二次創作小説(紙ほか)

Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.382 )
日時: 2020/08/11 18:01
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 弟がどうもすみません……。
 何か無駄にませてんですよ。
 いうなればミツバくんに近い性格?
 
 *******************


 〈放送室メンバーside〉

 【カガミジゴクの部屋】


 有為「●×△%●×△%」
 つかさ「宵宮そのままお願いね!」
 有為(了解。詠唱をやめると空間が歪んで、学園と繋がらなくなるから念話で話すよ)


 夏彦「なんか…僕っ子やめちゃったから、違和感がすごいね…」
 桜「人は変わる生き物だし、どう生きようと本人の自由よ」
 夏彦「そっか。そだね。ってことでワンモア俺たちもやってやりますか!」
 桜「ええ。今回は4番もえらく協力的だしね。どんな手を使って口説いたの?」

 夏彦「口説いたとか人聞き悪い。ただ単に、七番がめっちゃお願いして受け入れてくれただけ☆」
 つかさ「よし、行くよ桜ー」

 ミツバ「こんなに頑張ってる僕をほっといて話を進めるとか脳みそ腐ってんの!??」
 桜「頑張っているそぶりなんてないわ。ああ、見張り…お世話様」
 ミツバ「キィ—————! 褒めてないねありがとう!」

 つかさ「そう怒らないでよミツバ—。だいじょうぶ、桜は優しいから」
 桜「ええ」
 ミツバ「うーわ自画自賛とか痛い……」
 夏彦「人の事言えないけどね」
 ミツバ「うーわ耳が痛い……」


 つかさ「じゃあ改めて行くよ、桜!」
 桜「ええ。ナッツン、ラジオの電源入れて。行くわよ(ヘッドホンスチャ)」
 夏彦「(カチッ)」


 こんな噂、知ってますか?
 七不思議が四番目、「美術室のシジマさん」
 彼女の絵の世界に閉じ込められたものは、彼女の命令を執行しない限り、
 二度と生きては戻れないでしょう。

 そして………。



 ・・・・・・・・・・・・・



 〈紅羽side〉

 【神社】


 〜紅羽(鬼化仁乃)、絵の世界の睦彦と出会い〜



 睦彦「…………だれ??」
 紅羽「お前こそなんでそんなとこにいるそす。ここはどこそす」

 
 睦彦「…………俺んちだよ。つかお前は何? 客なら金払えよ」
 紅羽「生憎我は、天下不滅の一文無しそす」
 睦彦「何だよ冷やかしかよ! 行った行った! お前なんかに付き合ってられっかよ」


 紅羽「何でお前は隠れてたんそすか?」
 睦彦「掃除サボると親父に叱られるんだよ。あと兄ちゃんにチクられる。怖いんだぜ」
 紅羽「この世で一番怖いものは、そいつはそすか?」

 睦彦「ああ。親父は怒るとそろばん投げつけてくるんだぜ。そんな親がいてたまるか」
 紅羽「鬼は、怖くないそすか」
 睦彦「鬼? なんだそれは」
 紅羽「………知らない? 馬鹿な。だってお前はさっき、紅羽に追われてた人間そす」


 睦彦「何のことだか知らねえが、俺がここに隠れていることは内緒にしてくれ。えっと、お前—」
 紅羽「………紅羽そす」
 睦彦「可愛い名前だな。俺気に入ったよ」


 そう言って愛嬌のある顔でにっこりと笑う少年に、また胸がずきりとうずいた。
 先ほどから何かがひっかっかる。
 何でなのか、まだ分からない。けれど、心が何かを訴えかけているのは分かる。

 こんな奴は知らない、記憶にないと考えると、焼くような痛みが頭を直撃する。
 その頭痛は自分に何かを知らせようと、しているのかもしれない。


 紅羽「お前……睦彦、とか…う゛っ」


 また、頭痛が精神を蝕んだ。
 ズキズキと、その痛みはやむことはなく。


 睦彦「おいおい、大丈夫か。マジでヤバそうだぞ」
 紅羽「よくあることそす。気にすんなそす」
 睦彦「そうか。無理すんなよ」


 紅羽「お前に、聞きたいことがあるそす。我、ここから出たい。どうすればいいのか知らんそす」
 睦彦「………こことは?」
 紅羽「あのおさげの女は、我を絵の世界に閉じ込めたらしいそす。出る方法、教えてくれんそす」
 睦彦「………」
 紅羽「せめて無惨が助けに来てくれればいいのに……」


 そう言った直後だった。
 目の前にいる彼の様子が、劇的に変わったのは。


 睦彦は、さっきまでの表情とは違う、裏表があるような怪しげな表情をしていた。
 そして我を押し倒すと、呆気にとられた我の顔を覗き込む。
 女の体の上に男が乗っかかる光景はいささかどうかと思うが、今はそこに突っ込む余裕はない。

