二次創作小説(紙ほか)

Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.35 )
日時: 2020/08/05 22:17
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 5VHpYoUr)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

第四章 マオ 〜目的〜

俺ことトウチ マオはホミカさんのジム、タチワキジムを突破し、船場にいた。

タチワキジムは手強く、最初は毒状態に苦戦しやられた。
数回やり直してから、ようやくバッジをてにすることができた。

タチワキジムではリタイアするトレーナーも多くいたそうだ。

「あいつらはクリアしたかな…」

ボソッと呟く。
いや、レイナとヒュウは奇想天外な発想でバトルができるし、トモバに関しては相棒がこおりタイプで相性がよかったはずだからなw
心配するだけ無駄か…


『ブォォーーーーー!!』


と船の音が聞こえる。
電光掲示板には『10月○日』と書いてある。

まだ四章しか進んでいないが、三ヶ月ももうたっている。

俺は少し肌寒く感じながら船へ乗った。



〜ヒウンシティ〜

ヒウンシティ、ここへ来るのは旅に出て以来だ。
俺は故郷の空気を噛みしめながらジムへ向かう…すると…

「あっ…」

ジムからでてくるレイナを見かけた。
元気そうなイーブイを肩にのせてるし…きっとジムを突破したのだろう。

声をかけようか…でもっ、俺とレイナって、意外と面識がないし…

そう考えながら歩いていると…


『ドンッ!』


とだれかとぶつかる


「いてっ!
 キャッ!」

「ってて…スミマセン…ちゃんと前を見てなくて…」

「こ、こちらこそ…っててぇ」

ぶつかってしまった相手は明るそうな女の子…となりにはプリン…

どっかで…あ、そうだ!
チェレンさんのジム戦の時に泣きながら走ってた子だ…


「って、あ!あの子!いなくなってる!」

その子が声を挙げる。

「あの…子?どんな子だ?」

一応、探偵の息子だ。人探しはできる。

「え、えと、しわしわで、シミの着いた赤いリボンをしてるポニーテールで」

うんうん

「目がにごってて」

にごってて…

「イーブイをつれて…」

うんうん、ん?

「2年生ぐらいの子!」

え、っとぉ、、、

赤いリボンのポニーテールでイーブイをつれてる2年生ぐらいの子って…

「もしかして…レイナ?」

「その子、レイナってゆーの!知り合い?」

「ま、まぁ、一応」

「うそっ!」

そういうとその子はグイッ!と顔を近づけてくる。

「居場所!教えて!」

え、えぇ、、、急に言われても…

「只でとは言わないわ!このシンオウ名物!森のヨウカンでどう!」

ど、どうって言われても…

「ぐぬぬぬっ!な、ならばっ!途中で観光したアローラ名物!大きなマラサダもセット!」

い、いやぁ…

「あーもうっ!強欲ねっ!」

「いやいやいや!そういう問題じゃねえって!」

「え?」

俺はリックを探って、またなにか取り出そうとしていたこの子を止めることに成功した。

「レイナを探してるなら普通に案内してやるし、対価なんぞいらねえって!」

「え?!あ、そう?」

その子は慌てて荷物をリュックにしまい、プリンを抱き抱える。

「そっかぁ、よかったぁ。あ、自己紹介が遅れちゃったね!私、雪野 茉莉(ユキノ マツリ)!
よろしくね!」

「マオだ。
 てか、マツリ。ここら辺じゃ見かけない顔だな…」

「あぁ、私今年のイッシュリーグは凄いって聞いて、シンオウから観光に来たの!あわよくばバッジ集めて、出場して優勝したりぃ…」

マツリの顔がニヤけていく。
トモバと似た子だな…

「あ、レイナを探してたんだよな。」

「あっ!そうそう!レイナ…って子を探してたの!」

マツリははっとして、慌てたようにおうむ返しをする。

「今連絡するから…」


俺はライブキャスターを使ってレイナに連絡しようとする…

『ピロリローピロリロー……ピッ
 お掛けになった連絡先は、電波の通じない所にあるか…』

あ、あれ?でねぇ

「でない…なにかあったのかな?」

「いやいや、連絡に一回でなかっただけで…」

「それ、フラグじゃないっ?w」

「んなわけ…」


すると、『ドォーーン!』と、音がして、煙があがった。

「なっ、なんだ!」

「マオ!あっち!あっち!ビルが沢山あるところ!」


俺はその時血の気が引いていくのがわかった…
俺ん家の方向じゃねぇか…


おれはすぐに音がした方向へ駆け出した。

「え?!あ、ちょまって!わ、私もいくっ!」

Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.36 )
日時: 2020/08/06 16:36
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 5VHpYoUr)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

