二次創作小説(紙ほか)

 第38話「大好き」 ( No.180 )
日時: 2020/05/23 09:25
名前: 夢兎 (ID: 9Yth0wr6)

 【戦いが終わり】


 一同「ふぅー。終わったぁー」
 玄弥「なかなか手ごわい相手だったな」
 しのぶ「そうですね。私一人では、とてもかないませんでした」

 寧々「みんなで一緒に頑張ったから勝てたのよね」
 光「(寧々の体をふいて)そうっすね。先輩、ふき終わりましたよ」
 善逸「寧々ちゃんはお魚になっても可愛いね!」
 伊之助「…そうか?(←失礼)」


 〜と、奥から桜・夏彦・珠世・愈史郎が駆けてくる〜

 桜「お疲れ様」
 寧・光「七峰先輩!」
 夏彦「寧々ちゃんが急に飛び出していったから来たみたら、戦い終わってるね☆」


 睦彦「んなノンキに言われても、こっちは大変でしたよ」
 義勇「同意する。命がけで戦ったからな」

 愈史郎「珠世様、とっととあのカッコつけをお願いします」
 珠世「了解です。睦彦さん、傷を見せて下さい」
 アオイ「全く。感情的になって行動するからですよ」


 〜珠世・アオイ、睦彦の手当てをする〜


 睦彦「いだだだだだだッ」
 珠世「取りあえず、応急措置で簡単な義足はつけました。あと、これ、松葉杖です」
 アオイ「ですが、あまり無理はしない事! いいですね!」
 睦彦「お、おう…」


 伊黒「何を嬉しそうにしてるんだ怪我人が」
 睦彦「いや、鬼殺隊としてまだ戦えることが嬉しくて」
 しのぶ「……リハビリとかが必要になりますけれどね。生きててくれてよかったです」
 煉獄「私からも礼を言おう! 睦彦少年、感謝する!」


 睦彦「そんな、おおげさな」
 仁乃「むっくん—————!!! (ギュ—ッ)」
 睦彦「うお、押すなって!」


 一同「あはははははっ」




 ・・・・・・・・・


 アオイ「それでは、私は炭治郎さん達の方へ行きますね」
 善逸「ありがとうアオイさん」
 珠世「それでは失礼させていただきますね」
 

 〜アオイたちの姿が遠くに消えていくのを見送って〜


 光「さて、俺たちも行くか」
 玄弥「まだ戦いが残ってるもんな」
 伊之助「楽しみだぜ! ヒャッフー!」
 義勇「あれだけ戦ったのにまだやれるのか。尊敬する」
 伊之助「褒めたたえろ半々羽織! 俺は負けんぞ」


 睦彦「(足を止めて)……胡桃沢、ちょっといいか」
 夏彦「どした睦彦」
 寧々「睦彦くん、どうしたの」

 善逸「(!)み、みんな。俺らは構わないで早く行こっ」
 玄弥「そうだな。話の邪魔するわけにもいけねえし」
 伊之助「ハァ? 何でアイツ置いていくんだよ、バカじゃねえの」
 光「お前、デリカシーってもんがないのかよ」


 〜ギャースカ ギャースカ〜


 善逸「後でな睦彦。頑張れよ」
 睦彦「おう、ありがと」



 仁乃「なあに、むっくん」
 睦彦「取りあえず座ろうぜ」
 仁乃「そうだね(床に腰を下ろして)」


 仁乃「改めて聞くけど、何の用?」
 睦彦「あ、うん。えっと…。怒ってるかなと思って」
 仁乃「怪我の事?」
 睦彦「うん」

 仁乃「……怒ってはない。むっくんが庇ってくれたから、私たちは助かったわけだし」
 睦彦「そうか。ならよかった」
 仁乃「でも……。一つだけ、すっきりしないことがあって」
 睦彦「? 言ってみろよ」


