二次創作小説(紙ほか)

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.38 )
日時: 2020/08/02 12:26
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

ルーチェの腰にあるベルト。

そこには装飾品等は今までなかったが今はカードケースが入っている。ルーチェがある呪文を

唱えれば自動的にそのカードが現れるようになっている。肩にかかっていた髪は綺麗さっぱり

切られていた。

「久し振り、ルーチェ、サルビア」

ルーシィとナツはグレイを探すために剣咬の虎を訪れていた。

彼らは少しの間、この場にいてすぐに黒魔術教団の拠点へとルーシィ、ナツ、ハッピーは

乗り越えていった。

「行かなくていいのか、ルーチェ」

ミネルバは彼女に声を掛けた。

「うん、遅れて登場ってのもいいかなぁって」

数十分もしてルーチェとサルビアがギルドを出ていく。


「乗ってくぞ、ルーチェ!」

サルビアが作り出した炎の龍は天高く昇りナツたちの元へ直行する。

そこでは既に戦いは起こっていた。

ルーチェは地面に着地し進化した魔法を見せつける。

「勝利への道を開け!共鳴ミロワール・サラマンダーフィスト!」

前までは両手のグローブだけだったが真っ赤なチャイナドレスを纏った姿だ。

武器を持っている信者たちがルーチェに目を付けた。

「ルーチェ!」

「大丈夫!任せてよ!!」

片脚を前に出し掌を突き出す。

「火竜掌波!!」

炎の渦が辺りの敵を一掃する。

ルーチェは自信満々の笑みを浮かべる。後ろから飛びかかる敵とルーチェの後ろには炎の

壁が立ち塞がった。

「ファイアメイク・ウォール」

サルビアが指を鳴らすと炎の壁は敵の真上へ倒れた。

大きな闘神をナツが倒し、ガジルたち魔法評議会によって黒魔術教団は全員確保された。

「レビィ、レオンさんは?」

「それが…途中で連絡が来なくなっちゃって。でも大丈夫、お兄ちゃんは強いから」

レビィの言葉にルーチェは頷いた。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.39 )
日時: 2020/08/03 22:19
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

妖精の尻尾、全員が集合しアルバレス帝国へ行ったまま戻ってこないマカロフ・ドレアーを

救出するべくエルザ、ドランバルトもといメスト、ナツ、ルーシィ、グレイ、ウェンディ、

ルーチェの少数精鋭でアルバレス帝国へ向かう。

一方、レビィは評議員の元を訪れてアルバレス帝国の詳細を調べに行った。

「聖十大魔道序列一位、ゴッドセレナが…アルバレス帝国側に…!?」

イシュガル四天王が一人、ハイベリオンは頷いた。今、一位の席は空いている。

彼はレビィにある事を言った。

「お前さんの兄、レオン・マクガーデンに伝えてほしいことがある」

「な、何ですか?」

「新たな四天王としてレオン・マクガーデンを全員が選んだ。同時に彼を聖十大魔道序列

一位とする」


同時刻、アルバレス帝国にたどり着いた一同は化猫の宿を名乗って侵入する。エルザと

ルーシィのおかげで審査を潜り抜け安心したのも束の間。

目の前で困っている人間を助けずにはいられなかった。小さな子どもに向けて剣を抜く兵士たちに

全員が殴り掛かった。

「馬鹿!こんなところで…!!」

「メスト、お前が行け!!ここは私たちに任せろ!」

エルザの力強い声に押されメストは先に進む。

全員が予想していたことだ。きっと何か問題が起こるだろうと。

そして状況は更に悪化する。空間魔法のスペシャリスト、マリン・ホーロウ。

彼の魔法で空間系の魔法、換装と星霊魔法は使えない。

「ルーシィとエルザさんが!!?」

全員が動揺する。そこでルーチェの発想力が真価を発揮した。

「私の魔法なら空間魔法の影響は受けない。共鳴・シルフィードギフト」

元のショートブーツは変わらないが羽根を模した髪飾りを付けた姿に変わる。ルーチェが

手を振るうと風が吹き荒れた。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.40 )
日時: 2020/08/03 22:39
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

