二次創作小説(紙ほか)

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.1 )
日時: 2018/02/17 18:30
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第一話 ここはどこ?

「そう貴方もなんでここにいるのかは分からないのね?」
キリカさんは丁寧にここのことを説明してくれた。
ここは獄都の獄卒の館らしい。
で、似たような服装をした彼らがその獄卒らしい。
私は彼らがそういうふうには見えない。私が想像していた
獄卒というのは想像するのも恐ろしい容姿だと思ったのだが…。

「ねぇねぇなんていう名前なのー?」
「私は陸野 カレンです」

あやこさんは私の手元に置いてあったノートを一冊を手にして
読み始めた。
「あ、それは!」
それは私が自作で作った漫画。
それも出てくるキャラが…!

「うわぁ漫画だ!」
「この登場人物たち、ふふっ」
そう登場人物が私以外の全員に似た人物だ。
種族は同じだけども、恥ずかしくてしょうがない。
「まぁ、おばちゃんたちそっくりね。これを見るとなんだか
 運命を感じるわ。貴方のいた世では何か仕事してたの?」
「あ、はい。この漫画は趣味で仕事は小説を作っています
 ——?あぁ!!!!」
机を叩いて勢いよく立ち上がる。

「ど、どうしたの!?カレンさん」
木舌さんはそれに驚く。
「あ、あぁごめんなさい。でも私、ここについて話を聞いたことが
 ある気がするんです」


Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.2 )
日時: 2018/02/17 18:59
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第二話 何かに呼ばれて

私はなんとなくで駆けていく。
どこに何があるかは分からない、でも場所を知っていた。
物置に到着した。

「なんでお前」
「分からないけど…誰かが呼んでる気がした」
古ぼけた大きな箱を開いた。
その蓋を開けるとご丁寧に私のフルネームが書かれている。

「手紙…これおじいちゃんの名前だ」
陸野 龍。
それを知って全員が目を見開く。

「陸野さんの孫!?」
「じゃあカレンは人間と獄卒の混血!?」
「そうじゃないと思う手紙にも書いてある」
私は手紙を指さした。

「ほう、なら読んでみろ」
手紙を開き読む。

『孫カレンへ

 きっとお前ならこれを見つけるだろう。その頃、私は
 いないだろう。そして私は獄卒だがお前は純粋な人間だ、
 獄卒の気持ちも人間の気持ちも分かる優しい人間だ。
 お前には私のモノを全てくれてやろう。

 祖父、龍』

白い包みを開くとカーキ色の服があった。それと武器も。

「おじいちゃんも私を男扱いしてるし…」
「お祖父さんも、というと両親もそうなの?」
「そうなんですよねー、友だちにもカレンは一人称を俺に
 変えたりしたらカッコいいよねとか男だったら惚れてたとか
 両親にも男服も似合いそうとか言われてあげたらきりがない」
「でも僕は見てみたいなカレンがその服を着ているところ」
「俺もー!見たいぞー!!」
「そうねとりあえず着てみたら?」
キリカさんや佐疫さん平腹さんにも勧められてしまい
着ることにした。

「ほら貴方達は男なんだから女の子の着替え姿は見ちゃダメよ。
 着替えが終わるまで外にいなさいな」

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.3 )
日時: 2018/02/17 20:52
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第三話 いざ初任務

全員が目をそらす。まぁ一人、平腹さんだけは目を輝かせてるけど…。

「うふふ、貴方すごいわね」
「すごい、といいますと?」
「私やあやこも貴方を可愛いと思ったけど…獄卒のみんなの
 ハートを射抜くなんて」
そんなに?と私は疑う。

「あ、ほらみんな。任務があるんでしょう?」
「そうだ。陸野、その服を着たからにはお前にも参加してもらう」
「え!?」
肋角さん、それはどうなんだ!

