二次創作小説(紙ほか)
- Re: 銀魂オリジナルver.【改】 ( No.1 )
- 日時: 2019/03/03 20:52
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
5年前、中澤琴音は行方をくらました父に続き母の死を見ることになった。彼女が外に出てから
近藤、土方、沖田、銀時、神楽、新八、桜庭たちは彼女の母・海羽にあることを頼まれた。
海羽「あの子を…琴音を頼みます。どうか彼女の傍に」
そう言い残して息を引き取った。
5年後の現在、琴音は真選組の屯所で一泊していた。山南は赤茶の長い髪を結い終わり素早く
着替えを終える。
琴音「あの山南さん何か今日はお仕事があるんですか?」
山南秀助、土方よりも少し下の立場の総長の男だ。色白で背丈もあまり高くない、性格も
優しく温厚な彼だが文武両道だ。剣は勿論、柔術の名手でもある。
山南「うん、少し城の警備で…少し危なくなるけど来るかい?」
琴音「え、いいの?」
沖田「いいんですかィ山南さん。そいつに何かあったらヤバいですよ」
沖田は二人の会話に割って入った。山南は笑顔で「大丈夫」と言う。
山南「いざとなったら俺が罰を受けるからね。それに何となくだけど銀さんたち万事屋も
いるような気がするんだ」
沖田「旦那が…」
江戸城、神楽と将軍の妹そよと遊ぶのを見ていた銀時がくしゃみをした。
新八「銀さん、大丈夫なんですか?」
銀時「大丈夫だって。誰か噂してるんだろ」
さよは突然、桜庭八郎のほうに駆け寄った。
神楽「さよちゃん?どうしたの?」
八郎「?」
八郎も首を傾げた。さよの目線は肘から下が無い左腕に向けられていた。
さよ「じぃやと同じ…左腕が無いのですね…」
哀しそうに呟いた。八郎はスッと片膝を着き屈んだ。
八郎「姫様そんな悲しそうな顔をしていては幸せが逃げてしまいます。笑顔でいなければ
缶蹴りも楽しめませんよ。僕のお友達も今度紹介します」
神楽「琴音ちゃんアルネ!」
さよ「琴音?」
神楽「うん、中澤琴音ちゃんアル」
- Re: 銀魂オリジナルver.【改】 ( No.2 )
- 日時: 2019/03/03 21:15
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
夜になって真選組と見廻組が江戸城に到着した。
異三郎「誰かと思えば貴方たちですか」
近藤「あぁ佐々木さん」
近藤は笑顔で反応し挨拶しようとするもそれを異三郎は無視する。
琴音「…何かもっと仲良くなれたらいいのにね」
山南「そうだね。まぁそのうちどうにかなるさ。にしても変だ」
沖田「山南さんの変だって予感よく当たるから怖いんですよね」
沖田は溜息を吐いた。彼の手には鍵が握られていた。それを見て山南は察した。
牢屋となっている建物の扉を開けると鉄格子の奥に銀時たちがその前にはさよがいた。
彼女は驚いた。
山南「大丈夫、敵じゃない。今からここの鍵を開けるから」
沖田は鉄格子の鍵を開けた。
沖田「旦那、一体何が起こったんです?」
銀時「知らね」
八郎「徳川定々は知っているね?どうやら彼は天照院奈落と結託していたらしい」
天導衆配下の暗殺組織、それが天照院奈落だ。彼らには体の何処かに八咫烏の入れ墨がある。
何かの音が聞こえ全員が音のする方向を見た。その人物は青がかった黒髪の青年だ。
沖田「何者だお前。まさか奈落か?」
???「俺は禊、天照院奈落ではない」
彼の声色に少し琴音は引っかかった。
禊「…事が大きくなる前にさっさと出な」
さよ「貴方は味方、ですか?」
禊は顔を少しも変えず息を吐いた。
禊「姫、それは貴女に任せる。別に敵だと思ってくれても構わない」
それだけ言い残し彼は姿を消した。
- Re: 銀魂オリジナルver.【改】 ( No.3 )
- 日時: 2019/03/04 17:47
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
さよと怪我を負っている六転舞蔵を山南に任せ他は江戸城へ乗り込む。
山南「…嗅ぎつけたみたいですね」
さよ「山南さん…あの…」
心配そうに見つめる彼女を安心させるように笑みを浮かべる。
山南「大丈夫、任せてください真選組総長、山南秀助を」
向かってくる天照院奈落を斬り捨てていく。さっきの表情からは想像できない覇気を
感じた。隊士たちが並び道を作る。山南たちの向かい側、江戸城の門から馬に乗り
徳川茂茂がやってきた。山南は深く頭を下げる。
さよ「お兄様」
茂茂「さよ、舞蔵…無事で良かった。其方が二人を、名をなんというのだ?」
山南「真選組総長、山南秀助と申します」
茂茂「そうか、二人を守ってくれて感謝する」
山南「もったいないお言葉です…」
その後、茂茂は自ら江戸城を占拠した徳川定定と対峙することを決意し乗り込むと言い放った。
江戸城内では禊と天照院奈落の首領格、朧が立っていた。
—やっぱり敵、なのか?禊は槍を突き出す。その槍は琴音に狙いを定めている。
銀時「…琴音、無理はするなよ。桜庭、コイツのことは」
八郎「分かってる」
八郎は刀を抜いた。全員が武器を握り駆け出す。琴音は槍を躱し刀を突きだした。
禊「やはり力は女か。だが動きは悪くない」
琴音「私は剣術なんてあまり強くない。でも…私には頼れる人がいる」
禊は振り向きざまに回し蹴りを放つ。視界には水色の和服が微かに見えた。禊はすぐに
左へ飛び退く。前に突き出された刀は一瞬止まり、左へ薙ぎ払われた。槍で弾かれ
八郎は顔を上げる。
- Re: 銀魂オリジナルver.【改】 ( No.4 )
- 日時: 2019/03/04 18:17
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
八郎「禊さん…貴方、琴音ちゃんのことを知っているんですね」
禊「…鋭いな。その先の推理を教えてもらおうか」
八郎は写真を見せる。禊に瓜二つの男と琴音の両親が映っている。
八郎「貴方には騙されました。黒さん」
そこには八郎と琴音、禊しかいない。禊は笑った。片目のコンタクトレンズが無くなり
黄色の瞳が露わになる。
黒「そう…俺はただ天照院奈落に潜入していた情報屋、中澤琴音の従兄さ」
琴音「黒さん、良かったホントに敵じゃなくて」
黒はそっと琴音の頭を撫でる。
黒「だがすまない…俺はお前とずっと一緒にいることは出来ない…また戻らなくてはいけない。
桜庭、彼女を頼むよ」
八郎「えぇ」
黒は二人に背中を向け歩き出す。
一旦場所を戻るとそこには将軍、徳川茂茂がいた。
琴音「し、将軍様!?」
茂茂「もしかして中澤琴音と桜庭八郎とは…」
八郎「えぇ僕が桜庭八郎でこっちは中澤琴音です」
茂茂「そうであったか…」
城から出てそれぞれは帰宅した。
近藤「二人揃ってここで一泊するのか…分かった良いぞゆっくりしていけ」
八郎「有難うございます近藤さん」
「ただし」と近藤は話始める。
近藤「八郎には隊士たちの剣術指導をしてもらうからな?」
八郎「…分かりました」
