二次創作小説(紙ほか)
- その6どんな人でも弾けたい時がある ( No.6 )
- 日時: 2018/08/26 09:05
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「これは妖刀・村麻紗だ」
土方は新たな刀を受け取ってから新たな人格が生まれた。
トッシーという名のオタクの人格だ。
「村麻紗はそれを帯刀するとオタクの怨霊の人格に魂ごと上書きされる」
村田鉄子はそう説明した。
「(なんでオタクの怨霊が…)」
「そうなるともう彼の本来の人格は…」
鉄子がそう言いかけると辺りが急に煙たくなった。
****
武州行き列車、近藤の隣に山南は座っていた。
「どうしたんだ黎助?乗り物酔いか?」
「あ、いいえ。僕、乗り物で酔うことはないので…」
二人の首筋に刀の切っ先が突き付けられた。
「(やっぱり、か)」
「悪いけど言うことは聞いてもらうよ」
伊東は二人にそう告げた。
立たされた二人、怪しい動きをすればすぐ斬り捨てられるだろうと
すぐ分かった。だが別の車両から一人の隊士がこちらへ
歩み寄ってきた。
「沖田くん君は確か見張りのはずだが…」
「そこを退け、そこに立つのは俺だ」
静かに刀を抜き向き合った。山南も刀の柄を握った。
沖田が走り出すと同時に刀を抜き峰打ちで一人倒した。
「貴方が何か企んでいることは薄々察していましたよ」
- その7事件にはいつも野次馬がいる ( No.7 )
- 日時: 2018/08/26 13:19
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
沖田によって切り離された二つの車両の窓から見覚えがある
人影が見えた。
「ありゃあ…旦那、それに土方さん」
「銀時にトシ、それに…」
「鳥田さんまで!!そっか、鳥田さんは仕事で出かけていたから」
車の中に彼、鳥田魁がいると車が小さく見えてしまう。それほど
彼は巨漢なのだ。それだけ聞くと恐ろしく感じる人もいるだろう。
だが彼はとてつもない甘党である。
「う、うぅやっぱり怖いでござる」
トッシーは車の上で蹲る。
「お前少しくらいカッコつけられられないのか!!!」
「そうだよ頑張れ土方さん基トッシー!!」
窓から顔を出し早苗はそう応援した。
「電車に乗り込むぞ!!」
同時に全員が車から列車に乗り移った。
「銀さんも考えることは同じだな」
「魁、お前よく狭い車内から飛び移れたな…」
「まぁ安心しろよ運転は別の隊士に任せてんだ」
鳥田は近藤たちがいる車両の扉に手を置いた。
「ま、待って鳥田さん!!流石にこの扉をこじ開けるのは」
「まぁまぁ見ててくださいよ。絶対開けてやるよこんな扉!!」
力を入れる。ゆっくりだがだんだん扉が音をたて始めスキマが
開く。そしてようやく扉が全開する。
「ほれ開いたぜ」
同時にもう一つの車両の扉も開いた。
「魁、お前も来てたのかィ」
「勿論」
一方、新八、早苗のほうは前方に一人の男がいることに気付いた。
「あ!あれって…」
「アオザイ…白兎族、だっけ?だとしたらヤバくない?」
早苗は拳銃を抜き標準を男のほうに向けた。
「早苗ちゃん?大丈夫なの?」
「多分、邪魔になるでしょ?打ち倒すまで」
二発、三発と発砲する。だが弾丸は彼の鉄扇で弾かれた。
「あ、危ないよ早苗ちゃん!!」
「大丈夫だって!無理しないから!!」
ドアを開き飛び降り、男と向き合った。
「えっと〜…誰?」
思いっきりシリアスをぶち壊す発言をした早苗に男は笑った。
「冥蘭、にしてもお前…なんで降りてきた?黙って車の中に
居ればいいじゃねえか」
「だって貴方、狙ってたでしょ。あの二つの車両を…なら黙って
見るわけにはいかないよ」
- その8事件が消えると一気に人が消える ( No.8 )
- 日時: 2018/08/26 13:53
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
冥蘭の黒い鉄扇は手のひらサイズから彼の身長ほどの大きさに
変わり彼はその大きな鉄扇を自在に操っていた。
早苗は後ろに下がりながら右へ左へ屈んだり跳躍したりして
躱していた。だが早苗の息は上がっていて段々足が思うように
動かなくなってきていた。
「よく頑張るねぇ、けど結構消耗してるんじゃねえのか?」
「…まぁ確かに。足腰痛いし正直疲れたけど。頑張らないと」
そう言った瞬間、早苗の体が宙に浮いた。胸倉を掴み
持ち上げられていた。
「正直惚れたぜ?確か千葉早苗って呼ばれてたな。だけど残念だ」
「(まさか…)」
早苗の予感は的中した。彼は早苗を片手で投げ捨てた。
風を切り彼女の体はどんどん後ろへ飛んでいく。
浮遊感が消え地面に足が付いた。
「危なかったな早苗」
「ひ、土方さん!!?戻ったんですか!?」
「まぁな」
早苗は胸を撫でおろした。
とりあえずは一件落着ということになる。
「でもまさか鬼兵隊だけでなく白兎まで関わっていたなんてな」
「名前だけは知ってるんだけど…」
「夜兎より少し力は弱いし退けないワケではない。でもちょっとや
そっとの傷は彼らには意味を成さないかな。彼らは夜兎よりも
傷の治りが早い。それと寒さに弱い、ぶっちゃけ氷水の水鉄砲を
使えば逃げるんじゃないかと思うほどなんだよね」
「何だろう山南さんがそれを言うと本当にできてしまうんじゃないかと
思ってしまう」
新八は山南の説明でそう思った。
—山南の力ってすげぇな…(確信)
これが全員一致の感想だった。
- その9事件後はとりあえずホッとする ( No.9 )
- 日時: 2018/08/26 15:20
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「本気出してないとはいえ遊んでたのか冥蘭」
冥蘭の襟首を掴み引きずっている男、神薙は低い声で
そう言った。彼は早苗と冥蘭の戦いを最初から見ていた。
「遊んでねえよ〜…」
****
「伊東先生がまさか鬼兵隊と組んでいたとは驚きだな」
「全く酷い目にあったぜ…まぁ済んだことはいっか」
伊東は死んでしまい、もういない。
「鬼兵隊もだけど厄介そうな奴がいたじゃないですか。早苗を
投げ飛ばした男、あの恰好は絶対白兎ですよ、本人も言ってましたぜぇ
アオザイを着てたって」
沖田はご飯を食べながらそう言った。
「彼らがどこにいるかも分かりませんしとりあえず今は
置いときましょう情報もありませんし」
「山南の言う通りだな」
全員意見が一致した。
これで暫くは普通の日常生活が送れるだろう。