二次創作小説(紙ほか)

Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.364 )
日時: 2020/08/04 16:35
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 はいすみません←謝罪大好き作者・むうです。
 現代パロと大正時代がごっちゃになってます。
 舞台はパロと同じ旅館、しかし大正時代真っ只中だよ! ということにしといてください。
 そうしないとあれです、仁乃が…ヤバす(説明を終えるな)

 
 *******************


 〈仁乃side〉

 【外、襲撃を受けて】


 身体が熱い。
 喉を突いた刃の斬撃で、喉からは血が滴り落ちる。
 それは何故か体から漏れ出る熱気によって気体となり、赤黒い水蒸気へと変化する。
 
 二つに結わえていた髪がほどけ、頭から大量に血を浴びたせいで色はどす黒い。
 鬼の血の影響で喉の傷が塞がる。
 血の不快な感触に顔を歪ませながら、私はよろよろと起き上がった。



 仁乃「う………」
 ??「まだ死なないとは頑丈だな」
 仁乃「いきなり誰? あなたは…………」



 襲撃犯の顔を拝もうと顔を上げた直後、鋭い切れ目の双眸がこちらを見やる。
 その視線は酷く冷たく、見覚えのある顔は悦しげに笑っている。


 無惨「私の名前を聞きたいか? 頭の悪い娘だ」
 仁乃「鬼舞辻無惨………っ!!(剣を構えて)」
 無惨「そう焦るな、私は貴様と話がしたいだけだ」


 仁乃「お前と話してなんのメリットがある? お前は私の姉妹と家族を奪った」
 無惨「胡桃沢仁乃、貴様は非常に珍しい個体だ。鬼化しない、出来ない人間だ」
 仁乃「それがどうした」








 無惨「貴様に私の血をくれてやろう」








 仁乃「意味が、分からない」
 無惨「簡単なことだ。貴様が鬼化に耐えられる血の量は決まっているはずだ。そこで」
 仁乃「………」
 無惨「更に多量の血を与えるとどうなるか? 貴様の体は血の量に耐えきれない」
 仁乃「誰がお前のそんな手に乗る!!」


 無惨「私はずっとこの時を待っていたのだ。竈門炭治郎を倒すこと」
 仁乃「……」
 無惨「そして今日はあの旅館に大勢の人間が集まっている最高の日ではないか」
 仁乃「……・そんなこと、何としても止めてやる!!」



 無惨「聞き分けのない人間だ。手荒な真似はしなくはないのだがな(仁乃を見据えて)」
 仁乃「覚悟しろ無惨!! 私は鬼殺隊【乙】、胡桃沢仁乃だ!!」



 勝算なんてない。
 片や鬼の始祖、片や柱以下の鬼殺隊員が一人だ。
 不利なのは目に見えて分かっている。


 それでも私は、たった1%、100%に届く最後の希望を捨てたくはない。
 かまぼこ隊や花子隊や柱や、みんなの大切な笑顔を失わせたくはない。
 もう誰も死なせたくない。もう誰も泣いて欲しくない。



 ——だから今、私は剣を構える。




 二本の短刀を構えた腕を大きく振りかぶって地を蹴る。
 加速した足は止まらず、正面にいる相手の元へ一直線に駆けていく。



 無惨「………人間とは、愚かな生き物だ(腕を振りかざして)」
 仁乃「はぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」




 ——願わくば、自分が失われたことを知った時、彼の心にさざ波がおきますように。





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 〈つかさside〉



 つかさ「ん? あ、黒状代が戻ってきたっ!」
 黒状代「(慌ててつかさの元へ)」
 つかさ「どーしたの? なんでそんなに慌ててるの? 胡桃沢はブジ?」


 黒状代「(かくかくしかじか)」
 つかさ「……………え」




 【別室】



 睦彦「………あ、みんな……」
 無一郎「睦彦……」
 寧々「…………」


 睦彦「ごめんみんな。さっきはごめん。俺が悪かった。許してくれ」
 寧々「睦彦くん……(ホッ)」
 ミツバ「僕の方こそ、ごめん……。あんなこと言って」


 炭治郎「俺も色々悪かった。またみんなで楽しいことをしよう」
 有為「全くもう。ボクも、色々と悪かったです。ごめんなさい」
 一同「(ホッッ)」

 しのぶ「はい、ではみんな仲直りも終わったことですし、何かして遊びませんか?」
 夏彦「っていうか仁乃ちゃんがまだ戻って来てないから迎えに行かないとね」
 レミリア「どこ行ったのかしらあの子…」


