二次創作小説(紙ほか)
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.75 )
- 日時: 2021/11/26 14:22
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: nEqByxTs)
第七章 トモバ ~私~
今日は晴天で旅日和!
私こと統治 共羽はルンルンとスキップしてとある所へ向かった。
「ここかぁ…!」
私はホドモエシティの外れ、PWTへ来ていた。
遡ること数日前…
ーーーーーーーーーーーーー
「ホドモエジムクリアー!お疲れ!バニリッチ!」
「バニバニィー」
その日私はホドモエジムをクリアし、気持ちよく外を歩いていた。
「じゃあ準備が出来次第次の町へ行こうかな…」
そう呟いた所で、私の腕にはめてあるライブキャスターが振動した。
お父様からだ。
私は迷うことなくライブキャスターでお父様と繋いだ。
『やぁトモバ。元気かい?』
そこにはとても元気とは思えないゲッソリとしていたお父様が映っていた。
「私は大丈夫だけど…お父様は大丈夫なんですか?」
私は怪訝そうにお父様に尋ねる。
『あぁ…大丈夫だ。それよりもトモバ。明日来て欲しい所があるんだ。』
「なんですか?」
『ホドモエシティの南にあるPWTという所だ。』
PWT?なんの略なのだろう。それに、ホドモエシティの南は冷凍コンテナと昔聞いたことがあるが、そんな所になんの用事があるのだろう。
私はとても困った顔をする。
「冷凍コンテナになんの用が…?」
『ふふっ、実は統治グループの優秀な人達がね、そこにPWTっていうバトル施設を作ったのさ!』
冷凍コンテナにバトル施設…?!
家のグループはとても優秀な人達の集まりで、様々な所で知名度を上げてるけど、たまにこういう変なこともするのよね…。
「そこにいって何をすればいいんですか?」
『うん。それが最近出来上がってね。バトル場の演出の試運転として、トレーナー達を集って小さなバトル大会を開こうと思ってね。』
バトル大会…
レイナが食いつきそうなもようしものね。
でも、バトルの経験も貯めたいし、行かない選択肢はないわ。
「はい。分かりました。行かせてくださいお父様。」
『あぁ!トモバならそう言ってくれると思ったよ! あ、試運転の日は色んな人を招いてパーティーをする日もあるから良かったら出てくれないかい?』
色んな人を招く…。統治グループと仲がいいお偉いさんを招くのね。そこに次期社長の私も出ない訳には行かない…。
と、試運転を行った人へのおもてなしとして、その人たちも出るんだろーなぁ。
「はい。喜んで出させて頂きます。ところでお父様。」
『なんだい?』
「試運転をする人達はどなたかお伺いしても宜しいでしょうか?」
まぁ、大体目星は付いてるけどね。
『あぁ。それは勿論。マオ、レイナ、ヒュウだよ。他にもいるけど、トモバの顔見知りはこの3人だね。』
やっぱり。昔からお父様はこういうイベントには私含める幼馴染組4人をよく誘うのよね。他は私の知らないトレーナーってことか…。でもお父様の事だから、私に関係しなくても、他3人に関係するトレーナーを連れてきそうだけど。
「分かりました。では明日PWTへ向かいます。」
『あぁ助かるよ。じゃあね、愛しの我が娘。』
そこでブツッと通信が切れる。
バトルは楽しみだしレイナ達に会えるのは嬉しいけど…
パーティーかぁ
「はぁ…憂鬱…」
ーーーーーーーーーーーー
「さて…と、メンツはこれで揃ったかな」
そう言うと、俺ことトモバの父である統治 陽炎は資料だらけの机に向かって背伸びをする。
「ようやく集まったの?」
そこには赤髪を方まで伸ばし、鋭い目に細いメガネをのせているクールビューティが似合う小柄な女性が凛として立っている。
彼女の名前は統治 クーフ。俺の妻だ。
「あぁ。意外と骨が折れたよ。それに、明日までにこの資料も片付けて置かないとね。」
「まぁ、頑張って。私も仕事があるから。」
そう言ってクーフは去ろうとする。
「守備は?」
俺は去り際の彼女にそう問う。クーフは半分こちらに顔を向ける。
「滞りなく。」
「PWTを作ってまで、"アイツら"はなにをするつもりなんだろうね」
俺は無意識に口角を上げ、声のトーンも弾む。クーフはそれに呆れたのかため息をだす。
「もしかして、PWTはアイツらの企画だと分かった上で承諾したの?」
「まぁね。まあ、バトルになれば幼馴染組4人の経験値にもなるしね。今回は強いトレーナーも、守備もガチガチだし。危ない目には合わないだろうし。」
「貴方ってばいつもそうよね。悪いことが起こればそれを逆手に取ってあの幼馴染の子達の経験値にしようとする… 前のトモバ誘拐だって… 貴方相当の悪魔ね。」
クーフが俺を睨みつけてくるが俺は全く怯まず、困った顔をして笑う。
こうでもしないと、クーフがもっと機嫌を損ねてしまうからね。
「カエンジシの子落としということわざがあるだろう。愛が深いと言ってくれ。」
カエンジシの子落とし。自分の子に苦難の道を歩ませ、その器量を試すことのたとえである。
まあ、愛が深い故の行動ってことだね。
「はぁ…全く。まあ、別に私はそれに大反対というわけじゃないけど、ほどほどにね。」
「あぁ。で、君はレイナが狙いかな?」
クーフはサッと顔が青くなる。ずっと隠しているつもりだったのだろう。でも俺にはお見通しだ。
「そうよ。貴方は関わったりしないでよね。」
「わーってるわーってるって。でも、俺にはレイナが"裏の人間"とは思えないけどなー?」
俺のそんな言葉を無視し、クーフは仕事へ行ってしまった。
まあ、俺もそんな問題視していない訳じゃない。レイナは…危険かもしれないし、味方かもしれない。俺にすらまだ分からない。
俺は椅子を180度回し、ガラス張りの壁を向く。すると視界に太陽の光が突き刺さってくる。
「眩しいなぁ」
俺は磨かれたモンスターボールを見た。久しぶりに暴れることになりそうだ。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.76 )
- 日時: 2021/10/18 00:32
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 62e0Birk)
「うわぁ…凄い…」
私はそんな回想が終わると、PWTの前に立っていた。
PWTは私が想像していた冷凍コンテナとかけ離れていた。道は明るい色で舗装されており、所々に屋台がある。
思ってた10倍明るい…
試運転の日だからなのか、それとも元々なのか。お祭り並に騒いでいる。
そんな光景にワクワクしていたら、会場に着いていた。そこには…
「倒れたって…お前大丈夫だったのかよ?!」
聞きなれた大声が聞こえる。
声の主は私の兄、マオだ。
「あぁ。レイナが俺を見つけてくれて、ポケセンに運んでくれた。」
ヒュウがふぅと息を着く。
「お前…男のプライド…」
「言うな…一瞬にして崩れ落ちたよ」
話が一区切り着いたところで、私はその2人へ向かって手を振って呼ぶ。
「マオ!ヒュウ!」
私の声に気づいた2人は私へ振り返る。
「トモバか、久しぶりだな。」
マオが小さく手を振り返してくれる。ヒュウは腕を組んで私へ微笑む。
「聞いたんだけどっ!ヒュウ!倒れたの?!」
私は真剣な顔でヒュウに聞く。ヒュウは面倒くさそうな、バツが悪そうな顔をする。
「あぁ。まあな。でも今は大丈夫だ。」
「そっか、良かった」
私はほっとする。体が強いヒュウが倒れるなんてよっぽどの事がないとありえない。だから余計に心配したが、本人が大丈夫というのなら大丈夫だろう。
「で、ヒュウさんヒュウさん。レイナとはどうかの?」
「えっ、は?どうって…?!」
急にヒュウの顔がマトマの実のように真っ赤になる。
ヒュウは昔からレイナに片思いをしてるのだ。それに気づいている私はその恋路を応援している。
幼馴染と幼馴染がくっつくなんてこれ程幸せなものは無い。あと、ヒュウをからかうのも楽しいし。
私はニヤニヤとしながらヒュウを見つめる。ヒュウは顔を赤くしながら必死で落ち着こうとしている。
「いや、 別に普通だが」
ヒュウは横を向いて顔を見えないようにしている。しかし、耳が真っ赤のため、照れているのはバレバレである。
その反応が面白く、私は余計ニヤニヤしてしまう。
そして、蚊帳の外のマオは特にこれと言った表情はせず、無表情のままスマホをいじっている。
「だからお前の技構成は弱いんだって!」
「それはアンタから見たらでしょ!実際使うと役に立つんだから! 」
と、なんか痴話喧嘩が聞こえる。そのうちの片方は聞きなれた声が聞こえる。
黒髪ポニーテール、濁った目をしているレイナと、もう1人知らない男子が来る。
少し長い金髪にに宝石のように綺麗な黄色い瞳。白黒のTシャツに紺色のジャケットを来ている男子だ。顔のパーツが綺麗で、イケメンだ。
美少女のレイナと並んで見ると美男美女のツーショトとなり、もう眼福この上ない。
「レイナと、誰だ?」
「レイナの知り合いかな?」
私とマオはそんな事を話して、2人を見る。
「だからここは金属音だろ!」
「いいえ!ここは剣舞よ!」
レイナと男子の話を聞くに、ポケモンの技構成で喧嘩をしてるのかな…?
それにしても、レイナがあれだけ心開いてるのは珍しい。
もしかして、もしかしなくても…
「レイナの…彼氏?」
その瞬間。場が凍り付いた。
ヒュウはもちろん。マオ、私もレイナの相手に冷たい目線を向ける。
いつもそばに居た幼馴染が知らない奴に取られる嫌な感覚が体を撫でる。
私は母譲りの鋭い目で相手を睨みつける。
ヒュウも目を鋭くして相手を見つめる。
マオに関しては悪役顔をさらに引き立たせ、周りにゴゴゴゴと、漫画みたいなオーラが出てきそうな勢の雰囲気をだしている。
何気に1番ご立腹なのはマオのようだ。
「え、」
そんな私達を見てレイナの相手は顔を真っ青にする。ヒュウは今にも飛び出しそうなのを私が必死で服を掴んで抑えている。
コイツ…コイツ…
「ほら、やっぱり剣舞の方がいいんじゃない。皆怖い顔してアンタ見てるし。」
レイナが呆れたように言う。
いつもは察しのよく、何故か人の繊細な部分まで察せる隠れ人たらし並の洞察力なのに、今回に限ってはポケモンが絡んでるのでかなり違う方向で相手を攻める。
「いや、ちげーだろ絶対。絶対違う理由だろ俺睨みつけられてるの。」
相手は顔を真っ青にしているが、立ち去ろうとしない。
その度胸は認めてあげてもいいかもね。
「…あ、あぁ。そういうこと。
コイツは私の彼氏でも何でもないわ。誤解よ誤解。」
ようやくレイナが落ち着いたのか誤解と説得する。
なんだ…誤解かー
肩に乗っかったカリビゴンが落ちたように軽くなる。
ヒュウとマオも同じなのかお互いに寄りかかって安心する。
「まあ、自己紹介をする。俺はセブン。キサラギ セブンだ。コイツとは交際関係でもなんでもない。どっちかというと犬猿の仲だ。」
セブンが丁寧に自己紹介をしてくれる。確かにここに来る時もめてたわね。てかよく見たら前にライモンシティに居たパルシェンの奴じゃないの。
「俺はヒユウ。レイナの幼馴染だ。よろしく。」
「俺はマオ。ヒュウに同じく、こいつらの幼馴染だ。よろしく」
「私トモバ!レイナとヒュウの幼馴染で!マオの妹!セブンって前ライモンシティで会ったよね。ここで出会ったのも何かの縁だしよろしくっ!」
私はレイナの彼氏でないことが分かるとくるりと手のひらを裏返して明るく接する。
「まあ、よろしくな」
セブンは鋭い目で私達をみつめ、冷たい態度を変えなかった。「お前たちとよろしくやるつもりはない 」と、言われているようだった。
「セブン。あんたもう少し愛想良く出来ないわけ?」
「お前に言われる筋合いはない。」
すると珍しくレイナがムッとした顔をする。
いや、他の人から見れば無表情のまま動いてないだけだが、長年一緒にいる幼馴染組の1人である私はたしかにレイナがムッとした顔が見えた。
てゆーか、セブンがレイナといるってことは…
「あれ、セブンも試運転出る感じ?」
「あぁ。そうだ。これ以上馴れ合うつもりは無い。俺は行く。」
そう言ってセブンは最後まで素っ気ない態度で会場へ向かった。
レイナは止めもせずに軽くセブンを睨みつけて見送った。
何となく2人の関係わかった気がする…
レイナとセブンは傍からみたらとても仲が悪く見える。けれど、あのレイナがあんな強気で出てる。お互い嫌いあっては居るものの認めてはいる感じかな。いや、正しくはお互い仲良くなりたいけど意地が邪魔して素直になれないって感じか…
学校にいた時は一人ぼっちだったのに、レイナ成長したなぁと、私は謎の親目線で思う。
「あっ、マオー!とレイナっ!トモバちゃーん!」
「あ、ヒユウにレイナちゃんじゃん。あとマオもいる。」
この声は…
ヒウンシティで会ったマツリちゃん!たしかレイナと人見知りだったっぽいけどどんな関係なんだろ?後で聞いてみよっと。
そしてもう1人は赤髪にゴーグルを下げて白衣を来ている…
誰だ?
