二次創作小説(紙ほか)
- 第18話「ご教示願う」 ( No.50 )
- 日時: 2020/03/28 09:08
- 名前: むう (ID: Dd/6LLrW)
〈お館様、登場〉
柱一同「(片膝を立てて首を垂れる)」
炭治郎「ババッ(慌てて土下座)」
善逸「え、えっと、こう?(正座)」
仁乃・睦彦「(片膝を立てて首を垂れる)」
伊之助「(あぐら)」
善逸「(小声)おい伊之助お前、そんな座り方ないだろ!座りなおせ」
伊之助「ハア? 座り方なんて知らねえ!」
お館様「おはよう皆。柱合会議を迎えられたことを嬉しく思うよ。
今日はとある理由で炭治郎たちにも同席してもらった。よろしくね」
炭治郎「は、はいっ」
善逸「よろしくお願いしますっ」
伊之助「ああん? 誰だテメェ」
仁乃「(小声)失礼なこと言わないで! こちらこそよろしくお願いします」
睦彦「ふん」
義勇「お館様もお元気なようでなによりです」
蜜璃「(ああ〜また先に言われちゃった! お館様への挨拶……)」
しのぶ「ところで、お館様。実は先日……」
お館様「その話は炭治郎たちの話の後で聞くことにするよ」
実弥「……御意」
伊黒「それで? 奴らの話と言うのは何なのでしょうか?」
宇髄「呼び出される位だろ。まだ派手なことやらかしたんじゃねえのか?」
無一郎「………とりあえず僕は黙って話を聞きます」
悲鳴嶼「…お館様、お話の続きをお願いします…南無阿弥陀仏」
お館様「では、まず炭治郎の話から。『あの件』についてご教示願おうか」
炭治郎「はい。伊之助、木箱を取ってきてくれ」
伊之助「おま、また俺様に労働させる気かよ?!」
善逸「……おい物語の序盤で争うなよ。ったく仕方ない。俺が行ってくるわ」
炭治郎「ありがとう善逸」
仁乃「大丈夫かな。あの箱の重量結構あるよ?」
睦彦「そんな噂をすれば…」
善逸「(累の箱を背負って)お……重っっ……腕とか背中痛え……!!
(ドサッと縁側の前に木箱を降ろして)ふぅ…ふぅ…」
しのぶ「もしもし、大丈夫ですか?」
煉獄「あの顔を見て大丈夫なわけがあるまい!」
実弥「……また木箱のご登場だぜオイ。その中何入ってんだ?」
伊黒「不死川。刀の柄を握っているがどういうつもりだ? また木箱を刺す気か?
いちいち揉め事を起こされても困るのだがね」
蜜璃「こ、この前も、仁乃ちゃん刺しましたよね? 痛かったでしょうに…」
義勇「……」
宇髄「それで? その地味にでかい木箱が何だよ?」
無一郎「………肩ひもがちぎれてる」
悲鳴嶼「……恐らくあの大きさだと人間も入れる……」
炭治郎「俺たちは蝶屋敷での休養の後、任務に向かったんですが、
森に潜んでいた鬼の攻撃を受けてかなり窮地に陥りました。
そこで助けてくれたのが……」
善逸「(んもう、そんな話の切り方すんなよ!)ちょっと中失礼します————!