途中で介入してきたのはブランディッシュ・μ。

スプリガン12の一人だ。彼女の魔力は桁違い、島を小さくしてしまい戦闘は出来ない。

一先ず島民の安全を確保することを優先した。

「メスト、これを」

「な、何だ?人形…?」

ウェンディの姿をした人形。

「カトレアさんの人形だよ。ウェンディ人形、彼女が使える技は一通り使える。傷が癒えると

思う」

ウェンディ人形が動き出した。その小さな手がメストに触れると彼の傷をある程度癒してくれた。

場所を移動し海底の家の中に来た。そこには協力者として元・六魔将軍のエンジェルがいた。

彼女たちは全員魔女の罪に入っていた。


一方、アルバレス帝国に来ていたマカロフに付き添っていたのはレオンだった。

強力な魔力を隠しマカロフに付き添いこの国を訪れていた。

「どうやら帰って来たようだ」

アルバレス帝国大臣ヤジールは窓の外にいる男を見てそう言った。この国でのゼレフは

皇帝スプリガンである。

彼と会うことがマカロフの目的だ。彼の元でマカロフとレオンは片膝をつく。

「君は、凄い魔導士だ」

レオンが顔を上げた。その顔を覆う包帯を皇帝はスルリと取った。

「フィオーレ王国にいるのは勿体無いな」

「御冗談を。私はフィオーレ王国の魔導士、それに俺には守らねばならないものがある」

屋上、そこでレオンはそう言い放った。ゼレフはマカロフに攻撃を仕掛ける。

しかしそれを阻む者がいた。レオンはその男とアイコンタクトを取る。

「皇帝スプリガン、悪いね。お迎えが来たから、帰らせてもらうよ。次は敵同士だな」

レオンは光の粒子となって消えた。今まで存在したレオンは途中までは確かに本人だったが

途中から光の屈折による幻と入れ替わっていた。ゼレフでさえ欺いて見せたのだ。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.41 )
日時: 2020/08/04 09:37
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

マカロフを連れ逃走を図る妖精の尻尾。

その行く手を阻むスプリガン12砂漠王アジィールから逃走する。

「砂を操ってる」

「いかん!下から来る」

馬車は地面に沈んでいく。どうにか顔は上に向けて呼吸は出来ている。

「勝利への道を開け!共鳴・アラビアンテール」

赤色のアラビアンドレスを身に纏う。すると砂は動きを止めて地面も元通りになる。

「な、何!?」

砂地獄を突破され更にナツからパンチを喰らう。

「図に乗るなよ!!」

ルーチェたちを次に襲ったのは蟻地獄、そして砂の波。そこから家族を必死に守ろうと

マカロフが体を張る。死んでも家族だけは、その思いが強いのだ。その思いが仲間たちを

呼んだ。突然の落雷で砂は飛散する。

「老いたなジジイ」

「ラクサス!?」

彼だけでなくガジルたちも来ていた。ルーチェたちがマカロフ救出に向かったときに

別働隊として行動を始めていた。

メストの瞬間移動で船に乗り込み、撤退する。因みにこの船は滅竜魔導士も乗り物酔いを

しないように作られているようだ。これを準備したのは青い天馬。

「あ、お兄ちゃん!!」

レビィがいち早く彼が到着したことに気付いた。レビィの兄レオンは彼女を抱きしめた。

「もう心配したんだよ!!」

「ごめんなレビィ。俺も連絡は取りたかったんだけど…面目ない」

「そうだ!お兄ちゃんに嬉しい知らせがあるの。今、空席になったイシュガルの四天王序列

一位にお兄ちゃんを認めたって!」

全員が目を見開いた。それは大きな出来事だ。イシュガル最強の魔導士の称号を与えられたの

だから。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.42 )
日時: 2020/08/04 11:07
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

ギルドに帰りマスターは再びマカロフに。

そしてギルドの魔導士全員にレオンが聖十大魔道序列一位になったことが報告された。

「それってイシュガル最強の魔導士になったってことよね!?凄いじゃない!!!」

「二つの意味での宴、ですね!!」

嬉しい事だけではない、これから気合を入れなければならない。アルバレス帝国の皇帝である

ゼレフと初代マスターのメイビスとの因縁があることも知る。彼らとの戦いは妖精の尻尾にとって

負けられない戦いだ。メイビスの罪の意識は暖かい仲間たちの声掛けで少しずつ癒えていく。


決戦を控える彼らは夜を過ごす。

しかしそれは嵐の夜だった。全方位からアルバレス軍が接近、完全に浮足立っている。

上空の船を打ち落とすナツ、ガジル、ウェンディ。そして船の上ではアジィールとエルザの

戦いが起こっていた。

「ルーチェ」

「カトレアさん!」

砂嵐の中、ゴーグルをつけたカトレアはルーチェに声を掛けて来た。

「カルディア大聖堂には誰がいる?」

「確か魔障壁を作っているフリードと、ビックスローとエバーグリーンが…ッ!!三人が

危ない!!」

カトレアは頷く。といっても距離が離れている。カトレアは三体の人形を召喚し飛ばした。

その先にはカルディア大聖堂がある。

「まさか、カトレア人形?」

人形たちからフリードへ魔力が供給される。離れたカトレアの眼にはフリードたちの様子がはっきり

見える。人形を通して会話も可能だ。

『フリード、聞こえるか。ナツたちは西の方を殲滅した。術式を解け!』

それを聞きフリードはその通りに動く。人形たちも別の人形と入れ替わる。

『念のために圧縮させてもらうぞ機械族』

破壊された人形の頭部を人形たちが囲う。

—「圧迫人形劇・ゴリアテ部隊」

爆破と同時に大聖堂が崩壊する。完全に封じることは出来なかったが被害は最小限に

抑えきることが出来た。

夜は明ける。


Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.43 )
日時: 2020/08/04 12:45
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

