二次創作小説(紙ほか)

Re: トリコ“オリジナル” ( No.6 )
日時: 2020/06/06 18:50
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


喜びに浸っているのも束の間。海から上がってきた黒い鳥人間にトリコたちは警戒する。

何もしてこないがそれでも怪しい。手にはフグ鯨が何匹も入った網が握られている。

「動物、では無いみたい…ロボットに見えるよ」

ノアは呟いた。それの正体はその時は分からなかった。外に出てココと別れる。

「ココさん、新作楽しみにしててください!絶対、良い物語にしますからね!!」

「うん、楽しみにしてるよ」

その返事を聞いてノアは笑顔を見せた。


彼と別れて時間が経った頃、3人はIGOが管理する第1ビオトープを訪れた。そこにいたのは

IGOの№3マンサムともう一人、若い男がいた。その男をノアは知っている。

「久し振りだなァ、ノア。覚えてるか?俺の事」

「く、梔子さん!!」

梔子は隻眼だ。見た目は細くアイドル顔だ。

「見た目では分からないぞ。梔子は格闘術の達人、強さは一級品だ」

「梔子さんは三節棍を使うんですよね?」

ノアの言葉に梔子は頷き右手を後ろに当てる。そこに三節棍を収納しているようだ。

「あぁ。それとどうにか繋がったみたいだな、フグ鯨も捌けて良かったじゃないか」

梔子の後ろから覗き込んだのは洞窟でノアを案内したクリオネンだった。梔子はノアが

フグ鯨のいる洞窟へ向かうことを知っており保険でクリオネンにノアの後を追わせ彼女を

案内するように指示していたらしい。

マンサムによって案内された場所は闘技場。そこでは猛獣たちが戦い、有力者たちが賭けを

行っている。そのかけ金はIGOによって様々なことに使われている。闘技場の管理はここで

働くリンが行っているがここで事件が起こる。

「あのバトルウルフ…」

「ノアも気が付いたか。アイツはメスだ。それも出産間近のな」

呟いたトリコは闘技場に乱入する。

Re: トリコ“オリジナル” ( No.7 )
日時: 2020/06/06 19:45
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


「リン、バトルフレグランスを止めろ」

マイク越しに梔子は言う。耳からはリンの慌てた声が聞こえて来た。直そうとしているが逆に

量が増えていく。

「…ノアはそこにいろよ」

梔子はトリコに加勢する。上着を脱ぎ捨て飛び込み頭に踵落としを食らわす。梔子は確実に

猛獣を気絶させていく。確かに強い。武器を使わずともある程度戦えるようだ。ノアは後ろを向き

まだ逃げていない老人に声を掛けた。

「あの、避難した方が良いですよ?」

老人の姿が変わり顔が二つに裂けレーザーが放たれ全員が声を上げる。間に入り力尽くで

レーザーを止めたのは梔子だった。梔子はGTロボに蹴りをかましノアを抱き上げて距離を取る。

次にGTロボがとった行動はレーザー。それは体力を消耗した母親バトルウルフを貫いた。

リンのエンドルフィンスモークで一度相手の視界を遮らせる。

「ノアさん、梔子さん!!」

小松とマンサムたちも駆け付ける。一先ず全員無事だ。悔しいことは母親バトルウルフが

死んでしまったこと。

Re: トリコ“オリジナル” ( No.8 )
日時: 2020/06/06 21:05
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


