二次創作小説(紙ほか)

Re: 【宝石の国】パパラチアの弟 ( No.1 )
日時: 2018/01/15 17:56
名前: わよーん (ID: V4RVuUEP)

第1話「友人」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あら珍しいですね。貴方が医務室に来るのは。」

宝石達は日々やってくる月人とほぼ毎日戦っている。そうでなくとも、硬度の低いものは日常の些細なことで割れてしまう。
その為、医務室には多くの宝石が訪れる。
そんな中で、硬度十の彼が医務室に来るのは珍しいことだった。

「イエローダイヤモンド。」

「まあね。といっても俺は治してもらいに来た訳じゃないんだ。」

どこかひびが入っている訳ではない。それならば彼がここに来た理由は明白だった。

「ああ、パパラチアのことですか。」

大方、パパラチアが目覚めたと聞いて飛んできたのだろう。彼らは生まれた年が近い為、よく話したがる。

「正解。目覚めたんだろ?久しぶりじゃんか、少し話したくて。」

嬉しそうに語る彼に、少し申し訳なく感じる。

「一瞬でしたよ。また眠ってしまいました。」

イエローは目に見えて落胆した。

「そうか..わかった。また起きたら教えてくれ。お疲れ様。」

やはり残念そうだ。パパラチアが起きるのを望んでいるのは私だけではない。彼らの為にも私が頑張らないと。

「すみません。私の医術の腕が至らないばかりに。」

「良いんだよ!ルチルには皆感謝してるさ。ルチルみたいに綺麗に治せるやつ、他には居ない。」

「まあ、他にも居て欲しい所です。最近はほぼ徹夜続きですから。」

正直な思いを言う。

「うっ...相変わらずの毒舌だなあ。」

私の失礼な言葉にも彼はたははと笑って返す。

「さすが年寄りは器が違いますね。」

「ルチル!」

さすがに怒られた。

「んー、器というより、昔の酷かったルチルを知ってるからかな。それに比べたら、今は可愛いもんだよ。」

痛い所を突かれてしまった。
唸る私を見て、彼は少し笑った。

「はは、けど頑張り過ぎは良くないぞ。夜も遅いし、そろそろ休めよ。」

「はあ、ありがとうございます。」

「じゃあな。お休み。早く寝ろよ!」

そう言ってイエローは走って行った。相変わらず足が速い。

「もう誰も来ないでしょうし、私もたまには部屋で寝ましょうか。」

私は振り返り、冷たく横たわるパパラチアに囁いた。

「....お休みなさい。パパラチア。」

「良い夢を。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

感想等、宜しくお願いします。
だいたい1話1000文字くらいが目標です。短いですのでその辺はご容赦を。