翌日、多くのギルドがアルバレス帝国を迎え撃つために動いた。

その中でも最も戦力が高いのは東。互いの最高戦力は東の方角でぶつかる。

「聖十大魔道が五人も!!?」

妖精の尻尾も他の勢力に加勢に向かう。その中でただ一人、ゼレフ本人がいるであろう

西の方角へ向かっていた。全員がナツに賭けた。

「カトレア、手を貸して頂きありがとうございます。貴方のおかげでフリードたちの怪我も

最小限に抑えることが出来た」

メイビスはそう言った。人形を通して。

「いや、俺には大したことは出来ない。それに正念場はここからだろう。何があって、誰が

倒れても可笑しくない」

カトレアは冷静に言った。


やがて日が暮れそれぞれの勢力も追い込まれつつあった。

東側ではただ一人が立ち上がった。

「何だよ、立ったのは一人だけかよ。それも新参者」

「新参者に一位を名乗られるのは不服か?ゴッドセレナ」

レオンは口元の血を拭う。8つの属性の滅竜魔法を扱う竜の神に愛された男の前に立ち塞がるのは。

ウォーレンはその男を見て涙する。

「イシュガルの四天王が一人、そして妖精王レオン・マクガーデン。ギルドへの危険は

しっかり払わないといけねえな」

「この若造…」

オーガストはレオンの強さを見極めた。彼を見てオーガストは驚きを隠せなかった。ゼレフに

迫る魔力量。いざ、そう動こうとしたときに何者かが現れた。その男はアクノロギア。

ゴッドセレナを殺し、何処かへ姿を消してしまった。


分散した妖精の尻尾。ルーチェは北へと仲間たちと共に向かっていた。

ウェンディたちは西へ向かう。そこでは蛇姫の鱗と人魚の踵の連合軍が戦いに挑んでいた。

ディマリアの強さにシェリアは圧倒されていた。彼女に服を着せ前に出た男はオレガノだった。

「氷竜の、咆哮ォォォォ!!!」

辺りの空気が凍り付く。オレガノは笑みを浮かべた。

「カグラの服を裂き、シェリアの服を裂き…で?次は誰の服を裂いてくれるんだ?あ、もしかして

そういうのが趣味な感じか?」

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.44 )
日時: 2020/08/04 13:43
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

オレガノの服が裂けた。ディマリアの剣は動かない。

「俺は氷の滅竜魔導士。そしてこっちは」

ディマリアを蹴り飛ばしたのはウェンディだった。

「助けに来たよ、シェリア!」

「ウェンディ!!」

「天空の滅竜魔導士と滅神魔導士だ」

彼らの元に助けに入ったのはウルティア。ここに妖精の尻尾以外にウルティア、メルディ、

ジェラールが助っ人としてやってきていた。

ウルティアの秘術により第三魔法源を解放されれば魔法が使えなくなるという。

「ウェンディと俺にはやらねばならないことがある」

言い合っている二人にオレガノは割って入った。屈み込み、二人に言い聞かせるように。

「ウェンディ、滅竜魔法は竜を倒す魔法だ。俺たちにはまだ倒さねばならない竜がいる。

その時までに魔法を失ったら、お前の魔法はこれから必要になる」

「でも…でも!シェリアが!!」

オレガノは二人を抱きしめた。

「あの女はゴッドソウルを扱う。今までアイツの剣に反応できなかったのは時を止めていたから

特別早いわけじゃない。そして唯一、悪神を殺せる魔法を持っているのはシェリアだけだ」

オレガノは歯を食いしばる。

「お前が秘術を受けろシェリア」

「分かった」

引き留めようとするウェンディをオレガノは必死で止める。

「恨むなら俺を恨め、ウェンディ」

オレガノは腰を上げてウェンディを連れて距離を取る。

「殴りたいなら殴ればいい。俺はそれを恨まない」

「そんなこと…できません…!だって貴方は、シェリアの友達だから!!」

魔法が解け時間は動き出す。まだ兵士は戦いを挑んでくる。オレガノがついに動き出す。

「氷竜の鉤爪!!」

荒々しくも大気は逆に真冬のように冷たい。

「ウェンディ」

「シェリア…ごめんね…!!」

「何謝ってるの?私たちは休もうよ、大丈夫!オレガノは凄く強いから。私たちを襲ってくる

奴らなんていないよ」

ウェンディとシェリアは抱き合った。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.45 )
日時: 2020/08/04 14:39
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