 仁乃「…なんで、むっくんは私を守ってくれるの?」
 睦彦「え、なんでって、それは…」もごもご

 仁乃「私が昔柱合会議で刺されたときも、かまぼこ隊がピンチになった時も、さっきも」
 睦彦「……」
 仁乃「いつも助けてくれるのは、どうしてなの」



 睦彦「…………だから」
 仁乃「何?」
 睦彦「す、……っ。好きだからに決まってんだろ!!!…///」

 仁乃「え。好きって、誰を」
 睦彦「ここまで来て、禰豆子とか言ったらもうギャグだよ」
 仁乃「………」


 睦彦「ずっとお前に隠してた。言いたくても勇気が出なかった。だけど」


 花子『胡桃沢と付き合いたいって言う願いと引き換えに、刻羽は俺を相談相手とする』
 善逸『全て終わったら、胸の内明かせよな』
 光『睦彦、ガンバっす!』


 睦彦「いつまでもアイツらに頼っちゃ、カッコ悪いだろ」
 仁乃「嘘、だよね?」
 睦彦「嘘つく理由どこにある?」
 仁乃「………ホント?///」


 しのぶ『睦彦くんは、仁乃さんにどうしても伝えたいことがあるのでしょう』


 睦彦「胡桃沢、お前が好きだ」
 仁乃「…………っ////」



 仁乃「私が、『むっくんのこと嫌い』って言ったら?」
 睦彦「ショックで泣く」
 仁乃「じゃあ、『好き』って言ったら?」
 睦彦「嬉しくて泣く」

 仁乃「なにそれ。二百パーセント泣くじゃん」
 睦彦「あはははっ」



     ギュッ


 睦彦「ちょ、おい、どこにしがみついてんだ! 離れろ! 離れろって…」
 仁乃「…………やだ」
 睦彦「胡桃沢?」
 仁乃「…………離れたくない」


 仁乃「…私ね、特殊体質だからって、化物って言われたり悪口言われたりしてたの」
 睦彦「……」
 仁乃「でも、そんなの仕方なくて、家族が死んでからはずっと一人で暮らしてた」



  


  「それでね」



 仁乃「最終選別の時に、むっくんに会った。覚えてる?」
 睦彦「覚えてる。俺、あの時早く来すぎて、お前と二人で他の奴が来るの待ってたもん」

 仁乃「………むっくんって呼んでいいかって聞いたよね」
 睦彦「やめろって言ったな」
 仁乃「………今はどう?」
 睦彦「別にいい。なれたし」


 仁乃「始めててなんだ。家族以外の人に、好きって言われた事」
 睦彦「悪口言う奴がいたら、日輪刀で殴ってやらぁ」
 仁乃「それはやめてあげて」


 二人「あはははっ」


 仁乃「…先を、越されちゃったな」
 睦彦「?」


 仁乃「素直で、意地っ張りで、頑固で、熱心で、直情径行で不器用で…」
 睦彦「お前、失礼すぎるだろ」
 仁乃「でも私は見つけちゃったのです」
 睦彦「何を?」


 仁乃「自分が好きな人の、いいところ」
 睦彦「何だよ、お世辞はやめろって……。……え、今なんて言った?」
 仁乃「私が好きな人は、とっても優しい。自慢したいくらい」
 睦彦「ちょ、おい、さっきなんて言って」



 仁乃「馬鹿やろ—。ちゃんと聞いとけっつーの!」
 睦彦「お前、やけになると口調変わる癖ぬけてねえな」
 仁乃「もう一回言うから、聞き逃しちゃダメだよ!」
 睦彦「は、はい」



 仁乃「……君のことが大好きっ」
 睦彦「ふぇ?  ………っ」



 仁乃「ありがとね、むっくん。本命チョコ、ありがとね」
 睦彦「………何だよ……! 何だよ……! 優しい神様もいるもんだな」


 仁乃「そろそろ行こうか。みんなが待ってる」
 睦彦「そうだな。じゃ、行くか! ……に、仁乃……?」
 仁乃「いきなり呼び捨てなんて積極的じゃない?」 
 睦彦「胡桃沢、行こうぜ!」
 仁乃「あはははっ。ゆっくりでいいよ」



   胡桃沢が手を差し出す。
   俺はその手を、しっかりと握り返した。




 善逸「お帰りー。…で、どうだった?(ニヤニヤ)」
 光「発展したっすか?」


 睦・仁「サイコーに素敵な話し合いをしましたっ!」
 




 −−−−−−−−−−−



 花子「お、白状代。何、どうしたの?」
 白状代「(かくかくしかじか)」
 花子「ほー。なんだぁ、刻羽って思ったより勇気あるじゃん」


 つかさ「普———! 早く行こうよ———!」
 花子「今行くー」



 花子「頑張れ、二人とも」








 【出張編・大正コソコソ噂話】
 今日の大正コソコソ噂話:作者から


 この度、にのむつカップルがやっと誕生しました。
 この回を楽しみにしてくださった読者さん、応援いつもありがとうございます!
 実は、仁乃と睦彦を登場させた時からこの回をやろうと決めていました。

 ですが、作者が恋愛経験ゼロなのに告白シーンとか…と、どうしても難しい思いが拭えず。
 ようやくの事で、クライマックスでの告白シーン挿入となりました。
 遅くなってすみません。そして、仁乃睦に感謝を。
 このシーンを書くことで私の文章力も上がった(はず)。
 
 そして、にのむつもここで終わりではありません!
 この後も骸というラスボスが控えていますので、にのむつの更なる成長をお楽しみに。

 次からは回想編になります。次話は睦彦の過去のお話、そのあとは仁乃の過去のお話です。
 二人の出会いなどを書くつもりなので、そっちもお楽しみに。


 ネクスト→睦彦の過去のお話。
      次回もお楽しみに!