二次創作小説(紙ほか)

吸血鬼少女達の選手立候補権剥奪戦 ( No.8 )
日時: 2018/05/04 21:00
名前: アプフェルシュトゥルーデル (ID: KpEq4Y5k)

夕食時のこと。

「不満だぜ。」
白黒の魔法使いが不機嫌そうに言うと、アリスさんが同意した。
「ええ。魔法族は偽物だものね。」

それを聞いて近くで八目鰻を恐る恐る眺めていた赤毛の生徒が憤慨する。レインブクローの生徒とかいう奇妙な格好の生徒が首を傾げた。

「どうしてそんなことを言うんだよ!」

蕪のイアリングを付けた少女が魔理沙に言う。
「あんたは魔法族と違う存在だもン。」
アリスさんは少し目を見開いた。まさか見破られると思わなかったのだろう。

大会が始まり、選手選抜方法に馬鹿げた杯が出され、早くも見慣れない西洋の玄関では喧騒がしている。こんな平和ボケした緩んだ地上人の子供の相手より、師匠の手伝いの方が有意義だ。姫様の相手は疲れるが。やはり迷いの竹林の方が静かで良いし。

もう分かると思うけれど、私は鈴仙・優曇華院・イナバ。魔法界に妖怪の賢者、八雲紫に無理矢理連れて来られた被害者。まあ、姫様が報告して来て欲しいと言われたからというのもある。

さて。流石に玄関が騒がしいと思えば紅魔館の吸血鬼達だった様ね。模擬戦闘は殺し合いなのに呑気に観戦とは呆けた人間。ここで見ていれば絶対に負傷者が出るというのに。

「模擬戦闘だからスペルカードじゃなくても良いのよね、お姉様?」
妹の準備している弾幕は流石模擬戦闘というだけに恐怖の塊の様ね。直径四メートルはあるかしら。おまけにどす黒い赤。膨大な熱が伝わって来るけど、建物が壊れそうね。

「ええ、そうよ。フラン、あのスキマ妖怪に咎められると厄介だから外に出るわよ!」
レミリアが玄関から凄い勢いで飛び出す。決闘ではないから、始まりの合図も無くフランドールが弾幕を打った。

まず、姉のレーザーが襲い掛かる弾を貫いていく。「幼きデーモンロード」に似た弾幕。

「改造版カゴメカゴメよ、お姉様!」
それを待たずにフランドールが通り抜け不可能な細かい網目状の弾幕を押しだした。弾幕ごっこでは無いため、回避不可能な弾幕を作ったらしい。

「あら、私だって改造してるのよ、フラン。」
レミリアはスペルカードよりも三倍は凶悪な紅の槍でそれを突き破る。こちらは「改造版スピア・ザ・グングニル」の様だ。

そのまま投げられた槍をフランドールが炎を纏った魔剣で跳ね返し、姉が吸血鬼特有の長い爪で槍と弾幕を次々と切り裂く。レミリアがお返しにと飛ばした無数の追尾弾をフランドールが能力を使って破壊し、魔剣で切り刻む。

ありとあらゆる物を破壊する程度の能力を使うほど戦闘に近づけようとしているのかもしれないわね。