「そ、そんなぁ!!私がいたら皆さんの邪魔をしてしまいますよ!
 それに皆さんは慣れてるかもしれませんが私は戦闘なんて、
 武器も使ったことがないですし…」

それを言えばどうにかなると思ったがどうやらダメだったらしい。
というか逆効果だった。

「なら今、その武器を少し使いならせばいい。確か陸野は銃と
 刀だったな」
腰の刀を見た。
刀『月華』銃『天道』と書かれていた。

「佐疫、お前は彼女に銃の使い方を。斬島、お前は刀の使い方を
 教えてやれ」
「「はい」」

 ■

数時間。
「すごいなたった数時間で…」
「物覚えが早いね。他の皆は先に行っちゃったし僕らも
 早く行こう」

二人の後を追い私もついていく。
私の耳に小さな鈴の音が聞こえるがその時の私は気にも留めなかった。
それに私を陰から守ってくれている人にも…。

 ■

「そうさマキちゃん、みーんな君のことなんて…」
少年はマキの姿を見て不気味な笑みを浮かべた。

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.4 )
日時: 2018/02/17 21:11
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第四話 物々交換

斬島たちについていく私は時々振り返る。
誰かが私を見ている。

「どうした?さっきから」
「あ、あぁ気にしないでください」
「そっか、無理しないでね?」
「ありがとうございます」
私たちが会話をしていると騒がしい声がした。

「おー陸野ー!やっと来たのかー!」
「あ、はいごめんなさい私のせいで…」
私は思わず謝る。ある意味、私の癖だ。
なんでも仲間の悪いところは私のせいだと思い込んでしまう。

「そういえば木舌さんは?一緒にいるのでは?」
「木舌は俺たちより先に行ったんだが…どこにいるのか俺たちも
 分からないんだ」

だとしたら少し不安だな。何もないと願いたいけど。
だけど…。

『彼の目…』
「ッ!?」
『彼の両眼を探してやれ』
「どうしたの?」
「…両目?それはどこにあるの?」
私は後ろの虚空を見てそう聞いた。
『保健室…物々交換だ…を二つ』
「物々交換…あ!なら」
私は肩から掛けていたバッグから二つのガラスの欠片を取り出す。
「…ここを乗り越えないと先に行けないよね」
月華で前の木くずの山を一刀両断した。
思った通りすぐ近くに保健室があった。
そこに駆けこむと黒いモヤモヤがいた。

「ねぇ少しいいかな?」
モヤモヤは振り向き私を見た。
「私、青みがかった綺麗な緑の目を二つ探してるの。この二つの
 欠片と交換してほしいな」
モヤモヤは私の欠片を吸い込み代わりに求めていたものをくれた。
「ありがとう」
そういうと上空で黒い爆発が起きる。

「陸野、それは?」
「その眼…木舌の!」
「うん…誰かが保健室にいけばこれがもらえるって…早く探そう。
 何か起こる前にさ」

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.5 )
日時: 2018/02/17 21:25
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第五話 怪しい人物を追って

あちこちを回っていて時折何かの記憶が分かった。
その亡者、マキと言っていた人の記憶だろう。

——出来損ないの私。

ここまででいくつかの金具を手に入れた。
で、ここからは別行動をすることになった。
私は斬島さんと一緒に行動。

教室に入り散策していた。
「ん?」
「誰?」
私と彼は微かに見えた。カーキ色の服に軍帽。
同じ獄卒かな。
それを追い戸を開けて外に出るとそこには平腹さんが立っていた。

「平腹!?さっきのはお前か?」
「さ、さっきの?俺なんも知らないんだけど!?」
「寝ぼけてるのか?」
「寝ぼけてねえもん!ちゃんと起きてたし!」
「ち、ちょっと二人とも落ち着いて!ねぇ私たちと同じような格好の
 人物見なかった?」
そう聞くとパァッと平腹さんの顔が明るくなる。

「え?なになに!俺探してみる!!」
そういってどこかへ行ってしまった。
仕方がないと私たちは二階へ移動していく。
二階に辿り着き廊下を歩いていると先にはさっき見た人物がいた。
だがすぐに消えてしまった。

「何なんだ、アイツは?」
「分からないけど…なんかの妖怪とかの類、かな?」
二人でその正体を探しに行った。
木造で出来た廊下を走っていく。
近くの階段を上り三回に辿り着いた。
右へ進んでいくと壁にかなり大きく深い穴があった。
私も斬島さんも入れそうだ。

「この穴、俺も陸野も入れそうだが…どうする?」
「中が良く見えないけど行ってみましょう。何かあるかも」
斬島さんが先に入り私が後に入った。
そこはかなり細い道で一人ずつしか進めないようだ。
それに辺りには蝋燭がある。

やっと長い道を抜けることが出来そうだ。

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.6 )
日時: 2018/02/17 21:55
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第六話 羅刹と出会う