「ツバキ」
ヒュウがその少年に向かう。少しヒュウから嫌悪感が溢れ出ているような気がする…
「やあやあ。相変わらずのハリケーン頭で安心したよヒユウ」
「あ"?」
「そんなカッカしないでよ〜」
と、ツバキと呼ばれた男がケラケラと笑う。ヒュウは怒ったら負けと分かっているのか煙が出そうな勢いで我慢をしている。
こんなヒュウを見るのも珍しい。
「あ、ツバキ」
「相変わらずだなツバキとヒュウは」
レイナとマオがくすくすと笑いながらその様子を眺める。
え?ツバキ知らないのって…
「「私だけ?」」
とマツリと声が被る。もしかしてマツリも?と思い、お互いガシッと手を掴み握手をする。
なんかマツリとは気が合いそうだなぁ。
「あっ、私トモバ!よろしく!」
「あっ、私マツリ!よろしく!」
自己紹介も全く同じだ。マツリとは仲良く慣れそうな気がする…!
「じゃあ、そろそろ中に入るか」
マオが疲れたように言う。皆も同意したのか次々と中へ入っていく。最後尾には私とレイナ、マツリである。
皆が中へ入って、私達が中へ入ろうとすると。
「キャーー!」
女性の悲鳴が聞こえたー
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.77 )
- 日時: 2022/04/06 13:02
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: Re8SsDCb)
「何」
レイナが即座にその悲鳴に反応する。
「キャー!」 「イヤー!」
すると次々と女性の悲鳴が聞こえてくる。
これは結構大事じゃない…?!
レイナとマツリも同じことを思ったのか顔を青く染める。
すぐに私たちは声の方に進む。そこには
「なにこれ」
マツリが呆然とその光景を見つめる。
そこには百貨店の服のバーゲンのように女性が密集している。その中心には何やら男性がポツンと立っている。
「カシワ…」
その時。レイナが珍しく苦虫をかみ潰したような顔をする。
カシワ…?めっちゃ聞き覚えがある名前だ。
私達が通っていた学校で、クラスの…いや、学校の人気者だった私達より1つ年上の少年、黒薙 柏だ。通称キング 学校で女子に一番モテるため付けられた名前だ。
因みにレイナは誰とでも仲良く楽しく過ごしているカシワと真反対で、基本1人で誰とも関わらない高嶺の花である。
しかし、いくらカシワさんが人気者だからってレイナがカシワの名前を覚えてるなんて… まさかレイナ惚れてる?!
「あっ、レイナじゃないかっ!ちょっとごめんね」
カシワさんが大声を出すと私達に近づいてきた。
え?!何!レイナの知り合い!嘘!
と私は一人心の中で盛り上がっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜レイナ〜
女性達が群がり叫んでいる所を見た私は何か起こったのではないかと思い肝を冷やした。しかし、僅かに見える彼の頭を見た瞬間。肝を冷やし損だったことが分かった。
「あっ、レイナじゃないかっ!ちょっとごめんね」
私と同級生の黒薙 柏だ。彼はクラスいや、学校全体の人気者で、嫌がらせを受けている私とは対称的な人だ。
しかし、授業のバトルでよく誘われたり、休日外でブティックやカフェに付き合われてバトルしたり… 結構関わりはある。
幼馴染ぐらいしか関わろうとしない私がクラスメートと関わってる理由。それは
「レイナ!バトルしようぜ!」
お互い良くも悪くもバトルバカだからだ。
「えぇ。望む所よ。」
ーーーーーーーーーーーー
カシワに群がっていた人々が私達がバトルできる程度に離れた所。マツリが私達の真ん中にたつ。
「えーごほんっごほん!今からカシワ対レイナのポケモンバトルを始めます。両者つかうポケモンは三体ずつ。」
両者のポケモンの数に差があった場合平等出ないため、3対3でやることになった。そしてマツリが続けて告げる。
「どちらかのポケモンが全員戦闘不能になった方の勝利です!それでは、初め!」
マツリが告げた瞬間私たちはボールを構えた。
「いくよっ!ケンホロウ!」
「いけっ!エアムード!」
私はケンホロウ、カシワはエアムードを繰り出した。
私の手持ちは、現在エースのルカリオ、相棒のイーブイに加え、ジャローダ、ケンホロウ、ゾロアだ。
ゾロアはこの前ホドモエシティにて、ロッドさんから頂いたポケモンだ。ゾロアは新入りのためあまり育成も出来ておらず強くない。だから今回はゾロアを出すつもりは無い。
対してカシワのボールは4つ。4体のポケモンが居るということ。良いのか悪いのか私達はポケモンスクールに通い始めてからの付き合いのため、数体ポケモンは分かっている。タッツーとマグマックだ。旅に出てレベルが上がってることを考えるとキングドラとマグカルゴは確定で居るということ。そしてカシワが繰り出したポケモンはエアムード。あとは1匹不明だ。
三対三のため、相手はエースのタッツー(?)を出してくるだろう。そして今はエアムードが出ている。そのためあと一体はマグカルゴか不明なポケモン。きっと相手は不明なポケモンを出してくるだろう。
うーん…私は何を出そう。相棒のイーブイは見抜かれてるため出すことが出来ない。ゾロアもだ。なら消去法でルカリオとジャローダだな。うん。決めた!
私はエアムードを見る。相手は はがね、ひこうタイプ。対してこちらはノーマル、ひこうタイプだ。相性負けしている…
でも、速さはこちらの方が勝っている…!
「エアムード。こうそくいどう!」
はい速度負けしましたー。エアムードの素早さが2倍になりましたー。この勝負は負け戦になるかな。これは変化技で何とかするしかないかな。私は鼓動が早鐘を打ち始めるのを感じる。それと同時に大きな不安が津波のように押し寄せる。私は頭をふり、その思考を振り払う。
「ドリルくちばし!」
エアムードが迫ってくる。私もケンホロウも汗が頬をつたる。
「ケンホロウ!みきり!」
取り敢えずここは守ることにする。エアムードはひるんで動きを止める。そして私の鼓動がより強く鳴る。よし、チャンスだ。
「ケンホロウ!エアスラッシュ!」
ケンホロウが素早くエアムードに近づきエアスラッシュを食らわせる。
「ギャッス…」
エアムードは少し下がるが、直ぐにこちらを睨みつける。
やはりひこうタイプは効果いまひとつだ。どうするか…今からポケモンを変えようにもこちらが不利になるだけだ。仕方ない。ケンホロウで貫くか。
「効かないよ。エアムードつばさでうつ!」
エアムードが向かってくる。速い、かわせない…!私の胸は更に早くなる。
「ホウッ!」
ケンホロウがダメージを受ける。ひこうタイプの技はあまり受けないはず…なんだけど。半分以上ダメージを受ける。
「どうだレイナ!この技の威力は」
「くっ…凄い…」
多分何か威力が上がる持ち物を持ってるな。するどいくちばしかな。私のケンホロウもするどいくちばしを持っているけど、効果いまひとつの上にエアムードは防御が高いため、あまりダメージが通らない。
「ケンホロウ!フェザーダンス!」
するとケンホロウはエアムードの周りを飛び回り、羽が落ちる。
これでエアムードの攻撃が2段階下がったはずだ。
「やるね…はがねのつばさ!」
エアムードがケンホロウに向かう。
「向かいうて!エアスラッシュ!」
ケンホロウもエアムードに向かう。
するとエアスラッシュとケンホロウがぶつかる。
なんとかケンホロウに耐えて貰いたい所だけれど…
私は祈る気持ちでその2匹を見つめる。
「ホゥッ!」
ケンホロウがエアムードに飛ばされる。
その瞬間周りがスローモーションに見える。
「とどめのドリルくちばし!」
エアムードが素早くケンホロウにダメージを与えた。
ケンホロウはぐったりとし、目を回している。
「ケンホロウ!戦闘不能!」
マツリが大声で叫ぶ。
私はケンホロウをボールに戻す。するとボールがカタカタと動く。
なんか悔しがってそうだ。私は特にこれといった表情はせずボールをなでる。
と言いつつ私も胸をあし掴みにされたような気持ちになる。
次は何を出そうか。生憎エアムードの弱点を付けるタイプは今持ち合わせていない。しかし、選択肢はルカリオとジャローダしかない。ジャローダはダメだ。エアムードに不利だ。なら
「ルカリオっ!」
私のエース。ルカリオを繰り出す。
「ガルっ!」
ルカリオは私の方を見つめる。
その目はまるで「任せてくれ」と言ってるように見える。
私はその頼りがいがある背中に身を任せたくなるが、自分もトレーナーだ。ルカリオに頼られるようにならなければならない。
「いくよっ!」
「ガルルッ!」
私とルカリオは叫んだ。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.78 )
- 日時: 2021/11/11 14:59
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: fqLv/Uya)
「エアムードはがねのつばさ!」
エアムードがまた向かってくる。私はスッと息を吸い、エアムードの起動を見る。
「ルカリオ金属音!」
ルカリオが両手の甲に生えてる角を合わせてエアムードに向かって音を出す。
キィィーーーーン
辺りが黒板に爪を立てたような音でみちる。
周りにいた人たちは耳を塞ぐ。エアムードもその音にひるみ攻撃をキャンセルする。
しかし、エアムードは、はがねのつばさにより防御が2段階上がっている。そのため物理技は効かない。しかし…
「ルカリオ!追撃のはどうだん!」
ルカリオはエアムードにゼロ距離ではどうだんを食らわせる。エアムードはそのまま吹っ飛ぶ。
それを見た私は少し視界が広がる感覚を覚える。
はどうだんは特殊技。エアムードは特防が低いそして、更に金属音で特防が2段階下がっている。
これはかなりのダメージが入ったのではないだろうか。
私は思わず口角を上げてしまう。
カシワも私と同じことを考えたのか顔を顰める。
「とどめのスピードスター!」
ルカリオは倒れたエアムードにスピードスターを食らわせる。
ルカリオは覚える技は物理技が多い。しかし、私のルカリオはレベル35。35だと覚える強い物理技が少ない。そのため私のルカリオは特殊型だ。
金属音で特防を下げ、はどうだん、スピードスター、シャドーボールですぐトドメを指す型。単純だが、今のレベルだとこれが最前と思う。
「エアムード!戦闘不能!」
マツリは楽しそうに飛び跳ねながら手を上げる。
よし、これで2対2だ。なんとか対等に持ち込めた。
このまま押し切れたら…!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜マオ〜
PWT内にて。意外と人が集まっている事に驚きながらサイコソーダを飲んでいた。ソファや自動販売機、大きなモニターや受付場等が準備されており、大会という感じが改めて感じる。
「レイナとトモバとマツリが居ないな。」
俺と一緒にサイコソーダを飲んでいたヒュウが呟く。
「ヒユウってレイナちゃんが好きなの?」
唐突にツバキがヒュウに聞く。ヒュウはサイコソーダを飲むのを辞め、ツバキをこれ以上無いほど睨みつけた。しかし顔はマトマの実のように真っ赤になっている。
「そんな睨みつけないでよ。顔真っ赤だよ?」
ツバキがヒュウをからかう。ヒュウは怒りと恥ずかしさでもっと顔が真っ赤になった。
こんなにヒュウをからかえるやつなんてツバキしか居ないんじゃないか?
