二次創作小説(紙ほか)

Re: 怪盗キッドの妹が転生者な件について ( No.16 )
日時: 2019/05/12 22:27
名前: ぽん酢時計 (ID: 3nlxUYGs)


 <男性陣の恋バナ>

 「お前さぁ。遠山さんのこと好きだろ。」

 黒羽がふと声に出した言葉に服部は固まった。

 枕投げの最中、唐突にそんなことを言ったのだ。

 固まってしまうのも無理ないだろう。

 「はぁ?。」

 原作だと好きと自覚していないので服部は眉を潜めた。

 「俺もそんな気がしてた。」

 乱馬も、投げようとした枕を抱え、そう言った。

 「何いうとんねん。和葉は兄弟みたいなもんやで?。

 好き嫌い決めつけるもんちゃうやろ。」

 ワケわからん、と服部は布団の上に座る。

 「そないなことより。乱馬もあかねさんのこと好きやろ。」

 服部は居心地が悪くなったのか、無理やり話を反らした。

 「ばっ…………。バカっ。なびきか盗子が聞いているかもしんねーんだぞ。」

 乱馬は、辺りに気配を配り、周りに誰もいないことを確認した。

 誰も居ねーよ、と黒羽が笑う。

 「で…?。実際のとこ。どうなんだよ乱馬。」

 黒羽も乱馬に迫った。乱馬は顔をしかめたあと、うーんと唸り、

 「す………。好きだよ。……わ、悪ぃか?。」

 と真っ赤な顔をして言った。

 それが微笑ましかったのか、黒羽の頬が緩んだ。

 「に、ニヤニヤしてるオメーはどうなんだよ。快斗!。」

 乱馬がまだ赤い顔を誤魔化すように黒羽に話題を振った。

 「そーや。言い出しっぺは黒羽なんやからな。きっちり落とし前つけ……。」

 平次がそう言った時、黒羽は余裕の笑みを溢した。


 その笑みが甘酸っぱくて。

 優しくて、

 でもちょっぴり大人の味な気がして。


 「好きだよ。青子が。でも、叶えるつもりはねーな。」


 二人は黒羽を見て、何かを感じた。


 彼には誰も触れてはいけない暗黙の業界がある、と。


 でも、二人がそれを知るのは、まだ遠い噺。