二次創作小説(紙ほか)
- Re: テイルズオブスターダスト ( No.1 )
- 日時: 2018/10/13 18:53
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
シュテルン大陸、エアリーズ。エアリーズとは牡羊座のことをいう。
そこにエマ・ヴィーガという少女が住んでいる。彼女はあちこちを
旅しようと軽い気持ちでいた。彼女の出会いはすぐ起こった。
「エマ、エマ・ヴィーガ、私の声が聞こえますか?私の姿が
見えますか?」
二人だけの空間のように周りの声が聞こえなくなる。目の前には
透けた体を持つ桃色の長髪の女性がいた。彼女は悲しそうな顔を
している。
「私は星々を護る者、名をライジェルといいます。貴方に私は
この世の星々を救ってほしい」
「待って、救うってどういうこと?世界で何かが起きているの?」
「私は長く姿を保てません。申し訳ございません貴方を危険な運命に
向かわせてしまう。ですがきっと異変はこれから起こる、どうか
頼みます——」
そう言ってライジェルが消えていく。
この出会いが彼女が救世主になる始まりの合図だ。
- Re: テイルズオブスターダスト ( No.2 )
- 日時: 2018/10/13 22:35
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
シュテルン大陸は国で分けられていない、12星座で地域を
区別している。エマはエアリーズ訂正アリエス区の出身だ。
彼女はさっきの出来事を知り合いに話した。その男には幼い頃から
何度も世話になっていた人形師。
「やぁやぁ一段と大きくなったじゃないか」
右目に火傷の跡がある男が扉を開け彼女を中に案内する。
彼は人形師ルーベルト・ノクタスである。彼にライジェルという
女性と会話したと話す。
「ライジェル…これは凄いことだよ!エマちゃん!ライジェルって
言う人はこの世に存在する星という星を護る女神様さ!
おじさんだって会ったことがないんだよ!!エマちゃんはきっと
救世主になれるんだよ!」
「き、救世主!?無理無理、私よりも相応しい人なんてこの世に
何人だっているって」
「そんなことはないさ。昔、予知能力を持つ作家がいてね
その作家の冒険譚が人気なんだ、君も読んだことがあるはずだよ?」
少女と星——。
「少女と星…だっけ?」
「そう、それだ。君はこの物語の主人公なんだよ!この本の通りに
行くと良いかもしれないよ」
ルーベルトは本を彼女に手渡す。その本を捲る。次のページには
仲間の出会いが描かれている。
「じ、じゃあ頑張ってみます!」
「頑張ってねエマちゃん!」
- Re: テイルズオブスターダスト ( No.3 )
- 日時: 2018/10/13 23:08
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
この地域に来たばかりなのか白い中華服を着た男は辺りを見回しながら
街を歩いていた。彼の出身はサジタリウスでアリエスのお隣だが
ここに来たことは無いようだ。その姿を見てエマは思わず彼に声を
掛けた。
「あのどうしたんですか?」
「あ、いやここに来るのは初めてで、ちゃんと情報は持ってたけど
見慣れないものがたくさんで…ッ!!」
男はエマの腰についている二つの鈴を見て驚いた。赤と黒の鈴からは
不思議な力を感じる。
「この鈴…12星座の鈴、君は二つの星座に選ばれたのか…」
「この鈴、特別な物なんですか?」
「君、知らなかったのかい?この鈴はライジェル様の力の源でも
あり、鈴自体が選んだ所有者を支えてくれるんだ」
男が鈴を見ながら語る。
「私はフェイラン・ル—ウェン、君は?」
「エマ・ヴィーガです。よろしくお願いしますフェイランさん!」
そんな二人の間を一本の弓矢が通り過ぎる。飛んできた方向を
見ると弓を持った少年が立っていた。
「…危ないね、そんなモノをこんな場所で放つなんて」
その少年には狐の耳と尾を持っている。
