二次創作小説(紙ほか)

Re: 妖怪ウォッチ新! ( No.7 )
日時: 2019/08/04 15:13
名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)

過去の桜町、桜花の体は透けていて周りからは見えない謂わば
霊体のような存在になっている。
「この時代まで茨木童子は人食い鬼として人間から恐れられていた。
あそこにいるのがこの時代の茨木童子だ」
ぬらりひょんの声に従い目を向けると何かを喰らっている鬼がいた。
長い藍色の髪をした鬼、茨木童子だ。喰らっている何か、は人間の
死体だ。吐き気がする。
「?あれ?茨木童子、この時はまだ両腕があったんだね。今は確か
右腕が無かったと思うけど」
「それもちゃんと説明する。奴は今とは違い昔は人間を襲っては
喰らい力を付けていた。そして格上の妖怪を見つけては喧嘩を
売っていた」
場面は変わり茨木童子が妖怪と闘っている場面が映る。巨体の
妖怪を茨木童子は容赦なく投げ飛ばし殴りつけている。
「ねぇやっぱり鬼って怪力なの?」
「あぁ、茨木童子は酒呑童子の右腕。力自慢の鬼でもあったからな」
茨木童子が大きな金棒を肩に担ぎ歩き始めた。桜花も後を追う。
桜花が知っている茨木童子とは違う。荒れている彼だ。彼を
取り囲む妖怪たちもガラが悪そうな妖怪ばかりだ。
「茨木童子、また随分と暴れてきたようだな」
一人の鬼が茨木童子に話しかける。酒呑童子だろうか?
「あぁ。人間を殺すのは楽しいよ。特にあの顔、苦痛に歪む顔や
絶望する顔、悲鳴はとてもいい」
不気味な笑みを浮かべてそう話す。今の彼からはとても想像
出来ない言動だ。「だが…」と茨木童子は話を続ける。
「こんな力だけじゃダメだ。もっと強い霊力を持つ人間を
喰らわないと強くはなれない…俺は霊力を持つ人間を全部喰らう」
茨木童子は腰を上げ金棒を担ぐ。そして歩き始める。
「奴は力を欲していたんだ。過去に彼の思いビトの鬼女、紅葉を
人間の手によって殺されている」