二次創作小説(紙ほか)

Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.370 )
日時: 2020/08/06 16:36
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 よっしゃ戦闘だ気合入れて行くか!
 でも初めての仲間同士の戦闘だから頑張って行くぞ!
 よし、全集中!

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 〈寧々side〉

 【外】


 嘘だと、そう思いたかった。
 うん、これは嘘。紛れもない夢。そう思い込みたかった。
 でもいくらホッペをつねってみても状況は全く変わらないまま。


 悲しいとか寂しいとか怒りとか、そういう言葉では到底表せないような感情がこみあげてくる。
 ああ、ここで泣けたらいいのに。
 何で泣けないんだろう。泣けないくらい私は、仁乃ちゃんのことを怖がっているのだろうか。
 

 寧々「私って、最低だな………」
 仁乃「ウガァァァァァァ!!」



 いつだって去来するのは皆と話したこと。ケンカしたこと。泣いたこと。
 笑ったこと。笑ったこと。沢山笑ったこと。笑いあったこと。



 花子「ヤシロ、大丈夫?」
 寧々「ごめん。大丈夫……って言いたいけど、無理みたい」
 魔理沙「無理はないぜ。折角、仲直りできたと思ったんだけどな」


 無惨「ふふふふふふふふ」
 妖夢「何でお前は人を痛めつけて笑ってるの!? 何でお前はそんなことをして楽しいの!?」
 華扇「妖夢、落ち着いてください」
 妖夢「止めないで華扇。あいつのせいで仁乃はああなったんだ。全部全部あいつのせいだみょん」

 

 仁乃「ウガァァァァァァ!!」


 仁乃ちゃんが赤い相貌で、威嚇するようにこっちをギッと睨んだ。
 その視線の鋭さに、私は「うっ」と息をのむ。

 仁乃ちゃん、辛いよね。苦しいよね。
 ごめんね、守ってあげれなくて。気づいてあげれなくて。
 でも……大丈夫だよ。絶対みんなが、なんとかしてくれるから。



 睦彦「フウ………ハァ………フウぅぅ……ハァァ……」
 伊之助「大丈夫か陸太郎。刀持つ手が震えてんぞ」
 睦彦「大丈夫……大丈夫……俺は強い俺は強い俺は強い……ハァ……」


 睦彦くんの体が小刻みに震えている。
 その額にはしっとりと脂汗が浮かんでいて、
 泣きたいのか笑いたいのか、どちらともつかない複雑な表情で、仁乃ちゃんを睨んでいた。



 その様子を見て、私は小さく首を振った。
 違う。『みんなが何とかする』んじゃない。
『私がなんとかする』んだ。


 

 有為「———ボクが先に行きます」
 しのぶ「有為さん!?」
 実弥「おいおいおいおい、気持ちが分かるがちょっと落ち着け。ここは俺たちでやってやっから」








 有為「——ボクはまだ自分の本音を言ってない」
 一同「…………………」
 有為「いつもそうだった。みんなにひどい暴言を言った。それで許してくれる皆さんに甘えてた」

 蜜璃「そんなことないわよ。有為ちゃんが優しいって信じてるから—」
 有為「分かってる」


 有為「ねえ皆さん、何でボクが一人称を私で言わないのか分かりますか?」
 輝「僕もずっと気になってた。なんで?」
 有為「弱い自分を守りたかった。ただ、それだけ。敬語で話せば嫌われないと思った。それだけ」


 ミツバ「宵宮……」
 桜「みんながみんな、苦しみや葛藤を抱えて生きているのね」
 夏彦「何だかなぁ……よし、有為ちゃん思いっきり行ってらっしゃい! 俺らもさぽ手伝う!」
 有為「………はいッ」



         ・・
 有為「睦彦くん。私に任せて。絶対、何とかして見せる」
 睦彦「宵宮………」


 仁乃「ウガァァァァァァ!!!(有為に向かって猛進)」
 有為「はぁぁああぁぁぁぁぁあぁあ!!!(仁乃に向かって猛進)」










     ズダァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



 


 大音量と共に、有為ちゃんの小さな体が仁乃ちゃんの髪に触れた瞬間、宙に浮いた。
 腹部の傷からは真っ赤な血飛沫があがり、小さな少女は受け身も取れず、頭から着地。
「う゛っ!」という悲鳴をあげ、有為ちゃんの体は数メートル先の地面に崩れ落ちた。




 無一郎「宵宮さ———————ん!!」
 しのぶ「有為さん、大丈夫ですかっ。今診ますからね!!」


 
 一同が有為ちゃんの元に駆け寄る。
 幸い彼女は腹部に擦傷を負っただけで、命に別状はなかった。



 ミツバ「馬鹿……っ。この、向こう見ず……っ!」
 光「おいミツB」
 ミツバ「だって!! あの子もああなって君まで怪我したら僕っ……僕は……」


 一同「……………」


 

 有為「助けて……っ」
 善逸「有為ちゃん? どうし—」
 有為「助けて……っ。みんなが、本当にバラバラになっちゃう……っ」


 有為ちゃんの両目から、大粒の涙がぽろぽろと零れ落ち、地面を濡らした。
 初めてだった。彼女が声を上げて泣いたところを見るのは。
 その行動に、私は—。

 炭治郎「——俺はみんなと一緒に得たものは、宝物だと思ってる」
 義勇「炭治郎……」
 炭治郎「俺らは何のために戦うのか? 誰の為に戦うのか?」


 パチュリー「もちろん仁乃さんを守るため。もう一度みんなで笑い合えるようにするため」
 葵「みんなで得たものを失わないようにするため」
 睦彦「大切な人の笑顔を、守る。カッコ悪くたっていい。ただ、守りたい」


 花子「……よしみんなっ。やろう、力を合わせて。本当に、陳腐な言葉だけど」
 寧々「ううん、陳腐でもいい。私も頑張るっ」
 ルーミア「じゃあいくぞー。かまぼこ隊、ファイト————!」
 一同「オー!」




 ??「ああ、さむさむ。友情ごっこかよ」
  一同「!?」


 求手名「あんたホントに口が悪いね銘祈。そんなアンタがまさか人間の肩を持つとは」
 銘祈「勘違いするな求手名。俺はただ、自分の望む形でもう一度成仏したいだけだ」
 新羅「こーゆーのってツンデレ? あはは、銘祈さん似合わない!w」
 銘祈「黙れ新羅」

 燐月「まあまあ。俺も正直、上司の仕打ちに納得がいっていないし、ね」
 彼岸「これで貸し一つ、ってところかしら。私たちも参加していい?」
 骸「私たちのような罪人が、いいのかしらね」


 禰豆子「ムームー(もちろん!)」
 宇髄「派手でいいじゃねえか! 賛成するぜ」
 煉獄「うむ! みんなで一緒に力を合わせよう!」


 花子「それじゃあ、改めて、胡桃沢救出隊、出動!!」
 一同「オー—————————!!」


 ネクスト→戦闘開始。次回もお楽しみに!