 つかさ「みんな大変———————————!!!(奥から駆けてきて)」
 花子「ど、どしたのつかさ、そんなに慌てて」
 茜「らしくないね、どうしたの?」


 つかさ「どうしよう………胡桃沢が………っ!(説明)」
 一同「!!」




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 〈炭治郎side〉


 【外】



 炭治郎「仁乃ちゃ——————ん!!」
 善逸「仁乃ちゃんどこだ—————ー?」
 睦彦「胡桃沢———————!! ………え」



 睦彦くんが突然口をつぐみ、目を見開いた先にいたのは。
 悲惨なまでに傷ついた、仁乃ちゃんの姿だった。



 紫色の羽織と隊服は返り血の量が凄くて、本来の色が分からなくなっている。
 トレードマークの二つ結びはほどかれ、血を被った長い髪が肩にかかっていた。
 そして顔や腕には無数の擦傷がついており、苦しそうに肩で息をしている。
 その顔はうつむき加減なので、表情は分からない。



 寧々「仁乃ちゃんっ……。どうしたの、何があったの、大丈夫??」
 しのぶ「寧々さん待ってください。私が診てみます」



 仁乃ちゃんと仲がいい寧々ちゃんと、救急箱を抱えたしのぶさんが彼女の方へ近づく。
 ………多分、付き合いが長いからだろう。
 彼は彼女の様子がおかしいことに真っ先に気づいた。



 睦彦「待て八尋!! 胡桃沢の方に近づくな!!」



 睦彦くんが鋭く叫ぶのと、仁乃ちゃんが寧々ちゃんに飛び掛かるのがほぼ同時だった。
 不意を突かれた寧々ちゃんは驚いて尻餅をつく。
 それが幸いして、怪我をすることはなかったのだが……。







 仁乃「…………ウガァァァァァァァァァァァッッ!!」






 仁乃ちゃんは、明らかにいつもの仁乃ちゃんではなかった。
 いつもの人懐っこそうな顔は凶悪に歪められ、優しい瞳は血走っている。
 手や足の爪は長くのび、額には血管が浮き出て、額には白い美しい角が一本。







        鬼、だ。





 善逸「な、何でだよ…っ。仁乃ちゃんがそんな……嘘だろ……!?」
 花子「(ハッと睦彦の表情を伺って)」
 睦彦「くる、み、ざわ………?」



 無惨「ふふふふふふふふ、すべてうまく行った」
 一同「!!!」


 炭治郎「鬼舞辻…………っ」
 有為「仁乃さんをどうしたっ。お前は何が目的だっ!」

 無惨「何が目的だと? それは愚問だ。私はただお前たちを倒す、そのためにここにいる」
 光「じゃあ、なんで仁乃ちゃんを……っ」
 無惨「簡単なことだ。今からそいつにはお前たちを殺してもらう」


 一同「!!」
 睦彦「いやだ、いやだ、嫌だいやだいやだいやだ………」
 無惨「さあ、いけ【紅羽】。こいつらを始末しろ」



 仁乃「…………ウガァァァァァァァァァァァッッ!!!!」





 ネクスト→怒涛の展開、スタート。次回もお楽しみに!




 【大正コソコソ噂話】
 今日の大正コソコソ噂話:無一郎×禰豆子×仁乃×有為


 無一郎「さて、みんな。こんな怒涛の展開の後でこのコーナーってふざけてんのかな」
 禰豆子「ムームー!(ふざけてるよ!)」
 仁乃「ウガァァァァ!(作者がここではリラックスしてほしいって)」
 有為「出来ませんよ……だって仁乃さん……自我ないじゃないですか…」


 無一郎「ということで、みんながザワッとしたシーンだったと思うけど…」
 仁乃「ウガァァァァァァ!!」
 禰豆子「ムームー(これからさらに盛り上がってくるから楽しみにしててね!)」

 有為「次回、鬼化仁乃さんVSかまぼこ花子隊&柱・東方キャラ」
 無一郎「まさかの仲間同士の戦いという、ちょっと見苦しい場面になるけど応援よろしくね」
 禰豆子「ムームー!!」
 
 むう「ちなみに鬼化仁乃に無惨が付けた名前は紅羽(くれは)と読むぜ!」
 無一郎「可愛いけど実際は……」
 仁乃「ウがぁぁぁぁぁ!」
 有為「皆さん早く仁乃さんを直してください……っ」