「ねぇそっちのお姉さん。僕その鈴が見たいな〜」
少年は無邪気に笑いながら鈴を指差す。エマが鈴を見せようとすると
フェイランがそれを止めた。
「それを彼に渡してはいけない。私は情報屋をしていたからね君が
何処に所属しているのか分かるよ?ノワール・レクイエムの子だろ?」
少年の顔から笑みが消えた。
「うん、そうだよ。カイっていうんだ。で、僕に見せてくれないの?」
「ごめんね。これは私にとっても大切な物なんだよ。だから易々と
見せることはできないかな…本当にごめんね」
手を合わせ謝る。だがすぐにエマは仰け反り鼻の先を通り過ぎる
矢を見ていた。どうやら力尽くにしたらしい…。
- Re: テイルズオブスターダスト ( No.4 )
- 日時: 2018/10/13 23:17
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「私は遠距離相手では不利だ。引き付けることはできる、エマだったか
君の戦闘スタイルは?」
「私は魔法が得意です。剣も少し、といっても並の人より少し
出来る程度ですけど」
「なら遠距離からの援護を頼むよ」
エマは彼の言葉に頷く。フェイランはゆっくりとスピードに
乗りながらカイの弓矢を避けていく。
「君と私では鍛錬の時間が違う。それを忘れてもらっては困るよ?」
フェイランの鋭い蹴りがカイの小さな体を捕らえた。
カイがその場に蹲る。
「うぐぐ…僕、痛いのは嫌い…絶対お姉さんの鈴を奪うから!」
そう言い残しカイは姿を消した。
「…私は馬鹿弟子たちを探しに来たんだが、君と利害が一致したようだ
君は彼ら、ノワール・レクイエムと戦う、絶対に…」
「待って!そのノワール・レクイエムって?」
フェイランが彼女に説明した。ノワール・レクイエムとは
12星座の鈴を狙う集団である。あちらこちらで襲撃があり彼らに
幾つかの鈴がすでに奪われているという。
「その鈴の力を彼らは狙っている。君の情報は彼らに伝わるだろう」
- Re: テイルズオブスターダスト ( No.5 )
- 日時: 2018/10/14 12:58
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
フェイランがエマを連れてやってきたのはあるギルドだった。
「ここって確か…ギルド『月狼』だっけ?」
「あぁ、このギルドは月狼という顔と軍隊『アリエス隊』の顔を持つ。
その隊長、ギルドマスターに話を付け味方に付ける…大丈夫、彼は
話を聞いてくれる人さ」
ギルド内に入り奥へと進んでいきフェイランが扉を開けて
二人で中に進んでいく。
「久しいなリーヴェル」
「フェイラン、君だったのか」
毛先が青い白髪の男とフェイランが握手する場面をエマは見ているだ
け。リーヴェルと呼ばれた男がエマの方を向いた。
「初めまして私はリーヴェル、よろしくねエマちゃん。君の事情は
フェイランから聞いてる。それにルーベルトさんからもね」
その名前を聞きエマは驚いた。彼がここと関わっているとは
知らなかった。
「彼も昔はここに所属していた。年だからといってやめてしまったけど
彼は君が物語の主人公と同一人物だと仮定しているようだ。
どうだろう?私はエマちゃんのことをもっと知りたいんだ。今晩は
泊っていかないか?」
リーヴェルが窓を指差す。夕日が昇り始め空が赤く染まっていた。
「夕方、だな…外ではうろつけないな」
「じゃあお言葉に甘えさせてもらいます、リーヴェルさん」
- Re: テイルズオブスターダスト ( No.6 )
- 日時: 2018/10/14 14:32
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「なぁなぁ、あんたがエマか?」
早速エマに声を掛けてきたのは青い髪をした青年だった。
年齢は恐らくフェイラン以下エマ以上だろう。
「まぁそうですけど…あの貴方は?」
「俺はトリス・ヘルスタン、よろしくな!お前も剣術を使うのか?