俺達が駆けつけるとそこには人だかりができていた。

高い建物の前に……
ここは…

「ここって、、、ビジネスホテル?」

イッシュ地方で一番大きなビジネスホテルだった。
一応家のグループも関係しているが、家じゃなくてよかった…

「なにが起こってるのかな…」

「マオッ!」

すると、鋭い声が聞こえる。
目立つツンツンのハリセーン頭。
ヒュウだ

「ヒュウ!」

「キャッ…イケメン…」

「え、どこが…」

「マオ。さらっと失礼なんだが?」

ヒュウはイラつきながら俺を睨む。
そのあと、はあ…とため息をつき、
俺達に向かい直った。

「はじめまして。俺はヒュウだ。」

「まっ、マツリです!」

「んで、マオ…ナンパできるのか…」

「ちっげぇっよっ!てか、今はこの騒ぎのことだろうがっ!」

俺は声をあらげてツッコム。
ヒュウは笑って答える。

「ごめんwごめんw
 で、今の状況は理解できるか?」

「えっと…わかんね…」

「立てこもり事件だ。主犯はプラズマ団」

「プラズマ団?」

マツリが聞く。

「プラズマ団…ここらじゃ有名な団体だぜ。」

俺は声を低くする。

「プラズマ団はイッシュ地方を中心に活動する。主に金や、ポケモンを奪ったりする、犯罪集団だ。」

「えっ、えぇ?!やばいじゃんっ!」

マツリは驚く。

「警察は?ジュンサーさんは何してるのっ!」

肝心の警察はホテルの前で張り付いている。
なぜ突撃しないのだろうか…

もしかして…

「人質がいる…?」

「あぁ。その人質は…     トモバだ。」

「それって……あの、時期社長、トウチ トモバ?!」

マツリが声をあげる。
トモバは目立ちたがり屋なため、結構有名だ。

「あぁ。俺の妹。」

「え、ってことは、マオは御曹司で、レイナはその知り合いっ?!」

マツリって意外と頭回るんだな。
て、失礼か。

「理解が早くて助かる。」

「トモバがこれだけ人質にされてると馴れるよな。」

「それな…て、自分の妹だろっ?!」

「あ、俺シスコンじゃないんで。お前みたいに。」

「おい…って、ここが重要なんだっ!」

「なんだよ…」

「なになに?」

「今、一人のトレーナーがホテルに凸ってる…」

「そのトレーナーって…もしかして…」

俺は嫌な予感がした…











「レイナだ。」










Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.37 )
日時: 2020/09/03 08:38
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: h4V7lSlN)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


「はっ?!」

「えっ」

俺とマツリは声をあげる。

「だからジュンサーさんも容易に入れないんだろ…」

「た、助けなきゃ!」

マツリがホテルの中へ走っていく。

「お、おいっ!まて!」

俺も跡を追う。

「え、ちょ、マオっ!」

Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.38 )
日時: 2020/09/26 09:32
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: Hh73DxLo)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「まてって!」

