二次創作小説(紙ほか)

Re: 妖怪ウォッチ新! ( No.16 )
日時: 2019/08/13 10:33
名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)

「や、やっと着いたズラァ〜…!」
「わぁ、ビックリした〜コマじろうか」
「兄ちゃんもいるズラ。兄ちゃん、早くするズラ」
屋根をよじ登りヘトヘト顔のコマさん。二人を中に入れ窓を
閉める。
「どんこ池の海神さんから話を聞いて驚いたズラ。桜花ちゃん…
どうするズラか?」
コマさんにそう聞かれ迷う。助けに行くべきだろう。だが足手まといで
終わるような気も…。
「迷っちゃダメズラ!!オラたちも力を貸すズラ!」
「コマさん…!ありがとう。少し気が楽になった。私、頑張るよ。
だからいざって時は力を貸してねコマさん、コマじろう」

翌日、朝ご飯を食べ着替えてすぐに外に出た。扉を開け走る。
おつかいを頼まれているので様々な店が並ぶおつかい横丁を
目指す。そこまでの距離は無いだろうし歩いていけるだろう。
少し時間はかかったがおつかい横丁に到着した。だけど何か可笑しい。
いつもなら既に多くの店が開いている時間帯だが人がいない。
「誰もいない…?」
桜花の隣を背の高い男が歩いていく。桜花は彼に声を掛けた。
「あの、どうしてここに誰もいないか知りませんか…?」
声を掛けてから桜花は気付いた。ボロボロの黒と白のボーダー服、
両手足には鎖が千切れた手錠がある。そして前にエンマ大王が
言っていたことを思い出す。人間に化けられるようになった
凶悪妖怪の話。そして茨木童子が険しい表情で見つめていた記事
『脱獄王プリズンブレイカー』の内容を。
「まさか…あの…!」
「待った。天道桜花でしょ?自分から出てくるんだね」
肩を掴まれる。目線だけを後ろに向ける。微かに笑みを浮かべている
青年姿の妖怪。
「プリズンブレイカー…!!」
「そうだよ。俺は妖怪、ねぇ一緒に来ない?君が会いたい人に
会わせてあげるよ」