GTロボを処理した後、外に出てティナとも合流する。

「あ、あれ!!」

「片手で持ってますよ!!?」

「いや、片手で持ってるわけじゃねえ」

ノアと小松の言葉をトリコは否定する。四天王サニー、ノアから見て彼は自分なりの拘りが

強く言い方は悪いが時と場合によっては面倒くさい人物にも感じられた。サニーは見つけた

リーガルマンモスをマンサムに投げ渡し彼はノアと梔子のほうを見た。

「お前が梔子って奴?」

「そうだが…何かあるのか?」

「…で、そっちが…」

「ノアです。これでも作家ですよ」

「因みに…これノアの書いた本だ」

梔子は鞄から一冊の本を取り出した。彼はサニーにそれを手渡すとノアのほうを見て説明しろと

目線を送る。

「その本の主人公は最初に実の妹と離れ離れになってしまうんですけど最後には再開することが

出来るんです。手を貸してくれたのは主人公の仲間たちで—」

数分ほどノアは本の内容を説明していく。サニーは時折頷く素振りを見せる。どうやら少しずつだが

ノアを認め始めたようだ。

「で、話は変わるんですけどマンサム所長。そのリーガルマンモスは子どもですよね」

「あぁ。大人はこれよりもっとデカイ。美食會より先に保護し宝石の肉を捕獲しなければ…」

地響きと共に現れたのはロックドラムだ。それに応戦するべくトリコが前線に立つも

先の戦いでのダメージはまだ残っていた。サニーが次に応戦する。途中、梔子が声を荒げた。

何事かと思ったときロックドラムは地面を叩き爆風で全員がバラバラに分かれてしまう。

Re: トリコ“オリジナル” ( No.9 )
日時: 2020/06/07 12:04
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


本人たちにはまだ分かっていないがノアと梔子、サニーと小松は近くにいる。つまり同じ

場所に飛ばされていたのだ。それに気付いたのは両者がマッシュルームウッドを出てからだった。

いにしえの沼池を浮いて渡る四人。

「グルメ細胞、って知ってるかい?」

そう言い出したのは梔子だった。小松とノアは首を横に振る。

「サニーやトリコたち四天王組は勿論、俺やリン、マンサム所長もその細胞を持っている。

簡潔に言えば万能細胞、美味しいものを食べればその分、成長する。だけど万能なものには

必ずリスクがある。入れ方も二種類あるんだ、直接一気に摂取する方法とグルメ細胞を含んだ

食材を少しずつ摂取していく方法。前者は100%だが失敗すれば死ぬ、因みに俺はその方法で

グルメ細胞を手に入れた」

「賭け、みたいな?でもどうして…」

ノアの純粋な質問に梔子は少し戸惑った。その様子を見てノアは首を横に振った。

「やっぱりさっきのは無しにしてください」

「すまないな、気を遣わせて…。でも一つ言うなら家柄が家柄だったから、な」

四人は岸辺に足を踏み入れる。そこにはGTロボらしき大きな足跡。通常よりも大きなロボも

持っていると推測できる。

「この大きさでもリーガルマンモスと対峙するのは難しいだろうな。もう少し小柄なほうが

リーガルマンモスに気付かれずに体内に侵入できる」

「え!?足跡だけでどれぐらいか分かるんですか!?」

「大まかな大きさはな。お、向こうから落ちてくるみたいだぜ」

崖を上りかけていた梔子以外の全員が声を荒げる。

「ちょっとぉ!!なんで楽しそうにしてるんですか、梔子さん!!!」

ノアが叫んだ。梔子は笑い声をあげていた。

「お前らぁ!!こっちだ!!!」

全員の耳にトリコの声が入ってくる。彼が作った穴の中に全員が入り込む。

Re: トリコ“オリジナル” ( No.10 )
日時: 2020/06/07 14:34
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


穴から出てすぐリーガルマンモスが落ちて来たことで驚き怒ったヘビークリフの群れが

襲って来た。

「俺が出るかな」

そう言って梔子は群れの前に立った。彼は後ろに手を回すもすぐに戻し単身で攻撃を仕掛ける。

現在持っている多節棍、実はノアが気を失っている間にモンスターを倒している際に

壊れてしまっていた。一体の胸部に掌を当てダメージを与える。掌術・覇掌。

後ろに続いていたヘビークリフも巻き添えを喰らう。梔子は一呼吸おいてヘビークリフを

睨みつけ追い払う。

「お前、知ってるぞ」

大きなGTロボは梔子を見下ろしていた。美食會と梔子は何やら関係がありそうだ。最高の

タイミングで助っ人としてきたのはココだった。

「ノアちゃんも小松君も懲りずに来てたんだね」

「その言い方、やっぱりココさんです!」

毒舌混じりの言葉。

「みんなは宝石の肉を。ここは僕がやる!」

大型GTロボの相手をココに任せ他は全員リーガルマンモスの体内へ突入する。喉を通り奥へと

やってきた。

「本当だ、裏切り者がのこのこと」

水色のGTロボもまた梔子を知っているようだ。

「言っている意味が分からないな。俺は裏切ったつもりは無いが…」

「お前はそうでも俺たちからすればそう見えるんだよ!」

GTロボを捜査しているのはセドルという人物だ。サニーとセドルが戦う。残りは先へ急ぐ。

同時刻、外ではどうにかGTロボを倒したココは黒いGTロボの存在に気付く。それはフグ鯨を

捕獲した際にも見たロボと同じだ。そしてそれはリーガルマンモスの元へ歩いている。

中にはトリコたちがいる。鉢合わせる可能性が非常に高い。

嫌な雰囲気は中にいる数人も感じ取っていた。

Re: トリコ“オリジナル” ( No.11 )
日時: 2020/06/07 15:41
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