ハルジオンでエルザたちと共に交戦するサルビア。

遠くで笑みを浮かべるナインハルトは動揺する。

「(嘘だ…何故、後一体出てこない!?)」

エルザからの伝達でサルビアはようやく状況を把握した。

「あー俺、敵の名前とか全然覚えて無かったわ。仲間の名前とかは分かってるけど」

身動きが取れないラクサスに付き添うサルビアは呟いた。

怪我人ならば簡単に倒せる、そう思い込んでいるアルバレス兵に向けて魔法を使う。

「ファイアメイク・フラワーガーデン」

炎の花が弾丸のように放たれて敵を一蹴する。

「ファイアメイク・コクーン

ドーム状に炎は二人を覆った。

「これで暫く敵は近づけないだろう。で、大丈夫かラクサス」

「あぁ…」

魔障粒子は未だ体の中に残っている。さっきの戦いで結構な体力を消耗してしまったようだ。

「今は休もうぜ。俺は特に何もしてないけどスプリガン12が倒されれば兵士たちも

テキトーに逃げていくだろうし」

サルビアは何かを感じ取り臨戦態勢を取った。屍のヒストリアで現れた記憶の中のハデス。

「随分と精巧に作られた幻だな。だけど侮るなよ!ファイアメイク・ソードダンス!」

ハデスを襲う100、や1000では数えられないほどの炎の剣。それらがハデスを串刺しにした。

ウェンディの記憶から現れた悪魔に応戦するのはオレガノだ。

「不味いな…こいつらを操っている親玉が早く倒されてくれねえと…」

オレガノの周囲は寒い。ウェンディとシェリア、シャルルはくっついている。

「ドラゴンフォースを使う。三人とも早く離れろ!」

三人が離れたのを確認しドラゴンフォースを発動する。髪は逆立ち淡い水色に変わった。

爪は鋭く伸び、吐く息は真っ白だ。辺りが凍りつく。

「氷竜の翼撃!!」

顔を掴み地面に叩きつけた。相手は大きいがオレガノにとっては重くも何ともない。

相手を氷漬けにし粉々に砕いた。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.46 )
日時: 2020/08/04 15:36
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

エルザ達がハルジオンを奪還した頃、剣咬の虎と青い天馬を助け出し妖精の尻尾は

動き出していた。

「じゃあルーチェ、そいつらの事は任せたぜ」

「うん!治療の方は任せて」

共鳴・エンジェルナース、それは治癒魔法に特化したものだ。ナース服を模したドレスに

身を包んだルーチェは怪我を負ったスティングたちの傷を癒していく。

「すまねぇ…こんなことになって…」

「強いのは百も承知、それに元々はこっちの戦いだから私たちは礼を言わなくちゃ」

魔法を解きルーチェはあるものを見せた。

「全ては大切なもののために…共鳴・ホワイトナイト!」

白い騎士風の正装を纏いその手には剣咬の虎の紋章が刻まれた大旗だ握られていた。

「さぁ、喰らいつくしてやりましょう!!!!」

ルーチェがそう叫び全員が声を上げた。

「ルーチェ様の新しい魔法ですか?」

「うん、こっちは二つのモードがある」

ユキノがハッと何かに気が付いた。ルーチェは頷き剣を振り下ろす。白刃が敵を薙ぎ払う。

「ホーリーソード!!そして、モードチェンジ!」

黒い影がルーチェを覆った。今度は黒を基調とした和服に日本刀を持った姿。

「モード:ブラックナイト!」

刀を鞘に納め抜刀術を使う。

「影刀・一閃」

かなりの数の兵士を圧倒したルーチェ。


オーガストと交渉をしていたナツたち。ブランディッシュを操ったメスト、そしてオーガストの

怒りを買ってしまう。

「ルーシィ!!」

オーガストの魔法に全員が圧倒される。

「天海星・ベガ!」

炎の柱の中に青い水の球体が見えた。炎の熱ですら蒸発しきれない。それ以前にオーガストの

魔法に対抗している。

「あまり敵を刺激するな。そう言おうと思っていたが遅かったか」

「レオン…!!」

腕や脚に包帯を巻いた状態のレオンは笑みを浮かべた。彼がナツたちを救出した直後、

スプリガン12アイリーン・ベルセリオンのユニバースワンが発動する。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.47 )
日時: 2020/08/04 17:44
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

ユニバースワンで散り散りになった妖精の尻尾たち。

それぞれが夜を乗り越える。

「…地形が変わってる…」

ルーチェは辺りを見回して呟いた。

「マジかよ。こんなんで妖精の尻尾のギルドの位置なんて…」

スティングは途中で口を閉じた。ルーチェは眼を開いたり細めたりしながら注意深く

見回し笑みを浮かべた。

「大丈夫、ギルドへの道はあるから」

スティングとローグ、そしてルーチェ。三人も他の皆と同様に先を目指す。


夜が明け、ナツたちを中心に仲間たちが集結する。勿論、ルーチェも彼らと合流した。

ナインハルトの魔法で現れたゴッドセレナに苦戦を強いられる一同を助けたのは満を持して

参戦したギルダーツ。そして…!

