下の方に束ねていた。
「リム、か…葉弓 白阿だ、よろしく。それと諫の方だったな。
 お前はソイツを頼む、諫は俺がやっとくから」
「ありがとうございます」

 ■

博麗神社。
霊夢は諫の手当てを終えた。
「あんまり重傷はなかったわね。擦り傷とかがあるだけ…
 それとリム、なんか知ってるんでしょう?」
「う、うん…一週間後、一週間後に戦いのときが来るってさ」
霊夢たちが何かを考え始める。

「霊夢、布団は敷いておいたぞ。この二人を寝かせておけば
 いいんだよな?」
「えぇ、寝かせといて」
勾時は二人を布団を準備した部屋に運んだ。

Re: 東方tale ( No.20 )
日時: 2018/01/08 13:53
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「あら目が覚めるのが早いわね諫」
腕や腰などに包帯を巻かれた諫は白阿の隣で胡坐を掻いた。

「まぁな、それと心配かけて悪かったな。結界を張ったのは
 リムなんだろう?」
「へ?け、結界ぃ???は、ハハハハ。私は知りませんよー(;'∀')」
「嘘つけ。もし戦闘になったら俺を巻き込まないように
 張ったんだろう?分かってんだぞ?」

確かに結界を張ったのはリムだったようだが本人は自分ではないと
何度も否定する。
その様子を見て霊夢が深いため息をついた。
「全く、リム。いい加減認めなさいよ」
「そ、そんなこと言ったって〜〜〜〜」

部屋から物音がした。
「全く二人揃って人を心配させるようなことして…」
「まぁまぁ無事なんだし良いじゃん。それにちゃんとリベンジできるが
 あるんだからさ」

 ■

霊夢とリム、二人だけが博麗神社に残っていた。
「…リム、一週間後が不安?」
「…うん、だってあまり戦えないし足引っ張っちゃったら
 どうしようって思うと…」
「大丈夫よ。貴方がピンチになったら助けるわ。…何よその
 不安げな顔!私は嘘つかないわよ」


Re: 東方tale ( No.21 )
日時: 2018/01/08 16:37
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「“繋符「レヴェリースパーク」”」
マスタースパークは直線に進んでいく。
もちろん死神には避けられてしまうかもしれないが繋符の
スペルカードはその保険もちゃんとしている。
白阿は五連続で斬撃を放ちレーザーを破壊した。
それで終わったと思った。だがリムは片足のつま先で
地面をトンッと触れた。
すぐに白阿の足元に七色の大きな魔方陣とその魔方陣の周りに
小さな七つの魔方陣が現れ閉じ込めるようにそれぞれ七色の
レーザーが上に昇った。
そして真ん中からは大きな七色の陰陽玉の柄をした星弾が上に
昇っていく。

「(これは…魔力と霊力か)」
白阿は妖怪で妖力を持つ。
妖力を持つ者にとって最大の弱点は霊力だろう。
そのためさっきの攻撃は一番効いたようで少し足元がおぼつかない。

 ■

斬月はリーズと対峙していた。
二人は互いに鎌と刀を構え重い空気が流れていた。

同時に二人がぶつかり合った。
「剣術・白拍子」
二人が距離を取った後、ゆっくりと斬月は刀を横に振るった。
すぐ後にリーズの胴体から大量の血が流れた。
「ッ!?」

それも微かではあるが神力が混ざっていたため修復に手間取っていた。
そんな深い傷を負っても微動だにしていなかった。
























Re: 東方tale ( No.22 )
日時: 2018/01/08 17:37
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「炎神・鬼神蚩尤」
リーズが鎌を横に振るうと大きな炎を纏った人型の怪物が
姿を現す。
その後、すぐに斬月は神力の膜を全身に施した。

「よく考えたな。膜を張れば熱に耐えることはできる、だが
 それも時間の問題だな」
「……」
段々と握る力が強くなっていき、伝わってくる熱が熱くなっていく。

「剣技・二人大名」
蚩尤の手を切り裂き、リーズの後ろに回り刀で一閃した。

「…ッ、流石にキツイな。今回は引かせてもらうぞ」
それだけ言い残し消える。

斬月は右腕を抑えた。
その手には自身の血が付いていた。

 ■

「マズイぞ、白阿の妖魔風雨は…」
結界内の上空には紫色の幕が張られそこから刀が降り注いでいた。
リムもどうにか避けたり結界で防いだりしてはいるものの
全てを防ぎきることはできていない。
頬や腕には傷ができ、服は所々破けていく。
「どうした?そのままだとお前の負けが決まるぞ」
若干反り気味でガードしているリム。

そこに賑やかな声が聞こえてきた。
「ちょっと、あんた達!!」
「よぉ霊夢、気になって来たら良いモノが見れそうだな」

諫の隣に座ったルミネは何かを察したようだ。
「ちょ、ちょっとみなさん!今、二人とも頑張ってるんですから
 静観してましょうよ!」
その声で全員が静まり全員の目がリムたちの方へ向く。