 
 ——睦彦の表情は、暗く暗く、怖気を与えるには充分だった。



 紅羽「睦彦? ど、どうした……そす……」
 睦彦「………………」
 紅羽「ね、ねえどうしたそす………むっくん………」


 むっくん?
 あれ、何で今、そんな言葉がするっと口に出たんだろう。
 むっくんなんて愛称、目の前に居るコイツは呼んでくれなんて一度も言ってないのに。


 睦彦「…………ねぇ……」
 紅羽「な、何そす……っ 怖いそす……」
 睦彦「…………その、無惨って奴は……ホントにお前のこと好きなのかな?」


 紅羽「え?」
 睦彦「おかしいと、思わない? 助けにずっとこない無惨……」
 紅羽「き、きっと後で来るそす。絶対絶対来るそすっ」


 睦彦「…………無惨は、ホントはお前の事、何とも思ってないんじゃない?」
 紅羽「ち、違うそすっ。お前に何が分かるそすっ」

 睦彦「ねえ。お前をそんなふうにさせた男は今何をしてるのかな」
 紅羽「な、何を言うそす」
 睦彦「…………お前が一生懸命、悪と対峙している時に、そいつは何をやってたのかな」


 紅羽「………やめてそす……」
 睦彦「…………そいつがいなかったから、お前は今こんなふうに、無惨にも裏切られた」
 紅羽「……そいつって誰そす! な、なんでそんなこというそす………っ」






 睦彦「…………ねえ。そいつ、……睦彦の事、殺したほうが、いいんじゃない?」












 紅羽「…………聞きたくなかったそす」
 睦彦「………!!?」
 紅羽「…………お前の口から、そんなこと、聞きたくなかったそす!!」



 なんで、何で何で何で何で。
 なんで紅羽は、睦彦のことをそんなに庇ってしまうのだろうか。
 なんでこんなに、胸が痛いのだろうか。

 求める答えは、もう少しでつかめるはずなのに、なんで、つかめないのだろうか。
 怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。
 自分が、怖い。



 睦彦「…………殺さないんだ。じゃあ、俺が殺してあG」
 ??「仁乃ちゃんにそんな物騒なこと、言うんじゃぁぁぁぁねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」




  ズバァドンパスべスブスベリべりべりベリべりベリッッッ



 妖艶な笑みを浮かべて、睦彦が我の腕を掴もうとしたとき。
 甲高い大声が、そして自分の耳を疑いたくなる轟音が、神社の敷地内に鳴り響いた。



 ネクスト→思わぬ助っ人とは一体? 次回もお楽しみに!


 

 

 

Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.383 )
日時: 2020/08/12 17:34
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 私は戦闘シーンを書くとき雰囲気作りでテンポの速い曲を流してます。
 今回のこのお話を書くにあたって、PCの横にiPadを置き
 大音量で「ロキ」を流しました。
 内容も「ロキ」にあってると思うので、ぜひ曲を聴きながら聞いていただきたい!
 では、「死ぬんじゃねぇぞお互いにな!」

 *******************


 〈六新鬼月side〉


 骸「水の呼吸・拾壱ノ型 凪!!(ブンッッ)」
 無惨「むッ(飛んで避ける)どうした銘祈! 動きが止まったぞ!」
 銘祈「(う゛っ。無惨の支配が強くなってきた……っ。思うように体が動かせない……っ)」


 燐月「負けないで銘祈くん。先に逝ったらこの俺が許さないからね」
 銘祈「お前に心配されるほどヤワじゃねえよ!」
 燐月「ちぇ。可愛げのない。血鬼術・不死の魂獣!!」

 〜燐月、死なない雑魚鬼を出現させる〜


 燐月「それ、かかれぇ!!」
 雑魚鬼「ウガァァァァァァ!!」
 無惨「っっ!(すんでのところで避ける)」


 フラン「さっきから避けてばかりでちっとも攻撃してこないね」
 彼岸「当然。あの方にとっては私たちは大事な駒。傷一つ付けたくないんでしょう」


 魔理沙「マスタ—スパーク!!」
 ルーミア「ムーンライトレイ!!」



 ズダァァァァァァァァァァンン!!!




 パチュリー「やった……かしら」
 茜「!? 姿が消えたっ? ま、まさかっ。おい後ろっ」
 一同「(バッと振り向いて)」



 無惨「この姿見の中に入れば、紅羽と会える。吸収すれば私の能力もさらに強くなるだろう…」
 レミリア「あいつ、いつのまにっ」
 求手名「ダメだっ。早くしろ! 中に入らせるな!!」

 
 〜無惨、姿見に手をかけて〜

 〜瞬間、姿見の中から黒い腕が伸び〜


 無惨「ぐっ。離せ!!」
 燐月「今だ、操り人形、行け—————————っ」
 雑魚鬼「ウがぁぁぁぁぁ!!」


 

 雑魚鬼が無惨に向かって突進する。
 無惨はニヤリと笑い、右腕を高く上げた。



 茜「(ヤバイ。何か嫌な予感がする!) 止まれぇぇぇ時間!!」
 雑魚鬼「ウがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 茜が壱番の能力を使い、時間を止めた僅か0.1秒前。
 燐月の雑魚鬼たちが、鏡の世界に吸い込まれた。


 茜(っやばい!! 有為ちゃんミツバ聞こえる!? そっちに雑魚鬼襲撃!)
 ミツバ(何だってぇぇぇ!?? ちょ、うわっ ギャッ)