「もう時代遅れだぜ、元・序列1位」

「レオンさんだ!!!」

彼らも参戦し、仲間たちは真っ直ぐ突き進んでいく。


その時、ギルド内ではアイリーンとメイビスがいた。

「アイリーン。僕はメイビスと話がしたい。席を外してくれるかい?」

「陛下!」

彼女は外に出ようとする。瞬間、もう一人のゼレフが現れる。

「そいつは僕じゃない!」

偽物の正体は人形、メイビスに関しては幻だ。片方は恐らくレオンだろう。もう片方は彼らも

把握しきっていない。

メイビスはメストとカトレアに助け出された。

「カトレアまで…私が、視えているのですか?」

「俺自身は見えていない。だが妖精の尻尾のメンバーを模した人形を通しては姿が認識できる。

俺の目と人形たちの眼は、いや正確には人形のラクリマを通して俺には見えている」

メイビスはキョロキョロする。

「レオンは…」

「アイツはもうイシュタル最強の魔導士だ。心配は、要らないだろう」

メストの言葉にメイビスは微笑を浮かべて頷いた。

ディマリアを倒し、ENDとして覚醒したナツをルーシィは探す。ナツはグレイと対峙する。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.48 )
日時: 2020/08/04 18:46
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

四方を囲まれ追い込まれていく妖精の尻尾。

マカロフは自身の命を捨ててギルドメンバーを助けるべく妖精の法律フェアリーロウ

使用した。

「やめろ!!!マスターァァァァァァ!!!!!」

レオンの手が届く前に発動してしまう。大半の兵士を倒すことが出来た、しかし代償は

とても大きかった。

「レオン…貴方に課した課題、しっかりやってくれましたか…?」

メイビスは心の整理がついてはいない。だがレオンにそう声を掛けた。レオンは小さく頷いた。

「残りの兵士を…一掃してください。マカロフの、ためにも…」

レオンは中心に立ち、魔法を使う。メイビスはレオンの天才的な力を見込んで魔法の開発を

頼んだ。それは彼の底なしともいえる魔力もあってこそ出来ることだ。

「悪を滅し、善を救え!真・絶対審判魔法!!」

その声を聴き遠くで見守るゼレフは眼を見開いた。

「エトワール・ロウ!!!」

絶対審判魔法を彼なりに理解し作り上げた技。それがこれだ。更に兵士が減った。

レオンとエルザは目を合わせ頷く。


今、まさにグレイとナツがぶつかり合っていた。

そしてそこに割り込んだのはエルザだった。

「何をしているんだ、お前たちは」

エルザの眼から涙が零れた。

彼らは和解し、グレイが気にしていたジュビアの安否も分かった。途中で駆け付けたウェンディは

ある人物に気付いた。自分と同じ藍色の髪、左肩にアルバレス帝国の紋章を刻んだ青年。

「嘘…ウェンディ、そっくり!」

ウェンディは言葉を失った。

「お兄、ちゃん…!?」

アイリッシュ・マーベル、ウェンディの実兄であり天空の滅悪魔導士。

「俺は、ウェンディとは敵対する…」

「どうして!?あっ…」

アイリッシュに触れた瞬間、空気になって消えてしまい聞き返すことは出来なかった。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.49 )
日時: 2020/08/04 20:54
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

ラーケイドの元にたどり着いたスティングとルーチェ。

ルーチェは目を丸くした。藍色の髪の青年は体格こそ違うがウェンディに似ていた。

彼はアイリッシュ・マーベルと名乗った。

「ウェンディにもお兄さんが…!?」

「ルーチェ様、スティング様、気を付けてください!」

ユキノの声にルーチェは頷く。ラーケイドは人間の欲を操る。全員に向け空腹感を与える

悪食の魂という魔法を使う。

「…ッ!?」

「苦の道を越え、誘惑を耐え頑強な魂となれ!共鳴・サティヤ・ユガ」

僧侶のような姿に変わり手には錫杖が握られた。その中で欲を刺激する魔法は効かない。

錫杖は地面を軽く叩き音を奏でた。瞬間、スティングたちは正気に戻る。

「馬鹿な!?何故、欲に反応しない…!」

「さっきの呪文、聞いていなかったの?僧侶の修行は厳しい。食事の時に音を立ててはいけない、

不殺生戒、不偸盗戒、不邪淫戒、不毛誤戒、不穏酒戒、それらを破ってはいけないとかね」

生物を殺さない、ものを盗まない、性行為をしない、嘘を吐いてはいけない、酒類を飲んでは

いけないという意味だ。それらの多くはラーケイドが操る欲に当てはまる。

「してやられたな。ラーケイド」

「黙っていろアイリッシュ!レスト・イン・ピース!!」

流石のルーチェも少し揺らぐ。しかし彼女の精神力はずば抜けていた。

「負けてられない、けど…スティング。フィニッシュは任せたよ」

ルーチェは錫杖を力強く地面に叩きつけた。スティングは頷き影の中から攻撃を仕掛けた。

「白影竜の絁!!!」

ラーケイドを撃破、しかし安堵している暇は無い。

「次は私が活躍する番だよ。みんなは休んでて」

ルーチェはサティヤ・ユガを解き、ホワイトナイトのカードを使う。白銀の剣をルーチェは

水平に構えた。

「戦う前に約束してほしいことがある」

「いいけど…」

「私が勝ったらウェンディに会って欲しい。きっとウェンディは兄であるアイリッシュの事を

気にしていたはずだから」

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.50 )
日時: 2020/08/04 21:49
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

