二次創作小説(紙ほか)
- Re: ポケタリアクロニクル-聖戦の伝承-【オリキャラ募集】 ( No.70 )
- 日時: 2018/02/23 20:56
- 名前: テール (ID: LAu9zylb)
「前線からの報告です!」
議事堂にてオルダンとベラーディの前に、伝令兵が駆けつける。
そして、伝令兵が報告を終えると、
オルダンは顔色を悪くし、喚きだした。
「な、なんだとっ!?
あの小僧・・・いつの間にそんな場所まで!?」
「くくく・・・・あの小僧、見た目は貧弱だが、なかなかやるではないか」
ベラーディは大声で笑い、オルダンは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「わ、笑ってる場合ではない!
どうするのだ、このままでは一巻の終わりであるぞ!」
「ふむ・・・こうなれば元老院にいる傭兵と、
先ほど黒い魔道士がよこした帝国軍を出すしかあるまいなあ。」
ベラーディは伝令兵に指示を出した。
「元老院議事堂の前にある跳ね橋を下ろせ、
そしてすべての兵士を出撃させるのだ!
これ以上の進撃は許されん、騎士団を根絶やしにしろ!」
「ついでに監獄の議員を全員始末しておけ。
生き残っていると、後々面倒なことになるぞ。」
オルダンはついでとばかりに伝令兵に伝える。
「ハッ!直ちに!」
伝令兵はその場から離れ、オルダンは大きなため息をついた。
「くっ・・・このままじゃ俺、処刑されちまうのか・・・ぶつぶつ・・・」
オルダンはうつむいて小声で何かをつぶやき始めた。
ベラーディはその様子を見て、釘を刺す。
「おい、オルダン卿。
言っておくが自分一人で逃げようなんて思うなよ。
わしはそういう卑怯者が大嫌いなのでな。
もし逃げた暁には、何をするかわからぬぞ。」
「わ、わかっておる!」
オルダンはまた一つため息をついた。
「まったく、貴族という者は何の役にも立たんな。」
ベラーディはオルダンの様子を見て、呆れていた。
ファラが落下した場所には、かなり大きな針葉樹があり、
枝と葉がクッションになって、ファラとフィルマーの落下の衝撃を和らげてくれたようだ。
倒れたファラを見つけたリラは、愛鳥「ドリズル」の背から飛び降り、
ファラに走って近づく。
「隊長!ご無事で!?」
倒れたファラを抱き起し、必死に呼びかけるリラ。
フィルマーはすでに起きているが、翼をやられて、動けない様子でいた。
「う・・・・ん・・・・?」
ファラはゆっくりと瞼を開く。
「リラ・・・?わたし・・・・」
「隊長!よかった・・・・」
リラは涙目になり、安堵してファラを見た。
「部隊は、みんなは無事?」
「はい、今・・・・テオドール殿下ら騎士団が
ウラノスネーバ隊の援護をしてくれてます。」
「そう・・・よかった・・・・」
ファラは安心したのか、ため息をついた。
「隊長、ここで待っててください、
私は殿下のお手伝いをせねばなりせんので!」
「ええ、お願いね、副長。」
リラはファラの言葉を聞いて、親指をたててウインクした。
そしてドリズルに乗り、再び空へと舞い上がった。
「フィルマー、大丈夫?」
ファラがフィルマーに声をかけると、
フィルマーはぐるると声を出したが、羽がまだ痛むようなのか、
若干元気がなかった。
「ファラさん!」
すると、ピンクの髪の少女がファラの視界に入る。
ルーネであった。
「あ、ルーネ様・・・」
「ファラさん、ご無事ですか?
リラさんにお願いされてきたんです、今治療しますから、待っててください!」
ルーネは杖を取り出して、ファラの身体にかざした。
杖が青く発光し、ファラを包み込む。
ファラの身体の傷がみるみる塞がり、気分も楽になってきた。
「フィルマーさんも治療します。」
と、ルーネはフィルマーに近づいて、杖をかざした。
フィルマーは瞼を閉じて、楽にしていた。
「ルーネ様、ありがとうございます・・・」
ファラはルーネに心からの感謝を述べた。
「殿下!議事堂の目の前の跳ね橋が!」
アルトは、跳ね橋を指さす。
「おいおいおい、まだあんな兵士が残ってんかよ・・・
こりゃちとまずいんじゃねえか?」
ジョリーは珍しく一筋の汗を流した。
「おにいさま・・・」
「くっ・・・・いや、落ち着いてくださいみんな。」
テオドールはレイピアを構えた。
「確かにあちらの方が兵力は圧倒的に上です。
ですが、私達レヴィアの騎士は、例え不利な戦いでも、
一度も諦めたことはありません。
そうでしょう、アルト、ラーマ、エルドゥ!」
テオドールはアルト、ラーマ、エルドゥを見た。
3人は、少し黙っていたが、すぐにパッと明るくなった。
「もちろんですよ、殿下!」
「ええ、打たれ強いがレヴィア騎士のモットーですからね!」
「私、頑張っちゃいますよ!」
テオドールは3人の反応を見て目を細めて微笑んだ。
そして議事堂側の方向を見て、剣を天に掲げ、
騎士団全員・・・いや、都市全域に伝わるような大声で、伝令した。
「これより、アタール大統領及びアタール夫人の救出と共に
ベラーディ傭兵団の討伐を開始する!
全軍、進軍開始ッ!!」
騎士団は、テオドールに負けないくらいの歓声を上げ、
下ろされた跳ね橋へと進軍を開始した。