二次創作小説(紙ほか)
- その14知らないうちに自分が大物になってることもある ( No.14 )
- 日時: 2018/08/27 16:56
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
刀鍛冶。その店内で山南は刀を受け取った。
「鉄子さん、これって刀ですよね?」
「あぁ。その刀は刃こぼれしそうだから、小島という男が
山南黎介にとびっきりの刀を作ってほしいと」
小島鹿埜、少ししか話していないが彼は山南を
一目見て高評価していた。
「特殊で変人ばかりの真選組で一番の常人、真選組の中で彼ほど
文武両道の男はいないと言っていた。時折、町の人々からも
お前のことを聞いたことがある」
「ぼ、僕そんな大した人間ではありませんよ…」
山南は照れた。一つにまとめた長い黒髪が揺れる。
「小島という男から代金をもらった。だから受け取ってくれ」
鉄子から受け取った納刀された刀をゆっくり抜いて刀身を
見つめる。そこには鉄子の思いが籠っているように感じた。
「私は人を護る剣を作ろうと刀を打っている。私の刀を
街を護る真選組の隊士、副長が使ってくれるとなれば嬉しい」
「僕も嬉しいです。貴方みたいな鍛冶屋からの刀なら大切に
使うことができます!」
- その15美男を取るのは早い者勝ち ( No.15 )
- 日時: 2018/08/27 19:32
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
休暇届けが近藤の手にあった。
「珍しいですね山南さんが休暇なんて…何かあるんですかねぇ」
「すでに何を企んでいるか手に取るように分かる…」
「どす黒いな…」
沖田のそんな腹黒い考えにより沖田、土方は山南の後を追う。
山南はすでに黒地の着物に着替えていた。彼の後ろを沖田たちは
追っていく。
「子どもたちが集まってきたな」
山南の周りには男女問わずの子どもたちが集まってきた。
「山南の兄ちゃん、どこ行くの!!?」
「吉原に行くんだよ。僕の大切な人がいるんだ」
「山南兄ィ、俺、兄ィみたいになりたい!!どうしたらなれる!!?」
「そうだなぁ…どんな人にも優しくなることだよ。お巡りさんは
頼もしくて優しい人じゃないといけないからね」
「山南兄ィまた遊んでね!!今度はおままごとしようね!!」
「うん時間が空いたらまた来るね、じゃあね!」
山南は子どもたちの質問や言葉に全て答え切り手を振る。
この優しさが山南の人気の秘密なのか…。
次に彼は雑貨屋へと入った。追って沖田たちも雑貨屋に入り山南とは
背を向けて真後ろに立って何を見ているのか探る。
沖田「…櫛を見ているみたいですぜ…」
土方「髪をとかすためとは違うっぽいな。頭飾りか」
沖田「あ、ぬいぐるみも見てますぜ」
山南は可愛らしい白猫のぬいぐるみと桜が飾られている金色の
櫛を手に取り会計を済ませ店を出た。
土方「山南、女と会うのか…」
沖田「まぁ櫛ならまだしも人形となりゃあ山南さんは自分で買いは
しやせんからね」
そして最終的に彼らは吉原へ飛んでやってきた。
- その16美男には美女が集まってくる ( No.16 )
- 日時: 2018/08/27 21:09
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
青みがかった黒髪、黒地に水色や桃色の蓮が描かれた裾が少し長い
着物を着た女性が山南の前に立つ。
「まぁ黎助様、わざわざ会いに来てくださったのですか?」
「えぇ久しぶりに会いに来ました明莉さん。だって僕の恋人ですから」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?」」
土方と沖田は珍しく大声を出し目を見開き驚いた。その声に
山南たちも驚いた。
「山南様のお仲間ですか。山南様って真選組ではどんな人なんですか?」
明莉は目を輝かせてそう聞いた。
「一言で言えば…親切者だな。俺たち真選組には荒れてた奴が
多くいるからな。山南ほど温和な性格の男は近藤さんぐらいだ」
「そんなのは私が一番分かります。幼馴染ですし恋人ですから。
人の陰口も一切言わないし気遣いもできてそれに子ども好きだし…
いつか結婚して子どもができたらって想像したら〜」
明莉は両頬を赤く染め山南の腕に抱き着く。
沖田「(リア充爆発しろ〜)」
土方「(やめとけ)」
「僕、子どものときに虐められてたんです。髪が長くて女の子より
身長も低いから女みたいだって」
山南は髪を結っていた白い紐をほどいた。腰より少し長い黒髪だ。
土方と沖田には一瞬だが綺麗な女性に見えた。
「でも僕の髪を綺麗だって明莉さんが言ってくれたんです。それで
僕から告白したんですよ」
「僕が貴方を守ります。いつか心を逮捕します。—でしょ?」
カァ…と山南の顔が赤くなる。明莉は山南の髪を束ね白い紐で
結び更に水色の紐で二重に結ぶ。
「真選組である限り戦いは避けられない。でもどうか無事でいて
くださいね?私ずっと待っています」
「頑張ります僕も。この紐も大事にしますから。後、お返しに
これをどうぞ」
山南はぬいぐるみと櫛を渡した。
「わぁ!!可愛い、大事にしますね!!お仕事、頑張ってくださいね」