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二次創作小説(紙ほか)
- 悪夢の体現 ( No.7 )
- 日時: 2018/03/30 09:20
- 名前: 未碧 (ID: eD.ykjg8)
身体が下から掬われる様な感覚がした。クレアレネッサは咄嗟に防御の姿勢を取ろうとしたが、身体は全く動かなかった。身体が浮いているのかもしれない。
そんなばかな。クレアレネッサは劣等感に浸っていた。これも魔法の仕業だろうか。こんな事が出来るのなら自分に元から勝ち目は無かった事になる。
ミス・マコグナガルはクレアレネッサの手を掴むと、またパイプに押し込まれる様な圧迫感があった。景色がぐるぐると周りはじめる。
目の前が真っ白になっているのを傍観しながら、クレアレネッサはまたか、と諦める様な気分になっていた。
気づいたら石造りの壁の部屋に来ていた。小さな窓が幾つかと、ドアが一つ。
魔力酔いとやらがまたクレアレネッサを襲う。いつの間にか身体は動くようになっていた。すぐさま冷たい床に倒れ込んだ。身体が酷く怠い。息が上手く出来ずに詰まっている。あの老人の居た部屋の時よりも更に酷かった。
クレアレネッサは吐き気を必死に抑えた。スタングレネード等比にならないくらいの脳が揺らされる感覚がする。周りの物の輪郭がぼやけ、回っている。頭が割れそうな痛みに悩まされ、クレアレネッサは呻き声を上げた。
周りの景色が真っ黒に塗りつぶされていく。マクゴナガルの驚いた顔が一瞬見えた。
気を失ったはずなのに、ぐるぐると回っている様な感覚がした。どの方向が前や後ろ、上、下なのか全く分からない。
今までに任務中に受けたことのあるどの拷問よりも悪夢の体現に近い気がした。
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