二次創作小説(紙ほか)

第39話「刻羽睦彦」(4) ( No.189 )
日時: 2020/05/27 16:09
名前: 夢兎 (ID: 9Yth0wr6)



 【育手の家に到着した睦彦】


 睦彦「…でっっっか!」

 
 沢井さんから紹介してもらった雷の呼吸の育手の家は、山奥にあった。
 俺が住んでいた山より標高が高く、空気が薄い。
 山の中に立っているだけで呼吸が苦しくなる。


 最初に驚いたのは、その家の豪華さだ。
 木造の一軒家は、どっしりとした風格があって、支柱の一本一本が太くてりっぱ。
 おまけに庭は、畑が十反は耕せそうなほど広い。


 睦彦「…どんだけ金かかってんだ」


 お金持ちアレルギーが出て、生まれたての小鹿のように恐る恐る敷地に入る。
 玄関の引き戸に手をかけ、扉の隙間から顔を少しだけ出して中を覗き込んでみる。
 埃一つない廊下が、真っ直ぐに伸びている。


 人の気配はしなかった。
 念のため庭に回って、声をかけてみる。
 


 睦彦「ごめんください〜」



 隅から隅まで探したが、家の主人と思わしき人はいなかった。
 もしかして留守?
 せっかく来たのに…と肩をすくめたとき。



 ??「だれだてめー!」
 睦彦「!?(バッと振り向いて〉」
 ??「じいちゃんちに、なにしにきた!」


 後ろから突然声をかけて来たのは、一人のガキだった。
 5、6歳くらいの男の子で、ケラケラと笑っている。


 睦彦「なんだお前。ここの家に住んでるのか」
 ??「ちげーし。コーへ—のじいちゃんち」
 睦彦「コーへ—っていうのがお前の名前?」
 ??「そうだよ。室谷浩平(むろやこうへい)っていうの」


 睦彦「はぁ…。で、お前のじいちゃんはどこ?」
 浩平「まちにかいものにいくっていって、さっき出かけていった」
 睦彦「……間が悪いな」

 浩平「てめーの名前はなんだー? おしえろよー」
 睦彦「ガキに名乗る名前はない。お前は一人で遊んでろ」


 子供は嫌いだ。
 うるさいし、無駄に構ってくるし、すぐに泣くし。


 浩平「ええー。おしえろよぉ〜! ませてんじゃねーよ」
 睦彦「(イラッ)お前の方がませてんだろうが!」
 浩平「ませやがって、カッコつけやがって」
 睦彦「ハァ———?」



 睦彦「俺の名前は刻羽睦彦だ!! 刻羽神社の次男!!」
 浩平「むつひこ? へんななまえ」
 睦彦「………このガキッ」




 このままいくとケンカになにそうだったが、そうならないですんだのは有難かった。
 浩平のお爺ちゃん、つまり雷の呼吸の育手が買い物から帰ってきたからだ。



 先生「ただいま」
 浩平「じいちゃんー。ねえねえ、お客さんきたー」
 先生「お客?」



 室谷さん—いや先生は訝しげに俺を見て眉を寄せた。
 俺は、慌ててお辞儀をする。


 睦彦「こ、刻羽睦彦です。よろしくお願いしますっ」
 先生「ああ、君が沢井が言ってた子か。よく来た、上がっていきなさい」

 浩平「じいちゃん、こいつ怖い! 俺むつひこ嫌い!」
 睦彦「俺もお前のことが大っ嫌いだ!」
 先生「ふんふん。見たところ威勢はいいようじゃな」


 先生は浩平の手を引いて、俺を家の中に上がらせた。
 通された和室も、家の外見から想像できるように広かった。



 【和室】



 先生「さて、睦彦だったかな。鬼殺隊は、半端な覚悟ではなれんぞ」
 睦彦「はいっ」

 先生「わしのやり方は、基本『出来ることは自分でする』感じじゃ。
    よって、わしがお前に教えることは少ない。
    教えてことをどこまで極められるかは、お前の努力次第だぞ」


 睦彦「分かりました」
 先生「よし、まずお前にやってほしいことはな」
 睦彦「け、剣とか振ったりするの?」
 先生「いいや。一カ月間、裏の山をひたすら駆けまわることじゃ」



 駆け回る? 標高何千メートルの山を?
 一週間ではなく、一カ月? ずっと?



 
 睦彦「…………(オワッタ)……」




 ネクスト→修行開始☆ 
      次回もお楽しみに!





 【出張編:大正コソコソ噂話】
 今日の大正コソコソ噂話:睦彦には兄弟子や弟弟子はいた? 何年修行した?


 むう「睦彦の兄弟子はいません」
 睦彦「弟弟子は分からないな。最近全然連絡取ってないから」
 善逸「俺は兄弟子いたぞ。………アイツ絶対許さない!!」


 ※善逸については詳しくは漫画で見てね☆

 
 むう「修行は二年間修業しました」
 炭治郎「俺と同じだけど、睦彦くんは俺より早い段階で最終選別に行ったんだな」
 睦彦「そうだ! で、最終選別で胡桃沢と会った」

 仁乃「じゃあ、あとちょっとで私との出会いも書かれるね」
 むう「書きますよ!」
 善逸「楽しみー」


 禰豆子「ムームー(むうちゃん、睦彦くん頑張って)」
 睦彦「おう! 張り切っていくぜ」
 

 全員「今回はここまで。次回もこのコーナーをお楽しみに!」