(木箱を屋敷の中にぶん投げて)」
伊之助「うおわっ。お前、よくあんな重いもんをぶん投げれたな」
善逸「何とかの馬鹿力って奴かな……ひィ……ふぅ……」
睦彦「無理すんなよ。めっちゃ息切れしてんじゃねえか」
仁乃「水筒持って来てるから取りあえず水飲んで、はい」
〜善逸によってぶん投げられた木箱の蓋が自動的に開いて〜
柱一同「(中から何か出て来た!!)」
累「………痛っ(箱の中から出てきて)黄色の君、こんど前触れもなく箱ぶん投げたら縛るね」
善逸「ギャ———!」
しのぶ「!? あの鬼っ!」
義勇「……何で生きているんだ!?」
蜜璃「嘘、どういうこと? 冨岡さんがやっつけたんじゃなかったの??」
伊黒「まさかとは思うが冨岡。斬ったつもりが斬ってなかったと言うのか」
煉獄「どういうことでしょうかお館様! 討伐したはずの下弦の伍がここにいる!」
実弥「……関係ねえよ生きてても死んでても。要するに鬼なんだからよォ…」
宇髄「そうだなァ! よし、俺が派手に頸を斬ってやるぜ」
仁乃「待ってください!(駆け出した宇髄と実弥の足元に右足を差し出して転ばせる)」
宇髄・実弥「ギャ!」
悲鳴嶼「(………この少女は瞬発力が高いようだ…咄嗟に判断して行動に移した…)」
お館様「天元、実弥。累を殺してはいけないよ。彼もまた重要な参考人だ」
宇髄「ですがお館様。また暴れられても困る。奴のせいでまた人が死ぬ可能性も」
睦彦「宇髄さん、見てくれよ累の目を。
十二鬼月の数字はもうないし、あとコイツあれから人間は襲ってねえぜ。
なんか珠世っって言う人が開発した薬飲んで人を襲わんようにしてるって本人が」
無一郎「………確か珠世さんって、あの時僕らを治療してくれた…」
蜜璃「禰豆子ちゃんの薬を作っている人でしょう?」
伊黒「信用しない信用しない。薬があるから何だと言うのか」
煉獄「うむ! どういう経緯があって蘇ったのか知らないが、
人を襲わない証明ができない限り不安は消えない!!」
義勇「…(また不死川が刀で刺す事態になったらいけない……)
おい下弦の伍。俺のことを覚えているか?」
累「あの時僕の頸を斬ったのは他でもない君だよ。覚えてる」
お館様「この下弦の伍・累は確かに成仏したけれど、またこの地に降りて来た。
君の口から直接聞こうか。どういう流れでこの世に戻ってきたのかな?」
累「詳しいことはよく分からないんだけど、突然誰かに腕を掴まれて、抵抗もむなしく…」
炭治郎「俺が思うに、その腕は鬼舞辻無惨だと思うんです。
どんな計画があって、どうやって地獄に干渉できたのか分からないけど……」
善逸「それでも、コイツは俺たちを助けてくれたし、今まで何回も話したりしたけど
『お前らを喰う』とは一度も言ってないんです!『縛るよ』とは言われたけど…」
伊之助「それから、証拠もちゃんとあるぜ。鱗何とかがアイツを預かってたからな」
仁乃「鱗滝さんね。いい加減名前覚えないと可哀そうだよ」
義勇「…鱗滝っ!?」
睦彦「……鱗滝の話だと、毎朝毎晩見張ったが害のある行動はしていないって言う。
それに聞いたら禰豆子に自分の命かけてんだろ?
その彼が『何ともない』って言ってんだからかなり信用性は高いと俺は思うね」
お館様「この件に関しては私は累のことを信用している。
鬼舞辻無惨が死んだ鬼を復活させた。普通どの植物も死んだら生き返ったりはしない。
しかし無惨はその常識を覆すことに成功したんだよ。
………何か意図的なものを感じる。累が奴に支配されなかったのは不幸中の幸いだね」
義勇「…信じて…いいのか」
しのぶ「炭治郎くんたちは彼を信じている。鱗滝さんも珠世さんも彼のために行動している。
これは紛れもない事実であることは間違いないようですね」
煉獄「話は大体把握した! 彼は特殊な鬼! 今後とも協力をお願いする!」
宇髄「うーん。話の内容を考えると害はないんだろうが…」
蜜璃「良かったわぁ、こんな可愛い子を殺すなんて胸が痛む話だもの」
伊黒「(蜜璃をじっと見て)フン」
無一郎「……ではこの鬼は、禰豆子と同じように特別に許可する…と」
お館様「そういうことだね」
実弥「何だかよォ、全部綺麗に済まされんのはどうしてかねぇ」
悲鳴嶼「……鬼殺隊に籍を置いているのだから鬼を殺す機会はいくらでもある…。
害意のある鬼は任務で倒せばいい……南無阿弥陀仏…」
かまぼこ隊一同「(ホッ)」
お館様「さて、次は柱のみんなに話を聞きたいと思う。
君たちの経験はね、実は累のことに関係してくるのではないかと私は疑っている。
何があったのか話してもらうね」
柱一同「はい!」
ネクスト→柱が語る『あの日』の出来事を中心に話し合いを進める一同。
すると無惨や累にまつわるヒントが出てきて?