俺はホテルの受け付け前でようやくマツリの手を掴むことができた。

「ちょっ!助けなきゃ!レイナって子を!」

「まてって!お前レイナがいる階わかるのか!」

「えと、、、(困惑)」

マツリは俺からソローと目をそらす。

「たく…」

その時ヒュウも追い付く。

「ふぅ…取り敢えずマツリ…さん。」

「あっ、呼び捨てでいいよ!ヒュウ君♪」

「じゃあ…マツリ。お前状況整理したら分からないことだらけだろ。俺らの関係とか…」

「あ…」

どうやらマツリは状況整理が苦手のようだ。

「一応改めて自己紹介をしておく。俺はマオ、トウチ マオだ。今誘拐されてるトウチ トモバの兄だ。あと、レイナ、ヒュウの幼馴染みだ。今は旅をしてる。」

「俺はヒュウ。この三人の幼馴染みだ。マオと同じで旅をしてる。」

「あ、私はマツリ!シンオウからある人を探しに来たの!」

お互いの情報は整理できた。後は…

「今の状況整理だな。」

「ええ…えっと。今はこのホテルで立てこもり事件があって、人質はあの有名なトウチ トモバ。」

マツリが淡々という。意外と状況を整理できていて驚きだ。

「あぁ、そしてそこに凸ってるのがレイ レイナ。因みにジュンサーさん達の会話を聞いたところ、プラズマ団はヘリコプターを要求してるようだ。相手の人数は十数人。」

ヒュウが新しい情報をさらっと混ぜながら状況整理する。

「じゅ、十数人?!」

マツリが声をあげる。

「誰だっ!」

すると誰の声が聞こえる。もしかして…プラズマ団?!

「逃げるぞっ!」

ヒュウが鋭い声で言う。
それを合図に俺達は非常階段へと逃げ出す。

─────────────────────────

「……ヘイ。」

『なんだ。』

「ガキが数人紛れ込んだ。」

『なにをやっている……
"さっきガキを捕まえたばかりだというのに"』


─────────────────────────

それを聞いていたヒュウが固まる。
いや元々動いていなかったが…
明らかに氷のように固まった。
目はうつろだ…

「落ち着け…
 突入してしまったからには仕方ない。
 トモバを助けるぞ。」

「うん…絶対助ける…!」

マツリはしっかりとうなずく。

「あぁ…」

ヒュウは低い声でうなずく…
そこには少し怒りが宿ってた気がした。

Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.39 )
日時: 2020/10/04 09:34
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: nPUiXc5e)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「ヒュウ…」

ヒュウの異変に気づいたのか、マツリは怯えた声をだす。
俺はヒュウをなだめるように背中をさすった。

「とりあえず、人質の場所を探すぞ。」

「ど、どうやって…?」

「それは、ヨーテリー!」

俺は昔からの相棒、ヨーテリーを出す。

「コイツに探してもらうんだ。
 レイナとトモバの匂いはもう覚えてるから
な。ヨーテリートモバとレイナの場所を探してくれ。」

「キャンッ!」

「か、かわいい…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺たちは非常階段を使い、三階まできた。
ヨーテリーはここの階に強い反応を示している。
きっと、一番奥の部屋だ。

「三階…俺てっきり最上階の14階と思ってた…」

ヒュウが声をもらす。
それは俺も同じだ。

「きっと三階っていう予想外な階にして、迷わせる作戦だったんじゃないか?」

「なーるほど!」

俺たちは物陰から顔を出す。
目的の部屋に行くには男の人達を倒さなければならない…
バトルになりそうだが、相手は二人。
部屋までの共有フロアは狭い…
だから一人で二人を相手するか、予備としてもう一人置いてくか…

「俺が相手する」

ヒュウがいう。
一人で二人相手するのは難しい。

「でも…」

「大丈夫だ。マツリ、マオ。頼めるか?」

ヒュウの意思は固いようだ。
俺は頷く。マツリは戸惑いづつも首を縦にふる。

「決まりだ。」

そういうや否やヒュウが飛び出す。

「いけっ!チャオブー!」

「なっ、ガキ?!」

今しっかりと見たが、おにいさん達は黒服の海賊のような服装をしており、すぐにプラズマ団だと分かる。

「今だっ!行くぞ!」

「行くって、通路が塞がれてる…」

「いけっ!コラッタ!」

「いけっ!ズバット!」

ズバット?!
そうか…共有フロアが狭くても、手すりの外から攻撃ができるのか!