「別に好きなんかじゃない。」
ヒュウは拗ねた子供のような態度を示す。昔からこの一点張りで認めようとしないのだ。
「嘘だ。レイナちゃん見る目がいやらしいもん」
「ブハッ!」
ヒュウがレイナをいやらしい目で見ている。想像したらありえない光景とヒュウならやりそうな矛盾が面白くつい吹いてしまった。
「マオ。俺ならやりそうとか考えてねぇだろうな。」
ヒュウが怒りを露わにして俺を睨みつける。
なんでこんな時だけ察しがいいんだよ。
俺は苦笑いをしてヒュウを見る。
「で、アプローチとかしてないの?」
ツバキが新たにからかうネタを手に入れ水を得たコイキングのように生き生きとする。
「しねぇよ。そんなの。」
ヒュウが言ってる通り、レイナにこれといったアプローチを見たことがない。レイナが好きなのは明らかなのに。奥手なだけなのか、それとも…
「楽しそうな恋バナしてるじゃないか。俺も入れてくれない?」
そのとき。聞きなれない声が聞こえてきた。後ろを振り向くとそこには俺達より年上の青年が立っていた。
黒髪のアシンメトリーに青いキャップを斜めに被っている。赤い瞳に青いパーカー、黒い長ズボンを履いて、青と白の運動靴を履いている。首にはひし形のロケットをかけている。
「えっと、貴方は…?」
俺が問いかけるとその青年は忘れていたという顔をする。
「よ!俺はムスカリー・ソウルだ。どう呼んでくれても構わない。こっちは俺のルカリオだ。」
「ガルルッ!」
ルカリオは嬉しそうに鳴く。
2人はニコニコと俺たちに微笑みかけている。しかし、その雰囲気は強者感が漂っている。
「えっと…こんにちは。俺はマオです。」
その雰囲気に緊張しながら俺はとりあえず挨拶をしとく。
「俺はツバキです。」
「ヒユウです。」
各々自己紹介をした。
「えっと…ムスカリーさんも大会に出場するんですか?」
ツバキがそう問いかける。
「ムスカリーでいいよ。俺は…そうだな…。カゲロウ会長のお手伝いに来たんだ。」
「親父の…?」
確かに、こんな強者感溢れる人が大会に出場したら、初心者、中級者を集めた大会で無双してしまうだろう。
「ってことは、君はカゲロウ会長の息子さんなんだね。よろしくっ!」
と、俺の頭をワシャワシャと撫でてくる。フレンドリーな人だなぁ。
「カゲロウさんの手伝いってなんの手伝いなんですか?」
「んー、秘密。」
ムスカリーがイタズラな顔で答える。
親父の事だからこの大会もなにか裏があるのか…?
純粋な大会と思っていたが、疑いがひとつ増えた。
「カゲロウ会長って…あの統治グループ会長の?」
ツバキが驚きながら言う。統治グループは世界的にも有名で、誰でも知ってるがその会長の名前も知ってるなんて意外と博識なんだな。
「そうだ。俺の親父だな。」
「うっそぉ。」
ツバキが驚く。そりゃそうだろうな。一応御曹司ってことになるもんな俺。
「てか、話戻るけどレイナは?」
ヒュウがはっと我に返る。
「トモバとマツリも忘れるな。」
俺がすかさずツッコミを入れる。
「ん、レイナって…」
そんなムスカリーの呟きを気にする暇もなく、ヒュウはPWTの外へ出た。
「俺達も行くか。」
俺がつぶやくとムスカリーとツバキもヒュウについていった。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.79 )
- 日時: 2021/11/23 23:49
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 49hs5bxt)
俺たちが外へ出ると、そこには尋常でない程の女性の人だかりが出来ていた。
なんだ?有名なアイドルでも来てるのか?
そう思いながら、俺達は人混みを掻き分けながら中心へと移動する。
「あ、マオ!ヒュウ!と...誰?」
「ちょ、マツリ、失礼でしょ」
そこにはトモバとマツリ。そしてレイナとカシワが居た。
カシワは学校でのモテキングで廊下を歩けばたちまち女子の軍団が出来るのだが、外でもそれを発揮するとは思わなかった...
てか、なんでカシワがここにいるんだ?俺達の中でカシワと関わりがある奴なんて思いつかないが...
「今レイナとカシワがバトルしてたのよ」
トモバが状況説明をしてくれる。
レイナとカシワは離れたところでなにか話している。レイナの膝には弱ったイーブイが居る。多分バトルしてレイナが負けたのだろう。
「レイナとカシワって...関わりあったのか?」
ヒュウが俺も思ってた疑問を投げつける。
「それが結構あったらしいよ」
トモバの代わりにマツリが答える。
俺もヒュウもそんなこと知るはずもなく、唯あんぐりと口を開ける。
結構相性反りあってる同士と思ってたんだがな...
「ムスカリーさん...?!」
レイナが大きくもない声で言うと、こちらに向かってくる。
まさかこの2人も知り合いなのか?
「あ、あの時の!レイナだっけ?」
「はい。あ、あの時は...ありがとうございました。」
レイナがぺこりとムスカリーさんにお辞儀をする。
本当に一体この2人に何があったんだ?!
「あぁ、いいよいいよ。あと敬語も大丈夫だよ。さん付けも要らない。」
「え、あ、はい。じゃなかった。うん。」
レイナも旅をして色んな人と巡り会ってきたんだな。そう思うと身近にいた妹のようなレイナが急に遠くへ行くように感じ、寂しくなる。
「ん?レイナ以外は初めましての奴が多いな!」
置いてきぼりにされていたカシワが向かってくる。そういえば、カシワと同じ学校に通ってた俺らは噂程度でカシワを知ってるが、カシワからしたら俺らのこと知らないよな。初対面だ。
「俺様はカシワ様だ!チャンピオンの座をこの手で掴み取って見せる男だ!!」
と、俺達が言う前に中々派手な自己紹介をしてくれた。ムスカリーさんといいカシワといいかなり元気でポジティブそうな人がいるな。
「俺はマオ、このハリセーンがヒユウで、金髪ウェーブの奴が俺の妹のトモバ。カシワと同じ学校に通ってる。ちなみにレイナ含めこの4人は幼なじみだ。で、こちらのシアンメトリーの方はムスカリーさんと、マツリ。」
「なんで俺だけ悪意ある紹介なんだよ!」
少しヒュウが煩いが、毎回恒例、俺の役割になりつつある自己紹介を一気に俺がこなす。
「俺はさん付けしなくてもいいよ」
と、ムスカリーが苦笑いする。
「レイナからマオ、ハリセーン、トモバの事は聞いてる!よろしくなっ!」
「ハリセーンじゃねぇヒユウだ!」
と、カシワがニカッと笑うと同時に周りの女性達が「キャァッ!」と悲鳴をあげる。
ヒュウは諦めたのかはぁとため息をついている。
「とにかく、ここじゃ目立つから、会場に入りましょう。」
レイナが冷静に言う。その通りだ。俺達は女性の山をかき分けて会場に入った。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.80 )
- 日時: 2021/12/02 18:00
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 4xvA3DEa)
〜トモバ〜
会場に入ると結構な人数が集まっていた。
大会に出場する人、大会を見に来た人、統治グループの顔色を見に来た人。様々な人がいる。
「あ...レイナ...!」
すると向こうから物静かそうな薄紫色のボブの女子がたとたとと向かってきた。
「あ...サツキ」
「ありゃ?レイナ知り合い?」
お互い名前を言い合ったため聞いてみる。うーん...薄紫色の髪に緑の目。顔のパーツ諸々合わせて私の美少女センサーは反応しない。あまり良い容姿じゃないや。まあレイナ程の美少女と渡り合える人は中々居ないけどね!
と心の中でふんぞり返る私。
「えと、お2人はどういう関係で? 」
いつの間にか混ざってたツバキが問いかける。
「えと...私...レイナ...いとこ...」
レイナのいとこ?!髪色も...瞳も...全然似てない!
「全然似てない!」
私が思ったことをそのまま吐き出すとレイナに頭をバシッと叩かれた。
痛い。けど美少女のだったらご褒美です。
「私養子だからね。」
そっか。レイナは養子だったね。なら実質血は繋がってないのか。
「血が繋がってなくても...いとこは...いとこ...」
サツキはレイナの後ろに隠れて私に講義する。
「ご、ごめんって、あ、私トモバ!」
「私は...小野寺...皐月...」
「俺はマオだ。左のでかいヤツがヒユウ。ゴーグルつけてるやつがツバキ」
「よろしくね」
紹介され、ツバキは微笑む。
「そして、こっちが...」
「俺様はカシワ様だ!よろしくなっ!」
レイナがカシワを紹介する前にカシワが自己紹介する。
「よ、よろしく... 」
相変わらず物静かな子だ。仲良くなれるかなぁ
「ヒユウだ!ヒユウー!」
ありゃ?またまた誰かの知り合い?
「あぁ。リンドウじゃねぇか。」
今回はヒュウの知り合いか。皆旅して色んな人と出会ってるんだなぁ。どんどん幼馴染が遠い人に見えてくる。
この人は...緑の髪に赤い目。ちょっと髪が長いかな。ワンコ系男子な見た目が可愛い。けどイケメンの部類にはギリギリ入らない感じ。
「あれ?皆大会に出る人かなぁ?」
「ええ、私はヒュウと、赤髪のマオ、金髪のトモバの幼馴染のレイナよ。」
「そっかぁ。僕もヒユウの幼馴染なんだぁ。」
「小一からの付き合いなんだ。」
ヒュウがリンドウを紹介している。リンドウへの対応が柔らかい当たり良い付き合いなんだろうなぁ
「私は5歳からの付き合いだし...」
レイナがボソッと呟く。
え、あ、お?!あのレイナが...レイ レイナが嫉妬をしている?!
お?おおお!おおおおお!
やばい!私!落ち着け!深呼吸だ!ヒッヒッフー!あ、これは妊婦さんだ。
「レイナ...嫉妬...か?」
ヒュウが確信をつく。
おいおい!この展開はニヤケが止まらないわよっ!キャーーー!!
私はニヤける頬を両手で抑えながらその様子を見守る。
「くだらない事で私が嫉妬する訳ないでしょ」
レイナが冷たく言い放つ。けどね、幼馴染には分かるよ。めっちゃ赤面してる。
「そうか?それにしては...」
「ヒュウ。俺ら以外にも幼馴染がいたなんて知らなかった。」
ヒュウがレイナ弄りを始めようとするとそれを遮るようにマオが言う。
「あぁ、あまり会えなかったからな。」
「うん。なんか分かんないけどよろしくねぇ」
ちぇー。珍しいレイナ弄りができる所だったのに...
「あれこの集まりはもしかして出場者?」
私の後ろからピョコッと美少女が出てくる。
「おっふ...美少女」
とつい声が出てしまった。まあレイナの方が顔のパーツ整っておめめパッチリで私好みなんだけどね。
「誰が美少女だ!僕は桐崎 椎菜!男の子だ!今回の大会の出場者だ!」
「シイナも、出場者か...てことはこれで出場者全員か?」
マオがまとめてくれる。わぁお。いつの間にか結構人数集まってたんだね。
「数えると...」
「あ、俺は抜いてね出ないから」
あら、シアンメトリーのイケメン...確かムスカリーさんだっけ?は出ないらしい。お父様の手伝いだったわね。
「私、ヒュウ、トモバ、マオ、セブン、マツリ、シイナ、ツバキ、リンドウ、カシワ、サツキの11人ね。奇数?カゲロウ社長主催のの割にはキリが悪いのね」
レイナがすぐさま数えてくれる。さすがレイナ!頭も良くてバトルも強くて美少女なんて痺れる憧れるっ!
