二次創作小説(紙ほか)
- Re: 文豪ストレイドッグス【S】 ( No.1 )
- 日時: 2019/04/14 15:28
- 名前: 枢 (ID: s00TEuml)
二葉亭四迷の異能力【浮雲】強力な能力だ。認識を操り重力も効かない。そして彼女を力での
圧や恐怖で沈めることは決してできない。何にも捕らわれることなく過ごす正に【浮雲】
志賀直哉の異能力【暗夜行路】同じく探偵社員である宮沢賢治の異能力と同じ強化系だが
怪力に加え脚力、腕力ですら彼を軽く超える能力だ。
中島「四迷さんは志賀さんに招待されてここに?」
四迷「え?そうだけど…たまたまヨコハマに引っ越してくるときにね一緒にここで働こうぜって」
与謝野「アイツと仲が良いなんてね。ヨコハマに来る前は何処に住んでたんだい?」
与謝野晶子は四迷の隣に座りそう聞いた。ここに来る前はフジに住んでいたが母が死に、父は
それを機にここへ引っ越すと言い出した。父と言っても義父、小林多喜二だ。彼もこの
探偵社で働いている。
与謝野「あ、アンタ小林多喜二の養子なの!?」
新人の敦と四迷そして四迷の友人である志賀直哉以外の全員が驚く。
谷崎「小林さんの…義理の娘ってこと!?」
国木田「オイそれは本当なのか?」
四迷「ほ、ホントだってば!なら本人に聞けばいいじゃないですか」
場所は変わって社長室、四迷の声が微かに耳に入った。
小林「仲良くなれそうで良かったぜ。それとアイツをここに入れるって話、受けてくれて
感謝するぜ福沢」
福沢「感謝されることは何もしていない。…お前の異能力の事は知っている。お前は周囲の
人間のありとあらゆる負の感情を吸い取り寿命を延ばし続ける」
小林「…俺はこの異能力が嫌いでな。でもアイツの負の感情を吸い取るのはやめないぜ」
小林はコップを机に置き立ち上がった。そして扉を潜り部屋を出た。事務室に入るとすぐ
予想通りの質問が飛んできた。
- Re: 文豪ストレイドッグス【S】 ( No.2 )
- 日時: 2019/04/14 17:52
- 名前: 枢 (ID: s00TEuml)
四迷「これ…何処に向かってんの?」
志賀は四迷を背負って走りながら一人の男を追っている。
志賀「知らねえ。でも死体の前に立ってて逃げた辺り何かあるんだろ」
四迷「あの恥ずかしいんだけど…」
志賀「我慢しろよ四迷」
志賀は走りながら返す。男は奥で止まった。志賀は四迷を地面に降ろした。止まった男が
黒い何かに貫かれ地面に倒れた。
志賀「…逃げるぞ四迷」
ポートマフィア芥川龍之介、彼の存在は四迷も知っていた。教えられた。
志賀「…まぁでも四迷の異能力じゃ脅しも通用しねえよな」
四迷「まぁね攻撃力は無いけどね」
苦笑して付け足す。
芥川「貴様ら探偵社の…」
四迷「二葉亭四迷、変わった名前だら?小林多喜二って言う人がつけてくれたんだよねぇ」
小林多喜二、その名前を口にしたとき微かに彼の表情が動いた。彼は小林多喜二と何か関係を
持っている若しくは何か知っている。
芥川「早々に死ね」
芥川の黒獣が四迷を喰らう。だが四迷は消えた。驚き辺りを見回す。志賀の腕を掴み四迷は
宙に浮いていた。
四迷「私の能力は浮雲、獣であろうと何だろうと私を捕らえることは出来ない」
- Re: 文豪ストレイドッグス【S】 ( No.3 )
- 日時: 2019/04/14 20:16
- 名前: 枢 (ID: s00TEuml)
ポートマフィアのアジト、マフィアのリーダーである森鴎外の元に一人の男が現れた。
右目に黒い眼帯、黒いライダースジャケットを着た細身の男、小川未明。彼の異能力は
【赤い蝋燭と人魚】二重人格で今の彼は裏の人格、気性が荒く喧嘩っ早い、近接戦闘に秀で
かなりの打たれ強さと高い身体能力を持っている。
小川「オイ言っておくが俺はマフィアに手を貸すつもりはねえからな。用事が済んだら
繋がりは断つ」
森「あぁいいとも。そういう約束だったからね君とは、そうだ私の部下が二葉亭四迷という
少女を見たと言っていたよ。能力は浮雲と言っていた」
小川「親切にどーも」
小川は部屋を出ようと後ろを向いた。その時に丁度マフィアの幹部、中原中也が部屋に入って来た。
お互いに顔を見合わせる。
小川「…チビだけど幹部にいる辺り、それ相応の実力はあるみたいだな」
中也「ンだと!?」
ムキになる中也を余所に小川は部屋を出た。
探偵社には一人の青年が来ていた。ずっと俯き口を開かない。真っ白な髪で微かに覗ける
両目は紫と赤のオッドアイだ。
福沢「島崎藤村、だな」
そう呼ばれた青年は少し顔を上げる。顔が見えた。紫の瞳をしている白目は真っ黒に染まっていた。
とても人間の目とは思えない。探偵社の近くの路地で一人で立っていた島崎を四迷が見つけたのだ。
彼は小さく頷いた。内務省異能特務課から警戒されている異能力者は警察に行く勇気も無く
同じく異能者が集まるここに足を運んだという。彼の異能力【夜明け前】は触れた相手の痛覚を
操れる能力だ。
島崎「怖がらないんだ…俺が触ったら皆、痛くて狂って死んじゃうのに」
国木田「太宰は異能力を消すことが出来る。お前の異能力も恐怖のうちには入らない」
