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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 怪盗キッドの妹が転生者な件について ( No.20 )
- 日時: 2019/05/18 09:32
- 名前: ぽん酢時計 (ID: 3nlxUYGs)
兄が人間を連れて来たのはほんの数日前だった。
その人間は少女で、アオコという名前だった。
社交辞令がなっていて、料理も洗濯もなんでもこなすアオコは、
年相応とも言えるくらいの純粋でケガレも知らなかった。
だからかも知れない。兄が父を殺した"人間"の種族を愛したのは。
私たち兄妹は、魔術を使い人々を助ける魔術師と言われる、人間とはちょっと違う種族だ。
人間と違うのは、魔術の質や量、体力や頑丈な体。
そして何より違うのは、生きる量だった。
父も母も、人間の流す『魔術師の生き血は永遠の命を司る』というデマのせいで、魔術師狩りにより命を落とした。
兄も私も父を慕っていた多くの魔術師が、人間を怨み妬み呪った。
その中で一番人間を憎んでいたのは、私の兄であるクロバ=カイトだった。
そんな兄が人間を連れてくるなど想ってもいなかった。
『ただいま。』というカイトの声と、『お邪魔します。』という少女の声が被った。
気になって玄関へと出向いた。
そこには少女がいた。とても美しい少女だ。
幼さの残る大きな目と薄桃色の唇。華奢な体に細い手足。少しだけ膨らみのある丸い胸。
『カイト?。何で人間を連れて来たの?。』
兄が考え無しに行動する人ではないと分かっていたのでその言葉は呑み込んだ。
『驚かないんだな。』
カイトはそう呟いた。
『別に?。強いて言えば正面玄関から入って平気なの?。』
一言、会話をした。兄に似て私も一族の怨み何てそんな小さなものだったんだ。
だから彼女を受け入れたのかもしれない。
いろいろあって家でしたアオコ姫と人間を恨む魔術師兄妹でした。
なぜ家でしたのかとかはご想像におまかせします。
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