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第73話

俺たちは、目と目で合図を交わし、枕返しに夢の世界へ連れていくよう何とか丸め込むことに成功した。

結局、夢の世界へは、鬼太郎と目玉の親父、猫娘と、梨緒の事情を知っている俺の4人で行くことになった。
人間の梨緒はというと、万一のことを考えて砂かけ、子泣き、一反木綿、ぬりかべと共に待っているように伝えた。


ー 所変わって、ここは枕返しによる夢の世界。
見渡してみると、車が空を飛んでいたり、街のようなものが水に浸かっていたり……など、やはり不安定な場所のようだった。

熱でうなされたり、腹を下した時に見る夢のようだが、一緒にいる鬼太郎と猫娘は怖がる素振りすら見せない。

「足手まといになるんじゃないわよ！」
猫娘がそう走りながら怒鳴りつけてくるが、俺は言い返す気にはなれなかった。

そう。何しろ、俺たちが今走っているところは枕返しが出現させた虹の橋。
足を滑らせたら一瞬でオダブツなのだから。