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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.11 )
- 日時: 2020/01/17 12:57
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: yOB.1d3z)
第6話 『彼女の宝物』
梨緒は、俺が気づいたのを見越してか、重たそうに首を俺の方へ向けようとする。
今にも地面に頭を打ちつけそうなほどだ。
『あわわ…梨緒…大丈夫だからよ…』
俺は慌てて梨緒の傍に駆け寄ると、その肩をそっと支えた。
正直、慣れないことでドギマギしたのは間違いない。
実際のところ、鼓動は普段の何倍も脈打っている。
緊張のあまり固まっている俺に、梨緒はそっと声をかけてきた。
『ねずみ男さん、大丈夫…?』
その一言で、ふと我に返ることが出来た。
『…お、おう。』
その返事を聞くと、梨緒はふわりと柔らかく笑い、こう続けた。
『…ごめんなさい。ねずみ男さんにどうしても私の大切な宝物、みせてあげたくって』
ー大切な宝物?なんだろう。
その『宝物』が何なのか、想像だにつかなかった。
ふと目をやると梨緒は、着ている服の胸ポケットからキラキラ光る懐中時計のようなものを取り出すのが見て取れた。
『大切なものって、これのこと』
両手で受け取ると、時計からは妙な妖気が漂ってくるような気がした。
思わず身をよじらせてしまう。
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