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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 進撃の巨人 もう一人の人物 ( No.3 )
- 日時: 2018/04/18 18:34
- 名前: けんぬん (ID: Do1fG5Tg)
第1章〜トロスト区死守命令850〜
突然出現した、巨大な顔。それは人間に似ていたが、緋色の筋肉が直接むきだしになった異様な姿である。だが、その異形に目を奪われる隙すらなかった。
すさまじい蒸気が襲ってくる。視界が真っ白になり、体が吹き飛ばされる。
この物語の主人公、ザビニ・ブレーズは、頭の中も真っ白になる。一瞬何が起きているかわからない。
宙に放り出される。ここは地上50メートルの空中。上には不思議なほど平和な青い空。眼科には玩具のような、赤茶けた屋根の街並みが見える。
- Re: 進撃の巨人 もう一人の人物 ( No.4 )
- 日時: 2018/05/03 15:37
- 名前: けんぬん (ID: Do1fG5Tg)
「立体機動」とは何か? アンカーとは?
……しかし、ザビニの体は覚えている。
空中で身体を素早く動かし、腰の脇のホルダーに入った、拳銃に似た操作装置を抜く。身体の正面を壁に向けて、手に握ったグリップのレバーを入れる。ザビニの身体の両脇に固定された射出装置から、高圧ガスで鏃状の打込錨が射出される。鉄線の尾を引いて、壁に突き刺さる。落下が止まり、ザビニは壁に取りつく。操作装置の内側の引き金を引くと高圧ガスの排出。回転機構が、ワイヤーを巻き取る。その力を利用し、ザビニは壁を蹴り、上昇する。
ザビニは思い出す。並みの人間ならば不可能どころか、そもそも想像すらできない、空中における体勢の制御。細い鉄線に体重を委ね、身体を支える技術。3年間の血の滲むような訓練の末に、修得したものだ。
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