「あ!はいはぁーい!ここに1名!」
マツリが、手を挙げてこちらにアピールする。
その横には背が小さい金髪の可愛い子が出てくる。
「はい、自己紹介どうぞ!」
マツリが自己紹介を促すあたりマツリの知り合いのようだ。
「えと、如月 瑛斗です如月 瀬文の弟です...」
「セッセブンの弟?!」
レイナがらしくもなく声を上げる。セブンって確かパルシェンの子よね。人が多くて覚えられないわ...
あの子ここに来た時に会ったっきり居ないわね...あ、私達から離れた所にパルシェンといるわ。私達とはつるみたくないのね。嫌な奴。
「え、レイナセブンのこと知ってるの?!」
「ええ。一応」
「仲間だ!嫌な奴だよね!」
謎マツリとレイナが意気投合しちゃってるわ。
でもこれで出場者は集まった感じね。この中でバトルかぁ...勝てる自信が無い...というか、この旅で私の弱さを実感したのよね。もう旅辞めようかな...
私は手持ちのモンスターボールを握りしめた。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.81 )
- 日時: 2021/12/02 17:54
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 4xvA3DEa)
『出場者の、方々は受付でホテルのチェックインを済ましてください』
この施設ホテルもあるの?!お父様盛りすぎでしょ...
「ホテルだって!トモバほら行こ!」
と、マツリが私の手を引っ張る。
「え、あ、ちょ!」
私はレイナと一緒の部屋でキャッキャウフフして美少女を1晩拝みたかったんだけどなぁ
「チェックインお願いしまーす!」
マツリが元気よく受付嬢さんに言う。
「では、本人確認のため顔認証お願いします。」
てことは出場者の顔は登録されてるってこと?!昔からの付き合いの私とレイナ、ヒュウ、マオはデータベースにあるとしても他の人は何故あるの?!
もう統治グループの強大さは突っ込まないでおこ...
約150cmの棒の先にスマホ型のパネル画面があって、内カメのようになっており、私たちの顔が見えている。
マツリがそこに顔をかざすと『ピッ』という音が
する。
「はい。雪野茉莉様ですね。この鍵をどうぞ。」
受付嬢さんが部屋番号が書いてある棒に鍵がついている物を回してくれた。
「ホテルここを出て向かい側にある建物です。」
あ、バトル会場にあるわけじゃないのね。そして皆次々にチェックインをしていくのだが…
「……届かない」
身長120cm 体重20kgのレイナは150cmもあるパネルに顔が届かず戸惑っていた。
いや、可愛すぎるありがとうございますっ。
私は高鳴る自分を押さえつけるために顔に手を添える。
「何してんだよ。ほら」
後ろにいるヒュウがレイナを抱き上げる。さすが小4にして身長150cm。画面に余裕でとどく高身長。てかレイナとの距離近いけど意識しないのかしら?意識しなさいよそこは。
私は尊い気持ちに身を包まれた気持ちからヒュウの無自覚にイライラし始めていた。
「霊 麗菜様ですね」
受付嬢さんが笑顔でレイナのフルネームをよび、鍵を渡すとレイナは速攻で会場から出ていった。てか、速。
「赤白 比喩迂様ですね」
おっと、ヒュウもチェックインが終わったようだ。そして私を通り過ぎる。その時ヒュウの顔はマトマの実を食べた時のように真っ赤っかになっていた。
時差で羞恥心を感じたようだ。
あっ、次は私か。私は140cmだから背伸びしたらギリギリ届くのよねー。ギリギリ…ギリ…届かないんですけど。仕方なくジャンプして私はその場をやり過ごした。
ーーーーーーーーー
〜マオ〜
俺こと、統治真緒は親父が勢いで開催したような大会に出場するため、ホテルに泊まっていた。一人一人個室で朝昼晩の食事付きだ。そんな高待遇、そして「手伝い」の人が複数居る。ムスカリーさんに探りを入れてみたが、手伝いという人があと2人居るらしい。
高待遇に手伝いを雇うほどの厳重なガード。
絶対この大会には裏がある。俺は今夜その正体を突き止めようと思う。
まずは会場周りの探索だ。
そう整理し、荷物を持ち、部屋を出ようとするとて…
コンコンとドアがなる。誰か客が来たようだ。
俺はドアを開ける。
「マオ」
そこには眉目秀麗、鈍く光ってる黒髪に吸い込まれそうなハイライトの無い大きな瞳。白い肌にほんのりピンク色の頬。それに一瞬見とれてしまい別世界にいた気分になる。
「マオ」
さっきより少し強い呼び声で俺は我に返った。
レイナだ。しかも荷物も持って支度済みの姿だ。
「レイナも支度してるってことは、気づいたのか?この大会の正体」
俺はレイナに問う。
「まだ、分からない。今からそれを調査しに行く。」
「奇遇だな。俺もだ。」
どうやらレイナも同じ思考をしていたらしい。
「やっぱり。行くよ。マオ」
「あぁ。レイナ」
お互い無口無表情、感情は表に出さない性格といったように似た性格のおかげで思考や行動がよく合うことがある。
そんなことを考えていたらいつの間にかホテルの外にいた。そこには金髪に黒白のTシャツを来た…確かセブンだったか。
「セブン。」
「なんだ。夜な夜な男女揃って。」
なんかいかがわしい言い方だな。
「いかがわしい言い方ね」
レイナが声色を一切変えずにセブンを言葉で攻撃する。
「気に食わなかったか? 」
セブンがふんっと鼻を鳴らしす。
「ええ。当たり前よ。」
俺も完全同意だ。俺とレイナは幼なじみであって、そんな関係でもないし。レイナにはヒュウがいるし。
「なら言い方を変えよう。夜な夜な男女2人で外に出るなんてみだらな行為。」
「うるさい。黙れ。失せろ。」
レイナらしくもなく暴言を淡々と吐く。
「俺らは会場の周りを探索するつもりだ。」
俺は必死に話を逸らそうとする。このままだとレイナとセブンがぶつかりかねない。いや、もう手遅れか…?
「それまた何故だ。」
セブンが俺の話に食いつく。よし!危ないところだった。
「なんかこの大会臭うのよね…」
レイナが俺の代わりに説明する。
「臭う?どういう事だ?」
セブンは考えもしなかったのかやけにこの大会に食いつく。
「俺達にもそれは分からない。だから調査しにいくんだ。」
「そうか。なら俺も連れてけ。」
セブンがパルシェンを繰り出す。
「怪しいならポケモンがいた方が良いだろ?」
たしかに。セブンの言う通りかもしれない。
「なら俺も出すか。レイナも」
「ええ。出てきてイーブイ」
レイナはセブンの提案だからか少し躊躇いながらもモンスターボールからイーブイをだす。
「ムーランド出てこい」
俺も相棒をモンスターボールからだす。
「俺のムーランドは鼻がいいからそれで会場付近を探索しよう」
「「賛成」」
セブンとレイナの声が合う。すると2人は顔を見合わせて嫌そうな顔をする。どんだけお互いのこと嫌いなんだよ…
俺は呆れながらムーランドの上に乗った。
「頼むなムーランド」
「ばっふ!」
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.82 )
- 日時: 2021/12/12 17:07
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: x2etoROh)
俺たちはムーランドの鼻を頼りに会場建物の周りを探索していた。しかし……
「何も無いな。」
セブンが呟く。
そう。何も無いのだ。元々なんの情報も無しに探索してるためあるかも分からないこの大会の裏を暴くなんて水を掴むぐらい無謀な事だったのかもしれない。
すると、ムーランドが止まった。そのまま屈んで辺りをクンクンと嗅いでいる。違和感に気づき、その違和感の正体を探そうとしてるようだ。
「ここ。」
レイナが急に立ち止まり、地面を指さす。
「バフッ!バフ!」
その瞬間、ムーランドもレイナと同じ場所を指す。
地面に何かあるのか……?
そう思いながら、ムーランドが土を掘る様子を見守る。3センチぐらいほった所で「カンッ!」と金属の音が聞える。
なんだろうと思い見てみると、人が入れそうな扉にパスワードが着いてあった。
「明らかに怪しい扉だな。レイナ。こんなの分かったんだ?」
昔からレイナは鼻がいいのは知っていたがここまでとは……
俺はムーランドと同じぐらいのレイナの嗅覚を疑問に思いぶつけてみた。
「別に」
レイナは俺を冷たくあしらう。答える気はないらしい。しかし、怪しい扉を見つけられたのはいいものの、パスワードがついてるとなると入れないし難しいな……
「これって、統治グループが作った扉か?」
セブンが怪しさのあまりそこを疑う。一応PWTの施設にはいるからそのはずだが……
「そのはず……なんだが……」
俺は断言ができず口ごもる。
「毎回私達幼馴染組が統治グループに呼ばれる時はプラズマ団が必ず関わってくるわね。」
そうだ。そうなんだ。それが原因で俺は断言することが出来なかった。
「なんだその無能会長」
その通りなんだが…親父をバカにされて複雑だ。
「となると、プラズマ団の隠し部屋の可能性が高いのか?」
「いや、分からない……」
セブンの問いに俺は濁った答えを返す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜レイナ〜
私事レイナはマオ、セブンと共にPWT会場の外回りにある謎の扉について考えていた。
「もしプラズマ団がいたならば、幹部トゥエルブスもいるのか…」
トゥエルブス。ライモンシティにて、セブン、ミツキさん、私と戦ったピラミッドだ。セブンはプラズマ団の幹部と勘違いをしているが…
それにしてもトゥエルブスってダサい名前よね。ネーミングセンスないし…
ん?
私は何か引っかかった。何かのしこりを触ったような、大事なことを忘れているような違和感。
「ブイ」
するとイーブイが一声鳴く。その瞬間。絡まっていた毛糸がほぐれた感覚を覚えた。
そうだ、そうだ……トゥエルブスは…
私は自然と扉のパスワードの数字を押す。
『0000』
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜マオ〜
レイナが不意にパスワードの数字を押した。0000と。
すると
『ガチャッ』
扉のロックが開く音がする。
なんで、レイナはパスワードが分かったんだ?それに0000って……単純すぎるだろ。
「なんでわかったんだ?」
セブンは訝しげにレイナに問う。
「適当に押したのよ」
レイナは我ここに在らずと言った様子で答えた。
「とりあえず中に入ってみるか……」
俺がつぶやく。
「スタッフオンリーだったらどうするんだ?」
セブンが問う。
確かに勝手にこんな隠し部屋のような場所に行っていいとか思われない。
「統治グループスタッフなら俺顔パスで通るから大丈夫」
あくまで統治グループスタッフならだけどな。
セブンは珍く感心した顔で俺を見る。
「じゃあ入るぞ。」
俺は扉をギギギっと開けた。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.83 )
- 日時: 2021/12/15 14:54
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: ZfgN7XgD)
中には下へと続くハシゴがあり、俺たちはそこを降りていった。
どれくらいたっただろうか。数分かもしれないし、数秒かもしれない。すると、先頭だったレイナがカツッと地に足を付けた音がした。
「ついた……」
レイナが呟く、降りた所は廊下が続いており、ドアも沢山あった。
「隠し部屋というか施設だな。」
セブンが険しい顔でいう。
「なんだお前ら!」
すると、黒服の海賊のような格好をした男が出てくる。プラズマ団だ……!
「これでこの大会のバックにプラズマ団が居ることは確定か。」
その通りだな。この大会にプラズマ団が関わってることは確定したのだ。ということは……ホテルにいる皆。特にいつも誘拐されているトモバが危ない!
