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第71話

流石の俺も心配になり、どうしたんだ…と梨緒に声をかける。
すると、絞り出すような声で、
「“夢魔”って妖怪が毎晩私の枕元にいて、夢を食べに入り込んでくる…」ということを涙ながらに告げた。
今まで我慢していたのか、瞳にはうっすら涙が浮かんでいる。

ー夢魔。どんな妖怪だろう。獏ばくのように夢を操る妖怪だろうか。正体が掴めないだけに、嫌な想像しか湧き出てこない。

「…君は、その“夢魔”の姿を見たことはあるのか？」

静かな部屋に響いた鬼太郎の声。
相変わらず人間と妖怪は交わることを恐れているものの、真っ直ぐな響きしか感じ取れなかった。

そして、俺たち一行は話し合いを重ね、夢のことなら妖怪“枕返し”が詳しいだろう…ということで、枕返しの家に訪ねることにした。