 ガタンッ
 バキンッ
 ボコッ


 グチャグチャグチャグチャグチャッ



 ・・・・・・・・・・・・・・・


 〈紅羽side〉


 大爆音が鳴り響き、慌てて音をした方に視線をやると、睦彦の体が地面にめり込んでいた。
 反射的に振り向くと、黄色い髪の少年は二タァッと笑みを浮かべたのち、


 善逸「こんな可愛い子になにやってんだ睦彦! お前な! このアホッッ」
 伊之助「てめぇもちょっと落ち着け——————ッッ(ボカスカッ)」
 善逸「ギャウッ」


 伊之助「ここは絵の世界だっつってんだろ! この陸太郎はあの陸太郎じゃねぇ!」
 善逸「知ってるよそれぐらい! つかさの奴が調子乗って色々いじったんだろ? 馬鹿が!」
 

 花子「こんなところでケンカしないでくれる? せっかく案内してあげたのに」
 善逸「花子おまえな!! ………その恰好は何だ」
 花子「これ? カッコイイでしょー(マントバサッ)」
 善逸「あーもうムカつく! 何よコレ何よコレ!! でも俺やってやったよカッコつけたよ!」


 睦彦「……ちょっと危ないからこっち行こうな、胡桃沢(紅羽も手を取って)」
 紅羽「……ヒッ」
 睦彦「勘違いするなよ。お前を襲ったのはあくまで『絵の中の俺』であってこっちの俺とは違う」
 紅羽「意味が分からんそす」

 
 睦彦「いいよ今は分からなくても。取りあえず俺と一緒に来い!(グイッ)」
 紅羽「うわっっ」


 その時。


 茜(そっち聞こえるっ!? ちょっとヤバい状況になった!)
 花子「え、ど、どしたの1番」
 茜(実は無惨がこっちに来そうになって、慌てて時間止めたんだけど、)

 茜(止める瞬間、燐月の雑魚鬼がこっちの世界に入っちゃって)
 一同「マジいいいいいいいいいい!??」


 茜(柱たちが今対処してるけど、そのうちそっちにも来るだろうから気を付けて!)
 善逸「何やってんのお前!! それで、時間を止められる期限は?」
 茜(五分だよ、だから急いで!!)


 善・伊・睦「短けぇぇよ!」
 茜(仕方ないんだよ!!)



 〜と、奥から土ぼこりが上がって〜

 

 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァァァァ!!」
 善逸「ギャ————! 来たぁぁ!!」


 睦彦「よっし分かった。俺は胡桃沢連れて鏡の外を目指す! お前たちは、」
 花子「全力で足止めね。おっけ!」
 善逸「ええええええええ、うもう分かったよ! 俺頑張るっ」
 伊之助「つべこべ言うんじゃねェ! 行くぞ!」



 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァァ!!」
 花子「蹴散らせ、白状代!!(ビュンッ)」
 善逸「雷の呼吸・壱ノ型 霹靂一閃・六連!!(ダダダダダンッ)」
 伊之助「獣の呼吸・参ノ牙 喰い裂き!!(ビシャッッ)」


 善逸「今だ行け———————————ッ」
 睦彦「了解—————!(駆け出して)」



 睦彦が我の腕を掴んで駆け出す。
 後ろから聞こえる、鋼が打ち合う音がどんどん遠ざかっていく。
 彼の手のぬくもりを感じながら紅羽は、なぜかとても満たされた気持ちになっていた。


 
 理由は分からないけど、彼と二人で逃げ出すことが嬉しかった。
 



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 睦彦「大丈夫かっ 胡桃沢っ。疲れてないか? もうちょっとペース上げてもいいかっ」
 紅羽「好きにするそすっ。あと我は紅羽そすっ。仁乃でも、胡桃沢でもないそすっ」
 睦彦「そうか! それでも俺は胡桃沢って呼ぶぜ。あとペース上げるぞ!!」
 紅羽「話を、聞けそす!!」



 紅羽「前から聞きたかったけど、その足どうしたそす」
 睦彦「大事な人を守るために、俺が一っっ番嫌いな奴にあげた!」
 紅羽「その大事な人とは?」
 睦彦「…………お前だよ(ボソッ)」



 紅羽「? 何て言った?」
 睦彦「なんでもない!」


 

 〜ダダダダダダダダ〜


 雑魚鬼「ウガァァァァァァァ!!(前から突進してくる)」
 睦彦「チッ。次から次へと……。面白い。胡桃沢、ちょっと下がってろ」


 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァ」
 睦彦「光の呼吸・壱ノ型 爆光一閃!!(ビシャッッ)」
 雑魚鬼「………ァ……ぁぁぁ……」


 睦彦「はい、進めぇぇぇぇぇぇぇ!!(だだだだだだだ)」
 紅羽「無理そす。ここはメイとか言うやつの命令に従わない限り出られないそす」
 睦彦「そのっ、命令とはっ? ……やべえ息キレて来た……っ(だだだだだだだ)」
 紅羽「自分自身と向き合え、失ったものに気づけ、仁乃が愛されていることを感じろ」


 睦彦「なら話は早い。足は止めないでこれでも見とけ!(懐から紙を出して)」
 紅羽「………これは、写真?」
 睦彦「猫被りの生意気なミツバって奴がとってくれた現像写真だ(だだだだだだだ)」



 そこには、遊園地かどこかで撮った集合写真や、
 木刀で手合わせをする男の子と女の子の写真などが映し出されていた。
 


 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 無一郎「睦彦、ごめん取り逃がした————!(向こうから駆けてくる)」
 睦彦「おっけー! 光の呼吸……」

