二次創作小説(紙ほか)

Re: トリコ“オリジナル” ( No.13 )
日時: 2020/06/09 17:46
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

「ぷっ、はッはッは!!笑えるなぁそれ!!!」

ホテルグルメにて一人の女の笑い声が聞こえた。女性らしからぬ豪快な笑い方。彼女と向かい合って

座っているのは梔子だった。未だに彼の右袖はユラユラ揺れていた。

「お待たせしました」

ワゴンに幾つかの料理を乗せてやってきたのは小松とノアだった。

「お、コイツか?お前が言ってたノアって奴は。オレはレン、よろしく」

レンと名乗った女性にノアは会釈する。レンは第0ビオトープ職員の再生屋らしい。前者については

限られた人物しか知らない。ノアが作ったのは簡単なケーキだった。

「美味そうだなぁ!」

レンが真っ先に食いつきノアの作ったケーキを一口食べた。

「このジュレ…マグマツリーの蜜を使ってるのか」

「…ノア、お前プロの料理人を目指したらどうだ?」

梔子の提案にノア以外が乗っていく。それをノアが制止する。

「ちょっと!勝手に話を進めないでよ」

「良いじゃねえか。腕は悪くねえ、後は経験を伴えばすぐにでもそっちの料理人と同レべに

なれる。オレの言うことは嘘じゃねえ」

レンはガシッとノアの両肩を掴んだ。ノアは首を横に振り微笑を浮かべた。

「少し考えさせてください。今は作家として頑張るつもりですから」

ノアの返事に彼女は何も否定しなかった。彼女は顔を隠し席を立ってしまった。

「もう行くのか」

「あぁ、美味かったぜ。また食べにくる」

レンが帰ってからノアと小松の視線は梔子に向けられる。彼の右腕に視線が集まった。それが

気になった梔子はまた笑みを浮かべた。

「なんて顔してるんだよ。これは俺が弱いから斬り落としたってだけさ。さてと、俺も

帰るよ」

梔子もまた席を立った。