次回もお楽しみに!
- 第18話「ご教示願う」(2) ( No.51 )
- 日時: 2020/03/30 16:53
- 名前: むう (ID: Dd/6LLrW)
更新遅くなってごめんね。続き行くよ。
〈柱たちのお話〉
炭治郎「改めて皆さんを見てみると、包帯とかギブスを付けている方が多いですね。
どうかされたんですか?」
善逸「た、確かに確かに!! 柱の手にも及ばなかったってことですか、相手が!」
伊之助「特に霞の……なんつったっけ……虫郎?」
睦彦「間違い方にだいぶ悪意があるな!?」
仁乃「む・い・ち・ろ・う! 全くもうっ(プンプン)」
無一郎「僕がどうかした?」
炭治郎「いや……時透くんだけ隊服じゃなくて入院服だから気になって」
義勇「違う」
しのぶ「無一郎くん、朝寝坊して着替える暇なかったんですよね(ニッコリ)」
かまぼこ隊一同「そっち系!!?」
宇髄「何かよ、俺たち同じ病室に連れていかれて地味ぃに治療してたんだけど」
蜜璃「今日『柱合会議よー』って起こしに行ったらスヤスヤ寝てて、可愛くって」
伊黒「そこは起こせ甘露寺。一人だけ入院服で会議に参加など許される事ではない」
煉獄「まあ時透はこの中でも一番重症だったし仕方あるまい!!!」
義勇「…ところで」
実弥「さぁて、話さねえといけねえなァ」
悲鳴嶼「……そうだな……南無阿弥陀仏……」
お館様「では始めようか。君たちが行った場所で何が起こったのか」
しのぶ「私は最初、冨岡さんとの合同任務の予定で列車に乗ったんですが…」
義勇「…なんと」
蜜璃「目的地変更になったんです。私は無一郎くんと移動していたんですけど、
鴉に案内されて駅へ向かいました」
宇髄「柱9人の合同任務になって、北北西の町へ向かったら、それは派手な状態で」
伊黒「あの状況を派手と呼べるのか…家は崩壊し屋根は吹っ飛び、惨い有様だった」
無一郎「それで……えーーっと、人もいないから取りあえず町を探索しようという話になって」
義勇「…そしたら」
実弥「冨岡が『後ろ!』っていきなり大声出すもんで、振り返ったら雑魚鬼が大勢」
悲鳴嶼「……私たちは即座に戦闘を開始しましたが、
敵は私が今まで見たどの鬼にも当てはまらない体質でした」
炭治郎「雑魚鬼……? 大勢いたとしても下級の鬼なら皆さんで倒せるんじゃ…」
善逸「でも、倒せなかったんでしょ?? どんな鬼よ!
っていうか冨岡さん、あなたずっと接続詞しか言ってませんよね!?」
伊之助「『せつぞくし』ってなんだ?」
※接続詞とは文と文を繋ぐ言葉 「—。〇〇 −。」〇〇のとこに入るよ。
例:〜しかし 〜けれども 〜それで etc.