「被害が出る前にここを潰しましょう。」
レイナも同じことを思ったようだ。
「よう分からないがここはガキがくるところじゃない!出ていけ!ゴルバット!」
プラズマ団の男がポケモンをだしてくる。
とりあえずここは早めに仕留めないと行けないな。
「いけっ、クロバット!」
俺は相手のポケモンより1段階上に進化したクロバットを出す。
「クロバット!クロスポイズン!」
レベル差とステータスの差で見事に一撃で相手のゴルバットを仕留める。
「クソっ」
プラズマ団の男は逃げようとする。まずいっ!俺たちがここにいる事が知られたらまずい!
「させない。」
レイナは目にも止まらぬ速さでプラズマ団に関節技を決め、気絶させた。
「さすがだなレイナ」
「マオも一撃で仕留めるなんてナイスよ」
1人蚊帳の外のセブンは俺たちの褒め会いに嫌気がさせたのかそっぽ向いて苦い顔をする。
「早く行くぞ。取り敢えず探索しよう。」
「あぁ」
俺は緊張感の中返事をした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
レイナが出会うプラズマ団を次々に気絶させてくれるため、俺達は探索がやりやすくなっていた。
そして俺たちはがむしゃらに様々な戸を開けて探索をしていた。しかしほとんどがベッドルームで、情報はゼロだった。
「よし、開けるぞ」
多分30分ぐらいたっただろう。俺達は疲れが見えてきたが、探索する手を止めない。
「ここは……」
俺が開けたそこはたくさんの引き出しや棚、机があるいわゆる仕事場だ。
「調べる価値がありそうだな」
そう言いながらセブンが引き出しを開けてファイルを確認する。俺もそれに続きパソコンをハッキングして行きデータを調べる。すると
「ビンゴだ。これを見ろ」
俺がPCをレイナとセブンに見せる。
そこには何かの設計図と、矢印や丸印、なんて書いてあるか分からない文字がある。
「これは……多分PWTの設計図ね。そして……」
「目的はPWT施設の電力と、ポケモンを奪うことが目的のようですね。」
後ろから静かで落ち着いた声が聞こえる。
プラズマ団か?!
するとレイナが一瞬で肘を相手のみぞおちに入れる。
「ぐふっ……良い反射神経ですね」
レイナの肘打ちで気絶してないだと?!ヤバいんじゃないか!
冷や汗が背中を伝い息遣いが荒くなるのを感じる。
振り向くとそこには……
「ミツキさん……?!」
レイナが驚く。そこには黒髪に赤メッシュに青い瞳、隣には黒いミュウツーがいる。
ミツキさん。俺の探偵である母。クーフの友達でたまに会ったことがある人だ。それにしてもレイナもミツキさんを知っているのか?
「ミツキさん……なんでここに居るんですか?!」
セブンがらしくもなく驚いた声を上げる。セブンも知ってるのか?!あ、そう言えばライモンでレイナ、セブン、ミツキさんの3人で居たような……。
「久しぶりですね、レイナ、セブン。それとカゲロウさん、クーフの息子さんのマオ。」
全員何らかの接点がミツキさんとあったのか。レイナとセブンも察したようで、納得した顔をしている。
「で、なんでミツキさんが居るんですか?」
セブンが高圧的に聞く。
「私もこの大会の事を調べようと思いまして、会場内を調べていたらパスワード付きの扉をハッキングして入ったんですよ。」
パスワードをハッキング……その手があったのか。俺はできる事だったのにレイナに任せてしまったことを悔やむ。因みに、俺とミツキさんのハッキング技術は母のクーフから教えてもらったものだ。
「でも情報はこの地下施設はPWT会場程の大きさしかないことしか分かりませんでした。ここ以外はベッドルームだったので、幹部は更に地下にいるのかも知れません。取り敢えず大体のプラズマ団は倒して気絶させておきました。」
「さすが……仕事が早い……」
レイナが呟く。その通りだ。俺達がスムーズにここを見つけられたのはミツキさんのお陰のようだ。
「それで、その図を見てみましょう。」
ミツキさんが画像を見るように促す。
そして、俺達はその画面に集中した。
「これは裏語ですね。ここにはPWTのポケモンと電力、お金を奪う目的で来ているようです。」
裏語とやらで書かれた文字を解読してミツキさんが解説してくれる。
「お金を奪うって……まさか…誘拐…」
レイナの顔がどんどん真っ青になっている事が明らかに分かる。1番誘拐して金が手に入る奴。俺とトモバだ。しかし俺は今ここにいるから……今トモバは……
「トモバッ!」
レイナが珍しく他の人にも感じ取れるような、感情をむき出しにして走り出そうとする。
「待て!まだ誘拐されたと決まったわけじゃない!」
俺も焦っていたんだろう。レイナの腕を掴んで止める。俺もレイナも息遣いが荒く心臓が早鐘を鳴らしてる。
自分で焦っていることも気づいていなかった……
「トモバって奴が誘拐されるかもしれないなら、誘拐される前にここを潰せば良いだろう。誘拐されてたとしてもここを叩いたら誘拐から救えるだろ。」
トモバを救うにはどちらにせよこの施設を叩いたらいいのか。
「さて、ここ地下1階は制圧完了ですね。この設計図を見るとこの部屋に地下2階まであって、この部屋に地下への階段があるようです。行きましょうか」
ミツキさんが混乱してる中綺麗にまとめてくれた。そして、ここの階段から地下2階へ行って、そこも制圧したらいいんだろう。地下2階は幹部がいるかもしれない。引き締めて行かなければ。
「あった、ここね」
レイナが床のパネルをひっくり返すと階段が出てきた。
「ナイスです。では皆さん行きましょうか」
「「「はい」」」
ミツキさんを先頭に俺達は続いて言った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
私ことトモバは眠れず外へ出ていた。
「明日は大会かぁ…私大丈夫かな…」
そう呟きながらモンスターボールを握る。
私は弱い。レイナ、ヒュウ、マオにも勝てないし、ヒウンシティの時は誘拐されてしまった。自分で自分を守れない。でも…レイナ達に守られ続けている方がいいかもしれない。
すると後ろからガサガサっと物音がしたと思うと、首に何かを突きつけられた。そして
「キャッ……」
私の悲鳴は大きくなることなくそのまま倒れ、深い眠りに着いてしまった…。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.84 )
- 日時: 2021/12/19 15:59
- 名前: 朝霧 ◆GU/3ByX.m. (ID: 66mBmKu6)
こんにちは、朝霧です。先日はコメント頂きありがとうございました。
まだプロローグを読んだ限りですが、舞台がイッシュ地方と言うこともありとても懐かしく感じました。BWって当時としては独自性が強く好き嫌いが分かれる印象ありますが、朝霧はやりこんでいたので好きでした。
感想、箇条書きのようになっています。
主人公達がスクールでわちゃわちゃしているのがとても微笑ましく、楽しく読ませて頂きました。
イーブイのアイアンテールくらっても平気なのは、さすがポケモン世界と言ったところでしょうか。確かBWのゲームのNPCに、毎朝ポケモンのめざましビンタで起きると言っているキャラがいましたしこの世界では案外普通のことなのかもしれませんが……。
仲間も個性豊かで、バトルもテンポよくスムーズに読み進められました。今後が楽しみです。
ニシノモリ教授の名前が出てきて、個人的に驚きました。そこまで言及してる作品ってあまりないので、ニヤリとしました。
今後も更新頑張ってください。陰ながら応援しております。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.85 )
- 日時: 2021/12/20 20:23
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: K3f42Yhd)
>>84
朝露さん拝見していただき、コメントしていただきありがとうございます!
自分もBW世代が好きでして最初のステージはイッシュ地方にさせて頂きました。後々色んな地方も書く予定です。
主人公のレイナがイーブイのアイアンテールが当たっても平気なのは地味な今後のな伏線だったんですが、やはりそこ言及されますよね笑
朝露さんのような方にコメント頂いて大変嬉しい自分です。今後もよろしくお願いします。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.86 )
- 日時: 2022/04/06 13:01
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: Re8SsDCb)
【イッシュ地方ホドモエシティ地点での登場人物紹介】
「主人公 幼馴染組」
霊 麗菜 (10)
イッシュ地方のヒウオギシティ出身で、ヒウオギシティの私立学校から旅に出た。パッチリとしたくすんだビー玉のような不気味な瞳に整った顔立ちと高い鼻で美少女。身長が低く、実年齢より-2歳に見える。黒髪でシワシワの赤黒いタオルでポニーテールにしている。黒目に見える目はよく見ると黄色とピンク色がひとつの瞳に入っているように見える。Tシャツと短パンを好み、夏はモンスターボールが着いたTシャツを着ている。寒くなると夏服のTシャツにデニムの上着をきている。
性格 常に無表情で動じない性格ポケモンには優しいが、他人には冷たい。ただ昔からの友人からは少し優しさが垣間見える。察しや、勘がよく隠れ人たらし。ポケモンバトルと、幼馴染が関わるとバカになる。
赤白 比喩迂 (10)
イッシュ地方のヒウオギシティ出身で、ヒウオギシティの私立学校から旅に出た。ハリセーンのようにツンツンとした紺色の髪に赤い切れ目。平均より身長が高く、属に言うイケメン。
年がら年中赤白のハイネックジャージを来ている。下には黒いTシャツをきている。レイナの事が好きだが、昔妹のチョロネコを取られた際にプラズマ団に復讐を誓っているためなるべく意識しないようにしている。
性格
冷静沈着で何事にも動じない性格。しかし、昔は明るく自由奔放でトモバと一緒に暴れ回りレイナを困らせていた。しかし、昔妹のチョロネコを奪われ、レイナと妹が酷い目にあう中何も出来なかった自分に嫌気がさし、性格は沈着冷静、何事にも動じない冷静な性格になってしまった。
統治 共羽 (10)
イッシュ地方のヒウンシティ出身。ヒウオギシティの私立学校から旅に出た。金髪に髪先が赤色になっている。母譲りのつり目で目付きがすごく悪い。服装はフリルが付いてる襟シャツに赤色のミニスカートをはいている。寒くなるとフリル付きの襟シャツの上に茶色のセーターを着るそして、赤色の長スカートを着ている。
世界有数のグループ、統治グループの会長の長女である。いわゆるお嬢様。そのため昔から生ぬるい環境で育ってきた。しかし父は厳しい環境で育てるためたまにトモバが誘拐されるように仕向けている。
性格
自由奔放天真爛漫でとにかく明るい性格で、昔からレイナ含む幼馴染組を引っ掻き回してきた。また、レイナやヒユウ、統治グループのボディーガードから守られて、生ぬるい環境で育ったため、危機管理能力は皆無に等しい。そのため何度も誘拐をされている。しかしその大半はトモバの父、カゲロウが仕向けたものである。
好きな物はアイドル、ファッション、美少女(特にレイナ)、美少年など、結構女の子らしい。
統治 真緒 (10)
イッシュ地方のヒウンシティ出身でトモバの兄。(しかし同い年)ヒウオギシティの私立学校から旅立った。赤髪に髪先が黄色になっている。母親譲りの鋭い目で目つきが悪い。更に旅に出るまでは学校に行く以外基本引きこもっていたため、余計目つきが悪くなっているため、初見は極悪不良。赤と緑のパーカーを年がら年中着ている。世界有数のグループ、統治グループの会長の長男である。いわゆる御曹司。しかし、昔から引きこもって居たため御曹司というより目つきが悪い不良に見える。母親が探偵である為、探偵を目指している。旅に出るまで引きこもっていたため、PC技術に長けている。ハッキング等もお手の物。レイナを意識しているが本人は無自覚。
性格 冷静沈着で感情的になることは滅多にない。物事を常に客観的から見れているため、トモバに引っ掻き回される幼馴染組にたまに助け舟を出していたりする。好きなことはネットサーフィン、相棒をブラッシングする。
ーーーーーーーーーーーーー
【ライバル、トレーナー達】
如月 瀬文 (11)(八雲様からのオリキャラ)
カントー出身。レイナがヒウオギシティから旅立つ時に出会っい、「旅を辞める」ということを条件にポケモンバトルを仕掛けた。その後ムスカリーに止められる。レイナのライバル。レイナとは出会う度に揉め事を起こしているが、現地点ではポケバはセブンの方が強い。金髪、金色のつり目。白黒のTシャツを来ており、冬はその上に緑のパーカーを着ている。
性格 常に冷静沈着な性格。歯に衣着せぬストレートな物言いが特徴的。目上の人間等に敬意を払う事はあるが、逆に認めるに値しない者等には容赦無く見下したり敗者に鞭を打つ様な心ない言葉を浴びせる等といった協調性に欠けた面がある。
また実力を満たす為に平気で多くの人に迷惑かけても気にせず、自分の非を絶対に認めようとせず、自分の興味のないことには無関心である。