 紅羽「一つ、聞いていいそすか」
 睦彦「このタイミングで!? いいけど簡潔によろしく! 参ノ型 暗暗流打!(ビシャッッ)」
 

 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 無一郎「霞の呼吸・漆ノ型 朧!(ブンッッ)」
 紅羽「なぜおまえは、我を見ても首を斬ろうとしない?」
 睦彦「光線昇降突!(ドスッ)なんだ、そんなことか?」


 睦彦「好きな奴の首を斬るとか、できるわけないだろうが!」
 紅羽「え、ちょ、お前なにしてるそすっ」
 睦彦「俺の口からそれを言わせんな!」


 〜紅羽の体がふわっと浮く〜


 無一郎「………おんぶだよ」
 睦彦「時透てめぇ! ありがとうあと後ろからも来たから後頼む!」
 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 無一郎「了解。胡桃沢さんのこと、よろしく頼むね(駆け出して)」


 睦彦「おう、任せとけ!」
 紅羽「はな、降ろせそすっ。ちょ、お前っ」
 睦彦「絶対にお前を元に戻す。約束する」




 


 
 ネクスト→雑魚鬼VS鬼滅隊&花子隊&東方。次回もお楽しみに!




 【大正コソコソ噂話】

 今日の大正コソコソ噂話:むうのひとりごと


 
 ( ,,`・ω・´)ンンン?
 ちょとまてちょと待て。この後どうやって絵の世界から抜け出すか全く考えてねぇ!!
 愛と勇気で何とかなるのだろうか。それともみんなが一生懸命、仁乃を説得してくれるのか?
 それともこういう展開にありがちな『過去エピソード』を書いた方がいいのか……。
 あ、そうそう有為ちゃんの過去エピソードかけてないいい……。
 どうしようどうしようこのままだとなんか上っ面だけいい子になっちゃう。
 そんなの嫌だ有為ちゃんエピと仁乃の鬼化戻る方法考えなきゃ……。




 あと、




 燐月お前、地獄で待ってろ(ドス)。
 

 


 
 

Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.384 )
日時: 2020/08/13 16:47
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)


 今日のハイライト。
 一人で見えない友達と会話した後に、弟、

 弟「中二病がキツイ」

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 〈放送室メンバーside〉

 【カガミジゴクの部屋】


 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 ミツバ「ギャぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 頼むから鏡だけは割らないでぇぇぇ!!」

 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 ミツバ「………ひいいいいっ」


 雑魚鬼がミツバへと迫る。
 鏡の外にいる無惨の様子を伺っていたミツバは、不意を突かれてじりじりと後ずさる。
 雑魚鬼がゆっくりと口を開く。その口には鋭利な牙がびっしりと生えていて。


 ミツバ「っっっっ!!」
 つかさ「ブンッッ(ドスボキャビシャッッ)」



 凄い音が響いて、思わず顔を上げる。
 眼前にいるはずの雑魚鬼は、何故か白目をむいて倒れていた。
 どうなったのかは、部屋に飛散した血飛沫の量で大体わかる。


 つかさ「だいじょーぶ? ミツバ」
 ミツバ「え……っと、ありがとう……っってぎゃあああああああああ!!」
 桜「無理もないわ。ここではあの子はかなりの危険人物だもの」


 お礼を言おうとして振り返った瞬間、司の着物を真っ赤に染めた血の量に悲鳴を上げるミツバ。
 司が拳骨一発で雑魚鬼を地獄へ送ったのだ。
 胸に去来する、鬼への同情心と既視感。


 夏彦「確かつかさって、前代のカガミジゴクも拳骨一発で殺したよね」
 桜「………つくづくお気の毒だと思うわ」
 ミツバ「………た、助けられて嬉しいと思いたいんだけど思えないごめん……・」


 有為「私の術でメイさんの領域とこの鏡の領域を繋いでる。そのうちここも危なくなるよ」
 夏彦「そだよね。俺らはつかさに敵殴ってもらって終わりだけど、ミツバはどうする?」

 ミツバ「え、え、え、僕一人になるのっ? 守ってくれないのっ?」
 桜「残念ながら私たちは噂を変える能力しかないから……すまないのだけど一人で…」
 ミツバ「いじめだっ! これ絶対いじめだっ!」

 有為「……何を言っているの? 私がミツバさんもろとも助ければいいだけの事でしょ」
 夏彦「さっすがー有為ちゃん話分かってる。もろともの使い方間違えないで怖いよ」
 ミツバ「た、たた、助けてもらうまでの事でもないしっ! 君は自分の命を守りなよっ」


 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 有為「………分かった。じゃあここで一旦解散、お疲れ様です」
 ミツバ「分かったよ!! 守ってくださいお願いします!」


 つかさ「よし。じゃあ俺たちは普と合流するから、後頼んだよ宵宮!」
 桜「よろしく頼むわね。じゃあナッツン行くわよ、全速力で逃走!」
 夏彦「りょーかい!」


 
 ※茜の時間停止が終わるまで、あと3分50秒




 ・・・・・・・・・・・・・・・・


 〈義勇×しのぶside〉


 【エソラゴトの世界】



 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 しのぶ「蟲の呼吸・蝶ノ舞 戯れ!!(グサッッ)」 
 義勇「水の呼吸・弐ノ型 水車(ビシャッッ)」



