二次創作小説(紙ほか)

Re: くろすおーばーな日常!(そのまんま日常とは言ってない) ( No.37 )
日時: 2020/01/29 21:23
名前: ミルカ (ID: Go.89if1)

料理対決の途中ですが、ちょっと息抜きに別エピソードを。はたして、またカオスが巻き起こるのか!?

***

パック「ご飯の時間だよー、リア」
エミリア「そっか、ありがとうパック!じゃあ行こう、スバル!」
スバル「おう!皆も、食堂行こうぜ」
ラム「バルスに言われなくても行くわ。行きましょう、レム」
レム「はい、姉様!」
ベティー「ベティーも行くかしら」


ある日のお昼頃。パックに誘われて、スバル達は食堂に向かっていった。


スバル「腹へったー!今日の飯はっなんだろなっと……げっ!!!?;;;」

スバルが今日のメニューを覗きこんだ瞬間、表情が固まった。

そこに置いてあったのは、焼き魚と味噌汁、ご飯、サラダといった和風のメニュー。それだけならまだ良い。まだ良かったのだが……




スバル(なんで………なんでよりにもよって今日の飯に…………







俺の一番大っっっっっっ嫌いなナスが入ってるんだよおおおおおおおお!!!!!!?)




ーーーそう、問題は、今日の昼御飯の味噌汁の、具にあった。


スバルは、元々野菜全般が苦手で、食わず嫌いが多かった。ピーマンやトマト、カブなどが良い例だ。その中でも、スバルが一番苦手だったのがナス。他の野菜ならまだしも、スバルはナスだけは絶対に食べない。そのナスが、味噌汁の中に入っていたのだ。

スバル(うっ……最悪だ、なんでよりにもよって味噌汁の具が一番嫌いなナスなんだよ……俺ナス食べられねえのに……;;;)

顔色が悪くなったスバルに、心配したエミリアが声をかける。

エミリア「大丈夫、スバル?すごーく顔色が悪いけど……」
スバル「あ、ああ、サンキュエミリアたん!大丈夫大丈夫!平気平気!」

エミリアに軽く返したは良いものの、スバルの表情は優れない。


スバル(はぁー……;;参ったなぁ……他の野菜だったらまだ我慢出来たけど、ナスだけはちょっとな……;;)


重いため息をつきながら、スバルはふと横の席を見た。すると。



レム「ズズッ……美味しい!このミソ汁っていうスープ、凄く美味しいです!」


スバル(レム……随分この味噌汁気に入ったんだな。……………はっ!?そ、そうだ!!)



スバルの横の席で美味しそうにナスの味噌汁をすするレムを見た瞬間、スバルの頭の中でアイデアが弾けた。

スバルは周りをチラチラと見ながら、すすっとレムに近寄る。そして。


スバル「……レム、レム!(小声」
レム「!はい、どうしましたか、スバルくん?(小声」
スバル「………、レム、この味噌汁、気に入ったのか?(小声」
レム「はい!特にこのミソ汁の中に入っているこの野菜、スープをたくさん吸っていて凄く美味しいんです!(小声」
スバル「(その野菜……間違いなくナスだ!!ストライクだ!!)じゃ、じゃあさ、俺の味噌汁やるよ!俺、だいぶ腹いっぱいになってきたからさ!(小声」
レム「本当に?良いんですか!?ありがとうございます、優しいスバルくんはやっぱり素敵です!!もちろん、くれるのなら頂きます!!(小声」
スバル「お、おう……(ぅううう!!お、俺の心が罪悪感で砕け散りそうだよぉ……;;)」


っておい!結局レムに苦手なナスをあげるんかい!?まあやはりレムの笑顔を見たスバルの良心は最高に痛むが、苦手なものがあるなら仕方ないと強引に自らを納得させるスバルだった。


スバル(仕方ないよな、ごめんレム……;;結果的にレムには喜んでもらえたんだ、仕方ない、仕方ないんだ!)






