二次創作小説(紙ほか)

Re: カゲロウプロジェクト‐増える能力 ( No.4 )
日時: 2018/02/21 21:08
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第二話 十色

私には兄がいる、兄の友希。
母も兄も私の能力について知っていた。

「え、知ってたの?」
「あぁ、俺も母さんも詳しいことは知らないがこれだけは言える。
 お前の能力は目を見る能力じゃない、俺も知らないけどな…」
「友希、私少し出かけるからね」
母はそう言って家を出た。
すると兄は私を呼び兄は自分の机の引き出しからノートを取り出した。

「…お前が知り合ったって奴は目に関する能力を持ってたんだろ?」
「う、うん。キドは隠す、カノは欺く、セトは盗む、マリーちゃんは
 合わせる、モモは奪う、リュウトは逸らす、コノハは冴える、
 エネは覚める」
兄は頁をめくっていく。

「そのキドって奴らはこっちにある10の能力の一つだな。で、
 ここから少し話を変えるんだが…」
兄は一つ息をついた。
何か暗い話でもする気だろうか?

「今度、俺もお前と一緒に行っていいか?」
「へ?」

 ■


「って、私の兄に言われて…」
「会ってみたいな私は…ってあれ?お兄ちゃん?」
シンタローは目を丸くする。

「お、オイさっき友希って言ったよな?」
「うん…言ったけど?あ、もしかして先輩だから?気にしないでよ
 お兄ちゃんも言ってたしあんまり先輩って言われるのは学校だけで
 勘弁してほしいって」

Re: カゲロウプロジェクト‐増える能力 ( No.5 )
日時: 2018/02/22 14:18
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

第二話 十色№5

タツミさんの後ろにはスラッとした美形の青年が立っていた。
バカ兄とは大違いの顔立ちだ。

「あ、貴方がタツミちゃんのお兄さん?」
マリーちゃんはセトさんの後ろに隠れながらも顔をひょっこりだし
友希さんの顔をジロジロと見ていた。

「あぁ妹が世話になっているな」
「こちらも仲良くさせてもらっている。で、なぜ俺たちの元へ?
 理由などないだろう?」
団長さんは友希さんにそう聞いた。
彼は一つ溜息をつき団長さんの顔を見た。
全員が言葉を失った。彼の目は真っ赤に染まっていたのだ。

「…これでいいか?生憎なんだが俺の能力は無意識に発動する。
『目を塞ぐ』能力だ」
「へぇ、ならその能力。いったいどんな能力なの?」
「自分にとって都合の悪いこと、嫌なことを認識しなくなる。
 俺もお前たちと同じようにこの能力が嫌いなんだよ」

バカ兄は何かを深く考えているようだった。
その数時間後、彼とタツミさんは帰っていった。

「…あのキド、聞きたいことがあるんすけど…」
「なんだセト?」
「お父さんの部屋にあったアレにはタツミの能力も友希さんの
 能力もリュウトの能力もハヤテやルキヤの能力もなかったような
 気がするんす」

確かに見るも逸らすも塞ぐも映すも浮かぶもなかった。
じゃあ彼らの能力は…?

「何考えてるの?」
「わぁっ!?ル、ルキヤくん?」
「難しい顔はよくない、それに似合わないし…」
「そ、そっかゴメンね」

考えるのをあきらめた。