そのため当初の周りのトレーナー達からの評判は最悪。
雪野 茉莉 (11)(八雲様からのオリキャラ)
ヒウンシティにて、トモバが誘拐された際にマオ、レイナ、ヒュウと出会う。シンオウ地方出身で、昔レイナと会ったことがあるが、作中ではまだ明かされていない。茶色髪に茶色目。赤いリボンでツインテールにしている。
性格 活発的で明るい性格。トモバと性格も趣味も会うためかなり仲良し。
一ノ瀬 椿 (11)(八雲様からのオリキャラ)
ライモンシティでヒュウが、ジム戦でスランプ状態になってる時に出会った。イッシュ地方出身。赤色に灰色の目。首にゴーグルをかけている。黒色のTシャツの上に白い長い白衣を来ており、年中同じ服を着ている。ポケモン研究所の研修生で大好きクラブ顔負けのポケモン好き。 セブンを因縁の敵として見ている。
性格 気さくで結構いい加減だが、ポケモンを想う気持ちは誰にも負けない。最近出会ったヒユウをからかうのが好きで、ヒユウを見つけてはからかって楽しんでいる。しかしバトルでは天地の差がありいつも負けている。
小野寺 皐月 (11)(八雲様からのオリキャラ)
PWTの大会にて出会った。レイナの父方の従兄弟で、レイナを姉のように慕っている。しかしレイナは余り興味を示さないため報われない。可哀想...(Byベリー 手持ちポケモンが全員色違いで、かなりの幸運の持ち主。紫髪に緑目で、白色のピンで髪を止めている。
性格 声がめちゃくちゃ小さくて口数が少ない。静かな性格で物事に頭を突っ込まない性格。そのためレイナにひっつき回っている。
黒薙 柏 (11)(八雲様からのオリキャラ)
イッシュ地方のヒウオギシティ出身で、レイナ達と同じ私立の学校に通っていた。学校では屈指のモテキングでレイナ(高嶺の花だったが)とは正反対の存在だったが、どちらも良くも悪くもバトルバカのため、入学してから意気投合するのに時間はかからなかった。街中でも姿を表せば女性で溢れかえる。黒髪に白メッシュが入っている。白色のハイネックを着ている。冬は黒色のダウンを上に着ている。
性格 気まぐれで大雑把な性格。ちょっと偉そうだけど根はいい人で自信家。かなり人が良く、一言で表すならイケメンな性格。モテてている原因は性格も大きく関わっている。
桐崎 椎名 (11)(八雲様からのオリキャラ)
カントー出身。セブンとは同級生でよくバカにされていたことを根に持っている。PWTの大会で出会う。黒髪に金色の目をしており、丸顔で丸目。中性的な見た目でよく女と間違われる。それほど美少女だが、トモバ曰くレイナには敵わないらしい。年がら年中黒色のタイトシャツに白色マントを羽織っている。
性格 勝気で元気いっぱい。ポケモン知識はあまりなく、地面タイプに電気技を打つような壊滅さ。
羽澄 竜胆 (八雲様からのオリキャラ)
イッシュ地方ライモンシティ出身。ヒウオギシティの私立学校から旅に出る。手元が害悪パーティで、友達を作ろうとしても中々作れなかった。そんな中ヒユウが友達になってくれた。ヒユウとは幼馴染でレイナが嫉妬するほど。緑の髪に緋色の目。髪は肩まででハーフアップにしている。白色のハイネックジャージを着ている。
性格 のんびり屋で天然ボケ。とにかくマイペース出、トモバとは別の意味で周りを引っ掻き回している。
如月 瑛斗 (八雲様からのオリキャラ)
カントー出身で、セブンの弟。PWTの大会で出会った。ポケモンバトルは余り強くなく、ホドモエジムでかなり手こずっている。兄は冷たく、頼りにならないため、いつも1人でオドオドしている。
性格 非常に内気で弱虫な性格。ちょっとした事ですぐ泣いてしまう。
統治 クーフ
(旧名 クーフ ハキュウレブ)
探偵をやっていて結構多忙。赤髪に赤眼、黒縁メガネをしている。目付きがかなり悪い。
性格 冷静沈着で何事にも動じない。探偵ということもあり様々な特技を持っている。その中の一つでハッキングは、友人であるミツキと、子であるマオに伝授させている。そんな性格とは裏腹に子供にはとことん甘く、子供に厳しい夫とよく教育方針で喧嘩している。
統治 陽炎
世界で指折りの大財閥の統治グループの会長をしている。そのためお金持ち。そのお金で子供の教育にかなり手に塩をかけている。金髪黄色の目で優しい切れ目をしている。
性格
基本的に温厚な性格で懐が広い。しかし、その性格とは裏腹に子供には厳しく、特に生ぬるい環境で生活しているトモバにはよく誘拐を仕向けている。
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【今大会カゲロウさんの手伝い】
ムスカリー=ソウル (からあげさんからのオリキャラ)
レイナがヒウオギシティから旅立つ時にセブンから襲われてるところを助けた。カロス地方のシャラシティ出身。ルカリオが相棒で固い絆で結ばれている。
性格
かなりの策士で、作戦が失敗した事はほぼ無い。物事に動じる事は全くない。しかし明るく朗らかな性格で他人の人にも気さくに話せることが出来る。
七瀬 美月 (綾音ニコラ様からのオリキャラ)
ライモンシティで、プラズマ団に街を乗っ取られているところをレイナ、セブンと救った1人。ポケモンバトルでは見栄えよりも効率を求め、かつ観客を飽きさせないことも考えている。トレーニングも欠かさず、「実力を求める」ことに対する異常な執着心が見られる。
性格 冷静で可愛いものを好み、どんな事でも焦りが見られない。国際警察をやっており、マオの母親であるクーフの友達。クーフから伝授されたPC技術や体術、ポケモンバトル技術を使い、今はプラズマ団を調査している。
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【敵】
12(トゥエルブス)
ライモンシティで街を乗っ取ろうとした人物。セブンはプラズマ団の幹部と思っているが、レイナ、ミツキによるとピラミッドという謎の組織の一員らしい。しかしトゥエルブスは一兵卒と名乗っている。ポリゴンを連れており、はかいこうせんを反動なしで打つなど頭おかしい戦い方をしてくる。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.87 )
- 日時: 2021/12/29 21:28
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: UxRM.rFT)
階段を降りると明らかにハイテクな廊下が続いていた。
こんなにも上の階と違うものなのか……
「上の階は囮でここが本拠点…」
レイナが呟く。はっきり言わない無口な所がやっぱりレイナの美しい所だよなと、急に違うことを思っていた。
「そのようですね。床パネルの下に階段がありましたし」
ミツキさんがレイナの考えに同意する。
「てことは、本拠点をパスワードやら地面の扉やら床パネルやらで隠していたのにレイナがあっさり発見したってことか。」
セブンが嫌味を含めながら言う。
「感謝しなさい」
レイナは珍しく高圧的な態度でセブンに接する。セブンとレイナのやり取りを見ていると珍しいレイナが見れて飽きないし楽しい。
「ここは敵の基地ですよ。夫婦漫才は控えてください」
ミツキさんは緊張感を持たずに牽制しあっていた所終止符を打つ。
しかし夫婦漫才はなぁ...ほら、レイナとセブンが凄い顔でミツキさんのことを睨みつけてる。
「夫婦漫才はともかく、油断は禁物だな。行こうぜ 」
俺は2人の怒りを紛らわすために先陣を切って先に進んだ。レイナもセブンもそうだと思ったのか俺に黙ってついてくる。ミツキさんは俺に関心してついてくる。まあレイナの扱いは長いからな。セブンもレイナと似たような沸点だし。俺は少し心の中で自画自賛しながら通路を歩いていた。
ーーーーーーーーーーーーー
地下二階は1階とは規模も構成も全く違っていた。まず地下二階は地下一階と違い各部屋にちゃんと役割があった。仕事場が複数に何かの研究室、何かの監禁室など。そして次の通路へ行くためには特別な扉をを探さないと行けないこと。それは隠し扉であったり、かなり高度のパスワードや、プラズマ団が持ってるカードキーを持っていかないと行けなかったこと。
俺らは3回ほどその特別な扉を開いて先へ進んでいた。
「これ先へ進んで意味あるのか?」
セブンが今更なことを言う。確かにこれ進んで最奥に何があるのだろうか。何も無かったら行き損。時間の無駄だ。
「電気、金を盗むことが目的ならその機会とか戦力を削った方が良いだろ。」
セブンがもっともらしいことを並べる。いや、事実その通りなんだが...
「金も電気もどうでもいい」
レイナが唐突に暴露する。俺は知ってたけどな。レイナは元々そんなことに興味無いって。ただ...
「私はトモバを誘拐しようとしてる幹部を叩きのめすのとバトルがしたいだけ。」
やっぱりな。アイツがプラズマ団に興味を示してるのはポケモンバトルができるのと、過去ヒュウのチョロネコ事件に関わってたからだな。要するにレイナは俺達幼なじみとポケモンバトル以外は興味が無い。変なやつだとは思うけどな。それより、俺がピンチになったらレイナは助けてくれるのだろうか。多分助けてくれるだろう。そう思うと何故かこしょばい気持ちになる。
「お前...倫理って知ってるか?」
セブンが呆れたようにレイナに問いかける。するとレイナは言い返しもせずに俯く。
「知ってるわよ...そんなの。」
そうボソッと呟いた。レイナらしくない小さな抵抗だった。俺は瞬時にその言葉に深すぎる意味が込められていると分かった。しかし、あまりにも深すぎるため俺は言及出来なかったのだ。
たまにレイナはこうやって謎めいたことを言う。それが何を意味しているか。俺はまだ分からないままだった。
「それにしてもあっさりだったよなぁ」
誰かの声が聞こえる。プラズマ団!俺達は瞬時に理解すると角の壁にひっつきなるべく見つからないようにした。
「なんのことだ?」
「しっ!」
セブンが呟くとミツキさんが口に指を当てて静かにしろと圧を送る。少しの音ですらもたててはいけない。さすがミツキさん。母さんの友達であり国際警察の名は伊達ではないようだ。
「あー、統治グループのお嬢様だっけか?夜中1人でそこら辺うろついてるわ、ポケモンの電気ショックを当てたらすぐ気絶するわ。あいつ世界有数のお嬢様であること自覚してんのか?甘すぎだろ。」
...その通り過ぎて兄である俺もぐうの音が出ねぇ。俺は正直学校と旅に出る時以外はほとんど家にいた引きこもりだから誘拐とかされずに済んでたが、トモバは昔から好奇心旺盛天真爛漫だったからレイナとヒュウ連れてよく外に遊びに行ってたんだよな。
「まあ俺らには都合が、いいけどな」
「だな」
プラズマ団2人の会話が終わる。俺はトモバが誘拐された事実と統治グループをバカにする奴らに俺は怒りが隠せなかった。それはレイナも同じなようで、レイナは何を思ったかプラズマ団達に突っ込んで行った。
「ちょ、レイナ!」
「トモバ...」
レイナがモンスターボールを投げ、ジャローダとケンホロウが出てくる。
「何だこのガキ!」
「ここはガキンチョが、来るところじゃねぇぞー、始末するか」
そう言うとプラズマ団の2人はレパルダスとゴルバットを繰り出す。
「ジャローダ。ケンホロウ。」
レイナは只只無表情だった。かすみすぎて逆に綺麗な瞳をかっぴらきにし、口を一の字のように綺麗に結び、プラズマ団達をハッキリとみている。見れば見るほど美少女が際立つ。しかし昔から一緒にいる俺には分かる。怒ってる。これ以上ないほどレイナは怒っているのだ。こんなに感情を露わにするのは珍しい。
「調子に乗るなよガキが!レパルダスだましうち!」
「ゴルバット毒のキバ!」
珍しい。レイナのポケモンは大体努力値を素早さと攻撃に降ってるため、大体のポケモンは早いはずだ。しかし、プラズマ団に上を取られてる。いや...これは
「今。ケンホロウ エアカッター。ジャローダ リーフストーム」
それは水のようになだらかで炎のように激しく感じる言葉だった。レイナが支持した瞬間。その怒りに答えたのかジャローダとケンホロウの動きがより洗礼され、まるで風のように一瞬で敵を仕留める。これはレイナとポケモンの絆が固いという証拠なのだろう。
「な、なにっお子ちゃまの分際で!」
プラズマ団が下っ端らしいセリフを吐いたところでレイナがプラズマ団の首を掴む。
「トモバ。どこ。」
それはシンプルで分かりやすい質問だった。しかし、シンプルであるが故に、怒りが分かりやすい結果となり、プラズマ団を、怯えさせた。
「しっ、知らない...!統治グループのお嬢なんて知らないぞっ!」
プラズマ団の片方が冷や汗をかきながらレイナに必死で訴える。
「地下3階にクリーム色のフードしたガキと一緒に居るはずだ...!それ以外は知らないっ!」
もう片方のプラズマ団が慌てて言う。
「地下3階への階段は」
レイナがプラズマ団からの答えを聞く度レイナは即また質問をする。
「こ、この廊下の先にあります!このカードキーを使えばっ」
このプラズマ団達に大人のプライドというものは無いのだろうか。レイナの質問に答えてゆく度小物感が増していく。
「そう。ならもう用無しよ」
レイナが冷たく言い放つ。
「どういうことっ...」
プラズマ団達はレイナ頭を殴られそのまま気絶してしまう。トモバの居場所が聞けたのはいい事だ。しかし...
