二次創作小説(紙ほか)

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.16 )
日時: 2020/07/09 17:00
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


大魔闘演武打ち上げパーティー。

ルーチェも回復し参加していた。

「もう大丈夫なの?ルーチェ」

ルーシィは彼女に声を掛けた。彼女は頷いた。淡い青色のドレスを着こんだルーチェは

慣れない足取りで会場を歩き回っていた。

「もう大丈夫なのか?お前」

声を掛けてきたのはオレガノだった。

「うん、この通り」

王城の中はユキノの取り合いで騒ぎ声ばかり聞こえた。それから数日後、また今まで通りの

日々が戻ってくる。

しかしそれもすぐに騒がしくなる。

「ケモケモ…か。不思議だけどなんか可愛い」

ルーチェはフワフワとした生物に触れた。

「ねぇ、レオンは何か知らない?」

ルーシィはレオンに問いかけた。

「分からないな。新種かもしれないし、本来この辺りにはいない生物かも知れないし…というか

大きくなってる気がするんだが」

確かにケモケモは大きくなっていた。日光下での成長、例えるなら植物の光合成。

いやいや、ルーチェは自身で否定した。ルーチェと似たようなことを考えたのかレオンは

明るい光をケモケモに少し当てた。ナツの腕の中にいるケモケモが少し大きくなった。

「光を浴びて成長する生物か」

「生物って事にしていいのか分からないけど。そうだなぁ…聖十のジュラ辺りを当たったら

どうだ?俺よりも彼に聞いた方が色々知っているかもしれない」

レオンにそう言われ全員で蛇姫の鱗にやってきて事情を説明する。

ジュラの持ってきた石板、ルーチェとルーシィは二人で覗き込んだ。

「ルーチェ、読めそう?」

「私はちょっと難しいかも…絵があれば良かったんだけど…」

良いヒントは手に入れられず次に彼らが訪れた場所は剣咬の虎。彼らの展望台からあるものが

見えた。見覚えのない島、それは突然数日前に現れたのだという。

「ナツ、ケモケモを見つけたのは何時?」

「確か…数日前…あ!」

ルーチェは頷いた。

「あの島とケモケモは何か関係がある」

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.17 )
日時: 2020/07/09 17:12
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


剣咬の虎、妖精の尻尾は評議院に頼まれて島の調査に来た。

海から現れた島には木々が生い茂っている。

「あれ!」

ルーチェが指差した方向には建物とそれを取り巻く蛇のような怪物シーサーペントがいた。

ナツとルーシィが中に飛び込んでいく。残りでシーサーペントを抑える。

異変は外にも知らされている。

ドランバルトが弱っているウェンディを回収。辺りに充満した紫の煙は毒だ。

「ルーチェ、お前…!」

「そのカード!」

エルザとグレイが呟いた。

「この場所でしか使えないようになってる。もしかするとこれは…ケモケモの力を反映してるの

かも」

カードを使うとルーチェの体を緑色の光が包む。巫女服を纏ったルーチェの手には鈴が

握られていた。ルーチェの舞と鈴の音色が辺りに響き煙が薄まったように感じる。

「少しだけだが動きやすくなったな」

「あぁ、そうだな」

大きな地響きで足元が揺れる。舞を踊っていたルーチェも地面に伏せる。カードが粉々に

砕けた。デイダラボッチのような大きな植物。それはケモケモの正体。ケモケモはこの島に

住まう生き物。この島の守り神のような存在だろう。

「ナツ、帰ろう」

別れに涙するナツにルーチェは言った。