「マオ…どうやっていこう…」

そうか、ここをどう切り抜けるのかが問題だ…

「よし!マツリ着いてこい!」

俺は手すりに足をのせ、ヨーテリーを抱えて走る。

「え、えぇ?!」

マツリは戸惑い、少し考えてから…

「プリン!お願い!」

そういってマツリは抱えていたプリンを上に投げる。するとプリンはみるみる膨らんでいく。
マツリはプリンの足をつかみ、手すりの外から移動しようとした。

「させるか!ズバット!毒づき!」

「チャオブーかえんほうしゃ!」

マオとマツリに向かっていた毒づきをチャオブーがかえんほうしゃで止める。

「オニーサン、俺が相手だぜ。」

「ガ、ガキがっ!」

「まあいい、すぐ終らせてやる。」

その頃、マツリとマオは無事部屋の前についた。

「行くぞ…気を付けろよ。」

「うん…マオこそ…」

Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.40 )
日時: 2020/10/04 22:47
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: /.e96SVN)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「よし…」

俺はひんやりとするドアノブを握る…そして…

『バンッ!』

扉を勢いよく開き、マツリとリビングへと走る。
すると…

「あ?」

図体がでかい男と下っぱが三人…
そして後ろには…

「トモバっ!」

トモバがソファに倒れている。
平然を装っていたつもりが、自分でも分かるぐらい体が震える。

「レイナ…」

その隣にはレイナがキッと男達をにらんでいる。しかし、口にタオルを巻かれ、縄で縛られてるためそれぐらいしか出来ない。

「チッまたガキか。なるべく早く終らせろ。」

「「はっ!」」

下っぱがポケモンを構える。

「んー!ムー!ンムー!」

レイナが叫ぶがなに行ってるのかわからない。
しかし、「逃げて!」と言ってる気もする…

「いけっ!ゴルバット!」

「いけっ!ラッタ!」

!! さっきよりも強い奴らだ…
これは…一人じゃ不可能に等しい…

「マツリ…半分任せてもいいか…」

「ええ…当たり前じゃない…!
 いくよっ!キルリア!」

「たのんだヨーテリー!」

Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.41 )
日時: 2020/10/12 14:29
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: l1OKFeFD)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

マツリはキルリアか…
ゴルバットと相性がいい…ここは任せるか。

さて、俺の相手はラッタと…
ノーマルとノーマルのぶつかり合い…
普通にしたら負ける…

「ヨーテリー!電光石火!」

「ワンッ!」

ヨーテリの電光石火は見事ラッタに命中。
これでラッタは引き付けられる…
ノーマルタイプだから、体当たりや、頭突きら辺で攻めてくるだろう…

「よしっ!キルリア!メガトンパンチ!」

「は?
 ん?」

まてまてまてまて?!メガトンパンチ?!
俺だけではなく、レイナまでも驚く…

「ガギャァー!」

そして、ゴルバットに見事命中…

メガトンパンチ…
威力80、命中85の、まあまあ火力がある技だ…
キルリアは種族値は特殊が高い…
物理で攻めていくとはこれいかに…
もしかしたら、切り札的な技なのかも…?

その俺の予想は見事に外れる…

「続いてメガトンキック!」

What is Matsuri thinking?

もう完全物理型攻撃じゃねーかっ!
逆にそんな技どうやって覚えたんだよっ!

俺は心の中で猛烈なツッコミをいれる。

「グギャァー!」

ゴルバットはそのまま戦闘不能…

ん?戦闘不能?

キルリアは特殊に特化し、物理は苦手なポケモン…
しかし、威力は素晴らしく…命中率も高い…
持ち物で攻撃力を上げてるのか?

いや、なら命中率が高い説明がつかない…
もしかして持ち物は命中率を上げるこうかくレンズか、フォーカスレンズ…
キルリアは先制攻撃をして命中率が上がってるように見えるから、
相手より後に出すと、命中率が1.5倍になるフォーカスレンズではなく… 普通に命中率が1.1倍になるこうかくレンズを持たせている…?
ということは…

"いじっぱりな性格で持ち物はこうかくレンズの物理型キルリア…"

「凄いでしょ!家のキルリア!」

すげぇ…としか言いようがない…
ぶっちゃけこの戦術が強いのかは分からない…
しかし、キルリアという種族が得意な物をマツリのキルリアという個体が得意な物に合わせる…
これを決める決断力は凄いとしか言いようがない…

俺も…負けてられねぇ…

「ヨーテリ!起死回生!」

「ワンッ!キャンッ!」

「グギヤァー!」

ラッタは戦闘不能だ。
普通、起死回生はHPが少なければ少ないほど威力を発揮する。しかし、俺のヨーテリのHPは満タン。
ただの効果抜群に頼っただけ…
少し自分が情けなくなる。

