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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.15 )
- 日時: 2020/02/27 12:50
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: .uCwXdh9)
第10話
いとも簡単に持ち上がった彼女の身体は、ちゃんと食ってんのか?というくらい軽いものだったし、何より髪や身体中から甘い、なんとも言えない良い匂いが漂っていた。
『ねずみ…男さん?』
梨緒の心配そうな声でふと我に返る。
どうやら夢心地になっていたようだ。
『あー、悪ぃ…何でもねぇよ…』
慣れないことをして顔が真っ赤に火照っているのはこいつらにはモロバレだろうが、誤魔化すふりをしてみる。
そうして、俺は改めて一反木綿の背中に梨緒を乗せた。
ー 大丈夫かな、一反木綿もかなりの女好きだからなぁ…。
一反木綿は、俺たち2人が乗ったのを確認して、その薄っぺらい身体に似合わない程の大声を張り上げる。
『ほーら、気をつけんちゃーい!! かっ飛ばすよー!!』
そう言うとすぐに空中に浮かび上がり、いきなりスピードを上げた。
その勢いに、俺たちは危うく振り落とされそうになる。
はっきり言って掴まっているのが精一杯なほどだ。
…ったく、こいつにはウォーミングアップとかいう概念はないのかねぇ。
そんな中だったが、俺は梨緒の手を取り、俺の背中に回すように促した。
それは顔から火が出るほど恥ずかしいことだったが…
もはや、躊躇はしてはいられない。
俺たちは物凄いスピードの中、必死で一反木綿の背中にしがみついた。
周りの景色は、息もつく間もなく、みるみるうちに移り変わっていく。
『おい!何やってんだよ!早すぎるっての!』
そう一反木綿に言葉を浴びせても、奴はヘラヘラ笑ってるだけだ。
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