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第11話

そして、なんとか体勢を安定させ、空中を漂うことおよそ10分。
ようやく鬼太郎の家に到着した。

梨緒の方をそっと見ると、どうやら顔色は良さそうだ。一反木綿の出すスピードにも酔ってはいないらしい。

…だとしても、一刻を争う事態だよな。

俺は一反木綿を地上に近づくように促し、地面へと飛び降りた。
そして、続いてボロボロの鬼太郎ハウスへ向かって、大声で『あいつ』の名前を叫んだ。

『おーい!!鬼太郎ー!! 来てくれー!! 頼みてぇことあるんだー!!』

すると、5分ほど経っただろうか。
昼寝をしていたらしい、ボサボサの髪の鬼太郎が戸口へと出てきた。

『ふわぁ…なんだよ…ねずみ男…』

こっちは大変だってのに、大層に欠伸なんてしてやがる。

色々言ってやりたい気持ちはやまやまだったが、とりあえずそれらは後回しにすることにして、俺はゲゲゲハウスの入口へと通じるハシゴを登っていった。