二次創作小説(紙ほか)
- 全教師との対面 ( No.11 )
- 日時: 2018/04/05 15:09
- 名前: 未碧 (ID: eD.ykjg8)
若干早足のスネイプに着いて行くと、両開きの大きな扉の前に辿り着いた。スネイプが扉を開け放った。
何故か魔力酔いの様な不快さがする。うんざりした顔で空いた椅子に座ると、ダンブルドアが言う。
「大丈夫かの?こちらはミス・クレアレネッサ・オリヴィア・ブランドンじゃよ。少々の事情によりミルドレット・マデリラ・アールチェとしてホグワーツに早めに来ておられるが、1年生として入学される。」
長い机から何とも個性的な人達の視線が集まった。クレアレネッサは更にうんざりする。マコグナガルが声を潜めて言った。
「自己紹介するように。」
クレアレネッサは魔力酔いの症状をまた感じながら言う。
「フランス、ツィトリナ孤児院在中、ミルドレット・マデリラ・アールチェ、11歳、女性。」
ダンブルドアがやんわりと言った。
「ミス・ブランドンの方じゃよ。」
クレアレネッサは舌打ちする。
「フランス、スラム在中、クレアレネッサ・オリヴィア・ブランドン、11歳、女性。」
髭もじゃでとてつもなく巨体の男性が黒い目でクレアレネッサを見る。
「俺はルビウス・ハグリッドだ。ホグワーツで森番をやっている。あー、ミス・ブランドン?特技は何なんだ?」
クレアレネッサは薄い笑みを浮かべた。
「遠距離射撃よ。」
テーブルの空気が固まった。マクゴナガルが顔を顰めて言う。
「変身術教授のミネルバ・マクゴナガルです。グリフィンドールの寮監も兼任しています。ミス・ブランドン、あまりそういう発言をしないように。」
空気が元に戻った。背の異常に低い男がキーキー声で言う。
「フィリウス・フィリットウィックです。呪文学教授とレインブクロー寮監も兼任しています。」
そのまま何人かの人物の後、ターバンを巻いた男が言った。何故かきついニンニクの臭いがする。
「ク、クィリ、ナ、ナス・クィレ、ル、です。ミス・ブ、ブランドン。闇の、ま、魔術、に、対する、ぼ、防衛、術のきょ、教授です。」
クレアレネッサはニンニクの臭いに顔をしかめた。どもりも、ニンニクも、何かのカモフラージュだろうか。目が鋭くクレアレネッサを見ていて、何かに怯える演技にしてはお粗末だ。クレアレネッサはカマを掛けてみることにした。
「まともに防衛術を教えられるように見えないけれど。演技力がお粗末よ。」
一瞬、クィレルがクレアレネッサを睨みつけた。やはり、演技らしい。ダンブルドアがたしなめる。
「ミス・ブランドン、クィリナスは良い教授じゃよ。」
クレアレネッサは肩を竦めた。クィレルと目が合った途端に眩暈がしたのだ。また魔力酔いだろうか。人を見て酔うなんてとんでもない弱点になる。
「さて、やっと夕食じゃの。」
ダンブルドアが言った途端クレアレネッサは顔を歪ませた。何の魔法を使ったのかは知らないが、いきなり食器に料理が出てきて頭痛がしたのだ。
クレアレネッサは溜息をついて、サラダを取り分けた。