二次創作小説(紙ほか)

Re: ポケタリアクロニクル-聖戦の伝承-【オリキャラ数名募集】 ( No.21 )
日時: 2018/04/01 12:42
名前: テール (ID: xV3zxjLd)

第二章 海賊の島

テオドール騎士団を乗せた船は、朝日が昇った時に
海賊が根城にしているという孤島へとたどり着いた。

「う、うえぇ・・・船に乗るのもうやだぁ〜」

上陸するなりよろよろと地面にへたり込むエルドゥ。
ジョリーがその様子を見て笑った。

「船に乗りたくねえか、じゃあ帰りは置いていくぞ」
「うえぇん!それもヤダ〜!」


「殿下」

その様子を横目に、アルトは地図を広げつつ、テオドールに近づいた。

「市長のお話によると、この島には南に海賊たちが利用している船着き場、
 北に海賊たちが根城にしている洞窟があるそうです。」
「なるほど・・・私の予想ですが、南の船着き場を先に制圧した方がいいかもしれませんね。」
「・・・・子供たちがいる可能性もあります、そうしましょう。」

アルトは、テオドールとの相談を終え、騎士団に指示を出しに
船へと戻る。

「王子」

今度はジョリーがテオドールに近づいた。

「ここに来る前、市長から聞いたんだが、
 ファータ教国からレーベンにくるはずの連絡船が海賊に襲われたらしい。」
「ならば、ここにきてる可能性が・・・?」
「かもしれん。」
「・・・・よし、注意していこう。」

ジョリーとの相談が終わり、テオドールは騎士団に向かって

「これより、孤島の進軍を開始する!
 ・・・なるべく早く南の船着き場にたどり着き、子供たちを救出する!」

と指示を送った。
騎士団は各々返事をし、進軍を開始した。








「クソッ、ガキが馬を連れて一人逃げたぞ!」
「追いかけろ!」

「うわぁ〜ん!!キミ、早く走ってよ、追いつかれちゃう!!」

馬に乗る少女とも少年ともとれる奇抜な帽子をかぶった子供が暴れる馬に乗って走っていくのが見える。
それを追いかける海賊たち。

「おい、廃村に追い込め!」
「おう!」


「ふわぁ・・・・なんか騒がしいなぁ・・・」

一方、船の中では、淡い紫色のローブを着た少年が、樽の中からゆっくりと起き始めた。







「うわぁぁぁ!ストップストップ!!」

少年は馬を止める。
そこは行き止まりであった。


「ど、どどど、どうしよう、逃げられないよ!」

「追い詰めたぞ、このクソガキ!」

後から走ってきた海賊たちが少年を追い詰めた。

「うわぁーん!お姉ちゃん、兄ちゃん!助けてぇぇー!!」

少年が泣き出して助けを求めた。


「あがっ!!」

じりじりと追い詰められたが、海賊の一人が、くるくると回って飛んできた大剣に胸を貫かれ、倒れた。

「な・・・なんだ!?」
「おー、クリティカルヒットか。」

頭をぼりぼりかきながらゆっくりと歩いてきた眼帯の男・・・
ジョリーが倒れた海賊から大剣を引き抜く。
引き抜かれた海賊は胸から血を大量に流した。
表情一つ変えず、笑うジョリーに一歩後ずさる海賊たち。

「さて、か弱い嬢ちゃんを囲ってリンチとは、ふてえ野郎どもだ。
 俺が成敗してやる。」

ジョリーは大剣を海賊たちに向けた。
海賊たちは冷静になり、周りを見る。

「おいお前ら!こいつは一人だ、俺たちが全員で一斉にかかれば、なんてこたあねえ!やっちまえ!」

一人の海賊がそう声をかけると、海賊たちは次々に武器を取り出した。


「そらっ!!」

突然、ピラムが上空から飛んできた。

「な、なんだ!?」
「おーいジョリー!俺も混ぜてくれ」

上空からマリーに騎乗しているラーマが現れた。

「竜騎兵・・・まさか、レーベンからの騎士団か!?」
「気づくのおせーな・・・まあいい。
 子供たちは返してもらうぞ!」

ジョリーとラーマは、武器を構え、海賊たちを睨みつけた。
海賊たちも、負けじとジョリーとラーマを睨む。

「おい、あいつらは二人しかいねえ、こんな大人数を相手にできねえはずだ!
 全員でかかれば怖くねえ、やっちまえ!!」














「なんかあっちの方、騒がしいッスね。」
「馬鹿野郎、騎士団の連中がきたんだ!」

海賊の下っ端がぼーっと、交戦中と思しき音を聞いて呑気に喋っていると、
バンダナを巻いた海賊が下っ端を殴りつける。

「さっさとしろ!騎士団連中がこっちに気づく前に、船にガキ共を乗せるんだ!」
「えぇっ!?あいつらどうするんすか!?」
「お前はあいつらの命と自分の命・・・どっちが大事なんだ?」

バンダナを巻いた海賊は、下っ端に詰め寄る。

「・・・そりゃあ、自分の命っしょ」
「だろ?・・・・だったら急いでガキどもを・・・」

「サンダーボルト!」

「うおっ!?」

海賊たちに電流が襲ってきたが、海賊はすんでのところで避ける。
すると、ファータ教国の連絡船と思しき船から、ローブを着た少年が
海賊たちに近づいてきた。

「外しちゃった〜?ま、たまにはあるよね〜」

のんびりした声がフードの下から聞こえてくる。


「な、な、なんだてめえは!?」
「ぼく?ぼくはファータ教国からの連絡船に乗ってたメルキュリオ・ズィルバー。
 あ、メルって呼んでね。よろしくね〜」
「はあどうも・・・じゃねえよ!
 邪魔してんじゃねえ、このちんくしゃなガキが!」

海賊は、持っていた斧でメルを叩き切ろうとしたが・・・・

「メル!」

突如横から切り込んできたテオドールにより、海賊は不意をつかれ、倒れた。

「メル、無事か?」
「テオ!君こそ・・・」

「ひ、ひぃ!!」

海賊が倒されたことにより、下っ端は一目散に逃げた・・・が

「うおりゃあ!」

エルドゥの斧攻撃で、下っ端は頭を打ち、気絶した。



「あ、やっちゃった。・・・まあいいか。」