Re: 東方tale ( No.23 )
日時: 2018/01/08 18:06
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


リムはやっと攻略法を見つけ出した。
「“反攻「リベンジ」”」
無限に出続けるなら無限に攻撃することが出来る。
このスペルはやられたらやり返す倍返しだ!というスペル。
そのことに気付き白阿は技を解除した。
「まさか防御側から攻撃側になるなんてな、想定外だし
 想像もしなかった」
「さぁどんどん行きますよ!こんなに集まってきて
 負けたら恥ずかしいですしね!“妖怪「ぬらりひょんハイド」”」
発動と同時に白阿はリムを切り裂いたはずだったがその刀は
虚空を切り裂いていた。
「なぁっ!?」
「“繋符「強者と弱者の杯」”」
強風が吹き荒れ、見通しが悪くなりリムがどこにいるのか
分からなくなる。
それでも冷静でリムから感じる霊力を追い刀を振るう。
だが彼女を捕らえることはできず、逆に白阿には無数の掠り傷が
できる。

「速い!?この速度は…」
二つのスペルカードの効果が同時に消え、リムは自信満々の笑みを
浮かべた。
「繋符と絆符は幻想郷にいる人たちで関わり合ってる人の
 技を合わせたもの」

「なるほどな、さっきのは諫とエルの技を合わせたってことか」
「えぇ…そしてこれで最後です!
“繋符「イノセントレヴェリースパーク」”」
白阿は刀を構えていただが、今度は七色の陰陽玉が放たれた。
「(簡単だな…)」
だが背後から一人の声がした。
「確かに避けるのは簡単、それが命取りです!」
背後に霊力と魔力が集まっていく。





「…降参、俺の負けだ負け」

Re: 東方tale ( No.24 )
日時: 2018/01/08 18:58
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


結界に出た瞬間。
「うげっ!!?」
霊夢と魔理沙が同時に肩を組んできた。
「やるじゃないリム!結構前なんてそこら辺の妖怪でも
 ビクビクしてたくせに!!」
「白阿に降参って言葉を言わせるなんてな!」
「い、いや偶然だよ!」

「偶々じゃないと思うぜ俺は」
響樹は三人のやり取りに割って入った。
「白阿も言ってたぜ?リムの強さは本物だってな。アイツあまり
 人のことを褒めないんだぜ?アイツをぎゃふんと言わせるほどの
 力があるってことだぜ」

 ◆

「ルミネ」
エルはルミネに声をかけた。
「あ、はい何か?」
「その、これありがとな大事にする…それと俺もルミネのことは
 異性として好きだ…」
「え///」
「これからはよろしく」
エルは片手を出した。その手をルミネはギュッと握った。

すると周りから拍手が起こった。
この日は二人にとって最高の日になったことは誰もが分かった。


そのうち日は沈み、神社は物静かになった。
「…ねぇ兄さん」
「なんだ霊夢。何か不安なことでもあったか?」
霊夢は勾時から感じる霊力以外のことについて聞く。
「霊力以外にも妖力を持ってるの?天騎みたいな半人半妖でも
 ないのに…」
「……長い間、妖刀に支配されてたからな。その妖力が俺の身体に
 入っちまったってところだろ」
「そう…」

Re: 東方tale ( No.25 )
日時: 2018/01/09 13:58
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


異変解決まで後三日。
大体の人物が強くなろうと修行に励む。

そして翌日、異変解決まで残り二日。
人里の人間たちを結界が張ってある博麗神社へ避難させる。

 ■

「…どういう意味だ」
「別に貴方の恋人が消えても良いなら、仲間を連れてくれば?」
イブのその言葉を耳にし、すぐ攻撃に入った。

「先ほどはまんまとやられかけたけど今は私たちの方が
 優勢ね」
エルが後ろに回ったところに鎌が振り下ろされる。
とっさに目を伏せるも鎌は降ろされない。

「…一人で挑むなんて無謀すぎることだ」
ユエの鎌を持つ手を掴み止めていたのは怪斗だった。
「舐めないでよ!」
イブも攻撃に徹するも弾幕に遮られた。

「エル、大丈夫か?」
「遅くなって悪かったな」
上空から二人の魔法使いが降りてくる。
「魔理沙、響樹!?」
「全く……忘れてもらっちゃ困るわ、エル」

弧を描くように霊夢、勾時、レミリア、フラン、咲夜、パチュリー、
ルミネ、天騎、早苗、妖夢、鈴仙たちが。

「よくやってくれたねその悪知恵についてはすごいもんだよ」
「ヨル、そこは褒めるはことではないと思うぞ」
イブたちの後ろには怪斗とヨル、白阿、諫、さとり、こいし、
勇儀、萃香、お空、お燐たちが。
「まぁ僕たちだけじゃない…斬月も、だ」
ヨルは上を指さした。