白刃と青い風を纏った拳がぶつかる。

「天空魔の激昂!!」

滅竜魔導士が使うブレス系の魔法と似ている。

「ホワイトエクレール」

剣を水平に滑らせて風を断ち切る。アイリッシュは風を操る。放たれた風は竜巻となり

ルーチェは剣を地面に突き刺し、それにしがみつく。風の勢いはどんどん増していき手に

力が入らなくなっていく。ルーチェの体が竜巻に呑み込まれる。そこから彼女を救ったのは

ミネルバだった。ルーチェとアイリッシュの位置を入れ替えた。

「モードチェンジ、モード:ブラックナイト!」

女剣士は黒い刀の柄に手を掛けすれ違いざまに抜刀術をして見せた。

「風は何処にでも吹く。俺には風が見える」

掠り傷が幾つも現れた。

「まさか…付加術!?」

風に斬撃を付加させたようだ。動揺し一瞬の隙を見せてしまったルーチェに容赦なく

アイリッシュは攻撃を叩き込む。

「共鳴・疾風迅雷!」

黒色にそれぞれ黄色と緑色のラインが入ったロングブーツを纏った姿。風を纏い雷も

纏い速度で勝負に出た。

「雷神脚!」

「天空魔の崩拳」

風を纏い威力を増した拳と雷の脚がぶつかる。スッとアイリッシュは拳を引きルーチェの体勢が

崩れ彼女にボディーブローを放ち地面に叩き込んだ。

ルーチェの体が地面をはねて転がる。それでも彼女は立ち上がった。

「共鳴・サラマンダーフィスト!」

赤いチャイナドレスを纏いルーチェは自分から距離を詰め彼の鳩尾に手を当てる。

「火竜掌波ぁ!!」

魔力の衝撃波と炎を同時に放つ。筋力で劣っていてもそれをカバーできる技だ。足を引きずり

アイリッシュは口元を拭う。彼は上を見上げて目を丸くする。

「共鳴・ライトニングランサー」

「おっと避けさせねえぞ!」

アイリッシュの体に聖痕が刻まれ動きが封じられる。雷の槍がアイリッシュを襲った。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.51 )
日時: 2020/08/05 09:27
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

倒れたアイリッシュの手から何かが滑り落ちた。

それはペンダント、大事に入れられているのは妹と撮った写真だろうか。

「…完敗だ。約束は必ず守る」

アイリッシュは体を起こし歩き出そうとする。

「ちょっと待て、そんな体で会ったらウェンディだって傷つくぞ」

スティングは彼を引き留めた。

「何故ウェンディとは敵対しているの?」

「滅悪魔導士は心を奪われ正常な思考ではいられなくなる。グレイという男には支えがあるから

正常な心を保っているのだろう。俺にはそれが無い、だから恐れた…ウェンディを手に

掛けるのは…」

「ウェンディが本当は心の支えなんじゃないかな?だって、ウェンディに話しかけたとき

久しぶりに会って凄く嬉しそうに見えたから」

ルーチェの言葉で本心に気が付いた。

「戦いが一段落したら必ずウェンディに会ってあげて!」

彼女の言葉にアイリッシュは頷いた。アイリーンがエルザとウェンディによって倒され

ユニバースワンの効果が切れた。

元のイシュタルに戻ったのだ。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.52 )
日時: 2020/08/05 10:45
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

スプリガン12アイリーンに並び最強と言われる魔導王オーガストの前に立ちはだかるのは

ギルダーツとレオン。オーガストは特にレオンに興味を持っていた。

「妖精の尻尾にいさせるには惜しい人材だなレオン・マクガーデン。今からでも遅くはない、

こちら側につくと言え」

オーガストは交渉に出た。レオンは溜息を吐き苦笑する。

「俺はここにいる。俺は聖十大魔道序列一位だからな…というのは建前だが、妹の居場所を、

仲間の居場所を守る。俺の目的はそれだけだ」


アイリッシュは人形師カトレアの人形に案内されてウェンディと再会する。

「ウェンディ…」

「お兄ちゃん、私…あの…え?」

ウェンディを抱きしめたのはアイリッシュだった。

「こんな兄で…すまなかったウェンディ!!」

泣いていたのはアイリッシュだった。それにつられてウェンディも泣いてしまった。

エルザは二人を暖かく見守っていた。しかしそれを遮る者がいた。

その男は倒れ、息を引き取ったアイリーンを踏み潰す。


オーガスト相手に防戦を強いられるカナ、ギルダーツ、レオン。

「天動星・ウェズン!」

重力を操るレオンの魔法。オーガストを少しだけでも動きを止めようとレオンは考えていた。

「何故、ゼレフの子は愛されなかったって?簡単だ。それは父親の失態だ。ゼレフが父なら、

初代…メイビスが母、メイビスの死が混ざり合い父親は息子のことが見えなくなった。前を

見ろよ!この二人が見せる物が本当の親子愛だ!!目に焼き付けろォォォォォ!!!!」

オーガストの前に立つレオンとギルダーツの位置が入れ替わる。娘のために体を張って

前線に立ち、自らの命をも投げ捨てることが出来る。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.53 )
日時: 2020/08/05 11:25
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