「早く行くよ。」
レイナが声をかける。それに俺は反抗し、レイナの手を掴む。といってもレイナの手を掴めるほど握力は強くないため、レイナが気を使って掴ませてくれたのだが。今はそんなことどうでもいい。
「とりあえず落ち着け。トモバが誘拐されたのは今に始まったことじゃねぇだろ。今回も大丈夫だって。」
俺は励ましの言葉をかける。トモバだって、誘拐なんて慣れたものだろう。慣れるもんじゃないけどな誘拐って。
「今まで、トモバが誘拐された際の敵の強さは俺達には分からないが、今回はそうは言えない状況だ。」
セブンが淡々と俺に告げる。レイナもそれに肯定するように頷く。
「クリーム色のガキ...あれはきっとトゥエルブスの事でしょう。」
ミツキさんもセブンとレイナと、同じことを思っていたのか理由を教えてくれる。トゥエルブスってここに来るまでに小耳に挟んでいたが結局なんなんだ?
「ピラミッドの1人。はかいこうせんを反動無しで打つような奴だ。で、ピラミッドの1人って言うのは聞いてないな。」
セブンが説明する。なんだそれそんな常識破りの戦い方をする奴がいるのか...?!それよりも、セブンは"ピラミッド"とやらも知らなかったようだ。
「うーん...説明すると難しいですね...」
ミツキさんがうーんとうなる。俺は一生懸命考えても砂漠で石が積み重なった三角形の建物しか思いつかない。
「裏の世界のお手軽派遣組織。金さえあればどんな仕事も受け付ける。」
レイナはどんどん冷静さを取り戻してきたのか淡々と言う。なんかプラズマ団の裏に潜んでいる大きい組織とかなんとか壮大なことを考えていた俺には拍子抜けした回答だった。お手軽派遣組織...?そんなヤツらがプラズマ団に手を貸してんのか?あ、金さえ積めば何でもするんだっけか。それにしても限度があるだろう...
「そうですね。金さえ積めば世界を滅すことにも、救う事にも協力する。」
ミツキさんがレイナの説明に補足する。そんなの...そんなのって
「狂ってる。依頼によっては...例えば世界を滅ぼす依頼だったら自分で自分の首しめてないか」
セブンが的確な突っ込みをする。その通りだ。そんなの狂ってる奴しかしない。
「狂ってるよ。全員。」
ミツキさんが遠くを見つめて呟く。全員...狂ってる... ピラミッドって言うのはどんな組織なんだ。
「話は終わり。行くよ」
そうだな。トゥエルブスとかいう強いヤツと一緒に居るなら早く救わないと。俺らは基地の廊下を静かに歩いていった。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.88 )
- 日時: 2022/01/04 21:00
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: nEqByxTs)
こんにちはベリーです。設定の噛み違いがあったため修正を致しました。
ヒュウ〜強さ〜を主に修正致しました。他にも設定の噛み違いが多々ありますが、修正が出来ないため、この話が後半になった時にリメイク版を出そうと思います。既にポケモンスクエアというサイトにてリメイク版を出していますが、そのリメイクをまた総合掲示板に出そうと思います。これからも裏の陰謀をよろしくお願いします。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.89 )
- 日時: 2022/01/05 19:24
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: nEqByxTs)
《トモバ》
ここ...は...?確かホテルから外に出た時に気絶して...
私はぼーっとする頭を必死に叩き上げ、体を起こした。私の周りは鉄格子で囲まれていて、両手は縛られている。そして下の方にクリーム色のフードコートを来た誰かが居る。性別も年齢も顔も分からない不気味な人だ。
この状況から言えることは1つ。
私...誘拐されたなっ!
いやー、旅してる内にあと何回かは誘拐されるだろうなぁと思ったけどそれがPWT大会前夜とは...明日ちゃんとバトル出来るかなぁ。早めに助けてきてねーレイナ達ー。
と、私は呑気なことを考えて鉄格子にもたれかかっていた。
「随分と呑気っすね」
おっふイケボ。
低く、冷たく、それでも凛とした声が響き渡る。レイナが声をはった時に似てるな。
いやーこの声だったらやっぱ顔はイケメンなのかな?いやいや、イケボでも顔は普通の人とかもいるしあまり期待しない方が...
「おい。聞いてるんすか」
私が無駄なことを考えて、クリーム色の人に返事をするのを忘れていた。
「あっ、はい。」
私は相手の張り詰めた声に怖気づき、声が小さくなってしまった。
怖いなぁ。怖いけど、レイナ達がぶっ飛ばしてくれるはずよ...!我慢我慢。
「随分と余裕だが、お前怖くないんっすか?」
それは私を少し心配してるような声色だった...気がする。確かに誘拐慣れしてる私を見て驚かない人は居ないわよね。
「ええ。怖くないわ。私の幼馴染があんた達諸々ぶっ飛ばしてやるもの!覚悟してなさい!」
私は自信満々にたんかをきった。クリーム色の人はポカーンとするようにその場で硬直した。そして
「はっ、立派に肝据えた完全に人任せじゃないっすか」
クリーム色のやつは私を馬鹿にするように言った。おうおうおう!私の幼馴染をバカにするようなやつは許さないわよ!私の幼馴染が貴方をボッコボコにするんだから!...結局私他人だよりじゃない。
私はクリーム色の人に言い返せずに俯いてしまった。
「言い返せないっすか。まぁ、今回はお嬢の思う通りにはならないと思うっすけどね。」
クリーム色の人が意味深に呟く。どういうこと...?確かにマオやレイナは強さはそこそこかもしれない。けれどプラズマ団の下っ端相手なら同格か、それ以上の強さは持ってるしヒュウに関してはプラズマ団の幹部をプチッと潰せるほどの強さを誇っている。それにいつも私が誘拐された瞬間この3人の誰かが来てくれてたし、今回も直ぐに駆けつけてくれるはずだ。
「まさか今回も直ぐに駆けつけてるとか思ってるんじゃないんっすかね?」
くつくつと笑いながらクリーム色の人は言う。なんで笑うのよ。そんなおかしい事かしら?
するとクリーム色の人は大型のモニターに何かを写した。そこには...血まみれのレイナが居た。廊下に倒れていて、プラズマ団に監視されていた。
金髪の子...確かセブンだっけ?は、血まみれではないけれど、モンスターボールを取られ、小さな部屋で縄で縛られていた。
黒髪に赤メッシュのお兄さん...?ミツキさんだったよね。は、セブンと同じ状況になっている。
セブンとミツキさんがなんでここに...?助けに来てくれたってこと?マオは?ヒュウは?2人は助けに来てくれてなかったの?
レイナは?血まみれで倒れて縄も縛られてないレイナは...もしかして死んでる...?
嘘?嘘...嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘...嘘だ!
「嘘だ!嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だあ!」
私は自分でも目を疑うぐらい叫んだ。私が私でないような感覚に包まれ、ただ叫ぶしかなかった。
「だから言っただろう。お前は無責任だと」
聞き覚えがある声。あれから1度も忘れてない出来事。ルカリオを連れていて、顔に大きな白い傷があり凛々しい顔つき。
髪型は薄紫色のオールバックでデコがでている。
服は白色の軍服を着ていて、上に黒いコートをきている。
忘れもしないあの日。サンギ牧場で出会った...ガエリオだ。
「ガエ...リオ...」
私はただそうつぶやくしかなかった。
「お嬢様だからか知らないが、温室でぬくぬくと育ったからか自分が危ない目から会うことがないと過信している。そして周りを巻き込み危険な目に合わせる。」
そうだ。当たり前だった。皆が必ず助けてくれること。誘拐されること。何度危ない目にあっても。レイナが、ヒュウが、マオが助けてくれた。私は無傷で、皆は生傷を作って。それは...それは...
「無責任だな。」
その通りだ。今まで私はなんて無責任な事をやってきたのだろう。ヒュウは昔チョロネコの件でレイナに助けられたと聞いた。その時、レイナは大きな傷を負った。それ以降ヒュウは責任を感じ私のように明るく周りを引っ掻き回す性格だったのが冷静沈着、冷たい人になってしまった。それに比べて私は何回レイナ達を傷つけても懲りることなく誘拐され続けた。私のバカ...
「残念だが後悔するのが遅い。統治のお嬢には用事が済んだら死んでもらう。安心しろ。助けに来てくれた奴らも一緒に死んでもらうから寂しくない。」
私は声が出なかった。出せなかった。え?死ぬ?私が? 「死ぬ」それに実感が中々湧かずにただ呆然としてしまう。その後じわじわと恐怖が襲ってきて...
「い、いや、いやぁーーー!」
恐怖と絶望で叫んだ。叫ぶしか無かった。死という非日常の言葉が私に突き刺さり染み渡る。その恐ろしい感情に自分が温室でぬくぬくと育ってきたことが身に染みてわかる。
「助けて...助けて...!誰か助けてぇ!イヤァァーーー!!!!」
泣き叫ぶ。ただ泣き叫んだ。現実逃避するためにただ喚いて思考を放棄する。それしか出来なかった。それしか恐怖を紛らわせなかった。
「そうだよ。その顔が見たかったんだよ」
後ろから誰かがくる。これまた不気味で背筋が凍るような人物だ。
その人物は茶髪で、プラズマ団の格好にマントを羽織っている。下っぱとは違う格好だからプラズマ団の幹部...?
それにしても、私の喚き声で喜ぶなんて性格の悪い... それでも恐怖が薄れず、私はグシャグシャの顔でその人物を見ているのだろう。
「ジュウニ。侵入者は?」
茶髪のプラズマ団の格好をした人が聞く。
「12(トゥエルブス)っすよ。まあジュウニでもいいっすけど。侵入者3人は確保済み。電気と、身代金を回収しだい関わった人物を始末して撤退っす。今のところ順調っすね。」
クリーム色の人...たしかトゥエルブスだっけ?は、何も見ずに作戦をペラペラと言っていく。もしかして優秀...?それにしても、関わった人物を始末って...やっぱり殺されるんだ...嫌だ...嫌だ嫌だ嫌だ...!