 〜雑魚鬼の頸が斬れ〜


 しのぶ「ふぅ……。頸を斬っても死なないとか言ってませんでしたっけ? あれ?」
 義勇「この量…。恐らく何体もの鬼に血を与えているから、そこまで強くはしてないのだろう」
 しのぶ「なるほど。数は力なり、いや、烏合の衆ですかね」

 義勇「さあな。行くぞ胡蝶。まだ向こうに敵が残っている」
 しのぶ「分かってますよ。善は急げです」


 ・・・・・・・・・・・・・・・



 〈蜜璃×伊黒side〉




 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」

 蜜璃「きゃあぁいっぱい来た! 受けきれるかしらっ。いや、頑張るっ!」
 伊黒「14体いるから一人7体で行くぞ。行けるか?」
 蜜璃「大丈夫です。任せて下さい!」


 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 蜜璃「恋の呼吸・壱ノ型 初恋のわななき!(ビシャッッ)」
 伊黒「蛇の呼吸・伍ノ型 蜿蜒長蛇!(ブンッッ)」


 雑魚鬼「ァァ………ァ……ぁぁぁぁ……(シュウッ)」


 蜜璃「やりましたね伊黒さん! この調子でいけば時間を稼げるわ」
 伊黒「了解した。油断は禁物、判断を怠るなよ」
 蜜璃「はい!」


 
 ・・・・・・・・・・・・・・


 〈宇髄×煉獄×炭治郎×禰豆子〉


 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 炭治郎「禰豆子来たぞ———ッ。お願い!」
 禰豆子「ムー! 血鬼術・爆血!!」


 〜ゴォオォオォオォ〜


 雑魚鬼「ギャッ」
 炭治郎「今だ! 水の呼吸・肆ノ型 打ち潮!!(ブンッッ)」


 雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
 宇髄「的がでかいとやりがいがあるぜ! 音の呼吸・壱ノ型 轟!(ゴオオン)」
 煉獄「炎の呼吸・壱ノ型 不知火!!(ブンッッ)」


 炭治郎「ありがとうございます宇髄さん煉獄さん!」
 宇髄「なあにお礼を言われるまでもねえよ。それよかお前の技も派手になったな!」
 炭治郎「本当ですか! そう言ってもらえると嬉しいです」


 茜(時間停止が切れるまで、あと1分!! 急いで!!)
 燐月(みんなホント俺の不注意のせいでごめん。もうちょっと辛抱して!)


 煉獄「了解した! 無惨の卑劣な行い、許すわけにはいかない!」
 禰豆子「ムームー!(仁乃ちゃんは絶対助けるよ!)」



 ・・・・・・・・・・・


 〈紅羽side〉


 〜エソラゴトの世界脱出を目指して逃走中〜
 〜ついでに紅羽おんぶ中〜


 睦彦「おいシジマさん聞こえるかっ? これ、何とかなんないのかっ?(だだだだだだだ)」
 紅羽「おい、離せっ。離すそすっ!」


 メイ(もちろんこの世界を消滅させることは出来ますが、……それでいいんですか?)
 睦彦「それは、どういう意味だ?(だだだだだだだ)」
 メイ(七番様の弟さんも、もちろん私も出来る限り、仁乃さんが記憶を取り戻せるようにしてる)

 メイ(自力で何とかしないと、いけないのではないですか?)
 睦彦「…………そう、だな。言われてみればそうだ。ごめん、俺やっぱり焦ってるかも」
 メイ(お疲れ様です)



 睦彦「なあシジマさん。胡桃沢、戻ると思うか? ……まだちょっと、不安で(だだだだだだ)」
 有為(希望とか魔法とか勇気とか、そんなものにすがるのが正しいとは思わない)」
 睦彦「っ。てめえ何を言っ」


 有為(でも、起こせないかもしれない奇跡を願うのは悪いことじゃないよ)
 睦彦「宵宮、お前……っ」
 有為(実体験があるから…。奇跡、一緒に起こそう。みんなで、一緒に)


 睦彦「いつもバリバリの毒舌で攻撃してたやつに言われると不思議な気分だな。ありがとう」
 メイ(自力でやらなきゃいけないけれど、睦彦くんがサポートすることは悪いことではない)
 睦彦「そうだよな! よっし分かった。こうなったら全力で思い出させてやる!」



 
 
 みんなは、まだ知らない。
 茜の能力が解け、みんなが懸念していた無惨の鏡の世界侵入が、
 もう既にされてしまっていると言うことに。




 無惨のたくらみは、まだ終わらない。



 ネクスト→無惨、鏡の世界侵入!? 次回もお楽しみに!