「なにをやっている…ガキごときに…」

図体がでかい男が低い声で唸る。

「も、申し訳ございません!」

「つ、次こそは…」

「もういい…」

図体がでかい男はポケモンを構え前にでる。
そして戦わなかったもう一人の下っぱも。

「四人で相手するぞ。」

「「「ッ?!」」」

俺は一瞬心臓がとまった。

さっき一撃も食らわずに勝てたと言っても…
四人相手は…

「いけっ、ダストダス。」

図体がでかい男はダストダスを繰り出す…

「いけっ!ホイーガ!」

「やれっ!ミルホッグ!」

「ゆけっ!ワルビル!」

ダストダス、ホイーガ、ミルホッグ、ワルビル…どれも二段階目進化…
これに対抗できるのは、同じ二段階目進化のキルリアしか居ないかもしれない…

「四体…ならこっちだって!お願いッ!プリン!」

マツリは半ばやけに抱いていたプリンをほおりなげる。
俺も出したい…ただ、2体同時にポケモンを指示できる自信がない…
あーもう!

「頼むッ!ミジュマル!」

勝てるかどうかは分からない…ただ…やるしかないっ!

「ダストダス…プリンにメタルクロー」

「ッ!プリン!よけて!」

プリンが避けようとする。しかし…

「ミルホッグ!電磁波!」

「プッ!」

プリンはマヒ状態となり、素早さががた落ちする…そして…

「プキャァー!」

プリンにメタルクローが命中…
効果は抜群だ…

「プリンッ!」

「じょーちゃんよそ見して、いいのかな?」

するとキルリアに近づくワルビル…

「ワルビル!アイアンテール!」

「キルー!」

キルリアにも効果抜群…
こいつら…コンビネーションがっ

「ッ!ミジュマル!ワルビルにシェルブレード!!」

「ワッ!」

ワルビルに命中…!
HPは半分までは削れたッ!

「ホイーガ!ミジュマルにハードローラー!!」

「ミジッ!マジュマッ!」

ミジュマルは二回攻撃を受け、もうやられる寸前だ…

いや、ミジュマルの特性は激流!
これから水攻撃を仕掛ければ…

「ミジュマル!水のはどう!」

しかし…ミジュマルは反応しない。
ひるまされてる…
そのとき、心臓を握りつぶされたような感覚が胸に残る…

「ホイーガ!もう一度ハードローラー!」

「ミジュマー!」

ミジュマルは戦闘不能に…
マ、マツリはっ!

「キルリア…プリン…」

マツリの手持ち2体も戦闘不能のようだ…
そう、後は俺のヨーテリ一匹…













俺は…何も…できなかった…










Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.42 )
日時: 2020/10/12 15:37
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: l1OKFeFD)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


 『諦めないで』

声が聞こえた。
声の主は…レイナだ。
いつの間にか口のタオルも取れている…

「マオ…諦めないで。」

「諦めって…こんな無謀なこと…」

「諦め無いで。勇気を出して。」

「無謀と勇気はちげぇだろっ!俺は…おれはまた、何もできなかった…おれはっ!」

何もできなかった…何も…俺は…

「どうして"過去形なの?"」


「え…」

「マオの手札はまだ残ってる。諦めないで。
 勇気と無謀は違う…今、マオが立ち向かうことは無謀よ。けど、それが最善のルート。
 諦め無いで。無謀と勇気は紙一重だけどね…今は表裏一体なのよ。」

俺はレイナの言ってる意味がさっぱりだった。
でも徐々に、徐々に、分かっていった。
氷が溶けていくように…

今の状況で立ち向かうのは無謀だ。負けるのは目に見えている。しかし、勝つのが目的じゃない、俺がいますべきなのは、いや、元々マツリとすべきだったのは、"時間稼ぎ"だったんだ。

俺は、今までずっと、無謀をさけつづけてきた。

少しでも無謀と分かれば、そのルートは消してきた…
なぜなら勇気と無謀は紙一重。少しでも過ちをおかしたら、無謀を勇気と間違える。

けど、今は無謀が最善のルート。
無謀なことに挑戦するには『勇気』がいる…
今だけ、今だけは、無謀と勇気は表裏一体…

『勇気』をだせ!俺!

