二次創作小説(紙ほか)

第43話「重なる想い」 ( No.213 )
日時: 2020/06/09 17:11
名前: 夢兎 (ID: 9Yth0wr6)

 〈炭治郎side〉


 炭治郎「ん…? どこだここは…」



 新羅の術にかかった時のように、空間が白い。
 ところどころ、誰かの持ち物らしきものが落ちている。


 炭治郎「確か、彼岸の術にかかって、……まさか皆の存在も消されて…」



 俺は慌てて起き上がって、あたりを見回した。


 誰かの黄色い羽織り。
 誰かの猪の被り物。
 誰かの松葉づえ
 誰かの木箱


 炭治郎「この黄色い着物って、確か、……ダメだ、思い出せない…」


 いつも、隣で一緒に行動してくれた。
 ちょっと憶病だけど優しい友達。


 『俺はすっごく弱いんだぞ!舐めるなよ!』
 『折れてる炭治郎なんてダメだよォ〜』
 『待ってよォ〜炭治郎〜』


 炭治郎「もうちょっとなのに…」


 『お兄ちゃん!』
 『ムームー!』


 『かまぼこ権八郎』
 「誰だそれは!」
 『お前だ!』
 「違う人だ!」


 炭治郎「ダメだ……セリフは出てくるのに名前が出てこない」
 


 絶対に、忘れちゃダメな人なのに…っ。
 早く思い出さなきゃ、思いださないと永遠に会えないかもしれないっ。



 
 〈善逸side〉



 なぁ、お前は今どこにいるんだ?
 俺の前に、お前の羽織が落ちているんだけどさ、緑の黒の。
 ……お前の名前が出てこないんだよ。


 善逸「何でよ、何で思い出せないのよ!」


 ずっと好きだったあの子も、
 俺を会ってすぐにボコボコなぐったアイツも、
 カッコつけてちょっとウザかったアイツも、
 そいつと結ばれた可愛い子の名前も出てこない。


 善逸「でも俺は諦めないからな! 絶対に思い出すから!(涙)」

 

 だからさ、皆も、俺の事しっかり思い出してくれよ。
 俺の名前は我妻善逸。
 すぐ逃げるし、泣きますし、サボるし。
 

 でも、皆と一緒に行動出来てすっげえ楽しかったからさ。
 だから、俺の事、忘れないでほしい。




 〈伊之助side〉



 伊之助「アー———! 人生で最大の難問だぜ!」



 俺は人の名前を覚えんのが得意じゃねえ。
 けど、今どうしても思い出したい奴がいる。


 まずアイツだアイツ。
 何度挑発してもびくともしなかった奴!
 あとアイツだ。
 ビービー泣いてうるさかった奴。


 すっげえ強くて、それを鼻にかけた奴!
 そいつと仲良くて術が使えた奴!


 伊之助「…………か、か、か……」


 頑張れ俺様! 負けんな俺様!
 猪突猛進! 猪突猛進!!




 〈禰豆子side〉



 禰豆子「ムームー」



 私は鬼になってしまった。
 けれどそんな私に、みんなに優しくしてくれた。
 だから、そんな皆にまた会いたい。


 禰豆子「ムームー」


 お兄ちゃんの名前も分かんないよ。
 ねえ、お兄ちゃん。お兄ちゃんは私の名前思い出した?
 まだ思い出せない?
 

 私が近くにいって、答えたらルール違反かな?
 でも私が声を出しても、竹くわえてるからきっと届かないよね。
 だけど言うよ。


 私の名前は、竈門禰豆子。




 〈睦彦side〉


 睦彦「アイツの、羽織。アイツの包丁。アイツの雀…」
 チュン太郎「チュンチュン!」
 睦彦「わかんねえ……」



 俺は頭を抱えた。
 右足がずっと痛い。
 何で俺は、怪我したんだっけ? 誰を守ったんだっけ?


 ずっと好きだった人。
 忘れたくない人。
 一緒にいて楽しかった人。


 でも、思い出せない。



 『むっくん!』
 『私、※※。最終選別で会おう!』
 『むっくんは、ありのままのむっくんでいてね』



 睦彦「なぁ。俺の声が届いてないかもしれないけど、聞いてくれ」



 俺のあげたチョコ、どうだった?
 やっぱりマズかった?
 それとも結構美味しかった?
 あげたとき、お前は何を思った?



 『何でむっくんは、私に優しくしてくれるの?』


 本当は俺がききたかった。
 何でお前は俺に優しくしてくれるんだって。



 

 〈仁乃side〉



 私の目の前には、誰かの袴がある。
 誰かが私にくれたチョコもある。
 

 誰だったっけ。
 こんな私を好きだと言ってくれた人。
 ちょっと不器用で、でも明るくて、優しい人。
 

 仁乃「君がくれたチョコ、美味しかったよ、とっても」



 私の好きな鳥型のチョコだった。
 文字を間違えたのかな。
 

 『くるみざわ いつも ありがろん』


 そう書いてあったのを覚えてる。



 仁乃「君は、真っ先に私を思い出してくれるのかな」





 【出張編:大正コソコソ噂話】
 今日の大正コソコソ噂話:ゲストとのお話



 メイ「こんにちは。七不思議四番・四島メイです」
 カナヲ「………栗花落カナヲです……」
 むう「なんか、空気重いなぁ…」


 メイ「ごめんなさい…」←ミステリアス
 カナヲ「………」←無口
 むう「あれ、人選ミスったかな」


 カナヲ「ご、ごめんね。えっと…メイちゃん、よろしく」
 メイ「よろしくねカナヲ」
 むう「やっぱりこのコンビ特有のゆったりしたオーラがあるね」

 メイ「カナヲは、怪異って信じる?」
 カナヲ「………ピィンッ(コインを弾いて)」
 むう「そんなことしなくても、鬼にあってるでしょうが!」
 カナヲ「………信じる」



 むう「じゃあ、こっちから質問ね。二人とも好きな人いる?」
 メイ「そうだね、いた、かな」
 カナヲ「………なんで、そんなこと聞くの?」
 むう「炭治郎だよね」
 カナヲ「!? ち、違うよっ///」


 メイ「むうは、いるの?」
 むう「リアルではいないなぁ。クラスにカップルはいるけどね」
 カナヲ「…凄いね」
 むう「ま、出来るまではゆっくり行きますわ」


 メイ「むう、頑張ってね」
 カナヲ「…これからもよろしく…」
 むう「はい、よろしくお願いします!」



 三人「次回は優羽さんのオリキャラ【夜空闇】ちゃんと仁乃をお招きします!」