それなら俺と手合わせしようぜ!」
「え!?」とエマは驚く。すぐに首を振って自分は剣術をあまり
使わないと伝える。
「え?そうなのか?」
「はい、並みの人より少し扱える程度だし…多分、秒単位で
負けちゃいますよ」
「なーんだ、剣持ってるからさてっきり剣士なのかと思ったぜ」
「あはは、すみません」
そのうち二人は親しくなっていく。その様子をリーヴェルは影で
見ていた。
「決まり」そう呟きその場を後にした。
****
「はぁ…私までその依頼解決の手伝いを?」
エマはそう聞いた。
「あぁ、来てほしい場所はここからすぐ近くの路地裏付近らしいんだ
頼むよ」
彼女は頷いた。彼女の他にフェイラン、トリスの二人がいる。
その場所に向かうと一足早く彼らが待っていた。
「路地裏付近で待ち合わせなんて…どんな人なんだろうな?」
「さぁ?私たちはただここで待っていればいいんです。来てから話を
聞きましょう」
フェイランはそう言い、口を閉じた。エマの表情もゆっくりと
変わっていく。
「ホントに来るんだな、ニセモノの依頼書でも。それにしても
運が良いぜ、鈴を持ってる奴も釣れてさ!」
「私を魚みたく言うなし!!ってか誰!?」
大きな鎌を持った少年をエマは指差す。
「セスティア、じゃあ名乗ったし暴れさせてもらうぜ!!」
セスティアという少年は真っすぐエマを狙い鎌を振り上げた。
その鎌をトリスが剣で受け止め弾き飛ばす。
「流石だよな軍人って…まぁ俺が楽しめなくなるから嫌だけど…」
彼が何やら合図をすると同時にエマをフェイランが突き飛ばす。
- Re: テイルズオブスターダスト ( No.7 )
- 日時: 2018/10/14 15:20
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
突き飛ばされ地面に背をぶつける。エマはすぐに立ち上がる。
フェイランが素手で青年の短剣を掴んでいた。
「邪魔だなぁ…ディミア、ソイツを殺せ」
「分かった。これは俺が殺す」
淡々とした声で青年ディミアはそう言う。ディミアはもう一本、
隠し持っていた短剣を左手で持ち横に振るった。それを
後ろに下がり躱したフェイランは掠った頬に触れる。
「ここまで動いたのは何年振りかな…」
「オイ、エマ。俺たちはアイツを」
トリスの言葉にエマは頷く。トリスはエマより前を行き
接近戦を仕掛ける。セスティアも鎌を器用に使いトリスを相手取る。
「成功へ導け!ラピスラズリの夜!」
エマの魔術が発動する。群青色の光がエマとトリスを包み込んだ。
トリスの一太刀がセスティアの鎌を破壊する。破片が辺りに飛び散る。
「お、俺の鎌…それにお前、なんでそんな魔法を…!!」
その真横を何かが通り過ぎる。
「ぐぅっ…!!」
壁に背中をぶつけディミアが何度も咳き込む。
「フェイランさん…お前」
「私の実力、舐めてもらっては困る。一応、師匠をしていたからね」
「(ディミアめ、使えない…)」
セスティアはディミアの顎を蹴り飛ばし強制的に立たせエマたちに
背を向け、何処かへ消えた。
「酷い…仲間を道具みたいに…。それよりフェイランさん、その手、
大丈夫なんですか?手当てしないと…」
「いや気にしなくていい。こんなことで手間をかけてられないだろう。
このことをリーヴェルに伝えに行こう」
- Re: テイルズオブスターダスト ( No.8 )
- 日時: 2018/10/14 16:04
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「…ノワール・レクイエムか。活発になってきたな」
「あぁ、これも多分鈴を、否…アイツの使う魔法目当てか」
リーヴェルが疑問を浮かべる。
「エマは…ライジェル12魔法を扱っている」
リーヴェルもトリスもエマも、話したフェイランも驚いていた。
「わ、私が使ってた魔法が…そんな!?」
「ライジェル12魔法、星座、宝石の二種類に分かれていて
ライジェルが大地を守るために使ったとされる魔法ですね。予知者は
その魔法を使えるのは本当に純粋な心を持った者しか扱えないのでは
ないかと言っています」
話ながら現れたメイド服の女性が彼らに一礼する。
「ラン、と申します。以後お見知りおきを」
「ラン、どうしたんだ?」
リーヴェルはランにそう聞いた。
「12魔法のことを聞き、つい…エマさんでしたか。貴方は自信を
持ってくださいね。その魔法は使用者の心を映すとも言われています」
「ランさん、すっげー詳しいな」
「これでも魔術師ですから。きっとレクイエムは様々な場所を
占拠します。どうでしょう?次はサジタリウスへ向かってみては?」
エマは頷いた。
「そうだね行ってみる!」