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　「おー。ここが新一と蘭ちゃんの母校……。」

　私は白い校舎を見上げた。ザ、校舎という校舎だ。うちの学校もそうなのだが。

　「母校っつっても名探偵は卒業してねーだろ。」

　すかさず、快斗がツッコミを入れた。

　「うっせーな。帝丹来るの初めてなんだから仕方がねーだろい。」

　そう言って快斗を見た。まだ、心から嫌そうな顔をしてるよこいつぁ。


　「風林館の校舎よりもちょっと広いな。」

　乱馬が辺りを見てそう言った。

　「青子の学校もこんなにおっきく無いもん。」

　「ねー。それに綺麗だもん。」

　これが普通の会話である。


　「あ。江古田高校と、風林館高校の方ですね。どうぞ。上がって下さい。」

　帝丹へは、園子ちゃんと蘭ちゃんが出迎えてくれた。

　「あれ？。新一は？。」

　コナンのこと知りませんよー、とでも言う府陰気で私は言った。

　「うーん。昨日は来れそうって言ってたんだけどね。」

　どうやら蘭ちゃんも分からない様だ。

　「あらあら。夫婦仲に傷つけるつもりかしら？。」

　園子ちゃんがいたずらな笑みでそう言った。

　「いやいや。あっちの方は蘭ちゃんにゾッコンだから無理難題。」

　蘭ちゃんに聞こえるような大きさでわざとらしく言った。

　「あら。分かってるじゃない。私、鈴木園子。あなたは？。」

　小さな声で園子が言う。私も小さな声で

　「黒羽盗子。宜しく。」

　と言い、私たちは握手をした。新蘭同盟とでも名付けようか。

　「んじゃ、入った入った！。」

　園子は私たちの背中を押すように後ろへ回った。