「少しは自分の力で何とかするとは考えないのか。」
ガエリオが私に悪態をつく。それはイラついてるような、呆れているような。
自分で何とかする...?出来るわけないじゃない。レイナも敵わなかった相手よ。無理。絶対無理。無謀すぎるもの。
「はぁ。温室育ちはこれだから。そんで身代金はどうなんだ一兵卒。」
ガエリオがトゥエルブスに聞く。
「なんで二人共俺の扱いが雑なんっすかね。今のところ統治 陽炎はこちらの指示に従ってないっすね。考えさせてくれの一点張りっす。」
茶髪の人はふむと手を顎に当てて考える素振りを見せる。
「これは長期戦になりそうだな。」
ガエリオも呟く。長期戦って、私はずっとこのままってこと?嫌だ...死にたくない。
「見つけたっ!」
すると誰かが上から降ってくる。赤髪に髪先が黄色。母譲りの不良のようなつり目にカラフルなパーカーを来ている。
「マオ...!」
私の兄。トウチ マオだ!助けに来てくれたんだ!これでもう安心だ...私はほっと胸を撫で下ろしたと同時に死の恐怖から解放されへにゃと倒れ込んだ。
「トモバ...大丈夫か!」
「だ、大丈夫...」
私は安心しすぎて頼りない声が漏れだしてしまった。
「ジュウニ!侵入者は確保済みと言ってたじゃねぇか!」
茶髪の人がトゥエルブスに怒鳴り散らかす。
「俺は侵入者全員確保済みなんて行ってないっすよ。」
トゥエルブスはそっぽ向いて屁理屈をこねる。茶髪の人は苛立ちが顔に出てトゥエルブスをぶった。しかし、トゥエルブスは微動だにせずただぶられただけだった。
「取り敢えず侵入者を捕まえるのが先だろう。トゥエルブス。始末しろ。」
ガエリオがトゥエルブスに指示をする。トゥエルブスはげんなりとした様子で「へい」と答えるとポリゴンZを繰り出す。
「負けねぇぜ。ムーランド!」
マオはムーランドを繰り出す。マオは強い。私より遥かに。これは勝ったも同然だろうと私は余裕でその様子を見ていた。しかし、その余裕は一瞬で崩れ去ることになった。
マオのポケモンは残りダイケンキ一体となっていた。なぜこんな一瞬でマオが追い詰められたかと言うと。
「ポリゴンZ。はかいこうせんだ。」
「ダイケンキ!よけろ!」
マオの指示に従いダイケンキは、はかいこうせんを避ける。しかし...
「ちょこまかとウザイっすね。ポリゴンZ!はかいこうせん乱発だ!」
通常は、はかいこうせんを打つと反動で動けなくなるが、このトゥエルブスは反動なんてもろともせずそれを連発するのだ。しかも早い。これはマオのポケモンでもかわせなかった。
「ダイケンキ!」
マオが叫ぶ。ダイケンキ戦闘不能だ。そんな...マオが負けるだなんて。いや、この人達が規格外すぎるのだ。こんなのマオでもレイナでも、ましてやヒュウでも倒すことなんて出来ない。もう終わりだ...私...死ぬんだ。
「お遊びは終わりっす。手間がかかるんでここで消えてもらうっすよ。」
トゥエルブスはポリゴンZにはかいこうせんを指示する。あんな威力の技人間が食らったら生きてるわけないわ!マオが...死ぬ?いや、辞めてやめてやめてやめてやめて
「やめてぇーーー!!」
私は泣き叫んだ。喉が破裂するかと思ったけどそんなの気にならないわ。大事なのは私の兄が、目の前で殺されるってことよ。
「無駄死になんてしてたまるかっ!」
マオは茶髪のプラズマ団の人にタックルをする。するとマオら茶髪の人の腰に手を当て私に何かを投げる。
「トモバ!逃げろっ!」
私の檻の中にそれが入ってくる。それは...檻の鍵だ。これで逃げられる!けれど...このままだとマオが死んでしまう。このまま逃げたら見殺しにしてしまうんじゃ... 誰か...助けてっ!
「トモバ!泣くな!とにかく逃げろ!早く!」
マオが必死で私に訴えてくる。
「嫌だ!マオを見殺しに出来ない!嫌だ...嫌だ!」
私も必死でマオに訴える。マオはその不良顔を更に険しくする。その顔は極悪不良...いや、プラズマ団のような悪の組織の幹部のような顔をする。
「我儘を言うなっ!」
その剣幕に私は思わずヒッと体をビクつかせてしまう。
マオが1番怖い。我儘...私は我儘なのかな。さっきからずっと怖い。助けて。嫌だばっかり。確かに我儘で無責任でダメダメすぎる。
『少しは自分の力で何とかするとは考えないのか』
さっきのガエリオの言葉が心に染み渡る。
ずっと思ってた。私も自分の身を守りたい。レイナ達を守りたい。でも無理だったんだ。私は弱すぎる。だから諦めていた。けれど、私が弱いのは何故?強くなれないのは何故?理由は単純明快。マオが一日中PCとにらめっこしていたように、ヒュウが自分の感情を抑えてまで特訓するように、レイナが自分の身をていしてまで。努力をしないから。楽な楽な方に自分を流してるから。
いざその現実を目の当たりにすると心にヒビが入る。けど。向き合うんだ。私の弱さに。
マオを守りたい。目の前の人をこれ以上傷つけたくない!
私はそう決意した瞬間。鍵を開ける。
あれ、鍵を開けたのはいいもののポケモンも奪われてるしどうしたら良いの?!
取り敢えず足止めしなきゃ!
「おりゃぁぁぁぁー!」
私は大きな掛け声とともにトゥエルブスの足を引っ捕まえた。
「なっ」
トゥエルブスは一瞬驚くがすぐ冷静になり、私を足ごと投げる。そしてマオがクッションになってくれる。
「余計なことしやがって。でもこれで何も出来ないっすよ。」
トゥエルブスがポリゴンZと一緒に近づいてくる。
「ジュウニ。身代金回収成功だそうだ。」
茶髪の人が言う。ってことはお父様はプラズマ団に大金を渡してしまったってこと?てことは、私たちは用無し...
こんなことなら。こんなことなら。お母様に甘えないでポケモンバトルを磨けば良かった。レイナ達に頼らずに自分で自分を守るべきだった。後悔先に立たずだわ。ここで私死ぬのか...ハハッ本当に...惨めな私。
「トモバ。諦めるな。最後まで前を睨めつけろ。」
マオがトゥエルブスを鬼の形相で睨みつけながら私に言う。そうだね。最期まで惨めな姿でいるつもりなんてない。私も母譲りの自慢の悪い目付きで相手を睨みつける。しかしトゥエルブスはたじろくことなく堂々と立っている。
「ポリゴンZ。やれ」
はかいこうせんが飛んでくる。お父様。お母様。マオ、レイナ、ヒュウ、マツリ...ごめんね。弱くて。私死ぬんだって。でも、もし、もし見逃してくれるなら。私は...私は...
「ルカリオおおおおぉぉっ!」
深海のように深く暗く済んだ高音が響き渡る。この声は...レイナ?
はかいこうせんが私たちに向かってくる、そこへレイナのルカリオが立ちはだかり私たちの盾となってくれた。しかし、レイナのルカリオはそこで戦闘不能になってしまった。
「よくやった。ルカリオ」
モンスターボールの光線がルカリオに当たる。その先には...血だらけで倒れかけているレイナとヒュウ、ミツキさん、セブン、そして...
「やぁやぁプラズマ団の諸君。よくも俺の愛しい息子と娘をいたぶってくれたね。」
金髪に黄色の目。ギラギラと光った八重歯にヒュウより高い背丈の。お父様が居た。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.90 )
- 日時: 2022/01/12 22:35
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: DMJX5uWW)
「カゲロウが来ちまった…」
茶髪の人が舌打ちをする。
それにしてもお父様…なんでこんな所に?それに統治グループのトップが敵の基地になんてきたら危ないじゃないの!
「アラシ…?」
レイナがボソッと呟く。アラシ?誰のことだろう。
「なんだ。霊家の余所者じゃねぇか。」
あれれ?あれぇ?この茶髪のプラズマ団とレイナって知り合い?!
「知り合いか?」
ガエリオが茶髪の…アラシに聞く。アラシは苦い顔をすると手で顔を覆う。
「家の従兄弟だ。」
えっ、ええええええええええええっ?!
と心の中で驚きながらも、さっきまで死と隣り合わせだった私は口をパクパクさせるしか無かった。
レイナの従兄弟が…プラズマ団?!でもレイナの事余所者って言ってたけれど。あ、そっか。レイナは霊家の養子だもんね。その一族からは余所者って言われるのも仕方ないのかな?
「ガエリオもいるのかよ…」
ヒュウが顔をしかめる。そう言えばサンギ牧場でヒュウもガエリオに会ってたね。
「トゥエルブスもいますね。なんですかこのプラズマ団トップオールスターズ…」
ミツキさんも顔をしかめる。流石にプラズマ団の幹部レベルの人達が集合してたら勝てるか分からないもんね。実際私もマオもピンチだったわけだし。
「トゥエルブス。電力の方は?」
ガエリオが聞く。そうだ、プラズマ団はお金と電力が目的で来てるんだったわ。確かお金はもうプラズマ団は受け取っちゃったみたいだし、あとは電力?
目的が達成したら引き返してくれるのかな。いや、ダメよ!プラズマ団の思い通りなんてさせたくないもの!
「電力の方はもう達成してるっす。もう引き上げても大丈夫っすね。」
トゥエルブスが何かのパットを見ながら言う。てことは、プラズマ団の思い通りにさせちゃったってこと?わ、私のせいだ…
「…引き上げる前にこの2人は消した方が良さそうだな。」
ガエリオが言う。え、その2人って…私とマオのこと?消すって、殺される?嘘、嫌だ!
トゥエルブスは頷くと私たちにゆっくりと歩いてくる。
またさっきと同じ恐怖が心にポトッと滲んで広がっていく。
辞めて…辞めて!
「辞めて。」
すると私達の前にレイナと、ルカリオ、イーブイが立ちはだかる。
その小さい小さい背中が、今は大きく見え、頼りがいがある背中にみえた。
その背中に頼りたい。全体重を持たれかけ、安心したい。けど、
「レイナ。私のことはいいから!危ない!」
私は叫んだ。私のせいでレイナが危ない目に会うなんて嫌だ。許せない。自分が許せないんだ。
レイナとトゥエルブスは数秒…いや、数十秒かもしれない。かなりの時間見つめあっていた。しかし、私目線から見るとトゥエルブスの顔は陰に隠れて見えない。きっとレイナもトゥエルブスの顔は見えないはず。なのに何故見つめあってるのだろう。
すると…
「い"っだ。」
トゥエルブスがレイナの脳天にチョップをかました。レイナには珍しくかなりの大声で反応をする。
「……退くぞ」
トゥエルブスはそう呟く。え、それだけ?レイナに軽いチョップ食らわしただけ?
「は?なんで」
「うるさい。いくぞ。」
アラシが言いかけるが、トゥエルブスがそれを制する。それには強い威圧感があり、誰にも逆らうことは許されないような空気になった。
「レイナ…だったか。」
去り際トゥエルブスは振り向きレイナに問う。
「お前は…どうしても憎めない。」
その瞬間。ガエリオが何かを地面に投げる。すると白い煙が辺りに爆発的に広がり始める。
煙玉だ!逃がしたくない…!けれど私の今の力じゃ追うことも出来ない。仕方なく私はただぼーっとする事しか出来なかった。
「憎めない…か……」
レイナがボソリと俯いて呟く。レイナとトゥエルブスってどういう関係があるの?
いや、そんなことよりも助かった。誰も死ななかった。
よかった…と安堵する私。他の人も同じように安堵したのかほっとした雰囲気が漂う。
「良かったぁ……!」
私は大きく息を吸い吐いた。
今回で分かった。私は弱い。バトルでも精神的にも。周りに甘えすぎている。考えたらダメなところがポンポンと湧き出てくる。
私は誓う。強くなる。強くなって、自分で自分を守れるように。みんなを守れるようになりたい。
私はその強い意志を確かに覚えた。
第七章〜完〜