 【大正コソコソ噂話】
 今日の大正コソコソ噂話:しのぶ×無一郎


 しのぶ「いつしかのコンビでお送りいたしますね〜。よろしくお願いします」
 無一郎「よ、よろしくお願いします」
 しのぶ「いよいよ激しくなってきましたが、体調管理は大丈夫ですか?」
 無一郎「はい。キレッキレです」

 しのぶ「良かったです〜。冨岡さんはちょっとお腹の調子がわるそうでしたので」
 無一郎「……それは、心配ですね」

 しのぶ「直前に『そんなんだから、みんなに嫌われるんですよ』と言ってからですね」
 無一郎「……それが原因なのでは……」

 しのぶ「それでは次回もお楽しみに!」
 無一郎「いつも応援ありがとう。これからもよろしくね」



 

 

Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.385 )
日時: 2020/08/15 21:55
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 お久しぶりです。
 うちのパッパが家にいるので家族の時間大切にしてました。
 あ、そうそう今日のイメージ曲は、YOASOBIの「夜に駆ける」です。
 ぜひ聞きながらお読みくださいませ。
 
 *******************


 〈ミツバside〉

 【カガミジゴクの部屋】


 有為「炭治郎くんたちからの念話で、多少雑魚鬼の数も減ってきているようですね」
 ミツバ「そ、そう? それは良かった。…ってあれ、僕っ子再発?」
 有為「勘違いしないでください。どうにも、敬語なしだと慣れないんです」
 ミツバ「そ、そなんだ。いいんじゃない? 自分の好きなようにすれば」
 有為「そうだね…ですね」


 

 と、その時。
 



 ドンガラガシャンドシャッッ
 バラバラバラバラバラッッ

 


 無惨「やっと中に入れた。貴様が鏡の世界の支配者か? 随分と警備が甘いようだが」
 ミツバ「ッ!? 無惨? な、なんで…東方の人たちはどうして…」
 無惨「ああ、あいつらは少し動けなくしただけだ。しぶとい奴らだった」

 有為「ろ、六新鬼月の皆さんは?」
 無惨「……裏切者たちの事なら、深手を与えた。まぁ少しばかりの時間稼ぎは出来たと思うが」


 ミツバ「……何てことをっ」
 無惨「ミツバと言ったかな。よくもまあ好き放題してくれた、今から地獄に送ってやろう」
 ミツバ「嫌だッ!」



 ミツバの腕が無惨の襟元を掴む。
 鋭い爪が無惨のシャツに食い込み、無惨は鬱陶しそうに首を回す。
 そして彼は、数分前と同じようにニヤリと笑い、腕を振り上げようとして……。



 彼岸「させないっ!」
 骸「光の呼吸・玖ノ型 閃光爆裂!!」


 壁にかけられた鏡からカガミジゴクの部屋へと落ちて来た、六新鬼月の壱の双子の姉妹。
 自身の血鬼術で全ての呼吸が使えるようになった骸は、常に装備している剣を振りかざす。


 バチィィィィィィィィィィッッ!



 無惨「ッ。この私に勝負を挑むとは面白い!」



 無惨が赤い相貌を細めて振り向く。
 彼の視線の先には、六人の鬼—六新鬼月たちが立ちはだかっている。


 燐月「ここで決着をつけよう無惨様。俺たちは俺たちらしく行動する自由があるんだ」
 求手名「いつまでもお前の命令に従ってはいられないな!」
 新羅「そこの陰陽師と怪異くんはどうする? 逃げてもいいんだよ?」


 有為「逃げる? そんな選択肢は残念ながらありませんね!」
 ミツバ「と、とと、当然僕も、こいつにお仕置きしてあげるよ!」


 無惨「——愚かだな。そうしている間にも、紅羽の支配は強まっているのだぞ」



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 〈睦彦side〉



 睦彦「ハァ、ハァ。出口がどこかも分かんねえ。取りあえず胡桃沢の記憶を取り戻す!(だだ)」
 紅羽「………刻羽さん」
 睦彦「え?」


 鬼化した胡桃沢が、不意にポツリと呟いた。
 今まで「お前」とか、「睦彦」としか呼ばれてなかったので、驚いて背中の彼女を見る。
 胡桃沢は罰の悪そうに、ぼそぼそと続ける。



 紅羽「睦彦くん」
 睦彦「へ?」
 紅羽「睦彦さん」
 睦彦「お前、何を言って……」


 紅羽「むっくん」




 刹那、俺は目を見開いていた。
 久しぶりに聞いたような感覚に、再び振り向く。
 昔は「刻羽さんと呼べ」だなんて怒鳴っていたけれど、今となればそれ以外で呼ばれることが、とても変に思う。



 紅羽「なんか、むっくんって呼ぶと、安心する」
 睦彦「………」
 紅羽「紅羽のせいで無理をさせてしまってるなら、謝る」
 睦彦「………そ、そんなこと」

 紅羽「分かってるそす。我もずっとモヤモヤしているから。答えはすぐそこにあるのに」
 睦彦「そうだよ、あと少しなんだ。お前に早く戻ってほしい」
 紅羽「どうすればい……う゛っ」



 思慮深げな顔で何やら考えていた彼女が、急に悲鳴を上げて俺の背中から滑り落ちた。
 頭を抱えて地面にうずくまっている。


 睦彦「ど、どうした? 大丈夫か?」
 紅羽「や……やだッ……やめて……ッ 紅羽はお前のものじゃない……っ」


 睦彦「どうしたんだ? なぁ、胡桃z」
 紅羽「ウガァァァァァァァァァァァッッ」



 突然、牙をむき出して胡桃沢が俺に遅いかかってきた。
 不意を突かれた俺は、慌てて剣の柄で攻撃を受け止める。
 彼女は苦しそうに、何かを必死で我慢しているような表情で、こっちを睨んでいた。


