二次創作小説(紙ほか)
- Re: メカクシティアイ【カゲプロ二次創作】 ( No.1 )
- 日時: 2020/01/11 21:30
- 名前: 日の入り時子 (ID: xs5T8t9X)
目を見る−大空絃−
明日、自分は事件の被害者になる。そんなことは誰も分からない。
ある日の昼間、学校帰りだ。今日は日課変更もあり早く帰れることになった。
溜息ばかりが出る。絃は意味もなく八つ当たりで虐めを受けていた。暴力沙汰の虐めでは
ないが悪口を言われているのは確かだ。カラスが木から数匹集団になって飛んでいく。
ハッと気が付き鞄に手を突っ込む。ない…筆箱が無い!まさか教室に置き忘れた?
絃はゆっくり走り出し再び学校に来た。上履きを履いて階段を上り教室に来た。
職員室から借りて来た鍵で教室を開け中に入り机の中を見る。
「あ、あった…!」
水色の筆箱を鞄に入れ教室を出ようとしたときに窓に目を向けた。窓が開いている…。
空から何かが降って来た。良く見えなかったがあれは人だった。窓から少し身を乗り出し
下を見下ろす。誰もいない…?
「わっ!」
足元を誰かに持ち上げられ下へ落とされていた。誰だ?教室にいたのは私だけだった。じゃあ
誰が私を突き落とした?窓から笑顔を浮かべる数人の男女の姿。まさか殺人をするように
なるとは…。地面へ落ちていく私の眼に見えたのはいつの間に真っ赤に染まった空と窓から
落ちていく私の姿を面白がる虐めっ子たちだった。意識を失う寸前、赤い目の男が見えた気が
した。誰だ?あれは…。
目を覚ますとそこは真っ白な部屋。真っ白なベッドの上にいた。
「大丈夫かい?」
白衣を着た男は医者だ。病院にいた。涙をポロポロ落として喜んでいるのは数少ない友人達。
「絃!良かったぁ〜…本当に…!!」
「本当に奇跡だよ。喜んでも良い事だよ絃ちゃん。あんな高いところから落ちて骨折だけで
済んでるんだ。普通なら死んでいたよ」
医者はそう言った。
「そうなんですか…あの私」
そう言おうとすると医者は首を横に振る。
「それは私じゃなくて警察の人に言いなさい。私たちは部屋を出るから警察の人に
素直に話してね」
それから警官数人に突き落としたであろう人物たちの名前を伝えた。
数ヶ月後、怪我は完治し私は高校を中退することになった。そして別の場所へ引っ越すことに
なった。