ギルダーツの反撃を喰らいながらも立ち上がったオーガスト。

生まれながらに強大な魔力を持つ彼と同じような人物はいる。

「俺と一緒だな。俺も生まれつき大量の魔力を持っていた。だから闇ギルドの被検体として

長い時を過ごした…俺はこの力をアンタとは違う、アンタの母と彼女が好きなこの国と

仲間のために使う!!!」

レオンは魔法を使う。

「消させはしない!天包星・アダーラ!!」

範囲はオーガストの魔法と同じ範囲、彼の魔法の力を調和する魔法だ。範囲も大きく相手の

魔力も高い。持久戦だ。

「勝てるわけが、こんな若造が!!」

「俺は妖精王レオン・マクガーデンだ。仲間を守るのは俺の責務だ!!」

競り合い。オーガストはメイビスを見つけ魔法を解除した。同時にレオンも魔法を解き倒れた。

「大丈夫か、レオン!」「オイ!しっかりしろ!!」

「大丈夫だ…体は動く…」


メイビスからの念話でルーチェはカトレアやサルビアに導かれギルドへ向かっていた頃、

フェアリーヒルズ付近ではアクノロギアとエルザ達が対峙していた。

アクノロギアの攻撃から彼女たちを守ったのはジェラールだった。彼の攻撃もアクノロギアには

効かない。

「…ウェンディ、動くな」

「でも私が…!!」

「動くな!まだ…まだ戦うな」

アイリッシュの声に驚きウェンディは口を閉じた。竜へと姿を変えたアクノロギアから

青い天馬のクリスティーナに四人は乗り込んだ。

船の中で出会ったルーシィの先祖アンナ・ハートフィリアは自身の事を含め様々なことを

説明した。

「一つ、知っていたら教えて欲しいことがある。ルーチェ・クランベル、彼女の事を知っているか」

アイリッシュの言葉にアンナは首を横に振る。

「私には分からない。でも彼なら知っているはずだわ」

もう一人、今度は男が現れた。その男は確かにルーチェに似た人物だった。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.54 )
日時: 2020/08/05 12:08
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

白銀の髪を持つ男。細くも高身長、ルーチェも彼同様に背が高い。

「彼はルフレ・クランベル、私同様に400年前から来た。そのルーチェという子の先祖よ」

彼はエクリプスを通してここに来たわけではない。

ルーチェが生まれたときに時間に干渉し、自力でやってきたのだ。

「付加術に近い魔法…俺の子孫ルーチェは最も俺に近い性質の魔力を持っていた。だから

彼女と共に俺はこの時代に飛んできたんだ。簡単に言えばルーチェをエクリプスの扉として

考えてくれ」

同時にルフレは時の流れに影響を与えない存在に自身を変えていた。

アンナはルフレと偶然出会い、同じ時代の人間だと知った。

アクノロギアに対抗するためにお互いに力を貸す約束をしていた。

「クランベル家は…竜と深い関わりがある。昔、竜と共に生活していた人間の少年がいた。

親もいなかったが独学で様々なことを学んだ博識の子。彼が出会ったのは竜だった」

その少年こそがルフレだ。

「竜たちは少年を親友と呼んでくれた。彼らとある約束を交わした、ずっと親友でいるという

約束をね。彼らとの仲で編み出した魔法、それが共鳴。だけど大きな力を纏うことが

この魔法だ。その時の俺にはまだまだ使いこなせていなかった。その魔法は400年後、俺の子孫が

完成させてくれた」

「ルーチェさんが言っていました。この魔法は魔力を纏うんだって、だからナツさんの力を

模したりして魔法を使っていた!」

ウェンディの言葉に頷いた。

「俺にはなくて彼女にはあるもの。それは仲間だよ、異種族ではない。同じ種族の仲間」

アクノロギアは時の狭間を通り抜けて来た。

アンナが狭間をこじ開ける時間をジェラールが稼ぐと言った。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.55 )
日時: 2020/08/05 13:55
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

