二次創作小説(紙ほか)

Re: BORUTO甘露寺伝 ( No.9 )
日時: 2020/01/19 18:32
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

「マジかよ。できんのかミロク」

ヤヒコは耳を疑う。

「だけどその術は山中一族特有の術だろ。なんでミロクが…」

山中一族は精神を操る術を扱う。心転身の術だ。それに似た術をコタローに掛けるという。

「掛けるのは私、頑張ってみるからさ。お願い!」

「任された。俺とヤヒコはサポートに徹しておこう」

ナガトはコタローが迫ってきているのを確認し合図を送る。辿り着いたコタローは足を

止めた。

「腹は決まったみたいだな」

「ここで決着をつけます!」

—忍法・転身の術!

指で四角形を作りコタローをのぞき込む。一瞬、瞬きをしたとき。

「なっ!?これは…」

ミロク、否ミロクと体が入れ替わったコタローが混乱している。心転身の術とは違う。

「せ、成功したァァァァァァ!!!!」

コタローの体に入り込んだミロクが叫んだ。左手首に括り付けてある鈴を取りナガトに

手渡した。目を閉じると元の体に戻った。

「これで三つ…私たちの勝ち!」

「…!こりゃあ一本取られちまったな」

コタローは頭を掻いた。だがふと笑みを浮かべてミロクを見た。

「それは心転身の術とは違うな」

「その術をリスペクトして作ったんです」

夜、ミロクが眠った後、家では笑い声が聞こえた。笑っているのは美弦だ。

「はーはっはっは!!そりゃあ面白いな!」

『笑い事じゃないですよ美弦さん…』

コタローだ。彼らの会話をシノブは笑みを浮かべながら聞いていた。

「くっくっく…恥ずかしいもくそもねえな。言ったろ?俺たち甘露寺一族は自分なりの術を

扱える。他人の術を借りたりもできるってな。お、悪ィが終わりにするぞ。夜食が

冷めちまう」

そういって美弦は電話を切った。