二次創作小説(紙ほか)

Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.41 )
日時: 2021/10/29 21:00
名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: CFpxvhHi)

番外編「ハロウィンの夜に見えたもの」

今日も俺は、東京の街へと当てもなくぶらついていた。

まだハロウィン当日じゃないのにも関わらず、人間の世界では、どこもかしこもハロウィン一色に染まっている。

聞くところによると、被り物や傷跡メイク、髪を染めるものまで低価格で売っているという。
そして、それらを駆使してコスプレをして街へと繰り出すのだろう。

ーこんなことして、何が楽しいのかねぇ。

嫌なもの見ちゃったな…と思いつつ、ゲゲゲの森へと帰る。

ふと、鬼太郎ハウスの方が騒がしいのを感じた。

鬼太郎は黒のマントと牙をつけて、吸血鬼にでもなったつもりみたいだ。
猫娘は…なんだろう。
ほうきを片手に持ってるということは、魔女っ子だろうか。
あれだけハロウィン嫌いだと言ってた癖に、手のひら返しやがって。
他にも、子泣き爺、ぬりかべ達などのおなじみのメンバーが、ミイラ男やゾンビの仮装をして盛り上がっている。

ここでもハロウィン。
いい加減飽き飽きしたが、酒と飯のいい匂いには勝てない。

「おう、ねずみ男様も混ぜろよー!」

そう言って森へと入っていくと、皆が一斉に

「何よ、あんた、ハロウィン嫌いじゃなかったっけ?」
「お主はこういうの好まんじゃろうが」

…全く、五月蝿い奴らだ。
でも、この雰囲気も捨てたもんじゃないよな。

そんな事を思いながら、俺は傍にあった日本酒のパックをぐびりと飲み干した。