 睦彦「っ!?」
 紅羽「違う……グルルルル……違うそす……頭から離れろ無惨…グルルルル……」


 無惨!?
 無惨が鏡の世界に、はたまたこっちのエソラゴトの世界に来ているのか?
 そして胡桃沢がこんなに苦しんでいる原因は、もしかして……。



 睦彦「頑張れ胡桃沢、負けんな! 大丈夫だ、俺はここにいるっ」
 紅羽「我は紅羽じゃない……そんな名前じゃなかったはず……っ お前の言う通りなんか……っ」
 睦彦「負けるな胡桃沢!! こんなの、お前は望んでないだろっ! お前はもっとっ」


 そう、あの胡桃沢仁乃は、ここで折れる人間じゃない。
 俺は彼女を一番近くで見てた。
 いつだって明るくて、優しくて、強くて。
 こんな俺を好きだと言ってくれて、必要だって、そう言ってくれて俺は嬉しくて。

 二人で肩を並べて歩くのが、
 同じ話題で盛り上がるのが、
 彼女にからかわれるのが、ただただ楽しくて。


 だからここで終わっちゃダメだ。
 まだまだ、やりたいことが残っている。
 だからふんばれ、負けないで、また笑って俺を「むっくん」って呼んでほしいから。


 紅羽「離れろ無惨………っ。紅羽は! 仁乃は! お前なんかの支配になんか負けない……っ」
 睦彦「フンバレ! 頑張れ胡桃沢!!」


 紅羽「無惨っ………う゛っ!」



 また、胡桃沢が苦し気にあえいだ。
 どうやら無惨の支配に逃れることに成功したようだ。
 きっと、見えないところで炭治郎たちが無惨と戦ってくれていたのだろう。
 そのことに感謝しつつ、俺は胡桃沢の腕を引っ張って起き上がらせる。



 胡桃沢はまだ瞳や牙は鬼のままだったが、自我はしっかりと取り戻した様子だった。



 睦彦「大丈夫か? 胡桃沢」
 紅羽「思い出した……。全部思い出した。私は、胡桃沢仁乃だった」
 睦彦「ああ、そうだよ。いつだって明るくて優しい、俺の自慢の彼女だよ」


 紅羽「むっくん、一緒に抜け出そう。きっともう、大丈夫だから」
 睦彦「おう。俺はいつでも、お前の味方だ」



 胡桃沢にそっと手を差し出す。
 彼女は俺の手に、自分の小さな指をそっと絡ませた。




 メイ(おめでとうございます。どうやら命令をクリアしたようですね)


 ははは、甘かったなシジマさん!
 俺たちはずっと信じてた。
 こんなことで折れるほど弱い人間じゃないんだぜ!



 睦彦「よし、走るぞぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 紅羽「うん!!」



 二人の歩調がしっかりと合わさる。
 俺たちは、二人で夜に駆けだしていく。



 【大正コソコソ噂話】
 今日の大正コソコソ噂話:むうのひとりごと



 随分あっさりと支配を外した仁乃ですが、これには理由があります。
 何故こんなにもあっさりと事が進んだのか?
 種明かしはまた次回。お楽しみに!
 
 


 

Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.386 )
日時: 2020/08/18 14:56
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)


 つい先ほど、有為推しのネッ友から
「ねぇ、有為ちゃん地味だけどめっちゃ頑張ってるよね! ねえ!」と言われて、
「そうだよ! 有為ちゃんファンいるよね? いなかったらなんかゴメン」
 というやりとりをしていたのであーる。

 *******************

〈東方キャラside〉

 【鏡の外】


 霊夢「いたたたたた。何がどうなって……ま、魔理沙っ? 大丈夫?」
 魔理沙「くぁ…ん。お、おうこっちは大丈夫なんだけど、無惨が中に…」
 華扇「…ど、どど、どうしましょう。直ぐに私たちも中に入るべきでしょうか」

 有為(その必要はありません)

 妖夢「有為! どういうことだみょん? そっちは平気なの?」
 有為(先ほど仁乃さんがシジマさんの命令をクリア。よって、エソラゴトの世界が消えます)
 ルーミア「そーなのかー。良かったなー。でも本当に大丈夫なのかー?」

 有為(こっちは今、無惨を対処してます。ここに皆さんが来られては、睦彦くんたちが)
 パチュリー「なるほど、了解したわ。私たちはここで見守る。何かあったら言ってね」
 有為(了解です。皆さんも、くれぐれもお気をつけて。絶対に、勝ちます。では)

 
  プツリ


 レミリア「良かった……あともう少しで戦闘が終わるのね」
 フラン「よし、みんな待とう。最後まで」
 一同「ええ」


 ・・・・・・・・・・・・・・



 〈花子side〉


 花子「!? 雑魚鬼が消えたっ? 燐月がこっちの世界に来たのか」
 善逸「ね、ねえなんかエソラゴトの世界が揺れてない? 俺の気のせいかもしれないけど」
 伊之助「確かにミシミシいってんな」


 メイ(七番様聞こえますか? 仁乃さんが命令をクリアしました)