開けた場所にはいくつもの鏡があった。
そしてその鏡の前には同じ服を着た男が立っていた。

「さっきから私たちを誘い込むような行為をしていたのは
 貴方だったんですね?」
その横顔、瞳の色は真っ青な偽物の斬島さんだった。
「姿かたちは俺そっくりだが…お前は何者だ?」
「…」
だが斬島?は名乗ろうとしない。
「やはり名乗る気はないようだな。なら力尽くで!」
斬島は刀で切り裂こうとする。
いや私には分かる、たぶん——。

「なに!?手ごたえがない!?」
間違いない。
斬島?はそれを見てニヤリと笑い刀を薙いだ。
「ッ!!」
「一旦引きましょう!さっきのでただの攻撃があの人に
 効かないことは分かりました!策を練った方が良いと思います」
「そうだな」
二人は元の道を引き返す。
今度は私が先を進む。

出た先は元いた場所ではなかった。
「アンタたちも捕まったのかい?」
青い人魂が私たちに話しかけてくる。
「ご愁傷様、お前さんたち獄卒かい?強いんだろう?」
「あぁ腕には自信がある」
「そっちの譲さんは?女の獄卒なんて珍しいね」
「え、あ、はい色々ありまして…私はまだまだ半人前ですが」
すっと人魂の背後から青年が姿を現した。

「二人とも素直だな」
「そうですね、貴方は?」
「俺は八雲、見ての通り俺は鬼で羅刹という種族だ」
「羅刹、ですか…鬼、というとやっぱり相当力持ちなんですか?」
八雲さんは不敵に笑う。

「あぁ純粋な力じゃ自信はあるぜ」
私はドキドキと心臓を打ち鳴らしていた。
羅刹は大力で足も速く人間を喰らう悪鬼だと知っているからだ。
そのうち八雲さんが高らかに笑った。
「あははは!そうか、お前確か陸野と言っていたな。安心しろ
 俺はお前のような奴を食べたりはしない。俺が食べるのは悪事を
 働いた奴だけだ。それに食欲ぐらいは自分で抑えられる」

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.7 )
日時: 2018/02/18 08:03
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第七話 変貌したマキ

「…そういえばお前らは鏡にやられたんだったな。一つヒントを
 くれてやるよ」
八雲は私たちを連れてさっき見たのと同じ穴の前に来た。

「ここに入ればお前たちはさっきの奴に会える。いいか?
 あいつに攻撃できないのはアイツに実体がないからだ」
「実体がない、ですか?あ!もしかしてあの部屋には光と鏡が
 あったから…」
私の推測通りだったのか八雲さんは頷く。

「そういうことだ。あれは光の反射で出来た一種の幻だ。
 だからいくつもある鏡を壊せばどうにかできる。俺は
 行けないがお前たちで十分だろう行ってこい」

 ■

やっぱりだ。後ろには鏡がある。
「このニセモノは俺が相手しておく。陸野は鏡を頼んだぞ」
斬島さんは刀を抜き構えた。
二人の斬島さんが同時に踏み込む。

私は銃で確実に鏡を打ち抜いていく。
同時に刀が空を切る音が聞こえた。

「八雲の言う通りだったな…」
「そうですね…」
私は壊れた鏡に触れた。
同時に空間が歪む。

その後も何度もワープを繰り返していく。
そして最後、廊下を進んでいき左の教室へ進む。

先の教室へとやって来た。
「マキさん…」
「…」
そこにいたマキさんは恐ろしい顔をしていた。
そしてすぐどこかへ行ってしまった。

「どこに行ったんでしょう?とりあえずさっき通り過ぎてしまった
 保健室に行きましょう」
「そうだな」
私たちは教室を出て保健室に向かった。

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.8 )
日時: 2018/02/18 08:27
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第八話 鈴の音の正体

保健室にやって来た。そこにどうにか潜り抜けそうな穴を見つけた。
下の方だ。

「俺でも入れそうだがこっちも何かあるかもしれないし陸野は
 そっちを頼む。俺はここを探しておく」
「分かりました。お願いします」
私は匍匐前進で穴の中を潜り抜ける。

 ■

高級そうな椅子に机、どうやら校長室らしい。

「やっとアンタと二人だけで話せるようだな」
まただ、さっきと同じ鈴の音がした。
後ろを振り向くとそこには真っ白い髪と真っ白い狐の尾を持つ
青年が立っていた。
白狐という妖怪だろうか?