仁乃「(接続詞しか言わない冨岡さん…ブフォw)」
睦彦「今まで見たどんな鬼にも当てはまらないって…どんなのだったんですか?」
しのぶ「まず、再生速度が異様に早かったですね。斬ったと思ったらもうふさがっている。
あの速度だと上弦と同じ位ですね」
実弥「それから、頸と思われる位置を斬っても死なねえ。どこを斬っても、倒れないしよ」
伊黒「血鬼術なのかどうかは分からないが、棘を飛ばしたり透明化できるものもいた」
煉獄「普通、雑魚鬼は術の使用は不可能! しかしあの鬼は術が使えました!」
悲鳴嶼「……どんな手を使っても奴らを倒せない……次第にこちらの体力が限界になり、
9人中5人が失神するほど……」
お館様「なるほど。そのような鬼と戦って死ななかったのは実に喜ばしい事だね。
辛い戦闘だったと思うけれど、みんなよく頑張った」
伊之助「頸を斬っても死なねえ雑魚鬼!? そ、そんなもんどうすんだよ」
無一郎「………鬼の腕が自分の腹を貫通しました。なかなか抜けなかった」
善逸「マジいいいい!!?? お腹大丈夫??」
無一郎「…もう大丈夫」
仁乃「9人中5人が倒れたんですよね? 治療は蝶屋敷で?」
義勇「いいえ」
しのぶ「生憎、私も気絶していましたので、治療は珠世さんの診察所で」
炭治郎「た、た、珠世さん登場したんですか!?」
睦彦「『登場したんですか』ってどんな質問だよ炭治郎」
炭治郎「あ、違う。登場させてあげたんですか??」
お館様・睦彦「それは作者の言葉」
お館様「みんなは珠世のところで治療したそうだけど、どういった経緯で珠世と会ったのかな」
累「……その話は僕から説明します。
僕は薬をもらいに珠世のところへ向かったんだけど、丁度北北西が合流地点だった。
町へ向かったら何故か柱が倒れてたから、その場で愈史郎と珠世と話し合って
皆を救助することにした」
善逸「お前この作品の中で最も活躍してない!?」
蜜璃「あの時助けてくれたの、愈史郎くんだったのね!診療所でずっとそっぽ向いてたから〜」
累「愈史郎の血鬼術で透明化して、雑魚鬼を操っている鬼を見つけた。二人いた」
柱一同「雑魚鬼を操っている鬼!?」
しのぶ「やっぱり黒幕が居たんですね」
義勇「……上弦か?」
煉獄「その可能性は高い! あれほどの量、あれほどの強さを持つ鬼をけしかけた!
雑魚鬼はその鬼の術なのかどうかは分からないが、かなりの腕前だ!!」
宇髄「裏で地味に隠れて、表で派手なことやってたんだなァ」
無一郎「…累が助けてくれたんだ。ありがとう」
蜜璃「あの時助けてもらえなかったら私死んでたわ!」
伊黒「……甘露寺が生きててよかった」
実弥「それで? お前が助けてくれたって言うのは分かった。重要なのは瞳だ!」
悲鳴嶼「……上弦か下弦か教えてくれ……南無阿弥陀仏……」
累「鬼は男と女。男の方は先に逃げていて瞳の数字は分からなかった。
分かったのは女の方。瞳には、上弦の零とあった」
かまぼこ隊・柱一同「上弦の零っ!!?」
炭治郎「ゼロ……ゼロなんていたか?」
善逸「え、ちょっとまって。零ってことはさ、壱よりも強いんでしょ!?」
伊之助・睦彦「聞いてねぇぞそんな話!!」
仁乃「……そ、そんな鬼……私たちが倒せる相手なんでしょうか…」
お館様「そうか…上弦の零か。
実はね、珠世から話を聞いて、私も上弦の零について調べてみたんだよ。
そしたらそのことについての記述があった」
黒髪「こちらの本に記してありました。一部抜粋して読み上げます」
上弦ノ零、ソレハ千年前、
陰陽師(おんみょうじ)・宵宮(よいみや)家ノ一族二ヨッテ封印サレシ鬼
ソノ数六体
彼ラ六体ノ鬼ヲ、六新鬼月(ろくしんきづき)ト呼ブ
お館様「さて、今度はこちらから話をしよう。六新鬼月と陰陽師の噂を」
ネクスト→六新鬼月と、彼らを封印した陰陽師の噂、語られる!
次回もお楽しみに!