 花子「ほんと!? でかした4番。じゃあ、この世界はいずれ…」
 メイ(はい、消滅します。有為さん頼んでカガミジゴクの部屋につなげてもらいますので)
 花子「分かった! 我妻、嘴平、俺についてきて! こっち!(駆け出して)」





 善逸「おい仁乃ちゃんはどうなったんだ? 記憶、戻ったのか?(だだだだだだ)」
 花子「うん!」
 善逸「ま、マジ? でかしたっ! やったぁぁぁ!」
 花子「急ぐよ!」
 善・伊「おう!」



 ・・・・・・・・・・・・・・・

 〈六新鬼月side〉

 【仁乃が支配に逃れようとしている時と同時期】



 有為「ここまでです無惨! ボクの兄たちを殺した罪も重ねて、お前を倒す!」
 ミツバ「あの子を元に戻せ!」


 無惨「致命傷を与えたはずだったのだがな」
 新羅「残念でした。さっきちょうど、みんなでお互いの体の一部分を食べたばかりだからねー」
 ミツバ「言い方が怖いよ!!」


 燐月「あ、あと陰陽師たちは何もしなくていいよ。一発で終わるから」
 求手名「みんなに、よろしくって伝えといてくれるか?」
 有為「? どういう意味ですか?」



 有為が首を傾げたその時。
 無惨が六新鬼月の話を遮って、真っ直ぐに彼らに向かって突進してきた。


 無惨「お前たち、これで終わりだ!(腕を振りかざして)」
 彼岸「………血鬼術・無灯籠」


 彼岸が右手を無惨の方に向けて、呟く。
 瞬間、掌の先から黒い煙が発生し、無惨の体を包んだ。
「!!?」と何が起こったのか把握が出来ない無惨は、目を細める。


 燐月「愚かだね。人の記憶から消える鬼の始祖。笑いものだね」
 求手名「はは、滑稽だ。何のために生まれて来たの?」
 

 頭上から自分を見つめる瞳が、怖い。
 そんな目で見られることが、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

 なんだ、何が起こっている?
 頭がガンガンとうずき、立っていることもままならなくて、無惨は地面に崩れ落ちる。


 有為「なるほど、こう言うことですか。……少し、残念ですね」



 何がだ? お前は何を知っている?
 そんな目で私を見るな、やめろやめろやめろやめろ。

 殺意の籠った視線が刺さる。酷く冷たくて、まるで人間のモノとは思えないもので。
 あ、まあ、この場にいる7人は鬼なのだけど。


 ミツバ「地獄に落ちろ、クソダサ野郎」


 彼の言葉をきっかけに、無惨の意識は、中途途絶えた。




 【大正コソコソ噂話】
 今日の大正コソコソ噂話:睦彦×伊黒×亜門


 睦彦「祝! 胡桃沢の支配解除&閲覧数6000突破—————!!」
 伊黒「嬉しそうだな」
 睦彦「だって! だってだって!! す、好きなコが元に戻った……ん…ですよ……」
 伊黒「何で言葉がしりすぼみになるんだ。恥ずかしいのか」
 睦彦「当たり前でしょ!?」


 亜門「おい刻羽。何をニヤニヤしているんだ見苦しい」
 睦彦「………あ、あ、亜門っ!? え、ええええええええええ!?」


 ※亜門って誰?って思った人は>>363へGO!


 伊黒「知り合いなのか? というかお前透けてるんだが」
 亜門「うるさいな。ああそうですよ僕は去年病死した鬼殺隊員でコイツの同期です」
 睦彦「……おいおいおいおい、むう、こいつだけはやめろ、俺コイツの事が嫌いなんだ!!」


 むう)この機会に親睦を深めて下さーい


 睦・亜「嘘だろぉおおおおおおおお!??」


 睦彦「……まあ亜門のことはいいとして、何で今日は伊黒さんが?」
 伊黒「甘露寺と仲良くなるにはどうしたらいいのか聞きに来ただけだ」
 亜門「聞くってコイツに? こんな奴に聞くのが間違ってる」
 睦彦「うるせえよ!! あっちいってろバーカ!!」


 伊黒「お前は何でそんなに胡桃沢と仲良くできるんだ」
 睦彦「え、その、何でって言われても……す、好き……だ、からです…」
 亜門「は、はあああああああ? お、お前、胡桃沢さんとどんな関係なんだよ!!」
 睦彦「………つまりその、好き同士だよ…分かんだろ」

 亜門「お前の分際で胡桃沢さんと吊り合うのか!? そっちの方が怖いけど!!」
 睦彦「お前はちょっと黙ってろボケナスッッ」


 伊黒「犬猿の仲か…。うるさいのでそろそろ帰りたいが意見だけ聞かせてほしい」
 睦彦「好きならとにかくアプローチ…って俺に言わせないでくださいよ恥ずかしい」
 伊黒「お前はどんなアプローチをしたんだ?」


 睦彦「えーっと、胡桃沢にヘアピンあげたけど自分で壊して」
 亜門「お前……」
 睦彦「告白しようと思ったらチョコにかく文字間違えて」
 亜門「お前ぇぇぇぇ………」


 睦彦「そ、それでは次回もお楽しみに。さ、さよならッ」
 亜門「逃げたあの馬鹿」
 伊黒「なるほど参考になった。礼を言おうとは死んでも言わないが」