二次創作小説(紙ほか)
- Re: ポケタリアクロニクル-聖戦の伝承-【オリキャラ数名募集】 ( No.8 )
- 日時: 2018/04/01 12:25
- 名前: テール (ID: xV3zxjLd)
序章 竜国陥落
「姉上、お急ぎください!」
少年の声が城内に響き渡り、
複数の足音が城門まで近づいていた。
「テオ、やはり私が城内に残り・・・」
「いえ、それでは王国の未来は潰えます!
それに、私もルーネも・・・姉上に生きてほしい!」
長い紫色の髪を青い宝玉が埋め込まれた髪留めでまとめた、赤い瞳の高貴な女性は、
少し背の低い少年を見下ろしてどこか不安げに少年を諭すが
少年は頑なに首を縦に振らなかった。
「そうですよ陛下!」
そこへ、黒髪の少年が歩み寄る。
その姿は、紫色のローブで身を包み、髪は前髪の両端が緑と紫色に染まっていて、
髪の長さは肩にかかる程度であった。
顔は幼く、金色の丸い目が、女性を見据える。
「僕たちも殿下やルーネ様と同じ思いです、共にディーテへと逃れましょう!
生きていれば王国の再興など容易いことです。」
「・・・・そうね、ごめんなさい。
テオ、アルト。」
女性の返事に二人は少し安心する。
そして、再び走り出した。
「コハク、陛下たちは?」
青い髪の、白いフードを被った騎士の青年が隣にいる
コハクと呼ばれた同じく白いフードを被った赤い髪の少女に問う。
「・・・・今、城外に出られました、ヒスイ兄様。」
「このまま、何事も起きずに船に乗ってくれればいいが・・・」
ヒスイは剣を構え、目の前にいる大軍を睨む。
目の前には騎兵、歩兵、魔道兵など、
二人では到底勝ち目のないほどの人数が、ヒスイとコハクを囲んでいた。
大軍の共通点は、皆黒い鎧を着ていることぐらいか。
「貴様ら!ここを通りたければ俺の屍を超えていくがいい!」
ヒスイが大軍にそう叫ぶ。
コハクも魔法の準備に入り、いつでも放てるように構えた。
「そうか、ならば・・・せめて駒として使ってやろう」
「!?」
突如、ヒスイは身体を支えることができなくなったかのように
膝をついた。
「兄様!?」
コハクがヒスイに駆け寄った。
外傷はないが、ヒスイは眠いのか、瞼を半分閉じているのがわかる。
「ほう、私の魔術を耐えるか・・・
流石レヴィア王国の魔道騎士殿だ。」
大軍の中から現れた白髪の魔道士が、軽く拍手をしながら翡翠とコハクの目の前に現れる。
ヒスイは魔道士を睨みつけた。
「貴様・・・・!俺に何を・・・・」
「眠りの魔術・・・少し弱めのをかけたのだよ。」
ヒスイの問いに淡々と答える魔道士。
「ヒスイ君に、コハクさんといったね?
君たちにはとりあえず捕虜になってもらう。」
「なっ・・・!?」
「そ、そんなの、素直に受け入れるわけありません!」
ヒスイは眠気を耐えながら、コハクは怒りを露わにして抗議する。
しかし、魔道士はにやりと笑う。
「君たちの答えは聞いてない・・・
兵士、この二人を少し痛めつけてやれ」
「ハッ!」
魔道士は兵士に命令すると、
槍を持った兵士が二人を囲う。
「な、やめてください!いやっ!兄様!!」
「クソッ!離せよ!!コハク!!」