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二次創作小説(紙ほか)
- 魔法界の時計事情 ( No.19 )
- 日時: 2018/04/23 21:04
- 名前: 未碧 (ID: KpEq4Y5k)
次の日、ミルドレットはネグリジェのポケットから伝わる振動で目覚めた。
午前五時きっかり。他の人はまだ大丈夫そうね。変身術も掛かったまま。
本当は目覚ましにスマートウォッチでも持ち込みたかったのだが、ダンブルドアによるとホグワーツ校内にマグル製品を持ち込むと狂うらしい。
予備はあるものの、カスタムも何度もしているこの世に一つだけの端末だもの。それなりに愛用してるのに狂ってもらっては困る。
ということでミルドレットは魔法駆動式の懐中時計を通販で事前に買い、セットしていた。
「あら、もう起きたの?早いわね。」
ミルドレットは思わず顔を顰めそうになって曖昧な笑みを浮かべた。ハーマイオニーが教科書を片手にベッドに座って話しかけてきた。
「うん。授業が気になっちゃった。」
途端にハーマイオニーが顔を輝かせる。ミルドレットは途端に失敗したと感じる。
「貴方もそう?私もなの。ゆうべもなかなか眠れなくて。朝も早くに起きちゃったわ。授業が楽しみで仕方が無いの。予習範囲はここで合ってると思う?私、特に変身術が楽しみだわ。この理論、素晴らしいもの。貴方は何の教科が楽しみなの?」
ミルドレットは寝起きで油断しないように頭を無理やり回転させながら言った。
「私は...魔法薬学かなぁ。スネイプ先生が優しい人だといいけれど。」
ミルドレットは勿論絶対にスネイプが優しい事などあり得ないと分かっていたため、若干皮肉っぽい言い方になってしまった。
でも魔法薬学が楽しみなのは1割くらい本当だ。何しろ一番体調を崩さずに済むのだから。
シャワーを浴びようと歩いて行くハーマイオニーに返事しながらミルドレットはベッドのカーテンを閉め直し、念入りに変装した。
さて、朝食だ。人脈作りに励む気にはなれないが、兎に角栄養を摂取する必要があった。
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