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二次創作小説(紙ほか)
- Re: メカクシティアイ【カゲプロ二次創作】 ( No.3 )
- 日時: 2020/01/11 22:26
- 名前: 日の入り時子 (ID: xs5T8t9X)
目に映る−白銀理仁−
「お兄ちゃん!書けたよ!!」
双子の妹、円香は紙を見せて来た。これはオーディションの応募用紙だ。彼女は女優に
なることを夢見ている。
「おぉ、上手だな円香。女優への第一歩だな」
円香を撫でてやると彼女は照れくさそうに笑った。顔も広く彼女は色んな人と仲良くできる。
それは俺も同じだが俺にとって円香は自慢の妹だった。おっと、忘れるところだった。
ズボンのポケットから小さく折りたたまれた袋を取り出し円香に渡す。不思議そうに眺めながら
彼女は袋を開けて目を輝かせた。ネックレスだ。
「い、いいの!?お兄ちゃん、私にこれ…」
「よくなかったら渡してないだろ?大切にしろよ?」
「うん!」
円香はすぐにネックレスをつけて鏡に笑顔を向ける。その笑顔を見て俺も笑顔を浮かべた。
兄としてこういう反応は嬉しい。夜、この日の夜は新月で月が見えなかった。否、雲があって
月が見えなかった。空を見てからカーテンを閉め眠りについた。翌朝、今日は曇っていた。
「今日、晴れるかな?」
「さぁ?でも予報じゃ雨は降らないってさ。今日、郵便に出すんだろ」
「うん、行ってくる。あ、念のために傘持って行こうっと」
そんなことを言いながら円香は外に出た。数分、数十分、数時間経ち不思議に感じた。
郵便局までそんなに距離はないはずなのに帰って来ない。ふとテレビに目を向けると
ニュースがやっていた。郵便の強盗事件だ。そこで写真に写ったのは…。
—18歳の少女を殺害し犯人は逃走したようです。
外では大雨が音を立てて声をかき消していた。その少女は円香だった…。円香が強盗事件で
死んだ?インターホンが鳴り絶望した顔で扉を開ける。帽子を目深に被った人物が立っていた。
その人は帽子を取り赤い目を向けた。突然、力が抜ける。
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