二次創作小説(紙ほか)

第37話「求手名:新羅戦:後編」(3) ( No.176 )
日時: 2020/05/22 13:50
名前: 夢兎 (ID: 9Yth0wr6)

  w(‾△‾;)wおおっ! 出てきたのか夢に!
私も見たかったあ〜


〈善逸サイド〉

 善逸「ん…(目を開ける)。ここは、どこだ…?」



  周りには何もない。
  ただただ、白くて広い空間が広がっている。


 善逸「確か俺、術にかかって…。ここに転移させられたのか?」
 新羅『ここは君の夢の中』
 善逸「夢?」
 新羅『扉を探せば現実に戻れる』


 善逸「と、扉? 扉を探せってこと? …取りあえず皆を探そう」
 新羅『ここに君以外の人が必ずいるとは限らない』
 

 善逸「そうでしょうね!? だって俺の夢だもん。でも…」
 新羅『なに?』
 善逸「いるかもしれないじゃん」



  テクテクテク


 善逸「睦彦ー! 伊之助ー、仁乃ちゃ—ん、玄弥ー!」


  シーン


 善逸「俺だよ、我妻善逸。いたら返事してよぉ。寂しいよ!」
 チュン太郎「チュン! チュンチュン!」
 善逸「チュン太郎? お前、俺を見つけてくれたの?」
 チュン太郎「チュンチュン!」


 善逸「ありがと〜。嬉しいよぉー。あ、そうだチュン太郎、皆がどこにいるか分かる?」
 チュン太郎「チュンチュン!(高く飛び立つ)」
 善逸「よし、行こう」




 〈仁乃サイド〉


 仁乃「…どこ、ここ…」
 ??「あら、仁乃? そこにいるの?」
 仁乃「え? 誰?」


 ??「お姉ちゃんに向かって、誰なんて言うのね」
 仁乃「麗乃お姉ちゃんっ? ど、どうしてここに…」


 麗乃(長女)「あなたこそどうしてこんなところにいるの? 早く家に帰りましょう」
 仁乃「……え」

 桜子(四女)「仁乃ちゃん、おうちにかえろ?」
 仁乃「桜子? 何であんたがここに…」
 奈乃(三女)「お姉ちゃん、帰ろうよー」
 仁乃「奈乃、あんた死んだんじゃないのっ?」


 美子(五女)「おねえちゃん何言ってるの…」
 奈乃「早く帰ろ。今日ね、布が凄い売れたんだよっ」


 仁乃「………嘘でしょ、生き残ったのは私だけだったはず」
 麗乃「仁乃、あなた今日変よ。熱でもあるの?」
 仁乃「ううん。何でもない」


 美子「帰ろ」
 仁乃「ごめん。私は、皆と同じところには行けない。ごめんね」
 麗乃「仁乃?」


 仁乃「(これは夢だ)奈乃、桜子、美子。お姉ちゃんをよろしくね」
 桜子「仁乃ちゃん、いっしょに…」
 仁乃「お姉ちゃんは、会わなきゃいけない人がいるの」


 麗乃「仁乃、好きな人ができたの?」
 仁乃「………それは秘密!」



 仁乃「ごめんね。ばいばい(回れ右をして)」
 美子「お姉ちゃん置いて行かないで!」
 仁乃「…………ごめん(走り出す)」



 仁乃「(これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ)夢だったら、どんなにうれしいか」



 〈睦彦サイド〉


 光彦(兄)「睦彦、お前また掃除サボって!」
 睦彦「……兄ちゃん…」
 光彦「どした? さては、父さんを騙したの悪いと思ってるだろ」


 睦彦「………」
光彦「ったくお前は世話がかかる弟だな。ゴチャゴチャ言わずに素直になればいいのに」

睦彦「親父は元気か?」
光彦「ああ、元気だよ。元気すぎてこっちが困るくらい」
睦彦「そっか」

 光彦「あ、その袴…。『神社を継いだ時に着ろ』って言われただろ?」
 睦彦「兄ちゃん、ごめん」


 光彦「何であやまるんだよ」
 睦彦「……」


 光彦「? お、お前怪我してるじゃねえかっ」
 睦彦「ああ、これ、名誉の負傷」
 光彦「手当しなきゃ」
睦彦「いいよ、直ぐに治るし」

 睦彦「……それより兄ちゃん、俺、好きな人できたよ」
 光彦「そうか。また紹介してくれよ(ニコッ)」


 睦彦「……(回れ右をして)…それは、多分、無理かな。じゃあな、兄ちゃん」
 光彦「おう。元気でな」



 睦彦「……さて、皆を探さなきゃ」