ターニャ「…………………」



***

昼御飯が終わり自分の部屋に戻った後も、スバルの顔色は優れなかった。

スバル(はぁー………;;;レムが喜んでくれたのは良いけど、それが逆に俺のガラスハートにクリティカルヒットだわ……;;;)

レムに自分の嫌いな物を食べさせた罪悪感が、未だにスバルの気持ちを落ち込ませていたのだ。

スバル(これからどーしよー……;;;)

スバルはため息を連発する。

すると。


トントントン



ターニャ「おい!スバル!」



突然、ノックの音と共にターニャの声がした。スバルはいきなりの訪問に思わず驚きながらも、「開いてるぜ」と声をかけた。

ガチャリとドアが開き、ターニャが部屋に入ってくる。

ターニャ「突然すまないな、スバル。貴君に話がある」
スバル「マジで突然だよな……で、話とは?」

スバルの言葉に対し、ターニャはさっと表情を引き締めると、スバルに一つ問いかけた。


ターニャ「スバル……貴君は苦手な食べ物はあるか?」
スバル「苦手な食べ物?まあ野菜全般苦手だけど……一番苦手なのはナスだな」


素直に答えたスバルに、ターニャは「やはりそうか……」とうなだれた。

スバル「やはりって何!?俺なんか料理でやらかしたっけ!?;;;」

慌てたスバルが訊ねると、ターニャは今度は厳しい顔で言った。

ターニャ「やらかしもやらかし、大やらかしだ!覚えていないとは言わさないぞ!」
スバル「えぇ……?;;やらかしもやらかし…………」


スバル(なんでターニャはこんな怒っているんだ……?料理関係、俺が料理関係でやらかした事と言えば…………………




あっ!?まさか!!!)


表情が固まったスバルを見て、ターニャはふっと息を吐いた。


ターニャ「その表情………どうやらようやく気づいたようだな。貴君の性格からして、罪悪感などはあるだろうと思ってはいたが………






スバル!貴様は今日の昼御飯のナスの味噌汁を、ナスが苦手だからとレム殿に押し付けていただろう!!私は聞いていたぞ!!」


スバル「聞いてたのかよおおおおおおおおおおおおお!!!!;;;」



なんと、スバルがレムにナスの味噌汁をあげた時の会話を、バッチリターニャに聞かれていたのだ!


ターニャはショックを受けるスバルに、厳しく問いただす。

ターニャ「スバル、貴様は男だろう!?今更になって食わず嫌いなど、情けないぞ!!ナスの一つや二つくらい、我慢して食べられないのか!?」
スバル「我慢出来たら俺だって苦労しないよ!;;でもナスだけはマジで無理なんだって!!;;」
ターニャ「全く、確かスバルは十六だったか?そんな年にもなって、ナスくらい食べられないなんて……本当に情けない!」
スバル「いくつになっても嫌いな物ってのはあるもんなんだよ!;;むしろ無い方が珍しいから!!;;」
ターニャ「だからといって、それを他人に押し付けて良い事にはならないぞ!!」
スバル「俺だってレムの笑顔見た途端にハートブレイクしそうになったよ!!;;レムがあの味噌汁のナスが好きって言ってたから渡したようなもんだし!!;;





………俺だって、食わず嫌いを直したいんだ」


最後にボソッと呟いたスバルの声を、ターニャは聞き逃さなかった。


ターニャ「そうか………ならば、好き嫌いを直したいというのはスバル、貴君の本当の気持ちなんだな?」
スバル「ああ、間違いないよ」




ターニャ「ほぉー……………ならスバルよ!私が貴君の食わず嫌いを直す手伝いをさせてもらおう!ナスの克服の特訓だ!!!」


スバル「えええええええええええ!!!!!?;;;;」



ーーーこうして、ターニャによる、スバルの『ナス克服超特訓』が開始された!


今回はここまで。料理対決2の感想も、まだ受け付けています!感想どうぞ!