「もしかしてずっと私を見ていたのは貴方なの?」
「そういうことさ。俺は白狐の木葉(このは)、アンタのことなら
 ずっと見守っていたさ。アンタだって何度も危機一髪のときが
 あったはずさ」
確かに。今までに何度も死んでもおかしくない事故に巻き込まれた。
暴走して走ってきた車に撥ねられたが軽傷で済んだり、鉄の棒などが
ギリギリ一歩手前で落ちてきたリとミラクルが多かった。

「じゃあもしかして貴方はずっと…」
「そうさ俺はずっとアンタを守っていた。俺はちっとアンタの
 じいさんと縁があってね。アンタが高校を卒業したらアンタを
 ここに連れてくるようにね」
「なんで高校?」
「さぁ?アンタには学生生活をさせたかったんじゃないか?
 それよりも連れを待たしてるんじゃないのか?」
ハッとして私はポケットから鍵を取り出し内側から鍵を開けておいた。
その時にはもう彼は姿を消していた。

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.9 )
日時: 2018/02/18 09:13
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第九話 演奏は無音の音楽室で

保健室を出て左に進んでいく。
「また、か…」
「これ…マキさんの大事なモノなのかな?」

 ■


「NEWS?方角かな?」
「この文字の順番に入ってみるか」
で、四つの部屋の中に入りスイッチを押してきました。
すると何かの音がした。

「うおっ!これって理科室の主?骸骨のアレだよね?人体模型。
 誰がバラバラにしたんだろう?」
するとその主は突然立ち上がり襲ってくる。

私は銃で主の右肩を打ち抜く。
『Nの部屋だ、お前は銃で彼のサポートをしてやれ』
「(そっか八雲さんももしかすると…)」
私は足を止め、戦っている斬島さんに気を付けながら銃で相手を
打ち抜いた。

「やっと倒れたな」
「そうですね、あ!」
で、聞いた通りNの部屋へやってきてマキさんは直後消えてしまったけど
そこにあった青い宝石を拾った。


「そういえばこの楽譜、何に使うんでしょうか?たぶんピアノだと
 思いますが…」

 ■

四階へやって来た。
「おー!陸野、斬島ー!」
「平腹、少し聞きたいことがある。誰かピアノを弾ける奴って
 いるか?」
「うーん…佐疫は確か弾けるような?」
「おーい斬島!」
全員が声の方を向くとそこには笑顔で手を振りここまで駆けてくる
佐疫さんがいた。噂をすればなんとやら、とはこのことか。

「ナイスタイミングです!佐疫さん!」
私は事情を話し佐疫さんはうんうんと頷き
「分かったじゃあピアノのある所まで行こう」
と言ってくれた。
ここから音楽室まではそう遠くないだろう。

 ■

音楽室、壁には音楽家の肖像画がたてかけられている。
そして大きなピアノに佐疫さんは手で触れた。
その演奏は無音の音楽室に響く。
どこかで何かが開く音がした。

「あ、どこか開いたみたいですね」
「じゃあそこに行こうか」

Re: 獄都事変−あの世とこの世を行き来 ( No.10 )
日時: 2018/02/18 09:26
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第十話 マキ

出ていき右の通路には誰かが顔を覗かせていた。
「木舌さん!」
「あ、あぁもしかして陸野たち?」
私は優しく保管しておいた彼の目玉を手に取る。
「えっと目の色は緑で合ってますよね?これ、どうぞ」
きっと見えないだろうし…。

「ご、ごめん両方とも見えないしちょっと頼まれてくれないかな?」
「了解です。嵌めればいいんですよね?」
木舌さんは少し瞬きした。

「ありがとう陸野」
「お気になさらず。じゃあ全員であそこに行ってみましょう。
 きっとマキさんはいるはずです」
私は木舌さんに手を貸し、全員で先にある鉄の扉。

案の定、そこにはマキさんがいた。
「マキさん」
「ごめんなさい私…貴方達についていくわ。悪いのは私なの」
マキさんは顔を上げハッとする。

「探し物はこれだろう?」
斬島さんはネックレスを刀にかけマキさんに差し出す。
マキさんはそれを手に取り涙を流し頷いた。
「ありがとう、ございます」
「マキさん、貴方の苦しみは他人である私には少ししか分からない。
 でもさマキさんにも仲良しだった人はいるはずです。その人が
 いなくてもその人との思い出はきっとあった。貴方が生まれた
 意味はきっと…」



「きっといつか幸せになるためじゃないのかな?きっと貴方が 
 どれくらい辛いことに耐えられるか試してたんだよ!
 もう死んじゃったけどもしまた辛くなったら頑張れ!!」
「ありがとう。カワイイ獄卒さん」