「キャァーン!」

すると、ヨーテリが光だした。
進化だ…
ヨーテリはどんどん大きくなり…

「バッフウ!」

ハーデリアへと進化した。

「ハ、ハーデリア!」

「ウワァーン!」

ハーデリアは自慢げに俺を見つめる。
俺は図鑑をハーデリアに向ける。

『トレーナーを 助けながら 他の ポケモンの 世話もする とても 忠実な ポケモン。とても 賢く よく 懐く。 はじめて 人のパートナーに なった ポケモンと いう 説も あるのだ。(ポケモンブラックホワイト2、ソードより。) 』

俺はハーデリアに向かうとニッと笑った。

よし、時間稼ぎ…やってやる!

そう決意すると…

『バァッン!』

とリビングの戸が空いた。

ヒュウだ。

「「「ヒュウ!」」」

その場にいた三人が声を上げる。

「遅くなった。レイナ!大丈夫か!」

「えぇ、お陰様で」

レイナは呆れながら、苦笑いする。

「マオ、マツリも」

「あぁ。ナイスタイミングだ。」

「ポケモンはボロボロだけどね…」

「ジュンサーさんたちに情報は伝えてきた。もうすぐ来るだろ。」

だから遅くなったのか…

「なっ!このガキっ!ただじゃすまねぇぞ…」

図体がでかい男がキレる。

「マオ。頼めるか。」

「あ、あぁ!」

俺はハーデリアを構え、ヒュウはチャオブーを構える。

「チャオブー火炎放射!」

「ハーデリア!起死回生!」

チャオブーの火炎放射があたったホイーガとミルホッグは倒れる。

なっ!強い…

ワルビルはハーデリアの起死回生を受け、瀕死寸前だ。

「ハーデリア!体当たり!」

「チャオブーニトロチャージ!」

ハーデリアのたいあたりでワルビル、チャオブーのニトロチャージでダストダスが倒れる。

ヒュウ…つえぇ…
元々強かったが、こんなにも力をつけてるなんて…

「なっ!」


「警察です!」

するとジュンサーさんたちがナイスタイミングで来る。

「貴方達を誘拐の罪で逮捕します!」






その後、トモバとレイナは無事に解放された。
トモバは気がつくと事が収まってることに動揺し、その後、半ばやけにアーティーさんに挑んだ。
レイナはヒュウに、無謀でトモバを助けに行ったことにしかられ、俺達はジュンサーさん達からしかられた。
ついでに俺は父母からも咜られた。災難ったらありゃしない…

そして今、マツリ、俺、ヒュウ、レイナ、トモバはヒウンアイス屋に居る。

「んー!ヒウンアイスおいひー!」

トモバが言うと、マツリはハッとして、レイナにちかよる。

「ねぇ!えと、レイナ!わ、私のこと、覚えてる!」

急に指名されたレイナは固まり、一生懸命脳のすみっこの記憶を呼び起こそうとする。

「あ、ホウエンの…」

「そう!まつり!」

二人は顔見知り(?)だったようだ。

「助けてくれてありがとね。まつり。ヒュウも、マオも。」

「いんや。大したことねぇよ。」

ヒュウはヒウンアイスを黙々と食べる。

「嫌。俺こそありがと。あの時…声かけてくれて…」

あの時、レイナの言葉がなかったら、俺は今頃、無謀を言い訳にした弱虫となっていただろう…

「なにいってんのあれはマオ自身の力で気づいたんじゃない。私は何もしてないわ。」

「なに言ってんだよ…」

「あ、結構2人仲良い…?以外…」

トモバが目を見開く。

「そ、れ、よ、り、も。トモバァ~?
 俺達に言うことあるんじゃねぇーのぉー?」

ヒュウが目元を暗くして言う。

「あ、えっとぉー…」

皆がトモバに注目する。

「げ、原因作ってすみませんでしたぁー!」

俺達はクスッと笑い、その後大笑いする。

「えっ、えぇ!ちょ、笑わないでよぉ!」



三つ目のバッチをゲットし、次はライモンシティだ。
俺は新たな冒険に怯えながらも足を踏み出す。

決めた。俺は。レイナに助けられずに成長できるように。逆にレイナをヒュウを助けられる、同じ位置にたてる存在になりたい。

ヒウンの海は、いつも以上にすみわたっていた。



第四章~完~