二次創作小説(紙ほか)

Re: ポケタリアクロニクル-聖戦の伝承-【オリキャラ募集】 ( No.45 )
日時: 2018/02/19 21:04
名前: テール (ID: LAu9zylb)

元老院議事堂にて・・・・


「おいベラーディ将軍!
 まだアタールは見つからないのか!」

オルダンはイライラしながら不満を
青色の鎧を身にまとう赤髪の中年男性・・・
ベラーディにぶつけていた。

「今我が部下が都市中を捜索している、
 見つかるのも時間の問題だろう、それよりも・・・・」

ベラーディはオルダンに向き直る。

「報酬の件はどうなっている?
 これだけの働きを見せたのだ、それ相応でないと
 俺の槍が貴様を貫くぞ?」
「ふん、がめつい男だな貴様は。
 安心しろ、国庫の鍵はアタールが持っている。
 アタールが見つかり次第、国庫を開けさせれば
 念願の報酬は手に入るぞ。」

オルダンはにたーっと笑った。


「ところで、大統領一派はどうした?」

オルダンは思い出したかのように尋ねた。

「貴様の言った通り、監獄に閉じ込めておいたぞ。」
「あとはアタールだけということか。
 しかしあまりのんびりはしておられんぞベラーディよ。
 騎士団はもうすぐそこまで来てる可能性がある。
 しかも指揮官はあのアタールの甥だ。
 アタールと合流されたら形勢が逆転されるかもしれぬ。」

「ああ、あの小僧か。
 確かに三月の予定だったがまさか二月程度で山賊を制圧するとは、
 意外に骨のある王子殿ではないか。」

ベラーディはテオドールを評価し、大笑いをした。

「わ、笑ってる場合ではないっ!
 万が一我らが負けたら、我らは立派な反逆者であるぞ!」
「そりゃそうだろう、国の首都を制圧し、
 元老院を監獄に閉じ込め、挙句の果てには大統領への反乱。
 こりゃあお前・・・首がつるされても文句は言えぬなぁ。」

ベラーディが笑っていると、オルダンはみるみる顔色を悪くする。

「ば、ば、ばば・・・馬鹿を言うなっ!
 とにかく、一刻も早くアタールを見つけ、国庫の鍵を奪うのだ!よいな!」





















「おとうさま・・・おかあさまはどちらにいるのです?」

まだ幼く目がぱっちりとした、
青髪の少女・・・・シアンは、アタールに詰め寄る。

「シアン・・・私やお母様のことは良い、
 シアンはリラとサラと一緒にこの館から逃れなさい。」
「いやっ!シアンはおかあさまが見つかるまでどこにもゆきませんっ!」

アタールが諭すもシアンは首を振るばかり。
近くにいた騎士二人が慌ててシアンを窘める。

「シアン様、ここはもうすぐ危険な場所になります。
 私たちと一緒に参りましょう!」
「そ、そうですよシアン様!
 空の旅は楽しいですよ〜」
「サラ!今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
「あわわ、すみませんセンパイ!」

青髪の騎士リラと金髪の騎士サラがコントのような掛け合いをしていると
アタールはシアンに近づく。

「シアン、君は「海の神子」という重要な役割を持っているんだ。
 君に何かあれば世界の人々は悲しむよ。
 さあ、この「水槍フォンターナ」を持って、リラとサラと一緒に逃げなさい。」

「で、でも・・・」

シアンは首を振る。




「閣下!シアン様!!」

そこへファラが飛び出してきた。

「ファラ!テオ達は?」
「現在、門の前で侵入経路を模索している最中です。
 ご安心ください、必ずここに来ます。」



「た、隊長・・・館の周りに傭兵団が・・・」

サラは青くなりながら館の窓の外を指さす。

「・・・・・覚悟を決めるしかないわね。」

ファラはアタールに近づいて跪いた。

「閣下、我々はこの館を護衛いたします。
 その間にシアン様と共にお逃げください!」
「・・・・すまない、ファラ。」
「いえ、これも先代の遺志です。」

ファラは立ち上がり、リラとサラに近づいて指示を出した。


「ウラノスネーバ隊はこれより、館の護衛を行う!
 各々生き残ることだけを考えなさい!
 出撃!」

「はい!」「了解!」

そしてウラノスネーバ隊は館の外に出て、騎鳥に乗り込み、空へと舞い上がった。
アタールは窓からそれをのぞいて、
シアンの前でしゃがんで目線を合わせる。

「シアン、時機が来れば共に逃げよう。
 大丈夫。その時はお母様もいっしょだ。」
「・・・はい。」
「さ、部屋へ戻って隠れていなさい。」
「・・・・。」

シアンは言われるがままに部屋へと戻る。



「テオ、そして騎士団の皆さんに神竜アナンタの加護がありますように・・・」
















傭兵が蔓延る都市の片隅にて、
桜色の髪をなびかせる少女が一人・・・・



「・・・この国が危ない・・・!」

少女は水色に流れる剣を持って走り出した。