- Re: 文豪ストレイドッグス【S】 ( No.4 )
- 日時: 2019/04/14 20:53
- 名前: 枢 (ID: s00TEuml)
国木田「四迷、ソイツを監視していろ」
四迷「え、私?」
小林「本当にお前の異能力は強力なんだ。自分にとって利益がある能力の効果は受けそれ以外は
受けない。人間にとって痛覚を無くされるのも増えても不利益だ。だから多分、島崎の異能力は
四迷には効かない」
他の皆がいなくなった。島崎はずっと顔を伏せている。
四迷「…藤村はずっと一人でいたの?」
島崎「母さんも父さんも俺の能力知ったから捨てた…俺も理由は知ってたから…」
四迷「藤村は本当はここに来るのが理由じゃなくてもしかして…」
島崎「こんな能力があるなら死んだ方が幸せ…」
相当精神的に追い込まれているようだ。
四迷「確かに怖い能力だけど…使い方次第じゃないかな?麻酔みたいなことも出来るって
考えたら少し便利な気がする。小さいときによく転んでさ痛くて泣いてた時も多くて…
でも藤村の能力なら少しは楽にすることが出来るじゃん!」
島崎は少し顔を上げる。二葉亭四迷という少女を見て亡き父を思い出す。母がいないとき父は
不器用ながら彼を慰めてくれた。もしかしたら自分の異能力も役に立てるかも、と…。
国木田「四迷!太宰を探しに行け!」
四迷「え!?い、いる場所は…!?」
国木田「ポートマフィアのアジトだ」
それを聞いて島崎は立ち上がり四迷の手を握った。
島崎「太宰治の事は知ってる。多分地下牢にいるから案内する。元々マフィアだったから」
四迷「い、行ってきますぅ!!!!」
街を駆けだし途中で隠されていた通路を通る。階段を下る。物陰に隠れる。牢には帽子を被った
小柄な男と眼帯の男、そして太宰がいた。小柄な男、中原中也の蹴りで鎖が切られた。四迷は
ホルダーにある拳銃を抜き発砲する。弾は重力操作で地面に落ちた。
- Re: 文豪ストレイドッグス【S】 ( No.5 )
- 日時: 2019/04/14 21:50
- 名前: 枢 (ID: s00TEuml)
小川「お前か二葉亭四迷は。敵だけど名乗っておく小川未明だ」
小川未明は四迷に歩み寄る。彼女の前に藤村は出て蹴りを入れる。その蹴りで小川は吹き飛ぶが
何もなかったかのように立ち上がる。
小川「何不思議そうな顔してんだよ。打たれ強い奴はいくらでもいるぜ」
島崎「それで充分…俺の能力で苦しめばいい異能力【夜明け前】」
小川が目を見開き四つん這いになる。荒い息をする。
太宰「四迷ちゃん、コイツに君の力を見せつけるんだ」
四迷「え…えぇ!?」
太宰「僕を殺せるというぐらいだ。殺すならまずは彼女に勝ってみればいい。まぁ僕の推測では
君は彼女に勝てない、相性最悪だからね」
太宰は笑った。中也の顔が引き攣る。ギロリと四迷を睨む。無茶だろと思い四迷は太宰のほうを
見るも何もない。地面を蹴り殴り掛かってくる中也に気付き四迷は全身を使い跳躍する。
空中でフワフワと浮いている。
中也「なっ!?俺と同じ重力操作か…」
太宰「違うよ。確かにあれは無重力で浮いている。だけど彼女が本気になれば彼女は無敵、
不透明な透明人間さ。彼女には重力もどんな重圧も力での脅迫にも屈しない精神と力を持つ」
太宰は微笑んだ。彼は降りてこいと四迷を手招きする。
太宰「君も知ってるだろう…小林多喜二を」
中也と四迷が目を見開く。四迷の義父、小林多喜二の過去…。
太宰「どうせだから君にも教えてあげるよ。僕は全部知ってるからね。小林多喜二のこと…」
- Re: 文豪ストレイドッグス【S】 ( No.6 )
- 日時: 2019/04/14 22:27
- 名前: 枢 (ID: s00TEuml)
数年前、マフィアの幹部だった小林多喜二。
小林「二葉亭…変わった名字だな」
太宰「そう。その家族は異能力者らしくてね。何でも娘は異能力二つ持ちだなんて噂が出てる」
小林「森先生から色々依頼は受けているが…」
多喜二は一枚の紙を見る。元・構成員、二葉亭吉数、異能力者の女との結婚を機にマフィアを
抜けた。その男を幹部らに女と共に始末しろと言われた。
太宰「…貴方に無理なら僕が二人を殺すよ。そしたら君がその娘を引き取ればいい。両親を
失った彼女の負の感情は膨れ上がるだろうしね」
小林「そうだな…」
二葉亭邸に太宰と多喜二はやってきた。吉数は何処の誰なのか察しがついているらしく二人を
中に入れた。
吉数「始末されることは薄々感じていた。妻も病気でもうすぐポックリだからな」
太宰「随分と潔いね」
吉数「娘の成長がみたいのは事実だが充分稼いだし…大丈夫だろ、四迷も俺と彼女の血を
受け継いでる。彼女の異能力は強力だ。彼女を頼むよ」
吉数は多喜二に拳銃を渡す。その拳銃の銃口を吉数の胸に当てる。撃てない、無抵抗なのに…
引き金を引けばいいだけなのに…。発砲音が聞こえる。銃を構えていた太宰が多喜二の手から
銃をかすめ取る。
****
数週間が経った。探偵社の手伝い人として人手が必要な時に島崎に手伝ってもらうという形に
なった。彼もだんだんと笑うことが多くなってきた。