二次創作小説(紙ほか)

Re: イナズマイレブンGO The after ( No.1 )
日時: 2018/04/14 13:08
名前: 藍紅  ◆jqzZxVcA6Q (ID: kWgD5bK.)
プロフ: プロローグ

「野球部、入部者募集中でーす!」
「卓球やりませんかー!?」
「吹奏楽部はこちらでーす!」
「一緒にバスケやりませんか!」



あちこちから入部希望者を求める声が聞こえる。
新学期らしい光景だ。


「俺、サッカーやるって決めてるんで。」


熱い勧誘をその一言で蹴った少年は、走る。



「サッカー部、入部しませんか」


控えめに入部希望者を探す、そよ風のような彼の元へ。



「サッカー部、入部希望です」








数週間前。
ホーリーロードで優勝し、尚且つサッカーの未来を守り。
地球代表として、宇宙で戦い勝利を収めたアースイレブンに沢山の選手を輩出した雷門中では、3年生の卒業を惜しむ声が聞こえる。


「三国先輩っ!僕、僕、絶対雷門のゴールを守って見せます!後輩にも、先輩達の意思、ちゃんと、伝えて……ッうぅ…!!」
「最後までちゃんと言えよなー。あ、俺は程々に頑張りまーす」
「狩屋くん、人の事言えないんじゃ……?」
「うっさいなぁ。俺はこれでいーんだよ」
「狩屋らしいなー」


一年生ののんびりとした声。


「先輩達の意思、必ず後輩達にも伝えて生かしていきます」
「ディフェンスは俺に任せてください!後輩達を鍛えてやりますよ!」
「ちゅーか、俺も頑張らないとっしょ!」
「お、俺も」
「まっはっは!!任せちょけ!ワシらもいるぜよ!」
「お前いつもそれだな…」


二年生の固く強い意思。


「あぁ、雷門は任せたぞ。」
「俺達が居なくなってもしっかりな!」
「頑張るド!」


後輩に後を任せ、去って行く三年生。



年度が変わるという事は、そう言う事だと言わんばかりに。
部活、というものはそういうものだ。
何時までも同じチームとはいかない。一年ごとに、同じチームだった奴らは居なくなっていく。
知らない他の奴らがズケズケと入ってくる。
我が物顔で支配し始める奴らが居る。

だが。



「新たに雷門中サッカー部、部長になった神童拓人だ。そして、副部長は二人にやってもらう事にした。キャプテンは変わらずだが。」
「え、えっと、雷門中サッカー部、キャプテンと副部長やります!松風天馬です!」
「天馬くんガチガチじゃん」
「まだ新入生入ってきてないんだから!リラックスリラックス!!」
「……はぁ」


雷門中サッカー部に、そんな奴は誰一人いなかった。


部長は3年生が、という話になり、神童が。
キャプテンは変わらず松風が担当する。


「で、もう一人の副部長どこ行ったの?」
「剣城なら入部届刷りに行ったよ」


三国の後を任され、正ゴールキーパーとなった西園信助が問うと、事情を知っていた松風が答えた。

と、ほぼ同時に、ミーティングルームの自動ドアが開く。
そこにはもう一人の副部長であり、このチームのエースストライカーと、見慣れない顔が二人、立っている。



「入部希望だそうだ」


エースストライカー……剣城京介が低い声で言う。
彼の鋭く尖った声に屈する者はもうおらず、にこりと皆が笑みを浮かべた。




「いらっしゃい、雷門中サッカー部へ!」



新たな雷門の始まり。
また、風が吹く。ホーリーロード二連覇をかけた、風が。



to be continued…




あとがき

久々のイナズマイレブン!
アレスの天秤も面白そうで楽しみです。氷浦くんと神門ちゃんが今の所推し。何だあの子達、アレスの天秤沼への入り口やろこんなん。

無印キャラが沢山出るようで嬉しい限りですが、一方でGOキャラには救いがない世界なのもまた事実。
天馬に至っては、アレス世界軸ではあの事故で死んでるそうで。
この世界軸ではGOキャラは誰一人として救われないですね。剣城の闇は晴れないまま、神童達は管理サッカーに囚われたまま…。
そう考えるとアレスの天秤はGO派にとっては絶望的なものなのでは…とか思ったり。