「ノア!」

梔子がノアの名を呼び彼女の前に立ち多節棍を抜いた。黒いGTロボの一撃で粉々に砕けた。

「その娘がそんなに大事か?元、美食會副料理長・梔子」

「見事№2になれて良かったじゃねえか現、副料理長スタージュン」

互いに言い合う。リンを倒し、スタージュンはここまで乗り込んできた。

「ど、どう云う関係なんですか…?」

小松は恐る恐る聞いた。ノアも同じように聞きたそうな顔をしていた。

「元、美食會。それが俺。美食會のボスにはもうバレてるんだろうけど、今じゃIGOの職員さ」

ノアの背中を梔子は押しこの場から逃がす。すぐに梔子は攻撃に移り蹴りを放つ。その蹴りを

スタージュンは防ぐ。

「必ず外に出られる!とにかく走れ!!」

言われるがままノアは走り出そうとしたその時。彼女の前に転がってきたのは重傷の梔子だった。

右腕全体が焼け爛れている。梔子は何かをボソボソと呟いていた。それを聞き取ることが出来たのは

ノアだけだ。

「ノア、お前は梔子を連れて逃げろ!」

トリコの言葉に頷きノアは梔子の両脇に腕を回し引きずるように運ぶ。


「馬鹿…何、してんだ…!」

「私は怪我人を見捨てていくほど、腐ってません!絶対に離しませんよ!!」

最初はそよ風、だが次第に強くなっていき二人の体は飛ばされる。その先はリーガルマンモスの

体外。梔子の体にノアはしがみつく。

「ノア!!」

サニーのヘアネットの上に二人は飛び込んだ。ゆっくりと地面に降ろされノアと梔子にサニーと

ココが駆け寄る。

「うえぇ、キモッ。なんだ、その腕」

「焼かれた。焼かれた上に…女の子に助けられるなんてなぁ。アイツの言った通り、弱く

なったかもしれないな」

梔子は何事も無かったかのように立ち上がる。

「強がりはやめた方が良いと思いますよ。梔子さん」

そう言ったのはココだった。梔子の放つ威圧感に僅かながら圧倒されるもそれを彼は引っ込め

困ったような笑顔を見せた。

「気遣いだけ貰っとくよ」

「…?ま、待って梔子さん。マント何ていつの間に」

ノアがマントで隠れた右腕に触れようと手を伸ばした。

Re: トリコ“オリジナル” ( No.12 )
日時: 2020/06/07 16:20
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


一段落しリンも目を覚ました。

「その腕…!!」

マントを脱いだ。右袖の先からは手が見えない。夜風で袖が揺れるだけだ。

「この腕か?良いさ、義手でもくっつけとけば良い。ほら、ノアも座れよ。お前らまで何

悔しそうな顔してんだよ」

梔子は変わらず笑みを浮かべていた。だが梔子が目を見開いた。ノアが大粒の涙を

零していたからだ。しかしすぐに彼はまた笑顔を浮かべノアを座らせた。食事の最中、

梔子は席を外した。


「梔子か。良いのか?席を外して。全部喰われるかもしれないぞ」

マンサムはすぐに彼の言おうとしていることを察した。

「何かあったようだな。そんな深刻な顔をするな」

マンサムは梔子の背中を押した。梔子は元々美食會の副料理長だった。仕事を失敗し致命傷を

負って彷徨っていたところに歩み寄ってきたのはノアの父親だ。ノアの父親アレンはIGOの職員

だった。彼とその恋人、アイラは梔子を手当した。その後、長い間梔子は牢で過ごすことになる。

今のように笑顔の絶えない正確になったのは二人のおかげだ。そのため今は亡き二人に恩返しする

ために梔子はノアを気にかけていた。アレンとアイラは梔子だけでなく美食四天王とも深い

関わりがある。


数週間後、ノアの作り出した小説の新しいものが世に出回る。凄まじい速度でその本は売れていた。