ナツとゼレフの決着がついたときにルーチェはそこに立ち会った。

ゼレフとメイビスの死に立ち会った。

淡い光に辺りは包まれた。

「…このカードは」

二人の愛の形、それがルーチェの魔法として渡された。

「君は…そうか…ルフレの子孫だったのか」

「え?」

ルフレ・クランベル、その男はゼレフとメイビス、二人の恋を応援してくれていた彼らの

友達。その子孫であるルーチェに二人は懐かしさを覚えた。


終わって数分もした頃、アクノロギアが暴れ始めた。

「オレガノ…オレガノ!!」

シェリアがオレガノに手を伸ばすも一瞬遅かった。

「キャンディ、シェリアを頼む!!」

「オレガノー!!!」


アクノロギアがマグノリアへ移動した後、アンナと一夜が戻ってきた。

いなくなったのは滅竜魔導士全員。その中にはルーチェもいた。

「なんでルーチェが!?」

「滅竜属性を持っているから。多くの滅竜魔導士に会い彼らの力を真似た。知らずのうちに

滅竜属性を入手しているかもしれない…アクノロギアに目を付けられていても可笑しくない」

ルフレはそう推測した。一同はマグノリアへ急いだ。そこには多くの魔導士たちが集結していた。

復活したマカロフと再会を喜んでいる暇は無い。

「それよりルーチェそっくりなアンタは誰だ?」

「ルフレ・クランベル、今は細かいことを問答している暇は無い。肉体と精神に分かれた。

ここにいるのは肉体だけだ。精神は時の間、恐らく滅竜魔導士と対峙している」


時の間、ナツの炎によって残り七人の滅竜魔導士が解放された。

「滅竜魔導士だけだと思わないで!」

奥からまっすぐ歩いてきてアクノロギアとナツたちと共に対峙したのはルーチェだった。

鋭くも優しい白銀の髪をしたルーチェの手には剣が握られていた。

「この感じ…初代に似てる!」

「初代マスターのメイビスとゼレフ、二人の力だよ」

「…何故滅竜魔導士以外の人間が…!!」

アクノロギアの疑問は尤もだった。

「竜の、いや今は滅竜魔導士たちの友達だからに決まってるでしょ!」

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.56 )
日時: 2020/08/05 14:14
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

「俺に一つ、考えがある」

レオンは手を挙げた。

「肉体を抑えることが出来れば向こうにいるナツたちのサポートが出来るはずだ」

「だからそれを考えてるんでしょ!?」

エンジェルはポカポカとレオンを叩いた。

「そうだ。だから妖精の球を使う」

レオンの言葉に多くの魔導士は驚いた。しかしそれに納得した魔導士も多い。

ある程度、魔力も回復し魔法も使える。

「だが…今回は今までとは桁が違う。だから妖精の尻尾だけでなく今、この辺りにいる

魔導士全員の魔力を使う。急いで全員を集合させろ!集合場所は妖精の尻尾のギルドだ!!」

レオンの指揮で全員が動き出した。


こちらもまた戦闘を始めていた。

しかしアクノロギアは中々手強い相手だ。

「ルーチェ、下がれ!!!」

ルーチェが気付いた時には目前にアクノロギアの蹴りが迫っていた。彼女を庇うように前に出たのは

スティングとローグだ。

「二人とも!!?」

「大丈夫だ!」

ルーチェは辺りを見回す。何か大きな魔力を感じる。その魔力は別の場所から漂ってくるもの

だった。

Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.57 )
日時: 2020/08/05 14:36
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

レオンの両サイドにルーシィとグレイが、そしてその他に多くの魔導士が集まってくれた。

「お兄ちゃん、無理しないでね?」

レビィはそう声を掛けた。レオンは頷き手を合わせる。丁度の場所にアクノロギアは

現れる。

「人間の力って奴を見せてやろうじゃないか!!妖精のフェアリースフィア!!!」

全員の魔力でアクノロギアを縛り付ける。この場に集まった魔導士だけの魔力ではない。

ここにはいない人間たちも手を上げ魔力を送る。想いから来る人間たちの魔力に

アクノロギアは苦しみだす。その効果は時の間にいるアクノロギアにも届いていた。

「なんだ…これはっ!!?」

「それこそが私たち魔導士の力だ!そしてこれが、悪竜を死滅させる一撃だ!!!」

ナツとルーチェの技が放たれる。

「大地を取り囲む全ての力、八竜剣・ヘブンズバルムンク!!!!」

火、天空、鉄、毒、氷、光、影、全ての属性を混ぜ合わせて出来たそれぞれの技が

アクノロギアにぶつかる。相手も抵抗していた。それに対抗するルーチェに寄り添う人物がいた。

剣を握り同じように構える男。

「お前は…ルフレ…!!!!」

アクノロギアが消滅し、レオンたちは妖精の球を解除した。

滅竜魔導士たちも戻ってきて本当に戦いは終結した。


ルーシィは小説家デビューを果たした。

「あれ?ルーチェ?その絵は…何?」

ルーシィに声を掛けられルーチェはキャンバスを見せた。黒髪の少年と金髪の少女、そして

数人の手が描かれていた。

「画家の作品展に応募したんだ。二作までだからって描いたらどっちも選ばれて」

その絵は会場にも飾られた。ルーシィたちに見せた絵の題名は『永遠の愛』

もう一枚は赤髪の娘と母、彼女たちを取り囲む竜が描かれていた。

題名は『竜の祝福』

「一枚目の方は初代とゼレフをモデルにしているのね。じゃあこっちは…もしかして…

エルザとアイリーン?」

「うん」

様々な憎しみや恨みが絡み合っていた。そんなことがもうなくなりますように、そして

全員が幸せになれればそれでいい。