二次創作小説(紙ほか)

Re: とある一般人の取扱説明書【改】 ( No.1 )
日時: 2020/05/19 18:52
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


その日は何もなく過ぎるはずだった。躑躅森弥勒はとある高校に通う女子高生である。レベル0。

外に出た弥勒は広場に出来た人だかりの中に入っていく。掻き分けながら前列に来ると

そこではジャグリングをする道化師の男がいた。白塗りはしていない。右眼の下には雫の

左眼の下にはハートのペイントがしてある。ジャグリングの手を止め彼は近くにいた弥勒に

歩み寄り胸ポケットを指差す。胸ポケットには一枚の紙が入っていた。

『芸が終わるまで待っててくれ』

それだけ書かれていた。数十分後、彼のショーが終わり数人の客がお金を籠に入れていく。

弥勒も籠にお金を入れて彼についていく。彼の家に連れてこられた。

「突然でごめんね。俺はドルチェ・ガルシア、さっきの通り大道芸で日銭を稼いでるんだけど

気になったから声を掛けさせてもらったんだ」

ドルチェが持ってきたのはタロットカード。

「タロット占い?」

「そう。俺はこれでも占い師を副業としていてね。気になった人だけにやっている。後は

俺が占い師だと知ってて占ってもらいに来たりね。さぁこっちに座りなよ」

ドルチェの向かい側に弥勒は座った。彼は何やら作業を進める。そして彼はカードを

めくる。カードを弥勒は覗き込む。

「このカードは?」

「…人生の転機が訪れる。何かあるかもしれない、早ければ今日中にね」

オレンジ色の髪が揺れた。


「ありがとうございました」

「俺がついていかなくても大丈夫かな?弥勒ちゃん」

ドルチェはそう聞いたが弥勒は「大丈夫です」と答えて彼の家を出て行った。夕方、夜が

近付き怪しい輩が動き出す頃。